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Xperia X Performance対Galaxy S7 edge対AQUOS ZETA。ゲーマーにお勧めできるスマホはどれだ? NTTドコモ2016夏モデルテストレポート
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印刷2016/05/13 00:00

テストレポート

Xperia X Performance対Galaxy S7 edge対AQUOS ZETA。ゲーマーにお勧めできるスマホはどれだ? NTTドコモ2016夏モデルテストレポート

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 既報のとおり,2016年5月11日,NTTドコモは都内において2016年夏モデル新商品発表会を開催し,新型スマートフォン5製品などを発表した。1シーズン前の2015〜16年冬春モデルでは,10製品ものスマートフォンをラインナップしていたわけで,それと比べると,ずいぶん絞り込まれた印象を受ける。
 下に示したのは,そんなNTTドコモ2016年夏モデルのラインナップを発売予定時期順に並べてみたものだ。

  • Galaxy S7 edge SC-02H
    Samsung Electronics製,5月19日発売予定,Android 6.0,Snapdragon 820搭載,PREMIUM 4G対応,VoLTE(HD+)対応
  • AQUOS ZETA SH-04H
    シャープ製,6月上旬発売予定,Android 6.0,Snapdragon 820搭載,VoLTE(HD+)対応
  • Xperia X Performance SO-04H
    ソニーモバイルコミュニケーションズ製,6月中旬発売予定,Android 6.0,Snapdragon 820搭載,PREMIUM 4G対応,VoLTE(HD+)対応
  • arrows SV F-03H
    富士通コネクテッドテクノロジーズ製,6月下旬発売予定,Android 6.0,Snapdragon 410(MSM8916)搭載
  • Disney Mobile on docomo DM-02H
    LG Electronics製,7月上旬発売予定,Android 6.0,Snapdragon 430(MSM8937)搭載

 ハイスペック機を求めたユーザーに,夢と希望と悲しみを与えたQualcomm製のSoC(System-on-a-Chip)「Snapdragon 810」。その後継となるハイエンドSoCである「Snapdragon 820」(MSM8996)を搭載する端末は,Galaxy S7 edge SC-02H(以下,Galaxy S7 edge)とXperia X Performance SO-04H(以下,Xperia X Performance),そしてAQUOS ZETA SH-04H(以下,AQUOS ZETA)の3機種になる。今回は,これらSnapdragon 820搭載モデルの試作機を発表会場で実際にテストしてきたので,「Snapdragon 820ってどうよ?」という部分を中心に,結果をお伝えしたい。

Snapdragon 820のCPUコアであるKryoの特徴を示したスライド。CPUコアあたりの効率を重視した独自のデザインで,モバイルアプリ向けに最適化してあるという
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 各製品の説明へと進む前に,Snapdragon 820とはどんなSoCなのかを,簡単に説明しておこう。詳しく知りたい人は,製品概要発表時の記事を参照してもらいたい。

 さて,2015年のハイエンドSoCであったSnapdragon 810は,ARM製CPUコアである「Cortex-A57」4基と「Cortex-A53」4基を統合する,変則8コア構成を採用していた。それに対して,2016年のハイエンドSoCであるSnapdragon 820では,Qualcomm独自のCPUコアである「Kryo」(クライオ)×4の4コア構成を採用している。
 最大動作クロックは2.2GHzとなるが,Snapdragon 820はCPUパワーに余裕がありすぎるのか,今回のテスト中に,CPUコアが最大クロックである2.2GHzで動作しているシーンはなかった。その意味では,今日(こんにち)のスマートフォン向けアプリに対しては,十分すぎるほどの処理性能を有しているといえそうだ。

 なお,Snapdragon 820が統合するGPUコアは,やはりQualcomm独自の「Adreno 530」になっているのだが,こちらの詳細は明らかになっていない。Qualcommのアピールによれば,Snapdragon 810の「Adreno 430」比で,グラフィックスおよび演算能力,電力効率がいずれも40%向上したそうなのだが,分かるのはそれだけだ。


