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復活したMad Catzがついに日本上陸。第1弾製品としてマウスの「R.A.T.」シリーズ3機種を投入
販売代理店想定売価は順に1万2800円(税込1万3824円)前後,9980円(税込1万778円)前後,7980円(税込8618円)前後となっている。
個性的なデザインのマウスやキーボードを展開し,プロゲーマーへのスポンサードなどで知られたMad Catz Interactive(以下,旧Mad Catz)は,2017年3月に破産してしまった。その後,香港資本の企業として復活したのが2018年1月のこと。それから1年5か月,破産の時期から数えれば2年3か月ぶりの日本上陸というわけだ。
本稿では,前日の6月27日に,東京・秋葉原で行われた報道関係者向け説明会の内容と合わせてレポートしよう。
デザインは旧製品を踏襲しつつ,センサーをアップデート
まずは,国内販売となるマウス3製品を簡単に紹介していこう。
今回のラインナップでは最上位に位置付けられるR.A.T. 8+は,いかにもMad Catz製マウスらしい,カスタマイズ性を重視した独特のデザインを採用するのが特徴だ。
ベースとなっているのは,2017年3月――旧Mad Catzが破産する直前だ――に国内発売となった「RAT 8」で,手のサイズや持ち方に合わせてボディの形状を変えられる機能や,発光色や発光パターンをカスタマイズできるカラーLED「Chameleon RGB Lighting」といった要素は,そのまま継承している。
では,R.A.T. 8+が単に旧RAT 8のリネームなのかというと,もちろんそんなことはない。最大の違いは搭載センサーで,旧RAT 8がPixArt Imaging(以下,
そのほかにも,RAT 8では9個だったボタン数が,R.A.T. 8+では11個に増えているのも目に付く違いと言えよう。
同様に,R.A.T. 6+は旧RAT 8と同時に国内発売となった「RAT 6」を,R.A.T. 4+は「RAT 4」をベースとしており,デザインや主な特徴は継承しつつ,搭載センサーをアップデートしたマウスとなっている。
R.A.T. 6+は,R.A.T. 8+からパーツ交換によるボディ形状の変更機能を省略し,搭載センサーをPWM3360にした製品だ。ボタン数やカラーLEDの搭載といった仕様は,R.A.T. 8+と同様である。
R.A.T. 4+は,単純な下位モデルではなく,軽さに重点を置いたマウスで,重量は約90gとなっている。ボディのパーツは交換できないが,パームレスト部分の位置を前後に調整する機能を備えているのは,Mad Catzらしいと言えようか。
搭載センサーはPixArt製「PMW3330」で,ベースモデルの「PMW3310」より多少だが性能が向上している。
従来のMad Catz製マウスを愛用しており,そろそろ新しいマウスに買い換えたいが適当な選択肢がないと考えていた人には,ありがたい新製品となるのではないだろうか。
なお,今回発表となったMad Catz製品は,いずれも7月31日までヨドバシカメラ専売になるとのこと。ヨドバシカメラではMad Catz復活を祝すキャンペーンとして,7月31日まで,3製品をキャンペーン価格で販売する。キャンペーン価格は,
●R.A.T. 8+の主なスペック
- 基本仕様:光学センサー搭載,右手専用ワイヤードタイプ
- 搭載センサー:PixArt「PMW3389」
- 主要ボタン数:11個(※詳細確認中)
- メインボタンスイッチ耐久性:5000万回
- トラッキング速度:400IPS
- 最大加速度:50G
- フレームレート:未公開
- 画像処理能力:未公開
- トラッキング解像度:最大16000 DPI
- レポートレート(ポーリングレート):125/250/500/1000Hz
- データ転送フォーマット:未公開
- リフトオフディスタンス:未公開
- オンボードフラッシュメモリ:未公開
- LEDイルミネーション:搭載
- 公称本体サイズ:87.4(W)×114.6(L)×38.1(H)mm
- 公称本体重量:約145g(※ケーブル,錘含まず)
- マウスソール:未公開
- 公称ケーブル長:未公開
- 対応OS:Windows 7以降
- 販売代理店想定売価:1万2800円(税別)
- 保証期間:2年間
●R.A.T. 6+の主なスペック
- 基本仕様:光学センサー搭載,右手専用ワイヤードタイプ
- 搭載センサー:PixArt「PMW3360」
- 主要ボタン数:11個(※詳細確認中)
