「EVE Online」と連携できるPS3用FPS「DUST 514」のプレイシーンが初公開に。両タイトル間でチャットできるだけでなく，援護要請も可能だ

　CCP Gamesが手がけるPlayStation 3用ソフトの「DUST 514」は，未来の戦車や戦闘機といった大型の兵器が登場し，三次元的な戦闘が展開するマルチプレイFPS。最大の特徴は，SF MMORPG「EVE Online」との連携だ。本作は2009年にその存在が明かされているが，その後詳細はあまり公開されていない。そんなDUST 514のプレイシーンが，Gamescomの会期中に会場近くのホテルで公開された。これはCCPが一部のメディアだけを招待して行ったクローズドなイベントで，DUST 514のプレイシーンがメディアに公開されるのは初めてとなる。写真，ムービーともに撮影が禁止されていたが，実際に目にしたDUSTの印象をお伝えておこう。


　プレゼンテーションを担当した本作のプロデューサーTom Farrer氏が最初に見せてくれたのは，DUST 514の各プレイヤーに与えられるアパートだ。アパートとはいっても普通の家ではなく，巨大な宇宙ステーションの中にある一室になっている。各プレイヤーはそこでキャラクターの衣装を替えられるほか，戦闘用の武器や乗り物などの購入/トレードを行える。

　戦闘に参加するためにはウォールームと呼ばれる部屋に移動する。この部屋でプレイヤーは，どのミッションに参加するか，どういった作戦で戦うのかなどを決めるのだ。なお，この中では同じ宇宙ステーション内にいるDUST 514のプレイヤーだけでなく，EVE Onlineのプレイヤーともチャットができる。
　もちろん両ゲームのプレイヤーが単にコミュニケーションをとれるというだけではない。DUST 514のプレイヤーがEVE Onlineのプレイヤーに戦闘中のサポートを依頼するといったこともできるのだ。　
　今回見せてもらえたのは，16人対16人で敵勢力のMCC（空中母艦）を破壊するモード。MCCを破壊するためには地上に複数ある拠点を制圧し，敵母艦のシールドを無効化する必要がある。味方のMCCは基本的に自軍の動きに合わせて移動し，各プレイヤーがオーダーした武器や乗り物などを提供してくれるそうだ。

DUST 514のプロデューサーTom Farrer氏（左）と，クリエティブディレクターのAtle Mar SVEINSSON氏（右）

　しばらく進んだところで，Farrer氏は衛星軌道上に待機しているEVE Onlineのプレイヤーに地上攻撃を依頼したのだが，EVE Onlineのプレイヤーが準備をしていなかったようで，援護が行われないというハプニングが発生。Farrer氏達は援護があることを前提に行動していたため，慌てて引き返すことに。Farrer氏は，「これはまさにヒューマンエラーです。こういった事態にならないためにも，事前の打ち合わせが重要ですね」と苦笑いしながら語っていた。

　デモプレイでは，同じ部屋にノートPCでEVE Onlineを立ち上げている別のスタッフを置き，その人にレーザーの準備をしてもらい，敵の主力部隊を一気に殲滅。そのままの勢いで敵のMCCを落とし，デモプレイは終了した。

　DUST 514は，2012年夏にPlayStation Storeでのダウンロード販売が予定されている（価格は未定）。また，DUST 514用の武器などをリアルマネーで購入できるシステムの構築予定もあるとのこと。

　最近は，ほかの作品との連携をうたうタイプのゲームも少なくないが，DUST 514とEVE Onlineほど密接に関わるものはあまりない。EVE Online内でできることは年々増えており，DUST 514発売後は，両タイトルに関連するアップデートも行われる予定で，EVE OnlineのプレイヤーがDUST 514で使用される武器や乗り物を作る，といったことも可能になるという。DUST 514の発売も楽しみだが，両方のゲームがどう連携していくかにも注目していきたい。ちなみに，EVE Onlineプレイヤーの中に，DUST 514の発売に先駆けて，腕利きのFPSプレイヤーを自分達の勢力に抱え込もうとしている人が，すでに現れているそうだ。