Xperia X Performance


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 それでは,各製品をチェックしていこう。トップバッターはXperia X Performanceだ。
 2015年までのXperia Zシリーズから名を改め,新たにXperia Xシリーズとなった新製品は,名称に「Performance」とあるとおり,スペックに重点を置いたモデルである。このほかにもXperia Xシリーズには,Qualcomm製SoC「Snapdragon 650」を採用するミドルクラスモデル「Xperia X」と,MediaTek製SoC「Helio P10 MT6755」を採用するエントリーモデル「Xperia XA」があるのだが(関連記事),日本市場に投入するのはXperia X Performanceのみであると,ソニーモバイルコミュニケーションズは明言していた。

 シリーズ名は変わったものの,Xperia X Performanceの見た目は今までのXperia Zシリーズから,大きくは変っていない。前面背面ともに真っ平らのフルフラットなボディ形状も今までどおりだが,よりフィット感に重点を置いているようで,Xperia Zシリーズにあったソリッドな雰囲気は薄くなった。実機を見ると「丸くなったな」といった印象を受ける人が多いのではないだろうか。

 筐体部材はアルミ合金を多用しており,バックパネルも縦持ち時の最下段エリアを除いてフルメタルである。「Xperia Z5」までのガラスパネルから部材を一新したのは,放熱性の向上目当てという理由が大きいようだ。

本体前面(左)は,今までのXperia Zとあまり違いはなく,フロントステレオスピーカーも健在。本体背面(右)を見ると,エッジの丸みが強くなったようだ。なお,右の写真で「XPERIA」ロゴの下にラインが見えるが,この下の一部だけ樹脂製になっている。アンテナの強度対策だろうか
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本体上側面にはヘッドセット端子とサブマイク(左),本体下側面にはマイク孔とUSB Micro-B端子がある(右)。従来のXperia Zシリーズにあったストラップホールがなくなっている点にも注目
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本体左側面には,防水カバーに覆われたnanoSIMおよびmicroSDカードスロットがある(左)。本体右側面にはボタン類が集中(右)。左からシャッターボタン,音量調節ボタン,指紋認証センサー搭載の[電源/スリープ]ボタンだ
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 ボタン類の数や配置は,Xperia Zシリーズそのままであるため,既存のXperia ZシリーズからXperia X Performanceへと機種変更した場合,フィット感の良さを感じても,操作感の違いを感じたりはしないで済むだろう。
 ただ,[電源/スリープ]ボタン内蔵の指紋認証センサーは,Xperia Z5のそれよりも認証精度が大きく向上したとのこと。少しズレただけで認証に失敗するといったことは,減っているそうだ。

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おサイフケータイ用のアンテナは,本体前面左上にある。工場出荷状態だと,インカメラ横に貼られたシールで,タッチ場所を示している。ただのシールなので,邪魔ならはがしてもいい
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側面の丸みが増したことで,強めにグリップしても,手に刺さる感じはしない。また,液晶パネルのベゼル幅が適度にあるため,強く握っても誤タップしづらいのは評価できる

本体のカラーバリエーションは4色で,左からLime Gold,White,Rose Gold,Graphite Black
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ヘッドフォンに合わせてサウンドをチューニングする「自動最適化」機能は,意外にもゲーム用途に適する
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 ゲーム用途で面白いのは,サウンド設定にある「自動最適化」機能だ。Xperia X Performanceが,接続しているヘッドフォンの性能を自動で判定して,それに合わせてサウンドをチューニングするという機能である。音が格段によく聞こえるようになるので,サウンドも楽しみたいゲーマーに歓迎されるだろう。

 スペック面も見てみると,メインメモリ容量は3GBで,内蔵ストレージ容量は32GB。容量200GBまでのmicroSDXCカードに対応するmicroSDカードスロットも備えている。
 液晶パネルは5インチサイズで,解像度は1080×1920ドット。「Xperia Z5 Premium」で採用した4K解像度のパネルを使う製品は,Xperia Xシリーズには存在しない。5インチ級で4K解像度は,さすがに時代を先取りしすぎたのだろうか。

