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  • XLGAMES
  • 発売日:2013/07/23
  • 価格:基本プレイ無料+アイテム課金
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ArcheAge
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期待の新作「ArcheAge」は木にだって登れちゃう。韓国で行われたCBT3,生活系MMORPGファン必見のプレイレポートを掲載
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印刷2011/06/18 00:00

プレイレポート

期待の新作「ArcheAge」は木にだって登れちゃう。韓国で行われたCBT3,生活系MMORPGファン必見のプレイレポートを掲載

 XLGamesが開発中のMMORPG「ArcheAge」第3次クローズドβテストが,2011年5月24日から29日までの5日間の日程で行われた。

 「リネージュ」の父と呼ばれるカリスマ的開発者,ソン・ジェギョン氏が開発を手がけ,本格的なハウジング要素や,海戦などが盛り込まれる予定の本作。すでにゲームオンでの国内パブリッシングも決定しており,次世代のMMORPGとして,期待している人は少なくないだろう。4Gamerでは短い期間ながら,今回のクローズドβテストに参加する機会を得たので,その模様を先行プレイレポートとしてお伝えしていこう。

画像集#002のサムネイル/期待の新作「ArcheAge」は木にだって登れちゃう。韓国で行われたCBT3,生活系MMORPGファン必見のプレイレポートを掲載

「ArcheAge」公式サイト(韓国語)



エンジンはCryENGINE 3にアップデート。ますます磨きのかかるグラフィックス


冒険のスタート地点に立ったひよっこ冒険者
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 まずはグラフィックス周りから見ていこう。今回の第3次クローズβテストでは,グラフィックスエンジンが,これまでの第2次クローズドβテストまで使われていたCryENGINE 2から,CryENGINE 3にバージョンアップされているのが大きな特徴だ。これにより,第2次クローズドβテストで好評だったグラフィックス品質は,さらに向上している。
 CryENGINE 3は,元々はCryENGINE 2のマルチプラットフォーム対応版として開発されたもので,CryENGINE 2からより低スペックな実行環境への最適化が行われているのが特徴だ。同レベルのグラフィックスを低負荷で実行できるというわけで,FPSなどよりも負荷の高いMMORPGにとっては,より適したグラフィックスエンジンといえる(関連記事)。

CryENGINEの特徴がよく分かるスクリーンショット。水と霧が非常にリアル
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 また同エンジンはとくに自然環境の表現力が高いエンジンとして知られている。中でも水面の表現には定評があり,本作では航海の時間経過による風景の変遷などに,その一端を見ることができる。水面に落ちる,夕焼けの太陽などは絶品である。
 そのほか雲と霧の表現なども注目すべきポイントだ。序盤のクエストに登場する,山頂から下界を見下ろすシーンでは,雲と霧に包まれた岩山の描写が素晴らしい。耕作地に下生える草も生き生きとしていて,CryENGINEの性能は十分に活かされているといえるだろう。

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 なおキャラクターグラフィックスについては,すでに掲載済みの「こちら」の記事を参照してほしいが,こちらもなかなかハイレベル。ムービーをよく見れば,キャラクターが視線を動かしている(アイボールが存在する)のが分かり,表情をより自然に見せている。まだまだパーツの選択肢が少ないのが残念ではあるが,これは正式サービスまでに増えていくものと期待したい。
 ゲーム中のキャラクターのモーションにもこだわりが感じられる。例を挙げるなら,馬に乗る時の足の運びや,キックに失敗して空振りした足の動きとか。また坂道を登るときと下るときで,足と腰の動きが変わるなど,背景グラフィックスに負けない,自然な描写が好印象だった。


 ただ,そのハイレベルなグラフィックスのために,要求スペックがかなり高くなってしまっているのは否めない。公式サイトに記載された,第3次クローズドβテストでの最低動作環境は以下のとおり。

OS:32bit版Windows XP SP3
CPU:Core 2 Duo以上
HDD空き容量:30GB以上
メインメモリ容量:2GB以上
GPU:Geforce 8000シリーズ,またはATI Radeon HD 4000シリーズ以降
グラフィックスメモリ容量:512MB以上

