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[SPIEL’16]いよいよ開幕するアナログゲームの祭典「SPIEL\'16」。ドイツ・エッセンの現地から最新のボドゲ情報をお届け
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印刷2016/10/13 00:00

イベント

[SPIEL’16]いよいよ開幕するアナログゲームの祭典「SPIEL'16」。ドイツ・エッセンの現地から最新のボドゲ情報をお届け

 現地時間の2016年10月13日から16日までの4日間,世界最大規模のボードゲーム見本市「Internationale Spieltage SPIEL'16」(以下,SPIEL'16)が,ドイツ・エッセンのイベントホール,MESSE ESSENにて開催される。

会場となるMESSE ESSEN
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 同イベントはその規模が拡大に向かっている最中であり,出展ブースも2014年の832ブースから,2015年は908ブースに増加。そして今年2016年には,ついに1000の大台を超え,1021ブースの出展が予定されている。参加者数も16万人超えは確実(昨年は16万2000人)といったところで,使用ホールも今年は3つ増え,ボリュームアップが図られている。1000ブースともなれば,仮に1ブースを5分でめぐったとしても4日間ですべてを回ることは不可能であり,持ち込まれるゲームを数えれば,1200を超える作品が一堂に会する。ともあれ,アナログゲームの祭典と呼ぶに相応しい規模のイベントなのである。

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「Internationale Spieltage SPIEL’16」公式サイト(英語)



多様化を深めるESSEN SPIEL


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 さて,年々拡大していくESSEN SPIELだが,その傾向を一言で語るとしたら「多様性」ではないかと筆者は思う。

 もとよりボードゲームは,多様性が幅広いジャンルだ。年季の入ったコアゲーマーが半日以上かけてプレイする重厚長大なゲームが「名作」として評価されれば,初対面の人達が5分で遊び方を覚え,15分程度で楽しい1ゲームを体験できるような作品も「傑作」として讃えられる。ゲームを構成する要素も,カードを使ったり木のコマや天然石コマ(要は石ころ)を使ったりは当たり前。粘土や積み木に鏡を使うものもあれば,あるいは近年ではPC(とくにスマートフォンやタブレット)を併用する動きも盛んである。

 それを踏まえ,SPIEL16の出展タイトルのリストを眺めると,大人数が同時に楽しめる,つまりパーティゲームが盛り上がりを見せているように感じられる。日本でも「汝は人狼なりや?」に代表される正体隠匿系ゲームが,大人数で楽しめるパーティゲームとして人気が集まっているが,どうやらこのムーブメントは日本だけではないらしい。いわゆる,リアル脱出ゲームなどの謎解きゲームは海外でもすでに定番であり,こうした流れを汲んだ作品が次々と登場しているようである。

設営中の会場。今年はVR対応HMDを用いたタイトルなんかもありそうだ
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 さらに国際的なイベントという意味でも,今年はより多様化している。
 SPIEL16の出展ブースを国別に見ると,出展国は昨年の41か国から9つ多い50か国となった。とくにスペイン語圏からの参加が増えているようで,かつてはドイツゲームと呼ばれ,いまではユーロゲームと称されるこの界隈にも,さらに新しい名前が必要なのではと思わされる。
 もちろん日本の出展ブースも増えてはいるのだが,どちらかといえば,最近は日本のクリエイターが直接作品を売り込みに来るというよりも,権利を獲得した海外のパブリッシャが,日本の作品を世界に紹介するというケースが増えてきている。

 このように,現代ボードゲーム世界の多様性を凝縮したかのようなSPIELは,「何が飛び出すか分からない」イベントでもある。「ボードゲームといえば,これこれこういうもので,このように楽しめるゲーム」という概念が,根底から覆りかねない可能性を秘めた場――それがSPIELなのである。

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ボドゲファンから,デジタルカードゲーマーまで


 SPIELといえば,前夜祭におけるドイツゲーム賞の受賞式も忘れてはならない。
 ドイツゲーム賞は,ユーザー投票によって決まるアワードであり,それゆえに若干セレクションがコアゲーマー寄りになりがちな側面があるものの,その信頼度はいまもって非常に高い。今年は,残念ながら日本人デザイナーによる作品が入選することこそなかったが,ラインナップに入っている作品のほとんどが,すでに日本語化されていることを鑑みるに,日本から来ているバイヤーの目の確かさが証明されたとも言えるだろう。

順位 タイトル デザイナー メーカー
大賞 MOMBASA(邦題:モンバサ Alexander Pfister eggertspiele, Pegasus Spiele
2位 CODENAMES(邦題:コードネーム Vlaada Chvatil Heidelberger Spieleverlag, Czech Games Edition
3位 T.I.M.E STORIES(邦題:タイムストーリーズ Manuel Rozoy Space Cowboys
4位 PANDEMIC LEGACY(邦題:パンデミック:レガシー Matt Leacock, Rob Daviau Z-Man Games
5位 MYSTERIUM(邦題:ミステリウム Oleksandr Nevskiy, Oleg Sidorenko Libellud
6位 KARUBA Rudiger Dorn HABA-Habermaas
7位 ISLE OF SKYE Andreas Pelikan, Alexander Pfister Lookout
8位 IMHOTEP(邦題:イムホテップ Phil Walker-Harding Kosmos Verlag
9位 7 WONDERS DUELL(邦題:世界の七不思議:デュエル Bruno Cathala, Antoine Bauza Repos
10位 NIPPON(邦題:ニッポン:明治維新) Nuno Bizarro Sentiero, Paulo Soledade What's Your Game
子供向け部門受賞作品
LEO MUSS ZUM FRISEUR Leo Colovini ABACUSSPIELE
金の羽根賞(模範ルール部門)
STONE AGE JUNIOR Marco Teubner Hans im Gluck

 4Gamerでは,ドイツゲーム賞の授賞式も含め,SPIEL16の模様を現地から順次お伝えしていく予定だ。ボードゲームファンはもちろん,スマートフォンのデジタルカードゲームに熱中する読者にも,「本場の熱気」をお伝えしたいと思っているので,ぜひ期待してほしい。

会場となるエッセンメッセの裏手すぐには緑がいっぱい。写真では少しわかりにくいが鹿もいる
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「Internationale Spieltage SPIEL’16」公式サイト(英語)

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