 それでは,ベンチマークテストでXperia X Performanceの性能を検証していくとしよう。実施したのは,「3DMark」によるグラフィックス性能検証と,「A1 SD Bench」によるメインメモリおよびストレージアクセス性能検証,「CPU-Z」による動作クロック変動の確認,そして連射測定アプリ「ぺしぺしIkina」による連打応答性の検証,そして「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」(iOS / Android,以下 デレステ)によるプレイテストという,筆者の検証で定番の5項目である。

 まずは3DMarkのスコアだが,「Ice Storm Unlimited」プリセットでのスコアが「16129」と,驚くほど低い結果が出て困惑するはめに。これはあまりに低いので,別の端末でもテストしてみたところ,今度は「26178」というスコアになった。スコア的には,Xperia Z5と同程度であり,新GPUコアによる性能向上は見えない。
 1台めと2台めの違いがどこで生じたのか。最初にテストした端末では,充電をしながらテスト用のアプリをインストールした直後だったので,もしかすると発熱によってサーマルスロットリングが発生し,動作クロックに制限がかかっていた可能性がある。
 もちろん,試作機なので,まだ最適化が済んでいないだけという可能性もあるだろう。ここは製品版で再検証したいところだ。

3DMark Ice Storm Unlimitedの結果。左から総合スコア,詳細スコア,Monitoring dataである
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参考までに,スコアが低かった端末の結果も掲載しておこう。。Monitoring Dataを見ると,テスト中もCPUクロックが上昇していないことが分かり,GPUも同様の状況にあったのかもしれない
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 CPU-Zで動きを観察してみたところ,4基のCPUコアを,CPU0とCPU1,CPU2とCPU3という2グループにわけて処理をしているようだ。CPU0とCPU1が960MHzで動作しているとき,CPU2とCPU3は729MHzで動作するといった具合に,big.LITTLE的な動きが見られた。
 ちなみに,GPUクロックの変動幅は大きく,アイドル時でも214〜320MHzを行き来していた。

CPU-Zを見ると,2コアずつのグループごとにCPUクロックが変動するbig.LITTLE的な動きが見られた
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 ぺしぺしIkinaの結果は,連打回数が93〜96になるよう連打して「81」。スタートから31タップめまではストレートにカウントされたが,以降は7〜9タップごとに飽和が生じ,79タップめに長い飽和があった。
 大抵のゲームで問題のない動きではあるが,長時間の連打がある場合は,挙動を事前に確認しておくとか,途中で連射速度を変えて飽和しないようにするといった対策をとるといいだろう。

A1 SD Benchの結果(左)は,とくに気になる部分ナシ。ぺしぺしIkinaの結果(右)は「81」
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 さて,デレステでのテスト結果だが,アプリ側がまだSnapdragon 820に最適化されていないようで,グラフィックス周りでいろいろと問題がある。チュートリアルの判定は「2D軽量」となり,動作設定で「3D標準」を選ぶことはできるものの,解像度が正しく反映されなかった。また,MVで紙吹雪や映像フィルタを有効にできない。そのうえ,MVの映像はやけにジャギーが目立つといった具合である。デレステ側の対応に期待したい。

チュートリアル時の判定(左)とMVの設定画面(右)
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プレイ自体は問題なく,MVもとくにカクつくことはなかった
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 一方,プレイ自体には問題がなく,各入力の取得具合はスムーズで,プレイ中にもたつくこともなかった。付け加えると,難易度Pro→難易度Master→MVを3回連続再生→難易度Masterと負荷をかけてプレイし続けてみても,サーマルスロットリングに入った様子は見られない。アプリ側が対応してくれれば,よいプレイ環境になる予感がある。