 これでも前述のCryENGINE 3のお陰か,第2次クローズドβテストより要求スペックは下がっている。もちろんこれはクローズドβテスト中の要求であり,今後の調整次第で軽くなる可能性はあるが,それでもやはり重たいゲームであることは間違いないだろう。ちなみに筆者がプレイした感じでは,物理エンジンによる描写など,グラフィックオプションをすべて有効にするなら,クアッドコア以上のCPUが必須になると思われる。

夜は夜らしく。時間帯によるグラフィックの変化にも注目
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キャラクターメイキングと独特のクラスシステム


 グラフィックスについてはここまでにして,次はいよいよキャラクター作成に入ろう。上記のムービーからも分かるとおり,今回は三つの種族からキャラクターを選択することができた。それぞれ人間にあたる「ヌイアン」と,ファンタジー世界の代名詞的存在の「エルフ」,そして獣人種族である「ペレ」だ。
 各種族はスタート位置からクエストの内容までバラバラなので,友達と一緒にプレイするときは,種族を決めたほうがいいかもしれない。なお今回のクローズドβテストでは3種族しか登場しなかったが,設定上には8つの種族があり,これらは正式サービス後に実装される予定だという。

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ヌイアン
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エルフ
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ペレ

 キャラクターの外見が決まったら,次はクラス選びだ。本作では,ここがかなり独特なシステムになっている。戦士や魔法使いといったあらかじめ決まったクラスを選ぶのではなく,3つの「能力」を選ぶことで,職業が自然に決定される仕組みなのだ。選べる能力は,「格闘」「鉄壁」「死」「魔法」「浪漫」「幻術」「意志」「野性」「使命」「愛」の10種類。その組み合わせによって,プレイヤーは120種類(10×9×8÷3÷2)の職業に分かれる。

10種類の「能力」の中で三つを選んで自分の職業を決める
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 120種類のクラスには,それぞれ固有の名称が付けられており,「格闘家」「白騎士」「魔術師」といったポピュラーなものから,「酔っ払い」「スパイ」などといった一風変わったものまで存在する。ただ現時点では,10〜12種類くらいに大別されるようで,同じカテゴリーのクラスは,使うスキルも似通っている。装備にはクラスによる制限などは設けられていないため,クラス間の細かな違いまでは分からなかった。ゲームシステムが戦闘でなく,後述の「労働」に寄っていることから,今後は(あるいはレベルが上がれば),何か違いが出てくるかもしれない。

今回は「戦闘獅子」という戦士系の職業をチョイスしてみた
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 なおキャラクター作成時に選んだ3つの能力は,ゲームプレイ中にいつでも変更が可能だ。ゲーム内のNPCである神官と話すことで,一つあるいは三つすべての能力を再選択でき,その場合はもちろんクラス名も変わってくる。レベルは能力ごとに設定され,入れ替えた際でも保持されるので,例えばレベル20の「魔法」を外して新たに「幻術」を入れた場合,「幻術」はレベル1から始まるが,後にまた「幻術」を「魔法」と交換すると,「魔法」のレベルは再び20から始まる。ただしこの場合,スキルについては初期化が行われる模様だ。

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 このスキルシステムについてもう少し詳しく解説しておこう。本作のスキルは大きく「共通」「能力」「熟練度」の三つのスキル群が存在している。

 まず「共通」は「自動攻撃」「帰還」「キック」など,すべてのキャラクターが共通して持っているスキル群となる。
 「能力」は前述の10種類の能力に基づく戦闘スキルツリーで構成されており,能力のレベルが上がれば,自由にスキルポイントを割り振っていける。もちろん一つの能力に集中して割り振ることも可能で,三つの能力をまんべんなくあげていくことも可能だ。

 そして「熟練度」は,この世界で最も重要な要素「生産」に関わる生産スキル群となる。「機械」「衣類」「鍛冶」「印刷」「建設」「釣り」など,全部で17種類のスキルが存在しており,プレイ中に行った労働によって,熟練度が上昇していくのだ。次の章では,この「生産」について詳しく解説していこう。