- メインボタンスイッチ耐久性:5000万回
- トラッキング速度:200IPS
- 最大加速度:50G
- フレームレート:未公開
- 画像処理能力:未公開
- トラッキング解像度:最大12000 DPI
- レポートレート(ポーリングレート):125/250/500/1000Hz
- データ転送フォーマット:未公開
- リフトオフディスタンス:未公開
- オンボードフラッシュメモリ:未公開
- LEDイルミネーション:搭載
- 公称本体サイズ:87.4(W)×114.6(L)×38.1(H)mm
- 公称本体重量:約120g(※ケーブル,錘含まず)
- マウスソール:未公開
- 公称ケーブル長:未公開
- 対応OS:Windows 7以降
- 販売代理店想定売価:9980円(税別)
- 保証期間:2年間
●R.A.T. 4+の主なスペック
- 基本仕様:光学センサー搭載,右手専用ワイヤードタイプ
- 搭載センサー:PixArt「PMW3330」
- 主要ボタン数:9個(※詳細確認中)
- メインボタンスイッチ耐久性:2000万回
- トラッキング速度:150IPS
- 最大加速度:30G
- フレームレート:未公開
- 画像処理能力:未公開
- トラッキング解像度:最大7200 DPI
- レポートレート(ポーリングレート):125/250/500/1000Hz
- データ転送フォーマット:未公開
- リフトオフディスタンス:未公開
- オンボードフラッシュメモリ:未公開
- LEDイルミネーション:搭載
- 公称本体サイズ:87.4(W)×109.5(L)×37.8(H)mm
- 公称本体重量:約90g(※ケーブル含まず)
- マウスソール:未公開
- 公称ケーブル長:未公開
- 対応OS:Windows 7以降
- 販売代理店想定売価:7980円(税別)
- 保証期間:2年間
新生Mad Catzはテクノロジーに敏感なユーザーを狙う
2018年にMad Catzが復活したこと自体は,当然筆者も把握していたものの,当初ラインナップされた製品が,従来製品の焼き直しばかりという印象もあったため,今後の展開に懐疑的な見方をしていた面もある。そのため,Lo氏がどのような話をするかは,かなり興味があった。
Lo氏は,Mad Catzが目指すものとして,「Dare to Lead」という標語を示した。「絶え間なくリードし続ける意思」といった意味を持つというこの標語は,旧Mad Catz同様に,ゲーマー向け周辺機器をリードする存在になるという決意が込められているという。
Lo氏は,新生Mad Catzが重視するのは,旧Mad Catzのファン層を取り込むだけでなく,先進的な技術を取り込んで業界をリードする製品を作ることにあると述べる。それによって,テクノロジーに敏感なゲーマーを引きつけたいというのだ。
その例として同氏は,Mad Catzが取り組んでいる次世代製品に導入予定の技術を挙げた。たとえば,マウスボタンのスイッチとして導入予定の「Thor Switch」(ソースイッチ)は,レーザーセンサーを用いてボタンの感度を調整できるスイッチであるという。また,キーボード用のスイッチとしては,磁気ホールセンサーを用いた「磁気ホール式キースイッチ」を採用する予定であるそうだ。
磁気ホール式キースイッチは,COMPUTEX TAIPEI 2019でSteelSeriesが採用製品を発表しており,可変アクチュエーションポイントやレスポンスの速さといった特徴を有するという。Mad Catzが採用予定のスイッチが,SteelSeries製品と同じスイッチかは分からないが,磁気ホール式キースイッチは今後のゲーマー向けキーボードで採用が広がっていくのかもしれない。
Lo氏は,世界市場でもまだ販売していない新製品も簡単に紹介した。一部は写真がぼかされていたものの,いずれも旧Mad Catzにはない路線の新製品ばかりで,新生Mad Catzがかつての人気製品を焼き直すだけの企業ではないことを示したと言えよう。
その一方で,旧Mad Catzを代表する製品であったアーケードスティックを,再び製品化することも検討しているそうだ。
それらの製品が,国内市場に投入されるのはしばらく先のことになりそうではあるが,今後のMad Catzに期待したい。
Mad Catz公式Webサイト(英語)
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Mad Catz
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