 さて,最後に放熱について気になったことを述べておこう。Xperia X Performanceは,背面をメタルパーツにすることで放熱能力を高めたわけだが,それによって,手に持つと露骨に温度上昇を感じるようになった。とはいえ,不快なほどの温度でもないため,Snapdragon 810搭載スマートフォンのように,「熱いな!」と驚くことはないはずである。デレステや「World of Tanks Blitz」のような処理負荷の高いゲームを連続プレイしているときでも,背面の温度が上がったら小休止する程度で,問題なく続けられる可能性が高い。
 とはいえ,3DMarkのスコアが安定しない一方で,デレステの連続プレイ時には問題が起きないなど,首を捻りたくなる挙動もあったのは確かだ。繰り返しになるが,このあたりは製品版で再テストしてみたいと思う。

●Xperia X Performance SO-04Hの主なスペック
  • メーカー:ソニーモバイルコミュニケーションズ
  • OS:Android 6.0(Marshmallow)
  • ディスプレイパネル:5.0インチTFT液晶 トリルミナスディスプレイ for Mobile,解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 820」(MSM8996,クアッドCPUコア+Adreno 530,最大CPU動作クロック2.2GHz)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大200GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2300万画素
  • インカメラ:有効画素数約1320万画素
  • バッテリー容量:2570mAh
  • 待受時間:未定
  • 連続通話:未定
  • LTE通信周波数帯:2GHz / 1.7GHz / 1.5GHz / 800MHz / 700MHz
  • 最大通信速度:下り375Mbps,上り50Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:4.2
  • 本体サイズ:71(W)×144(D)×8.6(H)mm
  • 本体重量:約165g
  • 本体カラー:White,Graphite Black,Lime Gold,Rose Gold
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,VoLTE(HD+),おサイフケータイ,防水(IPX5,8),防塵(IP6X),指紋認証,ワンセグ,フルセグ,ハイレゾ音源再生


Galaxy S7 edge


 ディスプレイパネルの左右両端がカーブを描いた異色のデザインで話題を呼んだ「Galaxy S6 edge」。その後継機となるのが,このGalaxy S7 edgeである。
 前面の左右端がカーブを描き,背面はフラットというGalaxy S6 edgeで確立されたデザインに,大きな変更はない。また航空機に使用されているという強度の高いアルミ合金をボディに採用している点も同様で,基本的にはスペックが向上した性能強化モデルという認識でいいだろう。

本体前面(左)。真正面から見ると,左右が湾曲しているようには見えない。本体背面には,アウトカメラやLEDライト,そして,中央に非接触充電機に載せるときの目印になるマークがある(右)
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本体上側面(左)。サブマイク孔と防水対応のnanoSIM&microSDカードスロットがある。前面の湾曲具合も分かるだろう。本体下側面には,ヘッドセット端子とUSB Micro-B端子,マイク孔,スピーカーなどが並んでいた(右)
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ディスプレイパネルが湾曲しているため,左右側面は非常に細い。本体左側面には[音量調節]ボタンが(左),本体右側面には,[電源/スリープ]ボタンがそれぞれあるだけ(右)
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カーブを描いた左右端は,触れるとランチャーやミニアプリを表示できる
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 5.5インチサイズで,解像度1440×2560ドットという大きめの有機ELディスプレイパネルを採用するGalaxy S7 edgeだが,独特の形状もあって,思った以上にホールドしやすい。
 ただ,Galaxy S6 edgeでのレビューでも言及したように,プレイ中に湾曲部分に触れてしまったり,タッチセンサー式の[戻る]ボタンに触れてしまったりすることがあり,持ち方に左右されやすいという問題点もある。

前面下側にハードウェアボタンを配置しているのはGalaxyの伝統。左が[最近のアプリ]ボタンで,右が[戻る]ボタン。どちらもタッチセンサーになっている
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 つまり,ゲーム中の操作性に関して,2つ問題があるわけだが,Galaxy S7 edgeではこのうち,[戻る]ボタン問題に対して解決策を用意している。Galaxy S7 edgeには,ゲーム関連のさまざまな特殊機能を備えた「Game Tools」というアプリがあり,このアプリから,[最近のアプリ]ボタンと[戻る]ボタンをロックできるのだ。ゲーマー向けキーボードによくある,[Windows]キーの無効化機能のようなものを,標準で用意していると考えれば分かりやすいだろうか。

