レビュー
超大物タイトルがプラチナコレクションで登場。未経験者にとっては最高の贈り物になる「Halo 3」!
» 4Gamerスタッフ/ライターが,仕事抜きで個人的に楽しんでいるゲームを調査し,せっかくだから仕事をしてもらおうという主旨の不定期連載「極私的コンシューマゲームセレクション」。今回は,本日(2月26日)プラチナコレクションもリリースされたXbox用FPS「Halo 3」を,ライターAlexander服部氏が盛りだくさんのプレイムービーと共に紹介する。同じく本日発売のXbox 360用RTS「Halo Wars」に興味がある人も,参考までにチェックしておくといいかも。
Haloシリーズやってないの? もったいない!
2001年に初代Xbox版として発売されたFPS「Halo」は,ゲーム史における“Halo以前”“Halo以降”という区切りを生んだ名作。そのシリーズ最新作であるHalo 3がプラチナコレクションに登場するということで,その魅力をあらためて紹介していきたい。
※本稿で使用しているムービーは,筆者のフレンド達に許可を得て撮影/掲載したものです
なぜHaloシリーズは誰でも楽しめるのか?
その理由はいたってシンプルで,Haloシリーズには,FPSでおなじみの“お約束事”がすべて詰まっているのだ。Haloが最初に採用したわけではないシステムもあるが,多くのユーザーにその魅力を伝えたのは,Haloシリーズだと言っても差し支えないだろう。
(1)二つのスティックでの操作
Haloシリーズでは,二つのスティックでキャラクターを操作する。これにより,マウスとキーボードがないコンシューマゲーム機でも,FPSが快適に遊べる
(2)敵の武器が拾える
敵の武器が拾えるというのも珍しい仕様ではないが,これをプレイヤーがごく自然に行えることで,弾数制限が難度上昇へと直結しなくなる
(3)乗り物を駆使して戦う楽しみ
多彩な乗り物を利用しての移動や攻撃は,本来であれば一本調子になりがちなFPSの戦闘に,メリハリとさらなる戦略性をもたらす
(4)体力の回復
多少消耗しても,身を隠してしばらくじっとしていると,体力が回復する。待つこと,待たれることの重要性が高まり,駆け引き要素がより深くなる
(5)持てる武器の数は基本的に2種類で,武器を拾うときは持ちかえる
武器が2種類しか持てないので,プレイヤーの好みやプレイスタイルが反映されやすい。これにより武器の持ち替えに意味を持たせ,それでいてシステムは複雑にならない
(6)チェックポイントが近い
ゲーム展開をセーブできるポイントが比較的多めに用意されているので,不慣れな人でもトライ&エラーで攻略していける
先述したように,FPSにおけるこれらのシステムは,今ではさほど珍しいものではない。しかしこれらのシステムをうまく融合し,それまでFPSを遊んだことがないような人でも,楽しく遊べるゲームバランスを実現したものがHaloであり,Halo以降にこれらのシステムを採用していないものは,“遊びにくい”と評価される風潮さえ生まれた。ことコンシューマゲーム機においては,Haloというゲームはそれほどまでに大きな影響力を持ち,まさに横スクロールアクションにおけるスーパーマリオブラザーズのような“基準”になっているのだ。
ではHalo 3の話を遅まきながら
さてHalo 3は,2007年にXbox 360で発売されたHaloシリーズの3作目にして,物語の完結編という位置づけにある。グラフィックスの美しさ,オンラインプレイの有効活用,敵として戦ってきた生物との共闘,そして完結する物語と,さまざまな要素が話題を集め,全世界で800万本以上を売り上げた。
時は2552年。人類は,地球外生命体コヴナントとの戦いで壊滅的な状況を迎えていた。コヴナントによる地球侵略が進行する一方で,古代種族フォアランナーが造った兵器“Halo”が起動すると,すべての生命が滅びてしまうことを人類は知った。プレイヤーは一人の戦士・マスターチーフとなり,全生命の存亡をかけて出撃する。
今だからこそCo-opで進めるべし!
