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「東京おもちゃショー2010」開幕,ゲーム関連の商品からローテク/ハイテク織り交ぜた最新玩具をレポート
2010/07/16 06:40
7月15日より東京国際展示場(ビッグサイト)にて,玩具の祭典
「東京おもちゃショー2010」 が開催されている。7月15日〜18日にわたって(一般公開日は17,18日)催されるこのイベントは,国内外の玩具メーカーが集う新作玩具の一大見本市で,毎年恒例となっている。「おもちゃショー」だけに,基本的には小中学生がターゲットの商品展示が中心だが,中にはハイターゲットを狙った“懐かし系”のアイテムや,ゲームに関連したものもある。
今年は2名によるレポートで,より多くの製品を紹介していく。まずは,出展しているゲームメーカーのブースの模様から見てみよう。
懐かしの「ポケットメイト」のiPhone版を出展のタカラトミー
「NARUTO 激闘忍者大戦」シリーズなどの,ビデオゲーム関連でも知られるタカラトミーブースは,ゲーム関連のアイテムが一番多く見られた。4Gamer読者世代に一番ピンときそうなのは,元祖携帯ゲーム(ただしアナログ)「ポケットメイト」のiPhone版。オリジナル版そのままに,iPhoneを傾けながら球をゴールまで導く「メイロ」など,3種類が配信される(※アプリは村田ソフトウェアサービスより配信)。価格は230円。ほかでは,ゲーム部分をセガが制作する「トランスフォーマー アニメイテッド」キッズカード機が注目を集めていた。女子向けの新作キッズ機「プリティーリズム」が発表されるなど,キッズ市場はまだ活気があるようだ。
「ポケットメイト」がiPhone版で復刻。傾きセンサーなどを使ったゲームの再現度といい,サイズのそっくりさといい,思わず懐かしさがこみ上げる「野球」「メイロ」「フィールドアスレチック」の3種類が配信される
現在テレビアニメが放映中の「トランスフォーマー アニメイテッド」がキッズカードゲームに。ハンドル状の操作部分が,トランスフォーマーの雰囲気を醸し出す。稼働は10月予定
本日発表された「プリティーリズム・ミニスカート」。カードではなくハート型の「プリズムストーン」をセットして遊ぶ。AKB48の研修生ユニット「ミニスカート」ともタイアップし,ゲーム中にメンバーが登場する。開発は「わがままファッション ガールズモード」のシンソフィア。7月15日より稼働
10月21日発売予定のPSP版「メタルファイト ベイブレード ポータブル 超絶転生! バルカンホルセウス」も出展
好評稼働中の「ポケモンバトリオ ゼロ」。現在公開中の夏の映画と連動する「超決戦!伝説のポケモン編」「“まぼろしのセレビィ”セット」などを展示
仮面ライダー,戦隊,ウルトラマンと,多数のキッズカード機を展示のバンダイ
子供に人気の作品を多数手掛けるバンダイには,「仮面ライダーバトル ガンバライド」「スーパー戦隊バトル ダイスオー」「大怪獣バトルRR」と,データカードダスのゲーム機3機種が展示されていた。それぞれ,親子でも楽しめる歴史あるシリーズ作品のゲームだけに,今後の展開にも力が入っているようだ。コアゲーマー注目のアイテムとしては,10月発売の「COMPOSITE Ver.Ka テムジン」の展示が!
「ガンバライド」(ライダー)「ダイスオー」(戦隊)「大怪獣バトルRR」(ウルトラ怪獣)と,ズラリそろった人気カードゲーム機。子どもだけじゃなく,それぞれの作品のマニアからも熱い視線が注がれる
「電脳戦機バーチャロン」のテムジンを,メカデザインを担当したカトキハジメ氏監修のもとに立体化した「COMPOSITE Ver.Ka テムジン」。これはカッコイイ!
カプコンは,早くも「モンスターハンターポータブル 3rd」のフィギュアを出展!