 残念ながら,「プレイ中につい熱くなって手にギュっと力が入るタイプの人だと,湾曲タッチパネル部を触ってしまうことがある」という問題は相変わらずで,Game Toolsにはもう少し頑張ってほしかったというのが正直なところだが,Galaxy S6 edgeと比べると,大きく進歩しているとは言っていいだろう。

 なお,Game Toolsにはほかにも,ゲーム映像の動画をキャプチャする機能や,プレイ中の通知を非表示にする機能など,他のスマートフォンにはない機能もある。動画キャプチャ機能には,インカメラで撮影したプレイヤーの顔を重ねて録画するゲーム実況に向いた要素もあった。発表会場ではそこまで試すことはできなかったが,いずれじっくりと試してみたい。

Game Toolsを使うと,[最近のアプリ]ボタン(履歴キー)と[戻る]ボタン(戻るキー)をロックできる(左)。ゲーム映像の録画機能では,インカメラを使ってプレイヤーの顔を撮影し,それを映像に重ねることもできる(右)
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 スペック面にも触れておこう。搭載SoCは,冒頭で触れたとおりSnapdragon 820。メインメモリ容量は4GBと,NTTドコモの2016年夏モデルでは一番多い。内蔵ストレージ容量は32GBで,容量200GBまでのmicroSDXCカードにも対応。Galaxy S6 edgeは,microSDに対応しなかったので,この復活は歓迎できる。
 また,Galaxy S6 edgeでは省かれた防水防塵機能がGalaxy S7 edgeでは復活している点もポイントといえよう。バッテリー容量も3600mAhと,今夏の新製品では最大容量を誇っている。

発表会場には分解モデルが展示されていた(左)。基板をよく見ると,放熱用のヒートパイプがあり,Snapdragon 820の熱対策は大変な気配が窺える
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 一通り特徴を説明したので,ベンチマークテストに入ろう。まずは3DMarkのスコアだが,「29891」と30000の大台目前という高いスコアを記録した。念のため3回実行してみたが,スコア差は誤差程度に留まったので,性能を順当に引き出していると見てよさそうだ。

Galaxy S7 edgeにおける3DMark Ice Storm Unlimitedの結果。左から総合スコア,詳細スコア,Monitoring data
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CPU-ZでGalaxy S7 edgeの挙動を確認したところ
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 CPU-ZでSoCの挙動を見てみたところ,アイドル時のCPU動作クロックは,ほぼ307MHzで,負荷をかけると4コアとも揃って動作クロックが変動する様子を確認できた。2コアごとに動作クロックが変わっていたXperia X Performanceとは,だいぶ異なる挙動だ。発売日が5月19日と近いので,ほぼ製品版に近いファームウェアを使っていると思うのだが,この挙動の違いが製品の方向性を反映したものなのか,ほかに理由があるのかまでは検証できなかった。

A1 SD Benchの測定結果。メインメモリアクセス,ストレージアクセスともに速い。ちょっと結果を疑いたくなるほどだ
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 A1 SD Benchの測定結果は,メインメモリのアクセス性能を示す「RAM」の測定結果が「15017.04MB/s」という,筆者がこれまでに見たスマートフォンの中では,最も高い結果となった。Xperia X Performanceの1.5倍ほども高い結果であり,なぜこれほどのスコア差がついたのかは分からない。
 ストレージアクセス性能を測るInternal memoryも,Readが383.44MB/s,Writeは164.54MB/sと,これまた良好な結果になった。高速なフラッシュメモリチップを使っているのか,それとも,フラッシュメモリメーカーでもあるSamsung Electronicsならではのチューニングによるものなのか。いずれにしてもメモリやストレージアクセス性能は優秀なようだ。

