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GT5日本最速ドライバーは誰? 優勝者特典はプロドライバーによるレッスンというM・ベンツコラボイベントをレポート
メルセデス・ベンツ ドライビングイベントは,メルセデス・ベンツとソニー・コンピュータエンタテインメント,そしてF1世界選手権で13勝を挙げたトップドライバー,デイビッド・クルサード氏とのコラボレーションによって実現したイベントだ。
このイベントに先駆けてクルサード氏は,2011年9月5日の午後11時20分(日本時間)より,SLS AMGに乗り,イギリスBBCが所有するトップギア・テストトラックでタイムトライアル走行を行っていた。今回のイベントに先駆け,「グランツーリスモ5」で同じ車種,コース,レギュレーションを設定,オンライン上で世界中のプレイヤーが参加してタイムトライアルが行われていたのだ。
ちなみに,クルサード氏のタイムは1分16秒320で、これが基準タイムとなる。そしてこの模様はメルセデス・ベンツのオフィシャルサイトのムービーで確認可能なので,ぜひそちらもチェックしてみてほしい。
オンラインでの予選は2011年10月1日まで実施され,今回の決勝大会には,日本国内のランキングから上位7名のプレイヤーが招待され,オフラインで頂点を争う。
見事優勝し,日本最速ドライバーとなったプレイヤーには,2011年11月10日にメルセデス・ベンツ日本が鈴鹿サーキットで開催予定の「AMG Driving Fascination」に招待され,プロドライバーによるスポーツドライビングレッスンを受講できるという特典が与えられる。そのほか,決勝進出を果たしたプレイヤーには,SLS AMGへの試乗権利が与えられる。
一方,このような試みはこれまで日本では実施されておらず,今回が初めての開催となることに言及,日本人プレイヤーの中で,誰が一番速いのかが分かるというイベントの価値をアピールした。
決勝戦は「デイトナ」「ラグナ・セカ」「スパ・フランコルシャン」でのポイント制のレース(1位が3ポイント,2位が2ポイント,3位が1ポイント獲得)となり,総合ポイントが一番高いプレイヤーが優勝となる。
ちなみに,オンラインタイムトライアルの時点で日本国内トップの座に輝いていたのは,エルダーさん(ハンドルネーム)だ。なんと,未成年でまだ自動車免許を持っていないという。すでに触れているように,今回の優勝特典は実車を使ったドライビングレッスンとなるので,20歳未満や自動車免許未所持のユーザーは決勝大会にはエントリーできない規定となっていた。しかし,ここは山内氏のはからいで特別に許可が降りた形だ。
今回の出場選手は以下のとおりになる(オンラインタイムトライアルでのラップタイム順)。
・エルダーさん
・ヤムさん
・ロバートニーゼロイチニーさん
・みなみさん
・RBさん
・マサルさん
・torahuguさん
しかし,周を重ねていくたびにライン取りやブレーキングポイントのタイミングなどをつかみ始めたのか,どの選手も次第にタイムが速くなっていくというのは驚きだった。
最終的な結果はtorahuguさんが2分30秒504という記録をマークし,暫定1位の座に輝く。
続いての予選2組目は,ロバートニーゼロイチニーさん,みなみさんの2名によって争われた。こちらも初めて走るコースで,多くの人が見ているという状況で緊張したのか,最初は思うようにタイムが伸びなかったものの,次第に調子を上げてくる。しかし,予選1組目のラップタイムにはあと一歩及ばず,ここでもtorahuguさんのタイムが破られることはなかった。
そして,予選終了。決勝戦に進んだのはtorahuguさん,エルダーさん,ヤムさんの3人となった。
実力者が勢ぞろい。日本初のオフライン大会での初代チャンピオンは誰の手に?
