ニュース
AMD,6コアCPU「Istanbul」の動作デモを公開。サーバー向けプラットフォームロードマップのアップデートも
ここまでで十分お分かりのとおり,今回は100%サーバー製品の話で,ゲーム用途とはまったく関係ない。しかし,近年のAMDは,最新CPUアーキテクチャをサーバー向け製品から導入し,その後一般PC向け製品にも一部を転用してきており,“AMDの次世代CPU”という観点では,相応に意味がある。そこで,その内容を簡単にまとめてみたいと思う。
仮想マシンを使って次々とWindows VistaやWindows 7を起動させるデモ。1仮想マシンに付き1コアを使っているそうだ |
デモ機の傍らにあるワットチェッカーは,起動時に250〜300W,通常稼働時に200W強を示していた |
45nmプロセスの順調さからIstanbulの出荷を前倒し
2010年のサーバー向けプロセッサ概要も明らかに
山野洋幸氏(日本AMD マーケティング&ビジネス開発本部 エンタープライズ・プロダクトマーケティング部 部長) |
Opteronプロセッサは,誕生から6年めに6コアとなる |
Opteronシリーズは2010年に再編される。製品ラインナップ(SKU)も絞り込まれるという。ACP 45WのOpteron EEが「ユーザーの強い要望を受けて復活した」(山野氏)のもトピックだ |
Istanbulは,現行ソケットの「Socket F」に対応するOpteronだ。現在のところ,製品名は明らかになっていないが,「Shanghai」(シャンハイ)コアの現行製品「Quad-Core Opteron」と同じ熱設計枠で利用できるため,「BIOSのアップデートを行うだけで現行のサーバーにドロップインできる」(山野氏)という特徴がある。AMDによると,同一の消費電力枠内で,パフォーマンスは最大30%向上するという。
また,CPUソケットを含めたプラットフォームの大幅な刷新を控える2010年には,現行の1ソケット(1000シリーズ),2ソケット(2000シリーズ),4ソケット(8000シリーズ)という3シリーズ体制から,2/4ソケットの6000シリーズと,1/2ソケットの4000シリーズという2シリーズ体制へと,Opteronシリーズは再編されることになる。両シリーズの主な特徴は以下のとおりだ。
●Opteron 6000シリーズ
- 開発コードネーム:Magny-Cours(マニクール)
- 対応プラットフォーム:Maranello(マラネロ)
- CPUコア数:8〜12(※HyperTransportベースの「Direct Connect Architecture 2.0」を利用したMCMによる)
- 対応CPUソケット:Socket G34
- ACP(Average CPU Power):105W(SE),75W(無印),55W(HE)※1
- メモリコントローラ:4チャネルRegistered/Unbuffered DDR3
- 対応DIMM数:1ソケットあたり最大12
- 仮想化技術:AMD-V 2.0
- 省電力技術:AMD-P 2.0※2
●Opteron 4000シリーズ
- 開発コードネーム:Lisbon(リスボン)
- 対応プラットフォーム:San Marino(サンマリノ)
- CPUコア数:4〜6
- 対応CPUソケット:Socket C32
- ACP(Average CPU Power):75W(無印),55W(HE),45W(EE)※1
- メモリコントローラ:2チャネルRegistered/Unbuffered DDR3
- 対応DIMM数:1ソケットあたり最大4
- 仮想化技術:AMD-V 2.0
- 省電力技術:AMD-P 2.0※2
※1 Opteron HEシリーズは「ACP 75Wの製品と比べて,プラットフォームレベルで最大19%(≒51W)省電力」,Opteron EEシリーズは「Opteron HEシリーズよりプラットフォームレベルで最大13%(≒28W)省電力」とそれぞれ訴求される。
※2 「SmartFetch」「PowerCap」「CoolCore」といった一連の省電力技術には「AMD-P」という総称が与えられた。これがMagny-Cours/Lisbon世代では第2世代となるわけだ。
AMDのロードマップを積極的に追いかけている読者なら,Magny-Coursの世代で,8コアの「Sao Paulo」(サンパウロ,開発コードネーム)が用意されていたことを憶えているかもしれないが,今回のアップデートで,Sao Pauloは消えてなくなっている。ただし,「名前はなくなったが,8コア製品自体は生きており,Magny-Coursとして投入される」(山野氏)とのことだ。
参考:YouTubeにUpされたIstanbulのデモムービー
- 関連タイトル:
Phenom II
- この記事のURL: