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[GTC 2018]NVIDIA,8万1920基のCUDA Coreを統合した“世界最大のGPU”「DGX-2」発表。新開発の「NVSwitch」で16基のTeslaを相互接続
ただし,残念ながら(?)これは単体GPUではない。Huang氏は基調講演で,VoltaアーキテクチャのGPU「GV100」を採用しつつ従来比2倍の容量となる32GBものHBM2メモリを組み合わせた新GPUモジュール「Tesla V100 32GB」を発表したのだが,それを16基相互接続させたものとなる。NVLinkベースとなる新開発のスイッチ「NVSwitch」を12基用意して16基のGPU間をつないでいるのだという。
この“世界最大のGPU”の正式名称は,スーパーコンピュータの新製品「DGX-2」。16基のTesla V100 32GBにより合計512GBのメモリ容量を確保し,「わずか10kWの消費電力」(Huang氏)で2 PFLOPS(ペタフロップス)もの半精度浮動小数点演算性能――Tesla V100を8基搭載した初代「DGX」比で2倍――を実現できるそうだ。
気になる価格は39万9000ドル(約4220万円)。CPUベースで同じ性能を実現しようとした場合,デュアルCPUベースのサーバーを300台用意することになり,導入コストは300万ドル(約3億1710万円),消費電力は180kWに達するが,それと比べるとDGX-2は同じ性能を8分の1のコスト,60分の1の設置スペース,18分の1の消費電力で実現できるとHuang氏は強くアピールしていた。氏はGV100関連製品のアピールにおいて好んで「買えば買うほど,皆さんは支出を減らせる」という言い回しを使うのだが,今回もしつこいくらいにこれを繰り返していたことは付記しておきたい。
なおHuang氏は同時に,Volta世代初のワークステーション向けグラフィックスカードとなる「Quadro GV100」も発表している。
こちらも搭載するGPUはHBM2容量32GB版GV100。最大の特徴は,NVIDIAが「NVLink 2」と呼ぶGV100世代のインターコネクト技術を活用し,2枚のグラフィックスカードを1枚のカードであるかのように扱えることだ。NVSwitchではなくNVLink 2ベースの実装ではあるが,DGX-2と同じコンセプトで“ビッグGPU”を実現しているという理解でいいだろう。
GV100ベースということもあり,NVIDIAがGDC 2018で発表したリアルタイムレイトレーシング技術「RTX Technology」にはもちろん対応。デュアルCPUベースで600台のCPUレンダリングサーバーを構成すると360kWもの消費電力に達するが,同じ性能を得るのにQuadro GV100であれば48kWしか消費しないとのことである。「同じ仕事をするのにコストは5分の1で済み,(サーバーの)スペースは7分の1で済み,消費電力も7分の1で済む。買えば買うほど,皆さんは支出を減らせるのだ(笑)」(Huang氏)。
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