決勝戦は上でも触れているように,3つのコースを走り,その総合ポイントで優勝者を決めるという方式で行われた。なお,最初に登場した「デイトナ」のみ5周,ほかのコースは3周での勝負だ。
まずは,高速オーバルコースのデイトナ。ゲームが始まると,ヤムさんが先ほどの予選での勢いそのままの実力を見せ,的確なマシンコントロールでほか2名を圧倒。ぶっちぎりの速さで1位を獲得し,まずは一歩リード。
続く「ラグナ・セカ」は,デイトナとは打って変わってテクニカルなコースとなり,「コークスクリュー」と呼ばれるS字をどう攻略するかが勝利の鍵となる。
このレースは先ほどのレースで勝ったヤムさんがセカンドロー,エルダーさんがフロントローからのスタートとなり,序盤はエルダーさんがレースを支配する。しかし,コークスクリューに突入する際のスピードが速すぎ,エルダーさんはコースアウト。追走していたヤムさんは危なげなくクリアし,1位に躍り出た。そして,またしても安定した走りを見せて2戦連続で勝利を挙げ,この時点で優勝を手中に収めた。
最終レースは,予選でも走り込んだ「スパ・フランコルシャン」。獲得ポイントを見ると,ヤムさんはの総合ポイントでトップは揺るがず,エルダーさんとtorahuguさんによる2位争いに注目が集まった。
ゲームが始まると,タイムトライアルでの走りの成果が出ているのか,ミスも少なく,全員が的確なライン取りでコーナーを次々とクリアしていく。フロントローでスタートしたtorahuguさんは,その走りを維持していく一方,エルダーさんとヤムさんは抜きつ抜かれつの熱いバトルを展開。お互い一歩も譲らず,最後までどちらが先にゴールするか読めなかったものの,なんとかエルダーさんが逃げきりゴール。
手に汗握る素晴らしいバトルとなり,来場者からは温かい拍手が送られた。
なお,イベント後に,メディア向けに山内氏への囲み取材が行われたので,本稿の締めとして掲載しよう。
「グランツーリスモ5」プロデューサー 山内一典氏インタビュー
山内一典氏(以下,山内氏):
今回参加してくれた皆さんのなかには,小学生の頃から「グランツーリスモ」を遊んでくれていた方もいるんですが,順当にキャリアを重ねて第一級のレーシングドライバーになっていたと思います。そして今も成長を続けているというのが嬉しいですね。
---今回の大会で印象に残ったレースはありましたか?
山内氏:
みんなそれぞれの攻め方がありますし,上手なんですけど,残酷なまでに運命が分かれていきますよね。これはモータースポーツそのものです。それを「グランツーリスモ」で味わえたことが凄く印象に残っています。
---日本の「グランツーリスモ5」プレイヤーの実力は,世界と比べてみてどうなんでしょうか?
山内氏:
今回のタイムトライアルは全世界で行っており,20万人ぐらいのプレイヤーがエントリーしていますが,各出場国のトップと日本のプレイヤーを比較すると,コンマ1秒ぐらいの差しかないんです。相当レベルが高いのは間違いないと思いますよ。
---イベント自体の長さに対して,中身は濃かったですね。
山内氏:
そうですね。リアルのレースだと得られる情報は少ないんですが,今回はドライバーが何をやっているかが分かりますよね。画面もどんどん切り替えられますし,そこで魅せるテクニックっていうのが真に迫っていますよね。これは自動車の運転を知っている人ほど感じられるでしょうし,感動しちゃいましたね。
---「グランツーリスモ5」もアップデートが行われていますが,プレイヤーの反応はいかがですか?
山内氏:
「グランツーリスモ5 Spec 2.0」をソフトの発売から1年後にリリースできました。開発中には東日本大震災があって,スタジオにも被害が出て,一時は作業がストップしてしまったんですが,それを乗り越えてリリースできたのは,僕達としてももの凄い達成感があります。
リリース後にはもの凄い反響が全世界のユーザーさんから返ってきましたし,これはやる気出ますよね(笑)。
---今後もっと大きな大会を開く予定などはありますか?
山内氏:
今回の大会はメルセデス・ベンツさんの協力もあって開催できたのですが,イベントは手作りでしたので,いろいろと苦労しました。しかし,やってみると感動が生まれるんですよね。今後も続けていきたいですね。
---ありがとうございました。
「グランツーリスモ5」公式サイト
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グランツーリスモ5
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