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一騎当千の爽快感は健在。ローンチタイトルとして本日発売される「真・三國無双 NEXT」を2時間じっくりプレイしてみた
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印刷2011/12/17 00:00

プレイレポート

一騎当千の爽快感は健在。ローンチタイトルとして本日発売される「真・三國無双 NEXT」を2時間じっくりプレイしてみた

 本日(2011年12月17日)発売となる,新携帯ゲーム機「PlayStation Vita」(以下,PS Vita)。そのローンチソフトとして同じく本日発売される1本が,コーエーテクモゲームスの一騎当千アクション「真・三國無双 NEXT」だ。

画像集#002のサムネイル/一騎当千の爽快感は健在。ローンチタイトルとして本日発売される「真・三國無双 NEXT」を2時間じっくりプレイしてみた

 これまでにも紹介してきたように,本作は前面タッチスクリーン/背面タッチパッドでのタッチ(押す)/タップ(押してすぐ離す),フリック(弾く),ドラッグ(なぞる),そしてモーションセンサー(いわゆるジャイロ機能)を使った操作など,PS Vitaに搭載されたさまざまな機能をほぼフル活用した,意欲的な作品となっている。
 その一方で,操作が複雑になり爽快感が損なわれてしまうのでは? という声も少なからず出ていたように思う。では,実際のところどうなのか,発売前にコーエーテクモゲームスにお邪魔して,本作をじっくりと遊んでみたので,ゲームの概要と共に紹介しよう。

「真・三國無双 NEXT」公式サイト

4Gamer「PS Vita」特設サイト

「真・三國無双 NEXT」発売直前! 開発陣インタビュー


PS Vitaのインタフェースをフル活用した操作とは


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 まず,本作における基本的な操作に関しては,Lボタンでガード,□ボタンで通常攻撃,△ボタンでチャージ攻撃/馬ジャンプ,○ボタンで無双乱舞,×ボタンでジャンプ/騎乗と,これまでのシリーズと同様なので,過去作のプレイヤーであれば迷うことはないだろう。
 操作において大きく変わった点は,やはり前面タッチスクリーンでの操作だ。メニューでの選択時(物理キーでも操作可能)はもちろん,「アクシデンタルバトル」「一騎討ち」「神速乱舞」「ダイレクトブレイク」など,さまざまな場面で利用することになる。

 「アクシデンタルバトル」は,特定の場所や兵士との遭遇時に発生するもので,画面に現れた敵をすべてタッチ(複数のタッチが必要な敵もいる)すれば成功となる。素早く倒すことができれば“大成功”と表示され,プレイキャラクターの専用武器が取得できるといった特典もあるので,遭遇したら即座に反応したいところ。筆者はプレイ中,発生した瞬間にあたふたしてしまい,残念ながら“成功”させるのがやっとだった。

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 なお画面外に存在する敵は,モーションセンサーで視野を動かして見つけ出すのだが,カメラアングルの変更は右スティックの視点操作にも対応している。ただ,大成功を狙うのであれば,直感的に操作できるモーションセンサーが若干有利なように思えた。なお,アクシデンタルバトルの発生には,いくつものバリエーションがあるらしいので,とっさの判断力が勝負の鍵になるだろう。

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 続いて「一騎討ち」は,特定の敵武将に遭遇したときに発生し,フリックやタッチを使いわけて,激しい1対1での攻防を繰り広げるというものだ。攻撃には3すくみのような相性があり,でたらめなフリックで攻撃していても勝つのは難しい。相手の行動を見切って,画面をタッチ/フリックするのはなかなか熱くなる。
 そうして敵の体力を減らしていくと“好機!”と表示され,ラッシュ攻撃が可能になる。ラッシュ攻撃時はフリックした分だけ敵を攻撃できるのだが,キャラクターのモーションがキャンセルされるため,プレイヤーのフリック通りに,高速で敵を滅多打ちできるのは,見た目的にも爽快感抜群だ。

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 そして「神速乱舞」は,本作でもっともPS Vitaのインタフェースを活用している必殺技で,無双ゲージが最大のときに,タッチスクリーンの左右を同時にタッチすることで発動できる。
 発生時の操作方法は武将によってさまざまで,例えば剣の軌跡を描くようにフリックして画面中の敵を斬りつけるものや,プレイヤーキャラクターを中心に円を描くようにドラッグして周囲の敵を巻き込むもの,指でタッチしている場所にキャラクターが突っ込んで,敵をなぎ倒していくものなどがある。また,背面タッチパッドの連打や,PS Vita本体を振るようなモーションセンサーを使った神速乱舞も存在する。

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 なお無双ゲージが最大のときは,もちろん無双乱舞も使用できる。では,神速乱舞と無双乱舞との違いは何だろうか? それは,無双乱舞が敵への大ダメージを狙ったものであるのに対して,神速乱舞は多数の敵を巻き込んで,より多くのコンボ数を稼げるという特徴を持っていることだ。
 このコンボ数を稼ぐことの利点を説明する前に,もう一つの「ダイレクトブレイク」について紹介しておきたい。

