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大量の戦車が整然と展示されるロシアの「Patriot Park」と,なんといってもマウス重戦車が魅力の「クビンカ戦車博物館」に行ってきた
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印刷2017/07/01 20:46

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大量の戦車が整然と展示されるロシアの「Patriot Park」と,なんといってもマウス重戦車が魅力の「クビンカ戦車博物館」に行ってきた

 2016年,モスクワ近郊(電車で1時間ちょっと)のクビンカに「Patriot Park」という名前の施設がオープンした。簡単にいうとロシア軍のクビンカ基地の拡張版といったところで,シューティングレンジなども備えた,総面積54平方kmという超大型の施設である。
 「World of Tanks」PC/PlayStation 4/Xbox One)のファンなら大好きな戦車が多数展示されており,さらに,航空機やロケットなどの展示もある。

画像集 No.084のサムネイル画像 / 大量の戦車が整然と展示されるロシアの「Patriot Park」と,なんといってもマウス重戦車が魅力の「クビンカ戦車博物館」に行ってきた

「World of Tanks」公式サイト


 だが,事情に詳しい人ならご存知のとおり,クビンカにはもともと「クビンカ戦車博物館」という施設があって,三度のご飯より戦車が大好きな4Gamerの編集者など,クビンカを複数回も訪れているという。そして,Patriot Parkに展示されている戦車は,このクビンカ戦車博物館から順次移送されているというのだ。

 このため今,特定の戦車を目当てにクビンカ戦車博物館に行くと,「展示されていると聞いていたのに,ないじゃないか!」という事態に陥る可能性がある。とはいえ適宜移送中でもあるので,Patriot Parkに行っても「クビンカ戦車博物館から移されたと聞いていたのに,ないじゃないか!」という状況に陥る可能性もある。

 このジレンマに対するWargaming.netの解答は,「だったら両方見ればいいじゃないか」という,実にシンプルなもので,両方見るという大胆な企画が立案された。「World of Tanks」最強チームを決める世界大会「The Grand Final 2017」の日程に合わせてプレスツアーが開催されたので,以下,その模様を写真を中心にお届けしたい。

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 ちなみにクビンカ戦車博物館の場合,館内の表示がすべてロシア語なので,筆者の知識では「これは何?」となってしまう車両が少なくないことをあらかじめおわびしたい。一方,インバウンドの取り込みも狙っているらしいPatriot Parkには,英語で解説してくれるガイドさんもいるので,外国の旅行者にとって優しい。

Patiot Parkの展示(戦車のみごく一部)


 まずは,Patriot Parkで見ることができた戦車だ。繰り返すが,展示の戦車は移送中であり,今後,展示内容が変わる可能性もある。また,掲載したのはその展示品のごく一部で,ソビエト時代のさまざまな戦車は非公開の別棟にあるという。

Patriot Parkの入り口
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(左)花壇は見事な星のマーク。(右)軍の施設が併設されており,係員は基本軍服。なお中央の人はツアーコンダクターで,その右はバスガイドさん
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館内の照明はやや薄暗い。天井は非常に高く,戦車と戦車の間隔も広々としている。このあたり,のちほど掲載するクビンカ戦車博物館の写真と比較してほしい
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(左)みんな大好きタンケッテ,T-27。(右)バレンタイン Mk.III。人気車両らしく,展示されている場所が良い
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I号戦車。マネキンを乗せるなんて,クビンカではちょっと考えにくい豪華な展示方法
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(左)T-50。古いバージョンの「World of Tanks」を知っている人なら,「あいつか!」という気持ちになるはず。(右)ルノーR35
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BT戦車は,車内の様子も見られる
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解説のお兄さんは「このあたりのエリアにはTier 3くらいまでの戦車が展示されています」と説明。ゲームについてもご存知の模様だ
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(左)割と遠慮なくハーケンクロイツ。(右)T-26
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(左)T-37A。(右)フランスのパナールAMD35装甲車
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IV号戦車
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(左)Sd Kfz222。(右)T-34。IV号戦車ともども,良いスポットに展示されている
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M3中戦車リー。しかし,マネキンはなぜこの制服なのか
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stug33b突撃砲
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(左)軍用トラックなどもしっかり展示されている。いや,トラック大事ですよね。(右)M5A1軽戦車
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マチルダII歩兵戦車I
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ルノーUE。ほんとに小さい。オモチャ?
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イタリアのC.V.35
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KV-85
VI号戦車ティーガーI
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(左)Strumpanzer IV,あだ名なブルムベア。(右)多連装ロケット砲カチューシャ。正確には,そのランチャー
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SdKfz301の左側に,クビンカで謎のオーラを放っていた球状の物体が
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謎のボール戦車の解説。ご査収ください
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(左)SU-122。(右)ゴリアテが挨拶しているようだ
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フェルディナント重駆逐戦車。のちにエレファントに改称
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フェルディナントの正面装甲を横から撮影してみた。まさに,鉄の塊
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SU-152
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VI号戦車ティーガーII
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自走砲シュトルムティーガー。解説員は「すごい威力ですが,発射速度に難がありました。カチューシャを数並べたほうが,ずっと効率的でした」と辛口の評価
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モノとしてはありふれたT-34/85なのだが,車内が見られるとなると,勢い込んで撮影してしまう
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SU-76M
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駆逐戦車ヤークトパンター
駆逐戦車ヤークトティガー
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ヤークトティガーの正面装甲
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(左)対戦車自走砲ナースホルン。(右)この手の資料もいくらか展示されていたが,数は多くない
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九七式軽装甲車 テケ
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九五式軽戦車をベースにした車両
九八式軽戦車 ケニとのこと
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九七式中戦車 チハ
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九五式軽戦車 ハ号