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自分が選んだ三つの能力を成長させて新しいスキルを学ぶ形式だ
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用途がよく分からないキックスキル。倒したモンスターを蹴り飛ばせるようだが…


船や家まで作り出せる生産システムと,すべてを司る「労働力」


小型の船を製作するだけでも,これだけの材料と労働力が必要になる
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 本作の中心的なコンテンツである生産システム,つまりプレイヤー何らかのアイテムを作り出すためには,スキルと材料,そして「労働力」というポイントが必要となる。
 例えば,装備品である「不滅者の口笛の上着」を作ろうと考えた場合,必要な材料は以下のとおりだ。

  • 「踊る夜明けの星光の上着」×1個
  • 「多様度の生地」×13枚
  • 「アキウムの欠片」×3個
  • 「融解促進剤」×5個

 このほかに必要なのが労働力――「不滅者の口笛の上着」の場合は“3”の労働力を消費することになる。労働力は100を最大値とし,時間と共に回復していくステータスだ。ゲームのプレイ中でなくても回復は進むが,そのスピードはかなり遅い。
 先ほどの衣服のような比較的簡単なアイテムの場合は,数ポイントの労働力で済むので気軽だが,複雑な場合はかなりのポイントを消費することなる。その最たるものが帆船で,これらは100以上の労働力が求められることがざらである。そして労働力100を超えるアイテムは,どうあがいても一人で作りあげることはできない。

 ではそのような場合にどうするかといえば,「労働力の取引」というシステムを利用する。本作では自分の持つ労働力ポイントに賃金を設定し,ほかのプレイヤーに販売することができる。逆に沢山の労働力を必要とする人は,ほかのプレイヤーから労働力を買い,それを制作に当てることができる。
 このシステムにより,本作ではすべてのプレイヤーは,間接的に生産に関わることになる。船を作ろうとするプレイヤーは,もちろん設計図や材料などを集めるのも大変だが,それよりも労働力の工面に奔走することになるかもしれない。

 今回の第3次クローズβテストでは,船以上の労働力が必要な生産アイテムは存在しなかったが,今後はギルドのアジトや城のような,さらに多くの労働力を求める制作物も登場することになるだろう。

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 そしてこれら生産の拠点となるのが「ハウジング」,自分の家を建てるという要素である。印刷,革加工,紡織,鍛冶といった制作を行うためには,「作業台」が必要になる。作業台は共用のものが街にも設置されているので,それを使うこともできるが,すべての街にあるわけではなく,やはり自分の家に自前のものを用意したほうが作業しやすい。

 家の建設がどこでもできるわけではなく,フィールドの中で「住居地域」と表示される場所だけで可能なようだ。住居地域には家の建設に必要な図面を売っているNPCや,生産に必要な材料を売るNPCが用意されているので,冒険中に彼らに出会えば,概ねそこが居住地域ということになる。

 ちなみに一番小さなサイズの基本住宅の図面の値段は5ゴールドで,これは本作の中ではかなり高い金額と考えてよい(※本作ではお金は3種類。100カッパー=1シルバー,100シルバー=1ゴールドなので,5ゴールドは5万カッパーとなる)。もちろん制作にかかる材料にも,組み立てる労働力にも費用がかかる。必要な労働力は船と同様に100を超えており,独力で組み上げることはできない仕組みである。


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こんなステキな家がほしくとも……
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5ゴールドの図面と木材300が必要だ


 このため家を建てるのは序盤の目標の一つとなるはずだ。住居地域内でも家を建てられる場所というのは決まっているようなので,サーバーオープン直後は,場所取り争いも発生しそうである。もちろんもっと大きい家や,インテリアに凝り出せば,さらに巨額の費用がかかるはずで,本作におけるハウジングは,かなりのやり込み要素となることだろう。

 このように戦闘だけではなく,生活の部分でプレイヤー同士の協力が求められるのは,「ArcheAge」の大きな特徴といえるかもしれない。

船を作って航海をする。このゲームの大きな魅力の一つでもある
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オーソドックスながら,自由度の高い戦闘システム


