プレイレポート
[TGS 2011]「DEAD ISLAND」はただのゾンビゲーじゃない。シングルプレイは生き残るために何をすべきか考えるドラマティックな内容に
「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」(旧称:カンヌ国際広告祭)の1部門で金賞を受賞した“あの”トレイラーが公開されて以来,「おいおい,これはただのゾンビゲーとは違う匂いがするぜ……」と期待している人も多そうなDEAD ISLAND。
海外ではすでに発売を迎えて多くの人が遊んでいるが,日本での発売日は10月20日であるため,国内ではまだまだそのゲーム内容が見えてこない。そこで,今回は実際にDEAD ISLANDのシングルプレイを体験して,その感触を確かめてきた。
「BANG BANG!!」と敵を倒す爽快感溢れる作品かと思いきや……?
筆者が最初にDEAD ISLANDを見た印象は「ゾンビが出てくるFPS」だった。これ,当たらずといえども遠からずといったところなのだが,DEAD ISLAND(とくにシングルプレイ)を説明するにあたっては不十分。というのも,DEAD ISLANDはただ目の前のゾンビを倒すことよりも,自分を含めた生存者がどうやって生き残るかを考える,いわばドラマを楽しむという一面が強いのである。
移動中に,血で染まったプールの中で死体に囲まれて嘆く青年を見かけたりする。彼は,一緒にバカンスを楽しんでいたはずの家族の命を絶って生き残ったらしく,その場から動けずにいた。舞台となるバノイ島には,彼のほかにもヤケになった飲んだくれやら,必死に生き残ろうとする青年やら,極限状態に置かれた人間達が生存している。もちろん,彼らが最後まで誰一人欠けずにいられるとも思えないが……。
ただ,序盤は銃などの派手な武器は入手できず,ボートのオールやら棒っきれで戦わないといけないので,あまり囲まれないようにしたい。しかもオールやら棒は,戦っているとすぐ折れてしまう。生き残るための武器を探すところから,DEAD ISLANDのドラマはスタートしているというわけ。
ちなみに,攻撃やダッシュを続けているとスタミナのようなものが減っていくようで,これがなくなると……! どうなるかはTGS 2011では確認できなかったが,まぁきっと大変なことになるのだろう。
敵を殴ったときの打撃感は重すぎず軽すぎず。殴った衝撃がプレイヤーキャラクターに戻ってくるようなことはないが,相手はしっかりとのけぞったり倒れたりする |
海外版から演出の変更点もある。ゾンビの内蔵の色が黒く調整されたり,人間の部位欠損表現がなくなったりといった感じだ(ゾンビは海外版と同じく腕が吹っ飛んだりする) |
また,DEAD ISLANDの面白い部分は,敵を倒すと経験値が手に入り,キャラクターのレベルが上がっていくこと。レベルが上がるとスキルポイントが増加し,キャラクターを成長させられるようになっている。スキルはツリー制で,前提となるスキルを獲得しているとより上位のスキルを獲得できる。ツリーは複数用意されていたので,プレイヤーの好みに合わせてキャラクターの性能を尖らせることもできそうだ。
日本語のローカライズを担当したという関係者(スパイク)によれば,後半は走ってきたり毒をはいたりとゾンビもパワーアップしていくらしい。さらに武器の合成が可能で,やりこみ要素としてマップに隠されたオブジェクトを発見するコレクション要素もあるとのこと。
「アクション性が強くとっさの判断が必要となる作品なので,ぜひ日本語版でプレイをしてください。豪華声優陣がバノイ島で待っています!」と力を込めて語ってくれた担当者のために,ぜひ日本語版でプレイしてほしい。英語版をプレイして「今のなんて言ってたんだ……」と考えているうちに後ろからガブリッ! なんてことも無きにしも非ずなので。
ともあれ,今回の体験プレイで,DEAD ISLANDは想像以上にドラマが重視された作品であることが分かった。“あの”トレイラーから感じられた恐怖や切なさは,シングルプレイの序盤からぼんやりと漂っている。バノイの生存者達が生き残るためにどのような選択をしていくのか,物語の行く末にも大いに期待したい。
また,DEAD ISLANDが最近気になり始めたという人は,2011年6月のE3で体験したマルチプレイのレポートにも目をとおしていただきたい。本作がシングルプレイとマルチプレイで,2種類のゲーム性が楽しめる作品であることが,きっと分かっていただけると思う。
「DEAD ISLAND」公式サイト(スパイク)
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