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[GC 2008#08]久々にメディアの前に登場した「The Sims 3」は開発順調の様子
それはともかく,2月の時点からは当然ながら,いくらかの変更/改良が施されているとのこと。デモはPleasant Valleyに住むシム人,アーニーの家からスタートした。アーニーの家には,なんだかよく分からないが寄付金集めのために政治家の知り合いが来ており,軽いパーティが催されている。だが,どうやらアーニーと政治家はあまりウマが合わないようで,どうもストーリーが進展しない。
シム語で話し合う二人の会話の内容がさっぱり分からない点や,彼らのリアクションなどは「The Sims 2」(以下,Sims 2)そのままで,前作のプレイヤーでも違和感がないだろう。なにしろ,シムズシリーズは全世界累計で一億本以上も売れているので,現在のプレイヤーをうまく取り込みつつ,新しいフィーチャーを過不足なく入れ込むという離れ業がSims 3には要求されているのだ。
さて,視点をぐっと引いてマップ画面にすると,Sims 2とは違う世界が見えてくる。アーニーの家から西に行った海辺の家にはお金持ちナントカさん,通りの向こうにはベジタリアンのナントカさんという具合に街が広がっており,プレイヤーはその街の中を自由自在に行き来できるのである。前作では家から一歩も出ないという,ある意味大変エコな設計だったが,Sims 3ではついに彼らがドアを開けて外に出て行くのだ。
ゲームスタートの方法もSims 2を踏襲しており,マップから適当な家族を選ぶか,用意されたキャラクターをどこかの家に住まわせるか,あるいは自分でキャラクターを作り出して家を購入するかといった感じになっている。街を完全に一から作り上げることももちろん可能だ。
キャラクターの作成画面もデモンストレーションされたが,以前の記事でも書いたように,スライドバーによる体型などの微妙な調整が可能になり,かなりの数用意された「Trait」(特性)から五つを選んで組み合わせることで,前作に増して多種多様な人物作成が行える。シャイなシム人や天才的なシム人,パーティが好きで好きでたまらないシム人など,思うがままだそうだ。
またこのTraitは,ほかのシム人との相性にも大きく影響する。肉好きのシム人はベジタリアンのシム人とやはり相性が悪いというわけである。とはいえ,世の中には非常に対照的なカップルというのも存在しているので,相性がやたら悪い相手と結婚させて,成り行きを興味深く観察するという遊びもできるかもしれない。
話をデモに戻そう。その後,アーニーは街へ出かけることにしたようだ。移動手段としては徒歩とジョギングのほか,車と自転車が使用できる。バスや電車はないが,子供だけはスクールバスで学校に行く。ただしデモ画面を見る限り,実際に車の運転ができるわけではなく,目的地を選ぶことで自動的に運ばれていくようだ。プレイヤーが運転できると,レースシムやGTAシリーズのような感じにもなりかねないわけで,このへんは難しい判断だ。
事故を起こしたり,さらに細かくなった街並みをボンヤリと眺めながら街を流せても楽しいと思うのだが,どうですかね?
「日常の欲求」と「生涯の願望」という要素もSims 2に引き続き残っているが,以前にも書いたように,日常の要求は「ムード」にまとめられて,より簡単になっている。そんな彼らの要求を次々に叶えてやり,“Lifetime Happiness Point”を高めることがゲームの目的といえる。
というわけで,アーニーは街へ戻り,職場である市役所に入った。すべてというわけではないが,かなりの建物に入ることができるので,街の散策も楽しそうである。市役所の前には,目的はよく分からなかったが,プラカードを掲げてピケを張っているシム人達がいる。それ以外にも,そぞろ歩きをするシム人や友達とおしゃべりするシム人など,それぞれのシム人達が思い思いの人生を楽しんでいる様子が見られる。
しばらく見ないうちに,ダイエットしてすっかりやせていたり,商売替えをしていたりと,プレイヤーキャラクター以外の場所でも人々の生活は続いており,そうしたライブ感を街全体に与えることが開発の大きな目的の一つとなっているのだ。
アーニーというかデモを操作していたSims 3のプロデューサー,Joanna Lio氏はあまり気にすることなく適当に「Yes」を選んだが,これが大失敗。哀れ,アーニーは出世街道の半ばでクビになってしまったのである,ちゃんちゃん,という感じでデモは終了した。
発売日が2009年の2月と決まったばかりのSims 3。どこが改良/変更されたのかははっきりしなかったが,6か月ぶりに見るSims 3は以前に比べてよりゲームらしくなったという印象を受けた。驚異的ベストセラーの続編というプレッシャーは当然あるだろうし,またこれまでのシムズを生み出したWill Wright氏が本作にほとんど関与していないというところも厳しく見られそうだが,Bell氏もLio氏も自分達が楽しみながら開発を続けているという雰囲気が伝わってきた。この次のお目見えでどうなっているか楽しみだ。
- 関連タイトル:
ザ・シムズ3
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