基本的な戦闘システムは MMORPGの伝統的なターゲッティング形式
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 ここまで生産システムを中心に見てきたので,お次は戦闘システムについて詳しく見ていこう。とはいっても本作における戦闘は,比較的オーソドックス。「TERA」「Blade&Soul」などでトレンドになっている「ノンターゲティング形式」ではなく,MMORPGの伝統的なターゲティング形式の戦闘が採用されている。つまりターゲットを指定すれば,自動で敵を攻撃しつづけ,たまにショートカットからスキルを使うという,定番のスタイルである。

 だが単純に見える戦闘であっても,実はなかなかに頭を使う部分も用意されている。それがスキルに用意された「連鎖効果」である。「連鎖効果」とは,スキルを使う順番と組み合わせによって発生する追加効果のこと。例えば「炎の玉」というスキルは,凍っている相手に対し,50%の追加ダメージを与えられる。そして「氷の矢」という別のスキルには,敵を凍らせる効果がある。つまり「氷の矢」を使ってから「炎の玉」を使えば,より効果的にダメージを与えることができるのだ。
 本作では,ほぼすべての戦闘スキルに,このような「連鎖効果」が設定されている。「連鎖効果」を活用した戦闘は,使わない場合よりも何倍も効率よくダメージを与えられ,とくにPvPでは必須の要素となる。「連鎖効果」を使わずに戦うなど,相手に殺してくれといっているようなものだ。

一見単純な戦闘を戦略的に変える「連鎖効果」
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PK,逮捕,裁判――そしてスプーン?


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 PvPの話が出たので,対人戦,とくにPKについても説明しておこう。「ArcheAge」におけるPKは,システム上でプレイヤーに認められた権利だ。もしどうしても殺してやりたい相手がいたのなら,いくらでも手を下して構わない。ただし,それには必ずリスクがつきまとう。それが「犯罪者システム」だ。

 今回のテストでは,PKが可能なのは特定のフィールドに限定されていたが,該当するフィールドであればCtrl+Fキーで「自由攻撃モード」へ移行できた。この状態でほかのプレイヤーを攻撃して倒すと,その場に「血痕」というアイテムがドロップされる。「血痕」は被害者本人を含む,犯人以外のすべてのキャラクターが拾うことができ,使用することで犯人の「犯罪ポイント」を上昇させられる。犯罪ポイントが100に至れば,犯人には裁判イベントが発生し,自動的に監獄行きである。裁判イベントについては,現在のところただそういう演出が入るというだけで,プレイヤーが何かできるわけではないようだ。

 「犯罪ポイント」は監獄に移動することで0にリセットされる。その代わりに,今度は「前過ポイント」が上がり,「前過ポイント」が3000を超えた場合,そのキャラクターは「海賊状態」となるらしい。この状態のプレイヤーは,ほかのすべてのプレイヤーから攻撃を受ける立場となる。

 犯罪ポイントは監獄で時間を過ごすことで少しずつ減少し,0になったら監獄から外の世界へ送還される。ただし,その退屈な監獄生活に耐えられない人は,もう一つだけ外の世界へ戻れる方法が用意されている。その方法とは「脱獄」である。
 監獄では,10分ことに牢屋の扉が開けられ,外に出て労働ができる。その労働の最中にたまに見つかるのが「スプーン」というアイテムで,これを使えば牢屋から穴を掘ることができるのだ。うまくいけば脱獄が成功し,プレイヤーは晴れてシャバに出ることができるとのこと。ただし脱獄した場合は,一定期間debuff状態になるそうで,この間は通常通りのゲームプレイは困難であるとのことである。


海の上の攻城戦,注目の「海上戦」システム


 そして本作におけるもう一つ戦闘システムが「海上戦」である。昨年釜山で行われたG-Star 2010では,この海上戦が大きな注目を集め,生産に次ぐ本作の大きなウリとなっている。今回の第3次クローズβテストでは,これが初めて実装された形にとなる。