ゲームの出展こそないが,昨年(2009年)末から自社でもトイ商品の販売を始めたカプコンブースには,大ヒットシリーズ「モンスターハンター」最新作「モンスターハンターポータブル 3rd」(PSP用,2010年末発売予定)のオトモアイルーフィギュアが,早くも展示されていた。「モンハン日記ぽかぽかアイルー村」のトレーディングフィギュアや,「戦国BASARA3」に登場する武将の武器と鎧のフィギュアなども。
「11月中旬発売予定の「オトモアイルー マスコットキーホルダー」。フィギュアは彩色前だが,デザイン画では,よりかわいく,より勇ましい姿になったオトモアイルーの姿が確認できる。価格は1体420円
どうにもかわいい「トレーディングマスコット モンハン アイルー村のなかまたち」(左)。8月上旬発売で価格は399円。「トレーディングフィギュア 戦国BASARA3 武器・鎧フィギュア(仮称)」(右)は,高さ約10センチの大きめサイズ。11月中旬発売予定で,価格は780円
「ドラクエ」と「FF」の多数のアイテムで賑わうスクウェア・エニックス
「ファイナルファンタジー XIII」のキャラクター達のアクションフィギュア・プレイアーツ改がドドーンと目立つスクウェア・エニックスブース。ほかにも,同社の各種ゲームキャラやクリーチャーのフィギュアが展示されていた。
新商品としては,スライムの形をした入浴剤「ドラゴンクエストバスボール 〜海の香り〜(仮称)」と,内蔵の歩数計と連動した携帯ゲーム「ドラゴンクエスト あるくんです。リターンズ(仮称)」が目を引いた。
ゲームに登場するキャラクターが勢揃いした,「FF XIII」プレイアーツ改シリーズの展示
ジュースに続き,バスボール(今秋発売予定)に携帯液晶ゲームと,スライムのグッズはまだまだ多数が登場予定だ
「クロノトリガー」「キングダムハーツ」の情景フィギュアも展示されていた
女子向けゲームに新たな市場展開を見出すアルケミスト
アルケミストは,4月に発売したDS用ソフト「ニコラ監修 モデル☆おしゃれオーディション」を出展。男性向けゲームのメーカーというイメージが強い同社だが,女児向けゲームで新たな顧客獲得を狙う,といったところだろうか。
体験プレイを中心とした展示のアルケミストブース。ファッションなど,女児がターゲットのタイトルは,ゲーム業界のここしばらくのトレンドでもある
番外編
以上のように,馬波氏にゲーム関連の記事を綺麗にまとめてもらったので,ここからは心置きなくゲームとは縁の薄いかもしれない展示を中心に紹介してみよう。
今年のトレンドはエコか?
昨年あたりから「エコ」を前面に出した製品展示が増えていたのだが,今年はさらに各社がエコに向けた取り組みや製品を展開していた。
●太陽電池で動くプラレール「ハイブリッドライナー」
タカラトミーが参考出品していた「ハイブリッドライナー」は,太陽電池で動作するプラレールシリーズの製品だ。独自に開発した高効率モーターにより,従来の1/4の消費電力で動作するという。レール部分は,ペットボトルから回収したフタを再生したもの。
●太陽電池+エネループで展開するeneアニマルシリーズ
こちらもタカラトミーから。eneアニマルは,太陽発電で動作するシンプルな玩具だ。太陽電池で充電して,その電気でライトが光るなどという,光と電気の可逆性を学習する教材的な側面もある。オモチャとしてではなく太陽電池を使ったエネループ充電器としても使えなくはないものなのだが,まあ充電器としての実用性は考えないほうがいいかもしれない(玩具だし)。さらに太陽電池に加えて,手回し発電もできるenePOCKETというのもある。実用性はともかく,こういう夢がある機器というのは妙にそそられるものがある。
●紙を原料にしたブロック
ダイヤブロックの河田からは,紙を原料としたエコブロックが出展されていた。
紙といっても,紙そのものでできているわけではなく,あくまでも紙を原料にしたプラスチック「MAPKA」によるもの。しかも,紙自体も,製紙の過程で出てくる微粉末を集めて使っているとのこと。
MAPKAは,通常のプラスチックとはちょっと違って,素焼きのような木材のような一風変わった触感となっている。
ブロック自体は,通常のものよりちょっと大きめだ。生産から廃棄まで含めると,通常の石油由来のブロックに比べて,CO2を40%削減できるという。
AR(代替現実)なども普及段階か?
