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[CJ2007#50]独自ゲームエンジンを使ったMMORPG「Dragons Rage」
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印刷2007/07/18 18:44

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[CJ2007#50]独自ゲームエンジンを使ったMMORPG「Dragons Rage」

 北京豪峰数碼科技が出展していた「Dragons Rage」(強竜帝国)は,竜にまつわる中国の伝説をもとにしたMMORPGである。同社は,Zome Engineという独自のゲームエンジンを開発しており,そのエンジンを使ってゲームが作られている。

 北京豪峰数碼科技は,まだ新しい会社のようだが,Zome Engineの開発期間が1年半ということなので,開発速度は相当速いといってよいだろう。会社紹介によると平均年齢は24歳という若手中心の企業であるものの,コアメンバーは全員5年以上のゲーム開発経験を持ち,中国内で多くのMMORPG開発に関与しているという。その経歴中にはPerfect World鐡血三國志などの名前も挙がっている。まあ,中国では基本的に1作品に携わる開発者が多く,また開発者の転職が盛んなので新規参入メーカーでもかなり速いペースで作品を作ることができているようだ。新しいメーカーの会社情報をWebで調べようとしても,検索結果には求人情報が山のように出てくるので調べにくい国でもある。
 どうにか調べると,心理学的な健康訓練ソフトなども作っているという変わった会社だった。USB接続の謎の機器を使った対応ソフトを開発しているという。心理健康ゲーム「Heart Warrior」なども作成しているらしいことが分かった。
 そちらのほうもなかなか興味深いのだが,今回はDragons Rageのみが出展されていたので,こちらを軽く紹介しよう。

左:右下に謎のUSB機器。一見イアホンが出ているように見えるが,実は耳たぶを挟むクリップとなっている
右:心理健康ゲーム「Heart Warrior」の画面


 「Dragons Rage」は,中国の戦国時代を舞台にしたMMORPGである。戦国時代とは,殷や夏のさらに前の,王朝が成立していない時代のことだ。このゲームでは,南北の2陣営に分かれて戦うというのが大きな構図となっている。よって,種族は人間のみなのだが,職業は81種に及ぶという。一瞬耳を疑ったのだが,81種あるらしい。
 ストーリーとしては,中国に伝わるさまざまな竜の伝説を集めているらしく,ゲーム内には9種類のドラゴン(竜)が登場する。これらはNPCであったり,ボスキャラであったりと,直接・間接的にゲームに大きく関わってくる存在であるようだ。



 さて,肝心のZome Engineは,画面を見るとツールベースのかなり作り込まれたエンジンのように思われる。実際のゲーム画面を見る限り,まあ,空の描写が綺麗だったのがちょっと印象に残っているが,画面が格段に美しいとかいうこともなく,よくあるゲームと大きな違いはない。モデリングやモーションデザインは,まだまだ研究の余地がある。物理的な挙動については,比較的きちんと行われているようだ。多少すり抜ける部分はあるものの,おおむね登れるところには登れ,落ちるところからは落ちる。
 ちょっと変わっているのが,スキルの使用時にターゲットロックされないことである。スキルを選択したあとは,発動する場所をマウスで指定するようになっている。加えて,発動までに多少時間がかかり,モンスターのAIはそれを避けるようになっていたりする。これならば,PvP時に遠隔魔法などが有利になりすぎないため,動きの先読みをしたり,攻撃を避けたりといったプレイヤースキルを生かした対戦ができそうである。ただ,スキル操作自体が多少煩雑になる点は否めないのだが。
 正直,ゲームとしての完成度はまだ高くないのだが,ゲームを作るに当たりエンジンから開発するといった姿勢や基本的な技術力は評価したい。ゲームの状況は,実際のゲームプレイを中心としたプロモーションムービーを入手したので,そちらで確認してほしい。(aueki)

 →ダウンロードはこちらから (3分22秒:MPEG-1)
ファイルの詳細:zip形式 86.5 MB (90,758,745 バイト)

  • 関連タイトル:

    Dragons Rage

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