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A列車で行こう9 連載 / 第2回:「子会社と税金も大事です,社長!」
前回は,「A列車で行こう9」で遊ぶうえで社長(プレイヤー)が最初に覚えねばならない「鉄道の基本」「資材の基本」についてレクチャーした。「何をしたらいいのか分からない!」と,しばらく悩んでいた新米社長にも,列車を走らせて資材を用意することで,駅周辺が徐々に発展していくという,本作の本質的な部分が分かってもらえたと思う。
第2回となる今回は,さらに駅周辺を発展させて鉄道利用者を増やすために欠かせない「子会社」と,毎年襲い来る恐怖の存在「税金」についてのノウハウを紹介しよう。
なお,3月4日に大規模なアップデートパッチ「Version 1.00 Build 096」がリリースされた。これは不具合修正やバランス調整だけではなく,ゲーム内の仕様変更や機能追加まで行われている大型のパッチだ。ぜひインストールしておこう。(「A列車で行こう」アップデートパッチ「Version 1.00 Build 096」はこちら)
まずは「子会社」の種類を紹介していこう。どの分類に含まれる建物を建設するかによって,都市の「産業構成比」に影響が出る仕組みだ。よっぽどバランスが極端でもない限り,産業構成比が都市発展に大きな影響を与えている印象は感じられないので,「ここは商業地域にしよう」「高層ビルで埋め尽くそう」「ここにコンビナートがあると雰囲気が出るかも」など,要は自分好みの都市をイメージしながら子会社を使い分ければいいだろう。
「AR事務所」「ARビル」「ARタワー」「ARヒルズ」は自分の鉄道会社の自社ビルで,商業率とビジネス率を増加させ,都市全体の景気に影響を及ぼす。ビル内の一部フロアはテナント物件として貸し出されるので,建設後は売り上げが発生して収入が得られるが,何より自己満足が目的の建物だろう
「資材工場」(小,中,大),「資材置場」(小,中,大)は,都市の発展に欠かせない資材の生産&保管をするための重要施設。資材工場は工業率も増加させる。生産した資材を運び出すと資材工場の売り上げに,資材置場の資材を他社が利用したり,マップ外へ搬出したりすると資材置場の売り上げになる
都市全域に電気を供給する発電所は重要施設だ。設置すると商業率なども増加する。電力が供給されないと,各建物は機能できない。供給電力は高いが環境によくない「火力発電所」「原子力発電所」「核融合発電所」と,環境を考慮したエコ発電所の「風力発電所」「風圧発電所」「ソーラーパネル」「潮力発電所」「地熱発電所」とがある。後者を増やすと「エコ電力率」が上がって,都市の景気が上昇する
「マンション1〜3」「高層マンション1〜3」を建てると,人口が増えて都市の住宅率が増加する。手っ取り早く鉄道利用者を増やすのに最適だ。「小さな住宅1〜15」は自然に建つもので,通常ゲームで子会社として自分で建設はできない。マップコンストラクションモードでのみ自分で建てられる
「コンビニ」「ガソリンスタンド」「ファミレス」「バーガーショップ」「レストラン」「オープンカフェ」「スーパーマーケット」「デパート1〜5」「アウトレット」は,主に商業率を増加させる。小型の店舗は点在させて建て,デパートは駅前に建てると効果的だ
観光客が宿泊する「ホテル1〜4」「ペンション1〜6」「ヴィラ」「温泉宿1〜2」は商業率,レジャー率,住宅率などを増加させる。駅周辺だけでなく,娯楽施設の近くや“プロジェクト”で建設できる「ゴルフ場」「国際空港」などの近くに建てれば,多くの利用者が期待できる
「オフィスビル1〜8」は都市のビジネス率を増加させる。オフィス街を作り,住宅地域と鉄道で結べば鉄道利用者も増える。「雑居ビル1〜12」「西洋風ビル1〜5」「歓楽街ビル1〜5」「ブランド街1〜4」といった小さなビルは自然に建つもので,自分ではマップコンストラクションモードでのみ建てられる
大都会のビル群を作るなら「高層ビル1〜4」「超高層ビル1〜4(36F,48F,60F)」をズラッと建ち並ばせたい。高層ビル,超高層ビルは都市のビジネス率を増加させるが,多くの費用と資材のほか,竣工までの長い期間が必要で,完成するまで一切の利益を得られない