バンダイの「デジモンクロスアリーナ」は,店頭設置型のゲームマシンである。これにはカメラが付いていて,そこに「ARコード」をかざすと,対応したデジモンが画面に現れ,バトルを繰り広げることができる。ARコードは,関連玩具やガシャポン,カードなどさまざまなものに付属するようだ。プレイ料金はなんと無料とのこと。
カメラ以外に,戦いの場となる卓にも仕掛けがあって,ここで矢印型のスタイラス「バトルプレート」を操作することでいろんな指示ができる模様。「三国志大戦」のように動かして位置や方向を指示したり,こすって連続攻撃したり,後ろに引いて回避したりといった感じだ。
さらに,「デジモンクロスローダー」という製品も発売される。こちらは,さまざまな「音」を入力するといろんなデジモンが現れるという,「バーコードバトラー」や「モンスターファーム」ぽい雰囲気の製品だ。内蔵されているデジモンは約200種で,身の回りのいろんな音でデジモンが出てくるとのこと。このクロスローダーを先ほどのクロスアリーナで使用することも可能だ。この場合は,赤外線通信によって,クロスローダー側のデジモンをクロスアリーナに転送する。バンダイのハイテク系玩具は毎年意欲的な展開を見せているが,子供達のARへの食いつき具合が気になるところだ。
もう一つAR関係。セガトイズとサンリオが展開している「ジュエルペット オンライン」は,女の子向けの玩具やNDS用ゲーム(こちらはエム・ティー・オーの販売)など多社によって展開されている「ジュエルペット」をテーマとしたオンラインコミュニティである。玩具にコードを添付しておき,それを使うとWeb上のコミュニティやサービスにアクセスできるようになるというのは,アメリカなどでは一般的に行われていることなのだが,同様なものを日本でも展開していくということのようだ。こちらのコミュニティは,購入する製品によってプレイできるルームがアンロックされていくような仕組みとなっている。
前置きが長くなったが,それとは別に参考出品されていたのがジュエルペットのARアプリである。PC上でデモを行っていたのだが,カメラのついたゲーム機もいろいろあったりこれから出てくるので,あくまでも参考ということであろう。こちらは,ARコードに応じたジュエルペットが画面内に現れるという,まあ,お馴染みな展開。なにげに女の子向け商材もハイテクな展開を見せているようだ。
食べ物系はやや不作,ゲテモノグミに注目
毎年,おもちゃショーなのに食べ物の話題のほうが多いんじゃないかという気もする4Gamerのレポートなのだが,今年はちょっと食べ物関係は不振か。昨年出展されていたものがそのまま出ていたり,実演展示が減ったりとやや翳りが見える。
●マジカルポップコーン
タカラの「マジカルポップコーン」は,説明するまでもないような気はするが,電子レンジでポップコーンを作るセットである。どの辺がマジカルかというと,いろんなフレーバーのポップコーンを作れるというところである。まあ,かき混ぜていろんな調味料をまぶすだけといえば,それまでなのだが。風味の例としては,定番(?)のキャラメルから,チョコレート,醤油,ソース,ラー油,昆布茶,果ては山葵や永谷園のお茶漬けの素,見えにくいが明星のチャルメラぽい袋まで並んでいる。普通に塩ってのはナシ?
●キャラパンクッキング
アンパンマンのキャラを使った料理(?)が作れるセットが「キャラパンクッキング」だ。
とはいえ,やることは食パンを型抜きするだけなので,やや肩透かし感はある。キャラ弁の一品にサンドイッチを加えたり,おやつにというところだろうか。
●トミカでつくろう! グミとパンケーキ工場
トミカのミニカーぽい型を使ったパンケーキやグミが作れるセット。型にホットケーキミックスを入れて電子レンジでチンするとパンケーキ,ゼリーの素を入れて固めるとグミができる。うーむ。どうせなら,ジュースを入れて冷凍庫に入れるとアイスキャンディもできてしまうぞ,というのもやってほしかったところだ。
●グミックス
すでに発売中ではあるが,グミックスは昆虫などに似せたリアルなグミを作れるという製品だ。まあ,これも型を取るだけの製品と言えばそれまでなのだが,コンセプトは明らかに違う。型抜きにしてもやたらとリアルなのだ,
新製品としては化石や恐竜などのグミを実演作成していた。まあ,そういうのならいいのだが,実物大モノはちょっとヤバい。メロンソーダで使ったリアルなアマガエルのグミとか,リアルサイズのダンゴムシやカブトムシの幼虫型のグミを作っておいしく食べられる人はそんなにいないような気もする。罰ゲームグッズとしては優秀かも?