 海上戦は航海の途中で,ほかの勢力の船と遭遇することで始まるのだが,そのプレイフィールは,いわば「海の上での攻城戦」に近い。船には耐久力が設定されており,これを0にすれば相手の船が沈められるのだ。
 船からは大砲を使って相手の船を攻撃することもできるが,そのためには船を操作するプレイヤーのほかに,大砲の照準を定めるプレイヤーが必要となる。砲戦は不利ということなら,相手の船に接舷して,乗組員同士の直接戦闘も可能である。操舵するプレイヤーを倒せば,船を沈めることなく制圧することだって不可能ではない。

 このように海上戦を制するためには,パーティ単位,ギルド単位での連携が重要になってくるというわけだ。ただ現時点では,海上戦を挑むメリットはあまりなく,今後はこの部分が課題になると思われる。

海上戦闘の様子。一見するとMMORPGとは思えないシーンが展開される(スクリーンショット協力:blog.naver.com/gromhell
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そのほかちょっと気になったところ


インタフェースはまだまだ練り込み不足?


 そのほか,プレイ中に気になったところを駆け足で紹介していこう。筆者がまず気になったのは,インタフェースの特異性だ。昨今のMMORPGは,いずれも「World of Warcraft」に準拠したインタフェースをとるものが多いのだが,本作の場合はやや独自路線を狙っているようである。

賛否両論分かれる装備画面
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 例えば上のスクリーンショットは装備画面だが,プレイヤーキャラクターの周囲に装備位置ごとのアイコンが並ぶ形式になっている。画面が装備ウィンドウに隠れてしまうことがないため,一見使いやすそうに見えるのだが,手持ちのアイテムでどれが一番良いか,比較しながら装備を決めるときには不便である。装備するときにも,とくにエフェクトがなどは表示されないため,本当に装備されたのか分かりにくい。

 この辺りは韓国のテスターの間でも賛否両論となっているようで,今後のブラッシュアップに期待したいところだ。また日本でサービスされる時にどうなるか分からないが,韓国語のフォントが綺麗で,非常に読みやすかったというのも付け加えておく。地味な話ではあるが,個人的には評価したい部分だ。

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何よりフォントが見やすく,読みやすいことを高く評価したい
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会話表示は吹出し式


多彩乗り物群。二人乗りも可能


 今は騎乗システムがあるMMORPGは珍しくないが,本作における騎乗動物は,かなり身近な存在のようだ。作成したばかりのキャラクターでも,インベントリには最初から馬が入っているし,恐竜のような姿の「ヤタ」という召還獣も,序盤のクエストで手に入る(NPC商店でも買えるが,かなり高い)。βテストゆえのサービス,という可能性もないではないが,本作のマップはかなり広大なようなので,なんらかの移動手段がないと,かなり面倒なことになるのは間違いない。

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現在の位置はここで……
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全体マップだとこうなる。βテストにしてはかなり広い

 騎乗生物は種族ごとにも違っていて,ヌイアンとエルフは馬,ペレは獅子が標準的な足として使っている。馬上戦闘も可能で,騎乗生物も経験値とともに成長していくので,プレイしていくうちに愛着もかなり湧くはずだ。ちょっと驚いたのはPC同士の二人乗りも可能なところで,前例がないではないが,珍しいのは確かだろう。それ以外にも定時巡回の馬車や飛行船,それからもちろん船といった乗り物も登場する。高レベルになればどんな乗り物が登場するのか,今から楽しみな要素の一つである。

馬に二人乗りで森を駈ける。なんだかロマンチックな光景だ
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達成度が付いたクエストシステム


クエストを完了すると補償をもらえるのは当たり前。ただもっと頑張れば,ボーナスがもらえたりもらえなかったりする
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 これまでのMMORPGと同様,クエストを中心としたゲーム展開となる本作だが,そこにもひとひねり加えてある。クエストに「達成度」という要素があって,クエストの報酬も達成度に応じたものになるのだ。
 例えば「亀を10匹狩ってこい」というクエストがあったとして,指示どおり10匹狩れば約束のものがもらえるのは普通だが,本作では5匹でも15匹でもクエスト自体はクリアできてしまう。多めに倒したからといって必ず良い報酬がもらえるとは限らないが,中途半端に進めたクエストも報告できてしまうのが面白い。