 本作では,敵を攻撃すると無双ゲージと共に,ブレイクゲージが溜まっていく。このブレイクゲージを最大にして,タッチスクリーンをタップすると,その場所に向けて,強力な攻撃「ダイレクトブレイク」が放てるのだ。
 しかも,ダイレクトブレイクを拠点に向けて使うと,一撃で拠点が制圧できるうえ,マップ上のアイコンに柵のようなものが表示され,その拠点が敵軍に奪還されなくなるというメリットが付く。拠点を落とすときは,ぜひダイレクトブレイクを狙いたいところだ。
 しかしブレイクゲージは,無双ゲージと比べてゲージの溜まるスピードが遅い。実はブレイクゲージは,コンボ数が多い状態で敵を攻撃すると溜まりやすくなっているのだ。つまり,神速乱舞による利点というのは,コンボ数の増加によって,このブレイクゲージを溜めやすくすることにある。

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 このほか,新しい操作としてはRボタンでの「チェイン攻撃」や,マップに表示された武将のマーカーをドラッグして,味方NPCに攻撃/防御を指示するといったものがある。
 チェイン攻撃は,通常攻撃/チャージ攻撃をキャンセルして繋げられる特殊な攻撃で,ここからさらに通常攻撃/チャージ攻撃が繰り出せるという,「真・三國無双 6」におけるヴァリアブル攻撃に近いものだ。攻撃のテンポが途切れないようにチェイン攻撃を挟むことで,コンボ数がガンガン稼げるのは,やはり気持ちがいい。


ローンチタイトルながら豊富なゲームモード


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 続いて,ゲーム内容について触れていこう。本作では「演義モード」「争覇モード」「共闘モード」「遊戯モード」といったゲームモードと,争覇/共闘モードで使えるオリジナル武将が作成できる「エディットモード」が用意されている。

 「演義モード」は,三国志演義の内容に沿ってゲームを進めるモードだ。最初は,物語の始まりである“黄巾の乱”が描かれたシナリオが選択できる。
 ほかのシナリオに関しては,プレイを進めて武勲を集め,プレイヤーの階級を上げると開放されていく仕組みだ。武勲はキャラクター単位ではなく,プレイヤー単位での取得となっている。また階級は,アイテムやオリジナル武将のパーツ取得にも関係している。

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 本作には,「真・三國無双 6 猛将伝」のすべてのプレイアブルキャラクターが登場するということで,申し分のない人数でプレイできる(演義モードでの参加武将はある程度固定されている)。ただし,プレイ開始当初は武将の選択に使う「武将カード」が少ないため,ゲーム中のさまざまな場面で集める必要がある。

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 演義モードや争覇モードでは,プレイヤーは戦闘に出る前に自軍に存在する武将カードに書かれた“政策”が実行できる。政策を実行すると,攻撃力が増加するなど,戦闘を有利に進められるようになるが,政策の種類によって一定の費用が必要となるほか,同じカードは連続で使えず,1回の戦闘につき全部で4枚までの使用制限がある。小まめに使って有利に進めていくのか,所持金を貯めてから強力な政策を発動させるのか,よく考えて使っていきたいところだ。
 政策を終えるといよいよ戦闘開始。ちなみに,一つのステージのプレイ時間は,およそ5分〜30分程度で遊べるものになっているようだ。

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 プレイするとすぐに気がつくと思うが,本作ではプレイヤーキャラクターの体力がバーで表示されず,画面の周囲が赤くなることで残り体力が表現される。また,戦闘を行わなければ自然と体力が回復していく。ただ,体力が自然回復するかわりに,敵の攻撃力はやや高めの印象だ。大量の敵に連続で攻撃を受けると,あっという間にピンチになってしまう。

 さて,戦闘中のプレイヤーは基本的に,目的を達成するために,敵の拠点を制圧しながら,敵兵をなぎ倒していくことになる。拠点には,さまざまな効果があり,例えば兵糧庫を制圧すれば,自勢力拠点の耐久力上限が上がり,輸送所を制圧すれば,体力回復や攻撃力アップといったアイテムなどが出現するようになる。
 その中でも特殊な拠点が,“妖術所”と呼ばれるものだ。その効果は,これに隣接する拠点が陥落しなくなるというもの。そのため,優先的に落としておきたい拠点だ。また,逆に敵に落とされたくない拠点は,ダイレクトブレイクをうまく使って攻略すると良いだろう。敵勢力の力をそぎ落としたら,いよいよ敵武将に向けて進撃だ。

マップ中の紫の線で結ばれた拠点に注目。妖術所のマークはマーカーに隠れて分かり辛いが,影響している拠点には太極図のようなマークが表示されている
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 「争覇モード」は,魏/呉/蜀/晋/その他から選んだ勢力で,マップの統一を目指すというもの。操作するキャラクターや配下武将は,選択した勢力に関係なく,所持している武将カード/作成したオリジナル武将から自由に選択できる。