「ゲームセンター」「スーパー銭湯」「レジャー牧場」「遊園地1〜3」「カジノ」は,主にレジャー率を増加させる。多くの集客力を期待できるが,大きな建設用地,資材が必要になるものも多い。駅から娯楽施設近隣にバスを走らせて利用者を得るのもいいだろう
「ボウリング場」「スポーツジム」「プール」「テニスコート」「スタジアム」「野球場」「マリーナ」は都市のレジャー率や文化率を増加させる。スタジアム,野球場,マリーナなど大型の施設は資材を大量に使用するが,建設すると都市の景観に大きな違いが出るはずだ
「シネコン」「劇場」「水族館」「美術館」「展示場」「野外音楽堂」「教会」「神社」「寺院」は都市の文化率やレジャー率を増加させる。駅周辺に建てることで鉄道利用者を増やせる。神社,寺院などをうまく使って,京都や奈良などをモチーフにした景観作りもいいかも
「プラント(小,中,大)」「コンビナート」は都市の工業率の増加に効果的だ。現実をイメージして海辺に集中して建ててしまいがちだが,公害などの影響はないため,都市のど真ん中に建てて一風変わった都市にしてもいい
ランドマークとして,「タワー」「港タワー」「ビッグ・ベン」「ブランデンブルク門」「コロッセオ」「エッフェル塔」「ロンドン塔」「天守閣」「西洋の城」「サグラダ・ファミリア」を建てると,都市の文化率やレジャー率が増加する。都市のシンボルになるが,建設には多くの費用と資材が必要だ
「港」「ヘリポート」「灯台」は,いずれも建設すれば,立地次第で自然に利益が得られる。陸地のど真ん中の駅前に灯台を建ててもOK。「コンテナ港」は隣の都市へ資材を売却&購入可能。「灯台」以外はマップ中に合計四つまでしか建設できないという制限がある。「船着場」「防波堤」はマップコンストラクションでのみ建設可能だ
「公園(小,中,大)」「学校」「キャンパス」「保護区」は利益は得られないが,建設すればレジャー率や文化率が上がり,都市が活性化する。保護区では農業率が上がるほか,他社に子会社を建てられたくない場所に建てておき,自社の子会社を建てるときまでガードする,といった使い方もできる
建設に巨額の投資が必要となる「プロジェクト」は,会社運営においても都市開発においても大きな決断が必要になる一大行事だ。「ゴルフ場」「鉄道博物館」「国際空港」「新幹線駅誘致」「リニア駅誘致」を建設でき,建設することで利益を得たり,都市全体の景気回復に大きな影響を及ぼしたりできる。
資材を用意する必要はなく,建設用地と莫大な費用さえ用意できれば建設できるが,プロジェクトを生かすも殺すも会社社長次第なので,投資分の利益を出せるように奮闘しよう!
前回は鉄道を走らせて資材を用意すれば,都市は自然に発展していくことを紹介したが,それだけでは住宅や雑居ビルなど小さな建物が駅前に並ぶばかりで,多くの鉄道利用者は見込めない。しかも,ある程度まで開発が進むと発展は停滞してしまう。そこでさらに多くの人が鉄道を使ってくれるよう,子会社を建てて駅周辺を発展させ,鉄道利用者を増やし,子会社利益も獲得するのだ。
新米社長は,人口が増える「マンション」と,ビジネス率が上がる「オフィスビル」あたりを無難に建てていくのがいいだろう。駅前が充実してきたら,店舗や娯楽施設,運動施設なども建てていけば,より多くの鉄道利用者を獲得できるようになる
子会社を建てる際には,建設費とは別に,土地を購入するための「用地費用」が必要だ。活性化の進んでいないエリアほど用地費用も安くなる。子会社を撤去して同じ場所に別の子会社を建てる場合にも,再び用地費用を支払うことになる
子会社を建てるとき(駅もだけど),建設予定地に自社or他社子会社がすでに存在している場合,自動的に買収/撤去してしまうので注意。クリックする際に微妙にズレて売却撤去になってしまった,なんてことも多く,アンドゥ(やり直し)がないので慎重に
その地域の発展が停滞しているかどうかは,“鉄道利用者が伸びなくなった”“資材置場の資材が余り出した”などの現象で,ある程度は判断可能だ。停滞ムードが出てきても,子会社を建てれば再び活性化する場合がある。新米社長は失敗したときのことも考えて,手を入れる前にセーブしておくといいかも
会社の経営状況は,[Report]メニューの「都市情報」「鉄道会社情報」「経営情報」「決算情報」「エネルギー情報」で把握できる。その中で最も頻繁に見ることになるのが,お金に関する情報を一望できる「経営情報」と「決算情報」だろう。決算情報では,今年度の決算データだけでなく過去30年分のデータを参照可能。会社がどのような資金繰りをして,成長または衰退してきたのかを把握できる。
