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IDF 2011速報。明らかになったIvy Bridgeのグラフィックスアーキテクチャ
Ivy BridgeとSandy Bridgeで共通の要素 |
Intelが「Tick+」と位置づけるほど,Ivy Bridgeのグラフィックスアーキテクチャには大幅な変更が |
Intel初の22nmプロセス世代CPUにして,新型トランジスタ「3次元トライゲート・トランジスタ」を採用して製造される初のCPUとなるIvy Bridge。CPUのマイクロアーキテクチャこそ,現行のSandy Bridge世代と比較して小変更に留まる一方,グラフィックスに関しては「Tick+」となるほど革新的なアーキテクチャ変更が加わるというのはCOMPUTEX TAIPEI 2011のレポートでお伝えしたとおりだ。
また,L3キャッシュを実装することでリングバスを介したLast Level Cache(LLC)へのアクセスを低減し,より効率的に処理を行うよう改良を加えたとPiazza氏。これらによって3D性能は大幅に強化され,「従来よりも快適にゲームがプレイできるようになる」という。
アーキテクチャ的にはCompute Shaderをサポート,DirectX 11のDirectComputeにも対応する。ただし,OpenCLへの対応は未定のままだ |
Ivy Bridgeのオーバークロック関連機能一覧 |
メモリコントローラも,DDR3-2133を最大2800MT/sまでオーバークロック動作させられるようになる見込みである。
10月末にも市場投入と噂される
Sandy Bridge-EとX79マザーボードの姿も
IDF 2011 SFの会場には,10月末にも市場投入と噂されている「Intel X79 Express」(以下,X79)チップセット搭載マザーボードや,X79マザーボードに「Sandy Bridge-E」を差したオーバークロック動作のデモなども公開されている。
Intelブランドの液冷CPUクーラー,RTS2011LC。いわゆる簡易液冷タイプである |
6コアのSandy Bridge-Eが4.72GHzでオーバークロック動作されていた |
9月13日に掲載した記事とも内容がリンクするのだが,MSIは,8 DIMMスロット構成のマザーボードを展示していた。これはSapphire Technologyの言う「1chあたり1 DIMM」という話と矛盾することになるが,MSIの説明員によれば,「8 DIMM構成のサポートは不透明な状況で,動作検証も遅れている。我々はIntelの最終回答を待っている段階だ」とのこと。8 DIMM構成のマザーボードが登場するかどうかはまだ分からないというわけだ。
一方,会場にいたSIベンダー関係者いわく,「メモリモジュールを選び,オーバークロック動作させたりしなければ,8 DIMMでもいけることを確認した」。つまり,条件付きながら1chあたり2本のDIMMをサポートできる可能性もある,ということである。いずれにせよ,このあたりは,最終製品が登場するのを待つ必要があるだろう。
13日の記事で懸念材料に挙がっていたPCI Express 3.0対応だが,こちらについては,今回会場で話を聞いた関係者の誰もが,「最初のSandy Bridge-Eでは,PCI Express 3.0非対応となる」と口を揃えていたことを報告しておきたい。前出のMSI説明員は「我々のマザーボードそのものは,PCI Express 3.0 Readyだ」と,CPU側の対応を待って正式サポートする形を取る可能性を示唆していたので,おそらくこれが,マザーボードベンダー側に共通したスタンスなのだろう。
もう1つ気になる点は「X79だと,当初は最大10ポートのSATA 6Gbps対応が予定されていたが,デスクトッププラットフォームにおいては,最大4ポートに落ち着きそうだ」という話が,マザーボードベンダー関係者の間から伝わってきていること。このあたりは取材を進めたうえで,あらためてお伝えできればと考えている。
IDF公式Webページ(英語)
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Core i7・i5・i3-3000番台(Ivy Bridge)
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Intel 7
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