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[COMPUTEX]立体視表示に超音波ペン? Snapdragonでお馴染みのQualcommがプレスカンファレンスを開催
SnapdragonのロードマップやAhteros買収をおさらい
「すべての電子機器がスマート化しているなかで,我々の製品群は,今後ますます注目され,重要な役割を担う存在となっていくはずだ」(Pineda氏)
昨今ではスマートフォン,タブレット端末のみならず,カーナビやテレビまでが情報端末化,つまり「スマート」化している。
こうしたスマート機器向けにQualcommが提供している主力SoC(System-on-a-Chip)が「Snapdragon」だ。Qualcommの発表によれば,現在125種類以上の採用製品がアナウンスされ,約250種類が開発中で,20社がタブレット端末で採用を決定しているという。
これらを踏まえたうえで,Pineda氏は,Snapdragonシリーズの最新ロードマップを示した。
Qualcommはこの第3世代Snapdragonを世界初の「非同期型組み込み向けデュアルコアCPU」として訴求している。
余談だが,Adreno 220は,2009年にQualcommがAMDから買収した旧ATI Technologies(以下,ATI)系の組み込み機器向けGPUテクノロジが応用されていることでも知られるGPUだ。ATIの遺伝子が息づいているせいなのか,Adreno 220用に用意されたゲーム風テクノロジデモの主人公はRubyにそっくりだったりする。
興味がある人はこちら下のムービーを見てみてほしい。
さて,このロードマップアナウンスのあとは,買収手続きが完了し,Qualcommと統合されてQualcomm Atherosとなった旧AtherosのJason Zheng氏が登壇した。「携帯電話やタブレット端末はもちろん,ありとあらゆる機器で採用されているAtherosの通信機能製品群は,総合組み込み機器メーカーのQualcommとタッグを組んだことの相乗効果で,ますます勢力を増していくことだろう」と同氏。
Atherosという名前に馴染みがない読者も少なくないと思うが,PCに関連したところで話をすると,無線LANやBluetoothといった製品にはAtheros製品は数多く採用されている。そのため,知らない間にAtheros製品採用のデバイスを使っていたりするのだ。例えば,ニンテンドーDSの通信機能はAtheros製のものだったりする。
Atherosは,ほかにもワイヤレスなディスプレイ接続技術「WiFi Display」の規格策定に中心的な役割を果たしていたり,電源ラインを使ったPLC関連製品における通信基幹チップの世界シェア約80%を持っていたりする。このAtherosがQualcommのグループに入るということは,相応に大きなニュースなのである。
第3世代Snapdragon搭載製品が多く会場に
ただし,ロードマップで示された第4世代SnapdragonたるMSM8960の展示はなし。「採用した実機」とされるデバイス自体はあったのだが,実はモックアップで,電源をオンにできなかった。そのため,ブース内の“主役”は,第3世代SnapdragonであるMSM8660を採用する製品群であった。
この方式だと,立体視映像の解像度は半分になってしまうが,GPU負荷は立体視に対応させたのにもかかわらず平面視時とほぼ変わらないという利点がある。ちなみに実行はMSM8660搭載の開発者向け端末で行われていた。
これはなんの変哲もない紙のノートの隣に携帯端末を横に置いて,この状態で超音波を発生するワイヤレスペンでノートに字を書くと,あら不思議,ノートに書いた字が携帯端末側の画面にそのまま出現するのである。紙のほうが圧倒的に大きいため,携帯端末側の画面には,書いた字が縮小されながら取り込まれている感じだ。
これは,携帯端末に組み込まれた音声マイク(※これ自体はごく普通の音声マイクだ)で超音波ペンからの超音波を取得し,その周波数の変化を解析。その結果として携帯端末とペンの位置関係を割り出して筆跡を取り込むことで実現しているのだという。取得データは当然のことながらベクトルデータになるので,拡大縮小は自由自在だ。
確かに,4〜5インチ前後の小型端末で手書き文字入力は難しい。そのため,このソリューションは実用化されれば引き合いはそれなりにありそうだ。なお,こちらも実行はMSM8660搭載の開発者向け端末で行われていた。
インフラとしては802.11nを使用し,PCやAV機器などからハイビジョンクラスの映像をディスプレイに直接飛ばすことができるとし,デモではノートPCで再生したBlu-ray Disc相当の映像を,WiFi Displayプロトコルでブラビアへ飛ばす実演が行われていた。
電波で飛ばす映像はベースバンド映像フレームではなく,H.264のビットストリームだそうで,デコードはテレビ側で行っていると説明。現在の表示遅延は100ms以上だが,最終的には40ms以下にしたいとのことだった。
Qualcomm公式サイト(日本)
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