そして舞台はクビンカ戦車博物館に


 Patriot Parkからバスで移動することしばし,プレスツアーは続いてクビンカ戦車博物館へと向かった。かなりの数の戦車がPatriot Parkに移動してしまったので,マウスが置いてあるドイツ棟はガラガラ感が強かった。

クビンカ戦車博物館の入り口
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クビンカに行ったことがある人なら必ず見たであろう,地雷除去用の車両がお出迎え
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こんな感じで,割と雑然と戦車が展示されている。Patriot Parkと比べて展示の完成度は低め
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カール自走臼砲
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マウス。カールと並んでいると大きさの感覚が狂う。戦車というよりは「建物」といったほうがしっくりくるサイズ
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「World of Tanks」でもおなじみのヴァッフェントレーガー
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V号戦車パンター
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III号戦車
戦車の移動がまだ行われていない展示棟もある。アメリカ,イギリスの戦車を収めた棟はこんな感じ。ぎゅう詰めである
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(左)「これは,全部写真撮るだけで大仕事だな……」的な雰囲気。(右)フランスで戦後に開発されたAMX-13なども置いてある
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画像集 No.081のサムネイル画像 / 大量の戦車が整然と展示されるロシアの「Patriot Park」と,なんといってもマウス重戦車が魅力の「クビンカ戦車博物館」に行ってきた
スウェーデンのStrv.74戦車
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同じくスウェーデンのStrv.103主力戦車

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 というわけで,ごく一部だが,Patriot Parkとクビンカ戦車博物館の模様をお届けした。筆者の考えるに「よい展示状態で,とにかくたくさんの(とくにソビエト時代の)戦車が見たいならPatriot Park」で,「マウスやカールが見たいならクビンカ戦車博物館」という状況だと思う。
 ただ,マウスやカールを筆頭に,アメリカ,イギリス,フランスの戦車といった面々もいつPatriot Parkに移動してしまうか分からないので,このあたりは結局,どちらかではなく両方行くような計画を立てたほうがよさそうだ。どちらも真剣に見て回ると1日以上かかるので,2日間は必要だが,クビンカ周辺にこれといった宿泊施設がないのが難点だろう。

 交通機関としては,モスクワからクビンカまで電車が走っており,そちらを使ったほうが無難なように感じた。今回はバスで移動したが,途中で渋滞につかまると大変なことになりそうだ。電車の乗り降りが難しいならUberなども考えられるが,ただし,クビンカからの帰りにUberがつかまるかどうかは未知数だ。

 筆者は実を言うと,「クビンカではマウスが見られるけど,まあしょせんマウスだしなあ……」という先入観を持っていた。だが実際に実物を見て受けた印象は予想と大違いで,簡単に言ってすごいな,に尽きた。なるほど,大きな物体が与えるインパクトは凄まじい。

 というわけで,けして日本から簡単に行ける場所ではないものの,もしクビンカ戦車博物館周辺に行くことがあれば,ぜひマウスは見てほしい。「こんなのを作って,何をするつもりだったんだ」「こんなの作ってる場合じゃないだろう」という常識的な思いと同時に,「なるほどこんなのが実際に動いたら『これで戦況は一変する』みたいな妄想を(一瞬なりとも)抱いちゃうかもなあ」という感慨も湧き上がる,素晴らしい逸品と言えるからだ。
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