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[GDC 2010]ゾンビの切り刻み方,教えます。「Left 4 Dead 2」におけるダメージ表現手法をValveが解説
タイトルがタイトルだけに,少々グロ画像多めでお送りするので,あらかじめお断りしておきたい。
初代Left 4 Deadで,傷口のパターンはわずか五つ。傷の位置も一定のため,ゾンビの造形には不自然さが拭えなかったという |
Left 4 Dead 2制作にあたってのゴール。攻撃を受けた場所に傷ができることと,武器の強さに応じて傷の大きさが変わることが目標とされた |
そこでValveが考えたのが,GPUによる解決である。
同社は,初期プロトタイプにおいて,ゾンビが攻撃を受けたら,武器の強さに応じた穴を開け,そこに“傷口テクスチャ”を貼ることを考えた。Culling(カリング)により,描画する必要のなくなった部分をを取り除き,残った輪郭にテクスチャを貼り付けようというわけである。
だが,ゾンビにぽっかりと穴が空くのは不自然だ。また,Culling処理はシェーダユニットへの負荷が大きいため,ゾンビが大挙して押し寄せるような局面では,システム負荷が増大してしまう。
最初のプロトタイプでは,描画する必要のなくなったピクセルを破棄するCulling処理を行って,そこに傷口テクスチャを貼るアイデアがあった |
Cullingで隠面処理する穴の大きさは,プレイヤーと,攻撃対象となったゾンビとの距離から頂点シェーダで計算して求められる仕掛け |
この手法だと,テクスチャを合成するだけなので,ジオメトリの再計算が必要ない。そのため,システム負荷が比較的軽いというメリットがある |
しかし,最大の問題はその見た目。また,傷口周辺に「肉の花」と呼ぶ肉片の表現への要望がデザイナーから上がってくるなど,目標の完成度にはほど遠かった |
さらに,よりリアルな血しぶきを求めて,何層もの“血しぶきテクスチャ”を重ねる手法も選択したとのことだ。
テクスチャは,部位に応じて何パターンか用意され,より自然な傷口の再現が可能になったという |
複数のテクスチャをレイヤーとして適用することで,より自然な血しぶき表現を行えるようになった |
ただ,リソースに制約のあるXbox 360版とプログラムを共有することから,Left 4 Dead 2では,二つの傷口パターンを動的に制御するのが限界。そのため今回は,いくつかのテクスチャパターンも組み合わせることで対処した。これにより,従来方式と比べて13%しかメモリ消費量を増やさずに,2万4000種のゾンビが,それぞれ54パターンの傷&血しぶき表現を持てるようになったという。もはやお馴染みとなったスプラッタシーンは,こうして生まれたわけだ。
Vlachos氏は「DirectX 11に対応したLeft 4 Deadの次回作では,テッセレーションやLOD(Level of Detail)を駆使し,さらにリアルな表現を見せる」と予告。来る“Left 4 Dead 3”では,より強烈な見た目のゾンビが襲いかかってくることになりそうである。
参考:Left 4 Dead 2における傷口表現
- 関連タイトル:
LEFT 4 DEAD 2 日本語版
- 関連タイトル:
レフト 4 デッド 2
- 関連タイトル:
Left 4 Dead 2
- 関連タイトル:
Left 4 Dead 3(仮称)
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