 また序盤のクエストがチュートリアルになっていて,ゲームの基本が学べるようになっているのは珍しくないのだが,本作の場合は基本が多すぎて,バリエーションが豊かなの面白かった。「木の実を見つける」,「木を植える」,「地面に穴を掘る」,「木の上に登る」,「キックで物を蹴る」などなど,戦闘はおろか生産手順や乗り物の乗り方,地形の効果などまで揃っていて,なおかつストーリー的にも繋がった話になっているので,最初はそれをこなしていくだけで楽しいはずだ。

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クエストの中にはイベントシーンも
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 ちなみにチュートリアルクエストの中にもある「木に登る」だが,筆者はこれがなかなか新鮮だった。あまつさえその木を斧で切り倒して,上にいるほかのプレイヤーを落っことせるというのだから,その衝撃は推して知るべきしである。ただし,ゲーム中には登れる木と登れない木があって,登れる木の数はかなり少ないようだった。

木を倒すことも植える事もできる自由度
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 そのほかにも,水中でちゃんと戦闘ができるのも評価の高い点だ。韓国産や中国産のMMOだと,川や海は単なる障害物として設定されていることも多いが,本作の場合はちゃんと泳いだり潜ったりできて,モンスターもちゃんと水中用のものが登場する。水中戦闘専用のアクションも用意されていて,グラフィックスも美しい。実にナイスである。

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チュートリアルクエストで初めて木に登る
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うーん,絶景かな
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水の中での移動は基本的に泳ぎで
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攻撃のアクションも専用のものに変化する


乗り物の数が10倍に増えた極上のテーマパーク


 本作はその発表当時から,業界はもちろん韓国のプレイヤー達からも大きな期待を受けて来たタイトルだ。XLGames代表のソン・ジェギョン氏という名前だけでもビックネームなのだが,「ArcheAge」の世界は,韓国では数多くのファンを擁するファンタジー作家,チョン・ミンヒ氏のファンタジー小説「アルンド年代記」の世界を元にしている(チョン・ミンヒ氏の小説は,日本でも「ルーンの子供たち」が翻訳出版されている。こちらは「テイルズウィーバー」の原作小説だ)。いわば大人気ライトノベルのゲーム化ということで,多くのプレイヤーが登場を待ち望んでいたタイトルなのだ。
 そしてその期待に背くことなく,現時点で見られる本作のでき映えは,かなりのものと感じられた。グラフィックスとサウンドはもちろん,世界観とシナリオ,システムなど,そのすべてがトップクラスといっていい。

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 ただ,本作の公式サイトなどで見られる「何でもできる自由度」や「自分だけの世界を作るゲーム」という謳い文句には,今のところ疑問符がつくといわざるを得ない。
 確かに本作は,これまでのMMORPGに比べて「できること」が多いゲームだろう。しかし「できそうでできないこと」もまた,数多く存在している。「この木には登れるのに,なぜこっちの木には登れないのか」など,プレイヤーは違和感を感じるシーンにたびたび遭遇することになるのである。

 思えば,同じく自由度をウリにした「ウルティマ オンライン」(以下,UO)は,本当に何でもできるゲームだった。しかし本作の自由度は,UOのそれとは趣を異にしている。UOが最低限のルールが用意された砂場だとすれば,「ArcheAge」は乗り物数が10倍に増えたテーマパークといったところだろう。もしも本作が,本当に自由度の高いタイトルを目指すのであれば,ここが今後の課題になる。

 日本でサービスが開始されるまでには,まだまだ時間がかかりそうな本作。韓国のプレイヤーの評価を見ても,今回のテストへの評価は二分されている。生活系MMORPGとして,ここから自由度の高さを追い求めていくのか,それとも「リネージュ2」スタイルの進化形として洗練を続けるのか,XLGamesの今後の舵取りに期待したいところだ。

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「ArcheAge」公式サイト(韓国語)

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