その他,注目製品を一挙紹介
その他,会場には非常に多くのオモチャが勢揃いしている。会場で気になった出展を写真のキャプションで簡単に紹介していこう。東京おもちゃショーの一般公開日は7月17,18日なのでお近くの人は気になるものがあったら,ぜひ会場まで行って実際に見てみよう。
見てのとおり,F14A Tomcatのスケールモデルだが,1/18という大きさがちょっと普通ではない。垂直尾翼のスカルマークから分かるようにVF-84ジョリーロジャース仕様。Tomcatとしては,最も有名なカラーリングかもしれない。お値段は2万9800円(税込)と,社会人なら手が出ない値段でもないのだが,全長・全幅ともに1mを超えるサイズだけに,置き場所にはちと苦慮しそうだ
台湾TAKEN FUN AND ART の製品。さまざまな形の金属ブロックを金属棒で繋ぎ,六角レンチで固定するというハードボイルドというか,あまり子供向けではなさそうなブロックだ。一部,コレで作った巨大ロボットの絵が写っているのだが,このスケールだと倒れたらタダじゃ済まないんじゃないかと危惧させるものがある。とはいえ,強度は,そこらのオモチャの比ではないので,頑張れば人が乗っても大丈夫な巨大作品とかも作れるのかもしれない
今回の流行モノの一つともいえるスカイツリー
大人の超合金第1弾のサターンV型に続いて,第2弾はスペースシャトルENDEAVOUR登場
最近のおもちゃショーでは全然見かけなくなっていたのだが,3年ぶりに新製品が発売されるというタカラのジェニー。新製品のエクステチェンジジェニーを髪型が簡単に変更できるもののようだ
「マリオカートWii」のコースを再現したチョロQのサーキット。なんとゲーム内のアイテムが使用可能となっている
手作りモーターで動くドラえもん。「手作りモーターって,もしかして巻くんですか?」と聞いてみると,やっぱり巻くのだそうだ
一方,こちらのドラえもんは,キティちゃん路線を目指しているかのような展開に
NERFはアメリカ製の子供向けエアガンで,見た目が(色はともかく)SFチックで,スポンジ風の弾丸マガジンに最大18発を装填でき,電動で連射可能。いろいろ魔改造された動画なども出回っているようだが,FPSにハマったらこれで実戦というのも面白いかもしれない
昆虫系ロボット「HEX BUG nano」。パーツを付け替えていろいろ展開していく予定もあるようだが,現状では,限りなく「G」に近い動きでワサワサと走り回る
セガの脳波系玩具「Mind FLEX」は,頭にベルトを取り付けて集中すると,ボールが浮き上がるというギミックが搭載されている。脳波で浮かせながら,手元のダイアル操作で円周上を移動する。途中にはリングなどの障害物があるので,うまく高さを調整して,一気に通り抜ける必要がある。ボールが浮き上がるというのは,なかなかインパクトが強い
※ムービーファイルへのリンク
個人的にヒットだった「マジカルアニメーションノート」。ノートを開くと,絵が動く。なんとか動画を撮ってみたので,そちらでご確認願いたい
※ムービーファイルへのリンク
こちらのキューブはさまざまな色で面が光る電子式。残念ながら回転はしない
今年のキューブ系パズルは7×7×7だそうで
ルービックキューブを切り取ったような岡本キューブの数々。これで回転できるの? と思うのだが,ちゃんと回せる
※ムービーファイルへのリンク
八分音符型の「Otamatone」は,新感覚の電子楽器。一見,管楽器ぽい形ではあるが,柄の部分にあるセンサーに触れることで,音程を連続的に変えることができる。約1.5オクターブの音域だが,3バンドのオクターブ切り換えスイッチも用意されている。加えて,スピーカーの入っている顔の部分を手で変形させることで(軟質素材),開口部の大きさを変えて音量を調整したり,ビブラートをかけることができる。弟分のOtamatone Melodyは,プリセットされている曲がボタンを押すと一音ずつ出てくるタイプの簡易楽器だ
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(c) 2009 MTO Inc. (c) ' 08,' 09 SANRIO/SEGA TOYS サンリオ・セガトイズ/ウィーヴ・テレビ大阪・ジュエルペット製作委員会
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