 ぺしぺしIkinaは,Galaxy S6 edgeのレビュー時と同じく,「[戻る]ボタン長押しからのメニュー表示ができない問題」が発生してしまい,検証できなかった。Galaxyシリーズ共通の問題なのだろうか。

プレイ自体はもたつきもなく快適だったので,デレステ側の対応待ちだ
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 さて,注目のデレステによるテストだが,Xperia X Performanceと同様に,チュートリアル時の判定はなぜか「2D軽量」となってしまい,MV時の演出設定も紙吹雪や映像フィルタが非対応と判定されてしまった。映像にジャギーが目立つ部分もXperia X Performanceと変わっていない。デレステ側がSnapdragon 820をきちんと判定できていないのだろう。
 ただ,入力の取得はとても良好だった。カーブした側面による誤タップ問題は困りものだが,それさえなければ優秀なゲーム用スマートフォンとなりそうだ。デレステ側の対応を期待したい。

チュートリアル時の判定は「2D軽量」。MV時の紙吹雪も負荷など,Xperia X Performanceと同様の問題が発生した
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●Galaxy S7 edge SC-02Hの主なスペック
  • メーカー:Samsung Electronics
  • OS:Android 6.0(Marshmallow)
  • ディスプレイパネル:5.5インチ有機EL(「Super AMOLED」),解像度1440×2560ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 820」(MSM8996,クアッドCPUコア+Adreno 530,最大CPU動作クロック2.2GHz)
  • メインメモリ容量:4GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大200GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約1220万画素
  • インカメラ:有効画素数約500万画素
  • バッテリー容量:3600mAh
  • 待受時間:約420時間(LTE)
  • 連続通話:約1260分(LTE)
  • LTE通信周波数帯:2GHz/1.7GHz/1.5GHz/800MHz/700MHz
  • 最大通信速度:下り375Mbps,上り50Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:4.2
  • 本体サイズ:73(W)×151(D)×7.7(H)mm
  • 本体重量:約158g
  • 本体カラー:Black Onyx,White Pearl,Pink Gold
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,VoLTE(HD+),PREMIUM 4G,おサイフケータイ,防水(IPX5,8),防塵(IP6X),指紋認証,ワンセグ,フルセグ,ハイレゾ


AQUOS ZETA SH-04H


三辺狭額縁仕様を採用していた2015年モデルの「AQUOS ZETA SH-01H」
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 前モデルと比べて,外観はあまり代わり映えのしないXperia X PerformanceやGalaxy S7 edgeとは対照的に,外観を大きく変えてきたのがAQUOS ZETAだ。トレードマークでもあった三辺狭額縁仕様を捨てたその見た目は,ごく普通のスマートフォンになってしまった。
 デザイン変更の理由を説明員に聞いてみたところ,「(横画面時の)持ちやすさを求める声が多かったから」とのこと。たしかに横画面での操作では,三辺狭額縁仕様のデザインはやや使いにくい面があったことは否定できない。とはいえ,縦持ちであれば画面以外の物が目立たない没入感の高いデザインであったので,残念でもある。

本体前面(左)。三辺狭額縁仕様ではなくなり,なんともフツーな見た目に。前面の上部と下部には近接センサーがある。本体背面には,アウトカメラとLEDライト,近接センサーを装備している(右)
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 新しいAQUOS ZETAのデザインは,Xperia Z5と中国Xiaomi製スマートフォンの雰囲気を合わせ持つといった印象で,良くも悪くもシャープらしさは希薄だ。

