ニュース
IntelでPC製品部門を統括するMooly Eden氏,Sandy Bridgeの性能を強調。Atomベースのタブレットやスマートフォンも公開
「PC市場は拡大し続ける」
そんな氏は,「デスクトップ,ノートブック,タブレット……。これら複数のプラットフォームについて我々がどう考えているかをお話ししたい」と話を切り出した。
Eden氏は,「2009年,金融機関の破産や破綻が相次ぎ,経済はメルトダウンを起こしたとさえ言われた」と昨年の景気後退に触れ,そうした厳しい状況下にあっても,PC市場は予想以上の成長を記録したと,PC市場の強さを強調する。「一般消費者はPCを買い続けた。それはなぜだろう?」
北米市場では,2008〜2009年と連続して,ノートPCが「クリスマスに欲しいもの」1位の座を獲得したという |
PCは生活になくてはならないものだとEden氏 |
会場に集まった報道関係者に既婚者が少なくないことを確認したうえで,Eden氏は「妻が携帯電話を壊してしまったとして,あなたは自分の携帯電話を妻に貸しますか?」と質問し,自分の携帯電話を貸す人は少ないと述べる。
「妻とうまくいっていないとか(笑),そういうことではない。これは,携帯電話がプライベートなものだからだ」(Eden氏)。そしてPCも,個人個人がインターネットに接続することから,同じようにプライベートなものになっている。1人1台が当たり前になってきているというのが氏の主張だ。
Eden氏は「COMPUTEX TAIPEI 2010で,タブレット型の情報端末が注目されていたが」と前置きしつつ,今後も,中心であり続けるのはPCだと予測する。「1人当たり1台のノートPCやNetbookを使うようになる。したがって,PC市場はこれからも伸び続けるだろう。PCは生活に欠かせないものになっていく」。
「Sandy Bridgeは,目を見張るような
パフォーマンスになるだろう」
Calpellaプラットフォームで採用されるArrandale(アランデール)コアのプロセッサでは,CPUコアとメモリコントローラ&GPUがワンパッケージに収まり,TDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)の枠内で,必要に応じてそれぞれの動作クロックが引き上げられる「Intel HD Graphics with dynamic frequency」が大きな特徴だ。「言うなれば“スーパーブースト”(Super Boost)。ここに集まっている皆さんが,目を見張るようなものになる」(Eden氏)。
また氏は,「統合されるGPUも素晴らしいパフォーマンスを実現する。ハイエンドのゲームをプレイするなら,単体のグラフィックスカードが必要になるかもしれないが,そうでなければ,プロセッサに統合されたグラフィックス機能で十分になる」と説明。人間の表情をリアルタイムでキャプチャし,ゲーム内のアバターキャラクターに反映させるというムービーを披露した。
Eden氏はセッション中,Sandy Bridgeの性能について,「すごい」「驚き」と何度も繰り返していた。それだけ自身があるということなのだろう。
「Sandy Brigeについては,北米で開催する次のIDF(※Intel Developer Forum 2010 San Francisco)で,詳細を語れるようになる」(Eden氏)とのことだったので,期待して待ちたい。
「コンピュート・コンティニュアムで,
サーバーからスマートフォンまでIAを」
Eden氏はこのほか,すべてのプラットフォームをIA(Intel Architecture)でカバーするというIntelの大方針を「コンピュート・コンティニュアム」(Compute Continuum)という言葉で表現していたので,紹介しておきたい。
これは,「コンピューティングの連続性」とか,そんな意味の熟語だが,要するに,サーバー製品からスマートフォンまで,広くIAベースのコンピュータを普及させようという意味になる。
また,Netbookに関しても性能の底上げを予告し,「デュアルコアのAtomをNetbook用に投入することで,薄く,軽く,そして高いパフォーマンスを持つNetbookが実現されるだろう」と,次世代プラットフォーム「Oak Trail」(オークトレイル,開発コードネーム)における飛躍を予告していた。
Oak Trailの概要(左)と,IAベースのタブレット試作機(右)。タブレットはWindows 7がインストールされているが,よりタッチ操作に向いたUI(ラッパー)に切り替えられる。写真に見える多数の丸い窓部分が,アイコン的に利用可能だ | |
Oak Trailプラットフォームを採用すると思われる展示機×2 |
このほか,会場にはモバイル関連で興味深いデモがいくつか並んでいたので,それらは以下,写真やムービー中心でお届けしたい。次世代Atomベースのスマートフォンで,OpenGLベースの3Dアプリケーションがグリグリ動いているさまなどは必見だ。
- 関連タイトル:
Core i7・i5・i3-2000番台(Sandy Bridge)
- この記事のURL:
キーワード
(C)Intel Corporation