 勝敗の決定は簡単で,すべての地域を手に入れること。逆にすべての地域を失えばゲームオーバーとなる。一番簡単なマップは,2勢力8地域というもので,マップによって登場する勢力数と地域数が異なっている。

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 ルールは本作独自のものとなっているので,箇条書きで整理していこう。

●各勢力が所有する地域には,“地域レベル”という数値が設定されており,プレイヤーは自分のターン時に,レベルの高い地域(地域A)から,レベルの低い地域(地域B)にだけ攻め込むことができる。逆に,攻め込める地域がない場合は,そのままターンが終了となる。

●自ターンになると,敵勢力に隣接していて,かつ孤立していない地域から,ランダムで1地域だけレベルが上昇する。

●攻め込んだ地域は自分の領地になり,さらに地域Aと地域Bのレベルが入れ替わって,地域Bのレベルが+1される。


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 基本的なルールは以上のようなものだ。地域のレベルが入れ替わるということは,極端な例だが,レベル5の敵地域に隣接するレベル1の敵地域を,レベル4の地域から攻撃したら,あとでレベル5の敵地域からの攻撃でレベル4の地域を奪わてしまった……という結果もあり得るわけだ。
 敵の動きを読みつつ,いつどこを攻撃するのが最適なのか,いろいろ悩みながら詰め将棋的な戦略が楽しめるモードになっている。最大マップになると5勢力での戦いになるので,一層頭を悩ますことになるだろう。

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 また,争覇モードでは対戦プレイが可能だが,これは直接戦うわけではなく,ほかのプレイヤーの情報がネットワーク経由で読み込まれる擬似的な対戦だ。さらに攻め込んだ相手には“挑戦状”が送られ,「遊戯モード」のミッション戦闘でスコアを競うことができるなど,ソーシャル的なオンライン対戦要素も用意されている。
 なお「遊戯モード」では,PS Vitaのカメラを利用した無双スナップや,モーションセンサー,フリック,タッチスクリーン/背面タッチパッドを使って遊ぶ「ミッション戦闘」が楽しめる。

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 アドホック通信を使って最大4人で遊べる「共闘モード」は,4つのコースが用意されている。それぞれ,拠点を1つ以上守り抜くか,敵をすべて倒すと勝利となる「防衛」,拠点をすべて制圧すれば勝利の「奪還」,敵軍本陣を素早く制圧すれば勝利の「神速」,拠点をすべて制圧すれば勝利だが敵味方を問わず一撃で倒されてしまう「一撃」となっている。
 どのコースも,最大4人でのプレイを想定しているため,やや難度は高く,復活回数も制限されているので,挑戦しがいのあるモードだ。中でも「一撃」は,どこかから弓で撃たれるなど,どんなに軽いダメージであっても“一撃”で倒れるので,まったく油断のできないコースになっている。遠距離攻撃が有利なのは間違いないが,あえて近距離攻撃のキャラクターで挑んだとしたら? 友達とアドホック通信で遊んだら,そこかしかこで悲鳴が上がりそうな,スリル満載の熱い戦いが楽しめそうだ。

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一騎当千の爽快感は健在!


 今回,2時間ほど遊ばせてもらったのだが,本作における爽快感は,これまでのシリーズ作品と比較しても負けず劣らずで,フリック操作での直感的な攻撃などは,従来作とは違った爽快感を生み出しているように感じた。

 遊ぶ前には,プレイのテンポが悪くなるのではという心配があったアクシデンタルバトルも,筆者がプレイした感じでは発生自体がそれほど多くはなく(序盤だからかもしれないが,1プレイで1〜2回程度だった),ゲーム中の割り込みイベント的な見方をすれば,それほど気になるものでもなかった。
 むしろ,撃退の“大成功”による武器獲得が目的になるので,「遭遇キター! ぬおおお!」と画面をタッチしまくる,熱いプレイ要素になっている。

 その一方で,タッチやタップ,フリックなどの操作が激しくなりがちなので,中には人のいるところではプレイしにくいというプレイヤーもいそうだ。モーションセンサーでの操作と同様に,通常のキーでも操作できれば,携帯ゲーム機用タイトルとして,どんなロケーションでも遊びやすくなりそうなのだが。

 ともあれ,そうした気持ち的なものを除けば操作も快適で,上にあげた爽快感やボリュームなど,非常に良く作られている印象だ。また,モーションセンサーを使ったPS Vita本体を上下に振るような操作でも,しっかりと映像が把握できる有機ELディスプレイとの相性の良さも再確認できた。
 本作は,こうしたPS Vitaの機能をフル活用したうえで,「真・三國無双」シリーズとして十二分に楽しめる作品に仕上がっていると筆者は感じた。PS Vitaという新ハードをの機能を余すところなく体験できる,最初の1本として最適のゲームではないだろうか。

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