本体上側面(左)。サブマイクとヘッドセット端子がある。左右端が大きくカーブしているが,これは,縦横問わず持ちやすさを検討した結果とのことで,実際,持ちやすい。本体下側面には,写真左からスピーカー,USB Micro-B端子,マイク孔,ストラップホールが並ぶ(右)
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本体左側面(左)には,防水カバーに覆われたnanoSIMスロットとmicroSDカードスロットがある。本体右側面には,中央に指紋認証センサーがあり,[電源/スリープ]ボタン,音量調節ボタンが並んでいる(右)。音量調節ボタンの位置がかなり遠いのは気になるかも
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 ただ,見た目以外はいつものAQUOSシリーズだ。
 大きな特徴の1つとなるのが,豊富な内蔵センサーとそれを使った機能である。今時のスマートフォンは,どれも多くのセンサーを搭載しているものだが,AQUOS ZETAは,一般的なスマートフォンよりもセンサーが多いのだ。
 筆頭に挙げられるのは,両側面の下側にある「グリップマジック」だ。これを有効にしておくと,AQUOS ZETAを握るだけでスリープを解除できる。また,2015年モデルでは背面にあった指紋認証センサーも,AQUOS ZETAでは右側面に移設されており,指をスライドさせる方式から,タッチだけで反応する方式に変更となった。

 近接センサーも複数備えている。一般的なスマートフォンでは,受話口付近に1基搭載して,顔を近づけたことを認識するのに使っているのだが,AQUOS ZETAは受話口に1基,本体前面下部に1基,本体背面にも1基の計3基を備えているのだ。
 これで何をするかというと,スマートフォンを机やテーブルに置いた,あるいは離れたことを認識して,動作を変えるのだという。たとえば,AQUOS ZETAを裏返して机におくと,自動でスリープに入ったり,逆に持ち上げるとスリープを解除したりする。伏せた状態で軽く持ち上げた程度だと,スリープしたままでいるといった動作も可能だそうだ。動作状態を細かく認識して,バッテリー駆動時間を稼ぐための工夫といえよう。

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通知用のLEDライトは本体下側だ。その左隣は,握るだけでロックを解除できる「グリップマジック」用のセンサーになっている
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ボタンやインタフェースのレイアウトが,縦横問わずいい感じだ。とくに,スピーカーやヘッドセット端子の位置が使いやすい

 スペックを確認してみよう。搭載SoCは,冒頭で述べたとおりSnapdragon 820。メインメモリ容量は3GBで,内蔵ストレージ容量は32GB。容量200GBまでのmicroSDXCカードにも対応するなど,基本仕様はXperia X Performanceと同じと言っていい。
 液晶パネルは,5.3インチサイズで解像度1080×1920ドットと,ここだけなら特別なものではないが,120fps表示に対応する「ハイスピードIGZO液晶」を採用している点が,他にはない特徴といえよう。残念なことに,ゲームアプリはほとんどの場合60fpsが上限となっているので,あまり恩恵はなかったりする。だが,地図アプリやWebブラウザでは,滑らかな表示を体感できるはずだ。

 このように,スペック面では申し分なさそうなAQUOS ZETAだが,やっかいなのは,シャープ製スマートフォンで顕著な,バッテリー駆動時間延長を重視するあまりに性能を抑制してしまうSoCの動作制御の存在だ。処理性能を発揮してほしいゲームアプリで性能を低く押さえられてしまうので,ゲーマーにとっては気になる問題点である。
 結論から言ってしまうと,今回も同じような動作制御が行われており,バッテリー残量が減るほど,同じSoCを搭載する他製品よりも処理性能が低くなる傾向はやはり見られた。

 まず3DMarkだが,総合スコアは「24344」と,今回テストした3機種のなかでは明らかに低い。充電しながら計測しても,ほぼ同様のスコアであったため,GPUの動作クロックを低めに押さえている可能性が高いだろう。2016年のハイエンドスマートフォンとしては,物足りないスコアだ。

AQUOS ZETAにおける3DMark Ice Storm Unlimitedの結果。左から総合スコア,詳細スコア,Monitoring data
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 CPU-Zを見てみると,CPU側はCPU0とCPU1,CPU2とCPU3で動作クロックが異なる様子が見られた。この動作自体は,Xperia X Performanceと似たようなものだ。ただ,アプリをインストール中の動きからすると,Xperia X PerformanceよりもCPUの動作クロックは低めで,なるべく1GHz以下で済ませようとしているようだ。3DMarkの結果からすると,GPUの動作クロックも上限である624MHzまでは上がらない仕様になっていると思われる。