Co-opでは,誰か一人でも生き残っていれば,ほかのメンバーは生き返ることができる。これを利用することで弾薬はおろか,命をも無駄遣いしながら強引に前進することも可能。先述したようにチェックポイントの間隔が近いので,たとえ全滅しても心が折れることはほとんどない。
ちなみに,Co-op人気で有名なGears of Warでは,ストーリーモードのCo-opは最大二人で,どちらかが死ねば“やり直し”になる。ゲーム性云々はさておくとして,どちらがより多くの人にとって“楽しい”かは,容易に想像できるだろう。
気心の知れたフレンド達と,恐ろしく手ごわい敵に向かって突撃しながら,ボイスチャットで「死んでくるからちょっと隠れてて」などと指示を出しつつ遊んでいると,それはもう本当に楽しい。Halo 3ほど,ストーリーモードを友人とCo-opして遊ぶのに適しているFPSはないんじゃないかと,心から思う。
ついでながら,このゲームはレジェンドをクリアすると,ノーマルなどの下位難度の実績も解除できるので,実績目当てでフレンドと遊ぶならレジェンド一択といわざるを得ない。
究極の対戦ツール
FPSにおける対戦モードは,一種のスポーツのように楽しむもの。それだけに,対戦相手が少ないと面白さも半減してしまうのだが,全世界で売れに売れた本作だけに,対戦相手に困ることはほとんどない。先日筆者がオンラインにつないだところ,15万人程度のマスターチーフが対戦に興じていた。発売日から1年以上経つタイトルだが,今回プラチナコレクションが発売されることで,プレイヤー人口はさらに増えるものと思われる。
当然ながら慣れないうちは,ウサギ狩りのウサギのように,狩人(ベテランプレイヤー)達に執拗に追い掛け回され,撃破されるだろう。しかし筆者個人の印象では,ほかのFPSと比べると“まし”なほうだ。というのも,このゲームのオンライン対戦は,プレイヤーのランクに応じてのマッチングが行われるので,「鬼」と呼んでも差し支えないほどの上級者と当たることは,滅多にない。
以下の映像を見てもらえれば分かるように,このゲームの対戦はリプレイモードで楽しむことができる。自分の動きだけではなく,すべての参加プレイヤーの動きを確認できるし,視点も変更することが可能だ。コンシューマゲーム機用のFPSにおいて,ここまでリプレイ機能が充実しているものはそうそうない(一部のレースゲームで対応しているくらいだろうか)。戦闘後,気軽に反省会が行えるというのは,スポーツ系/リアル系を問わず非常に嬉しい要素といえるだろう。
ちなみに,MLG(Major League Gaming,ニューヨークを拠点とするプロゲームリーグ)のプレイヤーによるHalo 3の対戦映像は,アメリカのスポーツ専用チャンネル「ESPN」で配信されてもいる。プロゲーマー達の絶技を一度確認してみたいという人は,ネットであれこれ調べてみるといいだろう。
結論,持っていないなら買い確定
ストーリーモードの楽しさと,オンライン対戦の充実ぶりを考えると,FPSが好きなのにHalo 3を遊んでいないというのは,もったいないというしかない。せっかくXbox 360を持っているのに,Haloシリーズをまったく遊んでいないのであれば,本作のプラチナコレクションをきっかけに,ぜひ一度プレイしてほしい(3D酔いがひどいという人は,本稿の動画を見てから考えたほうがいいかもしれないが)。視点を大きく動かす機会はあまりないので,個人的には酔いにくいFPSだと思う。
ともあれHalo 3は,コンシューマゲーム機用FPSの中ではトップクラスに遊びやすく,楽しいタイトルだ。FPSがあまり好きではない,得意ではないという人も,思い切ってプレイしてみる価値が大いにあるのではないだろうか。
動画撮影機材:トムソン・カノープス HDRECS
動画編集用ソフト:トムソン・カノープス Edius Pro 5
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