今年も大きなブースを構えているMad Catz
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「東京ゲームショウのMad Catz = 格闘ゲーム」という理解の読者も多いだろうが,Mad Catz Interactive(以下,
Mad Catz)は,出展のたびに,複数の周辺機器を展示している。今年の注目株は,国内初披露となるゲーマー向けマウス「
R.A.T. PRO S」と,ワイヤレスヘッドセット「
F.R.E.Q.9 Wireless Surround Headset for PC, Consoles and Mobile」(以下,
F.R.
E.Q. 9)だ。本稿では,これら2製品を中心に,Mad Catzブースで見つけた新製品をレポートしてみたい。
カスタマイズを追求したマウス「R.A.T. PRO X」の廉価版たるR.A.T. PRO Sが国内初公開
R.A.T. PRO Sとは何かを説明するには,初めに「
R.A.T. PRO X」というマウスについて,簡単に説明しておく必要がある。
R.A.T. PRO Xは,2015年1月に米国で開催されたInternational CES 2015(以下,CES 2015)で発表されたゲーマー向けマウスで,側面パーツやマウスソールといった外装から,搭載センサーやホイールまでユーザーによる交換が可能という,カスタマイズ性を追求したものだった(
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R.A.T. PRO Xの製品ボックス。右下に大きく搭載センサーの名称が書かれているのは,センサーユニットの異なる2種類の製品ボックスが存在するためだ
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左は付属する外装パーツやホイール。右は別売りとなる交換用センサーの製品ボックスである
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ちなみに,R.A.T. PRO Xの正式な国内発売日や価格は,まだ未定とのことだが,Mad Catzの日本法人であるマッドキャッツの担当者によると,TGS 2015における同社の物販ブースでは,モニター価格
2万6800円(税込)で限定販売を行っているとのことだ。販売数はごく少量とのことなので,いち早く手に入れたいという人は,物販ブースに足を運んでみるといいだろう。
さて,本題のR.A.T. PRO Sだが,簡単にいえば,R.A.T. PRO Xの下位モデル,廉価版である。外見や基本的なスペックはR.A.T. PRO Xに準じているが,外装パーツやセンサーの交換はできない。ちなみに搭載するセンサーは,トラッキング解像度5000DPIの光学センサーであるとのこと。おそらく,R.A.T. PRO Xでも採用されているPixArt Imaging製の「PMW3310DH」と思われる。
左がR.A.T. PRO Sで,右がR.A.T. PRO X。外見はよく似ているが,R.A.T. PRO Sの外装はカスタマイズできない
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ボタン構成は,左右メインとチルト&センタークリック機能付きスクロールホイール,ホイール手前×1,左サイド×3の計8ボタン
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左側面には,マウスを持ち上げるときに指をかけられるフックと,下側に広がったスカート部分がある(左)。搭載するセンサーはトラッキング解像度5000DPIの光学式。底面にある「PROFILE」と書かれたボタンは,内蔵するフラッシュメモリに保存されたマクロプロファイルを切り替えるためのもの
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R.A.T. PRO Sの国内発売時期や価格は未定とのこと。R.A.T. PRO Xはモニター価格の時点で恐ろしいほど高価なので,R.A.T. PRO Xは気になるが,いくら何でも高すぎるというような人の受け皿としてR.A.T. PRO Sは用意されるのだろう。
バーチャルサラウンド対応のワイヤレスヘッドセット F.R.E.Q. 9
続いては,ワイヤレスヘッドセットの
F.R.
E.Q. 9である。
海外市場において発売済みのF.R.
E.Q. 9は,Bluetooth対応のヘッドセット本体と,インタフェースユニットとなる「Audio Adapter Box」で構成される製品だ。ヘッドセットとAudio Adapter Boxは,Bluetoothにより接続され,このAudio Adapter Boxに,PCや据え置き型ゲーム機,スマートフォンなどを接続して使う仕様になっている。
Audio Adapter BoxとPCや据え置き型ゲーム機の接続には,USB端子や光角形のデジタルサウンド端子,3.5mmミニピンのアナログ接続端子を利用可能。ヘッドセット自体はあくまでもBluetooth接続タイプなので,スマートフォンなど,他社製のBluetooth対応機器と直接ペアリングすることも可能だ。
ワイヤレスヘッドセットの新作「F.R.E.Q. 9」。左下に見えるのが,付属のAudio Adapter Boxだ
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ヘッドセット自体のデザインは,従来のF.R.E.Q.シリーズを踏襲したものだが,マイクはブーム式ではなく,エンクロージャに内蔵されるタイプとなっている
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Audio Adapter Boxの外見(左)は,Mad Catzが手がけたAndroidベースの据え置き型ゲーム機「M.O.J.O.」の試作機にそっくりだ。インタフェースは背面側にあり(右),左から角型光デジタル入力,3.5mmミニピンのアナログサウンド入力,USB Type-Aポートとなっている
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付属のケース。本体とAudio Adapter Boxを収納して,外に持ち出せる
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ヘッドフォン部は2chステレオ仕様。ただし,音響技術専門のデンマーク企業であるAM3D A/Sによるサラウンドサウンド技術「AM3D Surround Sound」に対応しており,バーチャルサラウンドサウンドを利用できるという。
国内での価格や発売時期は未定だが,スペックや機能を考慮すると,ゲーマー向けヘッドセットとして高めの価格設定になる可能性は高い。
左側のエンクロージャ(左)には,充電用のUSB Micro-Bポートがあった。一方,右側のエンクロージャ(右)には,音量調節ボタンやマイクのオン/オフボタン,サラウンド機能のオン/オフボタンが配置されている
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そのほかにも,いくつか面白い製品が展示されていたので,ざっくりと写真で紹介しておこう。
マウスやヘッドセットは,いずれもMad Catzブースの試遊台で体験できるので,興味がある人はTGS 2015のMad Catzブースに足を運んでみよう。
こちらもCES 2015で発表された,Bluetooth接続対応のワイヤレスゲームパッド「L.Y.N.X. 9 Mobile Hybrid Controller」(以下,L.Y.N.X. 9)。写真中央に見えるゲームパッドに,写真手前の小型キーボードや,写真奥に見えるタブレット・スマートフォン固定用の「タブレットフレーム」を組み合わせて使うという,変形合体ギミック満載の製品だ。日本での発売は未定だが,米国での価格は驚きの299.99ドル(税別)である
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L.Y.N.X. 9があまりに高すぎるためかは知らないが,その廉価版として開発されているゲームパッドが参考出展されていた。写真奥側に見えるのは,既存の製品である「S.U.R.F. R Wireless Media & Game Controller for Android TV & Smart Devices, Amazon Fire TV」で,これと写真手前のゲームパッドをセットで販売する計画があるとのこと
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