CPU-ZでAQUOS ZETAの動作を確認しているところ。CPUクロックが,1GHzを超えることはまずない
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 A1 SD Benchは,なぜかInternal memoryでエラーが発生していまい,何回やっても計測できなかった。体感での印象では,アプリのインストールと起動はスムーズだったので,ストレージ周りの性能も抑え気味,ということはなさそうな気配だ。
 なお,メモリアクセス性能を見るRAMは,11520.29MB/sと良好なスコアだった。Snapdragon 820搭載機は,10000MB/s前後が基準になるのだろうか。

 ぺしぺしIkinaのスコアは「74」。飽和タイミングは21,29,43,53,60,71,73タップめといった具合で,いずれも長めの飽和でスコアが落ちている。連打の多いゲームでは気になるだろう。発売までまだ時間があるので,もう少し連打応答性が改善されるといいのだが。

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Internal memoryはエラーで計測できなかったが,RAMの速度は優秀だ
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ぺしぺしIkinaの結果。連打系アプリにはイマイチの結果である

MVを視聴する場合は問題ないが,「3D標準」でプレイしようとすると,クリアが厳しいレベルでもたつく
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 最後のデレステだが,これまでの2製品と同様にチュートリアルでの判定は「2D軽量」。MV時に紙吹雪や映像フィルタを選べない点も同様だ。
 問題は,「3D標準」でのプレイでは,頻繁にもたつきと入力取得ミスがあり,プレイに多大な支障が出たことである。「2D標準」や「2D軽量」でのプレイはとても快適だったので,SoCが持つ3Dグラフィックス性能を生かせていないのだろうか。もたつきがなかったMVを楽しむときだけ,「3D標準」にすればいいともいえるが,今回の3機種の中では最も持ちやすい製品だけに,この結果は残念だ。

チュートリアル時の判定とMVの設定の表示は,先の2製品と変わらない
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 スペック的に物足りない点はなく,持ちやすさでは他の2製品よりも優れていると思える部分もあるだけに,その仕様上,ゲームにおける性能が低くなってしまうというシャープ製端末の弱点が残念でならない。ゲームのときは制約を緩めてくれるだけでも,ゲーマーにお勧めできる製品になるのだが,現状ではほかの2製品のほうがゲーマー向けと言わざるを得ないだろう。

●AQUOS ZETA SH-04Hの主なスペック
  • メーカー:シャープ
  • OS:Android 6.0(Marshmallow)
  • ディスプレイパネル:5.3インチTFT液晶(「IGZO」),解像度1080×1920ドット
  • プロセッサ:Qualcomm製「Snapdragon 820」(MSM8996,クアッドCPUコア+Adreno 530,最大CPU動作クロック2.2GHz)
  • メインメモリ容量:3GB
  • ストレージ:内蔵(容量32GB)+microSDXC(最大200GB)
  • アウトカメラ:有効画素数約2260万画素
  • インカメラ:有効画素数約500万画素
  • バッテリー容量:3000mAh
  • 待受時間:未定
  • 連続通話:未定
  • LTE通信周波数帯:2GHz / 1.7GHz / 1.5GHz / 800MHz
  • 最大通信速度:下り337.5Mbps,上り50Mbps
  • 無線LAN対応:IEEE 802.11ac
  • Bluetooth対応:4.2
  • 本体サイズ:73(W)×149(D)×7.6(H)mm
  • 本体重量:約155g
  • 本体カラー:White,Black,Green
  • 主な対応サービス&機能:VoLTE,VoLTE(HD+),PREMIUM 4G,おサイフケータイ,防水(IPX5,8),防塵(IP5X),指紋認証,ワンセグ,フルセグ,ハイレゾ

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