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[GDC 2009#25]「Saints Row 2」に利用されたキャラクター生成システム「Universal Character System」とは
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印刷2009/03/28 11:56

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[GDC 2009#25]「Saints Row 2」に利用されたキャラクター生成システム「Universal Character System」とは

 THQが2008年10月にリリースした「Saints Row 2」は,過激さがウリのアクション・アドベンチャーゲームである。PCおよびPLAYSTATION 3やXBox 360向けにリリースされた本作は,現在までに総計260万本のセールスを記録。日本でも「セインツ・ロウ2」PC/PS3/Xbox360)として発売されているので,本作で遊んだという読者も多いことだろう。ゲーム内容についてはレビュー記事を参照してほしい。

「セインツ・ロウ2 日本語版」レビュー記事


Volitionのテクニカルアーティスト,クリス・フォーティア氏
画像集#002のサムネイル/[GDC 2009#25]「Saints Row 2」に利用されたキャラクター生成システム「Universal Character System」とは
 このSaints Row 2を開発したのは,シカゴをベースにするVolitionというデベロッパ。そのテクニカルアーティストであるChris Fortier(クリス・フォーティア)氏が,「Universal Character System in Saints Row 2」(Saints Row 2におけるユニバーサル・キャラクター・システム)というセミナーで壇上に立ち,同作のキャラクターが,どういう仕組みで生成されるのかを説明した。

画像集#003のサムネイル/[GDC 2009#25]「Saints Row 2」に利用されたキャラクター生成システム「Universal Character System」とは
 “ユニバーサル”とあるように,Saints Row 2で用意されているキャラクターは1体のみ。いわゆるアンドロジナス(両性具有)なメッシュがあり,ツールのスライダー(パラメータを動かすボタン)を調整するだけで,局部や胸部の膨らみ,腰回りの肉付き具合を設定できるのである。
 また,スライダーには「太り具合」「老け具合」「筋肉」といったものが用意されており,例えば太っていながらも筋肉が浮き出している相撲取りのような体格にしたり,腰のくびれた美女を作り出したりできるのだ。

画像集#008のサムネイル/[GDC 2009#25]「Saints Row 2」に利用されたキャラクター生成システム「Universal Character System」とは 画像集#009のサムネイル/[GDC 2009#25]「Saints Row 2」に利用されたキャラクター生成システム「Universal Character System」とは

 Saints Row 2では,「大掛かりな整形手術をする」という名目で,最初に性別や見た目を変更できるが,キャラクターモデルの変更における自由度の高さは,このキャラクター生成システムにあったわけである。
 もちろん,ゲーム中に登場するNPCもすべて,このシステムを応用してランダムに生成されており,「必ず警察の防弾ジャケットを着用している」などの指定をしたうえで,あとはCPUが常時NPCを作り出しているわけだ。当然,ストーリーに絡んでくるキャラクター達は特定の衣装パターンや髪型などに固定されてはいるが,多くの場合2回目に遊んでみたときのNPCは,1回目に同じ場所に登場したNPCとは見た目が違うはずだ。

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 衣服に関しては,モーフ・ターゲットのテンプレートを用意することで簡略化しているが,その仕組みや技術は非常に複雑なものであるといえる。
 例えば,一番内側にあたる部分のテンプレートは,肌着や水着向けのFormfit,Tシャツやジーパンなど幅の広い衣服向けのStretched,そして主に女性キャラクターに設定されるDressの3タイプ。キャラクターモデルは60種類ほどのビジュアルID(VIDs)が設定されており,重ね着になっている部分は内側のテクスチャが再生されることはない。

 一番外側に設定されるテンプレートもフレキシブルになっており,ジャケット類やカバン,被り物などにも応用が利く。体型に合わせて,テスクチャはすべてモーフィング原理でストレッチしたり,縮小したりする。
 さらに,色や模様はシェーダー・ベースで,ポロシャツの縞模様や肌の色まで,一つとして同じものにならないほどのパターンを備えている。その上には,複数種が用意されたロゴも貼り付けられる。こういう情報は,すべてスプレッドシートで管理されているという。

画像集#005のサムネイル/[GDC 2009#25]「Saints Row 2」に利用されたキャラクター生成システム「Universal Character System」とは 画像集#006のサムネイル/[GDC 2009#25]「Saints Row 2」に利用されたキャラクター生成システム「Universal Character System」とは

 元となるキャラクターは1体だけで,それに載せるアセット(テクスチャなど)の使い回しができるのは理想ではあるが,それは利点であると同時に欠点ともなる。アニメーションがジェネリックなものになってしまうからだ。
 PCでユニバーサル・キャラクター・システムを作り,他のプラットフォーム向けに移植する工程でも,いくつかの技術的問題が発生したとフォーティア氏は話していたが,それでもVolitionにとっては自慢のキャラクターシステムであったといえそうだ。
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    セインツ・ロウ2 日本語版

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