会社経営者としては,鉄道網を広げ,子会社を次々に建てて,どんどん利益を得たいところ。ところが,利益が増えれば自ずと増えるのが,毎年必ず支払わなくてはならない「税金」だ。
税金には「消費税」「法人税」「資産税」の三つがあり,それぞれ金額確定日と支払日が異なる。支払日に資金が足りなくても強制的に徴収されるため,税金を払ったら赤字に転落して倒産,なんて経験はベテラン社長でさえ何度も味わっているはずだ。
それではさっさく,それぞれの税金の特徴と対策について見ていこう。
1月1日0:00に「法人税」「資産税」が確定し,「決算情報」の「負債合計」の下に「未払法人税」「未払資産税」として表示される。この合計金額が,年間の「利益」を上回っているようなら税金対策が必要。もし「資金」を上回ってしまっているなら,急いで金策を講じないと倒産だ
その月の「売上合計」(株式売却を除く)に対する5%が対象で,毎月月末に額が確定し,翌々月1日に支払う。当然ながら多くの売り上げがあれば消費税も自ずと上がる。しかし,それほど大きな金額にはならないので,会社経営に影響が出ることは少ないだろう。毎月,知らないうちに問題なく支払われていくはずだ。
本年内に得られた「利益」(売上合計から費用合計を引いたもの)に対する10%が対象で,毎年12月31日に確定して翌年4月1日に支払う。消費税と同様,多くの利益を得るほど法人税も増えてしまうが,子会社などを一度に大量に売却して利益を得たりしない限り,巨額になることはない。なお,赤字だった年の法人税は0円となる。
本年内の「資産合計」(資金と公共投資評価額を除く)に対する5%が対象で,毎年12月31日に確定して翌年5月1日に支払う。分かりやすくいうと,所有している「鉄道施設/車両」や「子会社」などに掛かる税金だ。会社が倒産する原因の一つで,資金があるからと次々に子会社を建ててしまうと,資産税が膨大に膨れあがって払えない,なんてことも。
今回,最初に紹介した「子会社」は,とくに税金を気にしなければならない存在だ。一見,「子会社売上−子会社費用」の分だけ利益が出ているように思えるが,「法人税」(利益の10%)と「資産税」(子会社評価額の5%)を差し引いて,なお大きな利益を上げている子会社はかなり少ないはず。
会社の経営すら脅かす「資産税」を減らす簡単な方法としては,資産税が確定する直前の12月31日に,[Market]の「不動産取引」で各子会社の利益(「今期利益」から「今期売上」の10%と「市場価格」の5%ぐらいをマイナスする)をチェックし,あまり儲けの出ていない子会社は思い切って売却すればいいのだ
[Option]メニューの[時間]の中にある「決算前日の停止(12月31日)」「決算直後の停止(1月1日)」をオンにしておくと,法人税,資産税が確定する直前と確定後に自動でゲームが停止して便利だ。これなら忘れずに税金対策ができる
試しに,「大都市構想」マップをゲーム開始から放置して,最初から所有している子会社をすべて抱えたままの状態(左)と,決算前日に子会社をすべて売却した状態(右)で,資産税の違いを比較した。子会社を持ったままだと毎年多くの資産税を支払うことになるが,子会社を売却してしまえば(1年だけ消費税と法人税は上がるものの)資産税は大幅に減り,さらに1000億円以上の資金を調達できる。毎年100億円以上の資産税を払えるだけの利益を出す自信がない場合は,1回だけ300億円ぐらいの法人税+消費税を支払えば,翌年以降ラクになるというわけ
今回は鉄道乗客をアップさせ,都市に彩りと活力を与える「子会社」,そして毎年(毎月)必ず支払わなければならない「税金」について紹介した。資金と資材があると,つい子会社を乱立させがちだが,立地条件次第で利益は大きく左右されるし,資産税も支払わなければならず,子会社で利益を出すのも意外と大変である。
都市開発を進めていくうえで,税金の支払いは避けられない毎年恒例行事なので,新米社長は毎年12月31日になったらマメにセーブして,いろいろ試してみてほしい。
次回は鉄っちゃん垂涎の「車両紹介」,そして新米社長を悩ませる「赤字部門」の見つけ方と対策の仕方について紹介しよう。お楽しみに。
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