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[E3 2011]見えてきた「BioShock Infinite」のゲーム世界。青空のまぶしい浮遊都市でエリザベスを助けるのだ
今回は,デベロッパであるIrrational Gamesのスタッフが,説明しながらゲームをプレイして見せてくれた,その模様をレポートしたい。同社はデモプレイの一部を含んだトレイラーを公開しているので,合わせてチェックしてもらえれば幸いだ。
舞台は海底都市から浮遊都市に
BioShock Infiniteは,過去2作品の舞台だった海底都市「Rapture」(ラプチャー)から,舞台を一気に“空の上”,浮遊都市「Columbia」(コロンビア)へと移す。時代も前2作より数十年遡った1912年だ。
ゲーム内におけるコロンビアは,19世紀末から20世紀初頭にかけて,当時の技術者達の叡智を結集して建造されたもの。飛行船と気球によって浮かべられており,「新興国アメリカ」のパワーを見せつけるべく,万国博覧会の見世物としての役目を担っていたという。しかし,そのうち,何らかの理由で地上との音信を怠るようになり,今では孤立した状態で大空に浮かび続けているのだ。
主人公となるBooker DeWitt(ブッカー・デウィット)はそんなコロンビアに囚われた人を探し出す目的で潜入した探偵という役どころだ。その囚われの人物というのが,うら若き女性Elizabeth(エリザベス)で,ゲームでは多くのシーンで主人公の仲間として行動を共にする。
エリザベスに関する詳しい事情は明らかにされていないものの,彼女はさまざまな超能力を持っており,コロンビアにとってはなくてはならない存在なのだそうだ。
そして目下コロンビアでは,浮遊都市の建設や政治に関わるグループ「The Founders」(ファウンダー)と,「Vox Populi」(ヴォクスポプリ,ラテン語で「民衆の声」)というグループとに分かれた市民戦争のまっただ中。街は荒廃し,至る所で殺戮や略奪が行われており,崩壊中だったり炎上中だったりする建物も少なくない。ガラガラと崩れ落ちていくようなものもあり,いつまで浮遊都市としての体裁が保てるのか,ちょっと不安にさせるものがある。
ただそれにしても,BioShockシリーズらしく,ゲーム世界の作り込みは異様なほどすさまじい。
スピード感溢れるアクションが特徴に
今回のデモプレイは,ブッカーとエリザベスが出会った後,雑貨屋で利用できそうな武器やアイテムを探しているというシーンから始まった。これまで,かなりシリアスな側面ばかり紹介されてきており,幸薄そうな印象のエリザベスだったが,今回はリンカーン大統領の被り物を見つけて物真似をしてみせるなど,無邪気な愛くるしさを見せている。
ただ,突然甲高い爆発音がして建物が崩れ始めると,そこで彼女は何かにおびえるかのように物陰へ隠れてしまう。そこで窓の外に目をやると,大きな何かが,こちらを覗き込むようにして緑色の光でスキャンしているのだ。
この時点で,それが何なのかははっきりしないのだが,一難去ってから,エリザベスは真顔で,「約束して。あいつに二度と私を連れ去ったりさせないって」と言ってくる。そう,今回リリースされたトレイラーの最初にあるスクリプトシーンになるのである。
この緑色の光を出している存在の正体は,「Songbird」(ソングバード)という,鷲のような形をした巨大なロボット。ソングバードは,エリザベスをコロンビアに幽閉している“張本人”であるとともに,当初はエリザベスの唯一の話し相手だったりもするなど,並々ならぬ因縁にあるらしい。はっきりとそう断言されたわけではないものの,海底都市編におけるLittle Sister(リトルシスター)とBig Daddy(ビッグダディ)のようなものだろうか。
そのサイズからしてブッカーがその身だけで立ち向かえそうな相手ではないため,鳴き声とともに飛来するソングバードは,プレイヤーを悩ます存在になりそうだ。
さてその後,エリザベスを解放するため,ファウンダー達の拠点と思われるComstock(カムストック)へ向かう二人だが,途中で瀕死の馬に遭遇する。ブッカーは,馬を苦しませないよう銃口を向けるものの,エリザベスは「傷口があるから治せるわ」と話し,彼女の持つ超能力で一瞬だけ馬が甦り,周囲の草木が緑になる。
ただ,エリザベス自身,自分の持つ能力の使い方に習熟しているわけではないらしく,治療を続けようとしたときには,周囲の時空に亀裂が生じたかのような状態になった。どういうわけか,アスファルトとコンクリートのビルが建ち並ぶ,2000年代のダウンタウンのような状況が周囲に広がり,高速で進んでくる自動車にあわや轢かれそうになったところで,また元の世界に戻るといった感じだった。
もう1つ,カムストックへの移動中には,暴漢たちとの激しいアクションが展開されている。
BioShock Infiniteには,ジェットコースターにおけるレールのような「Skyline」(スカイライン)が到るところに設置されており,フックを引っ掛けると高速で移動できるのだ。ブッカーはこれを使いながら,片手で銃を撃ったり,遠方の敵に近づいたり,あるいは距離を取ったりという行動が取れる。途中でフックを外してジャンプしたりというアクロバット操作も行えるようになっており,単なる撃ち合いに留まらない,ハラハラドキドキの銃撃戦が楽しめるようだ。
今回,ブッカー用のパワーアップアイテムとして登場するのは,これまでのように注射器で打つPlasmids(プラズミド)ではなく,Vigor(ビガー)と呼ばれる霊水入りボトルである。デモプレイでは,ブッカーがビガーを使って敵の重力を消し,その間にエリザベスがスカイラインに掛かった貨車をぶつけるというコンボアクションが見られた。2人の連携も,パズル的に組み込まれているようである。
こうしてカムストックに向けた発着場のようなプラットフォームにまで辿りついた2人。だがここで,あの鳴き声とともソングバードが登場し,ブッカーを掴み殺そうとする。翼のわりに体が大きく,腕も非常に太い。ここで,エリザベスが「もう逃げないから殺すのは止めて」と懇願すると,ソングバードの真っ赤だった目は緑に戻り,エリザベスを握って飛び去るのだった。
デモのエンディングは,これを追ったブッカーがスカイラインへ飛び乗るシーンで終わっている。
……薄暗い海底都市における,ホラー風味のアクションだったシリーズ従来作とは打って変わって,BioShock Infiniteは,目に染みるような青い空を背景にした,色鮮やかなゲームになっている。とくに,スピード感溢れるアクションを実現するスカイラインの存在が,従来と異なるイメージを強くしている印象だ。
一方,ビッグダディ的なソングバードや,世界の緻密な描かれ方,そして身体能力を向上させるクスリの存在など,BioShockをBioShock足らしめる要素は失われていない。これは期待できそうである。
発売は,2012年第2四半期の予定だ。
→BioShock Infinite公式Webサイト
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(C) 2002-2013 Take-Two Interactive Software, Inc. Developed by Irrational Games. BioShock, BioShock Infinite, Irrational Games, 2K Games, Take-Two Interactive Software and their respective logos are all trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. All rights reserved.
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