インタビュー
P4Uはペルソナ4の正統な後継作です――「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」について,ディレクターの和田和久氏にインタビュー
今回は,制作の現場を統括したインデックス側のディレクター 和田和久氏に,P4Uの企画が生まれた経緯や狙い,「ペルソナ」シリーズにおける立ち位置や今後の展開について話を聞いてみた。インデックス側に対するインタビューということで,格闘ゲーム部分よりも「ペルソナ」部分に関する話題が多めなので,普段は格闘ゲームを遊ばないというP4ファンも,ぜひチェックしてほしい。
「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」公式サイト
「BLAZBLUEチームを説得できなかったら
P4Uの企画そのものをお蔵入りさせるつもりでした」
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。それではまず,P4Uの企画が生まれた経緯についてお聞かせください。
実は以前から,「ペルソナ」というブランドをもっともっと広げていきたいと思っていたんです。ペルソナをRPGとして広めていくだけなら,私達がより良いゲームを作り続けていけばいいのですが,それだけでは,新しいファンを取り込むことはできません。
4Gamer:
つまり,新規ユーザーを積極的に獲得するには,RPG以外のアプローチも必要であると。
和田氏:
はい。そこで,ペルソナを格闘ゲームにしたら面白いんじゃないかという企画の原型が生まれたんです。
4Gamer:
和田さんは普段から格闘ゲームを遊ばれるんですか?
和田氏:
ええ,私はもちろん,キャラクターデザインの副島も,プロデューサーの橋野も格闘ゲームが大好きで,昼休みになると,毎日のように格闘ゲームで遊んでいた時期もありましたよ。
そしてやるからには,安易なキャラクターゲームに終わらない最高の格闘ゲームを作りたいと思いましたし,作れなければやる意味がない。ただ,我々には格闘ゲームのノウハウがないので,外部の優秀な方達とコラボレーションしようということになったんです。
4Gamer:
格闘ゲーム開発に定評のあるメーカーはいくつかありますが,その中からアークシステムワークスを選んだ理由はありますか?
和田氏:
アークシステムワークスという会社には,以前から物作りの姿勢に勝手にシンパシーを感じていたんです。森 利道さんのインタビュー(関連記事)を読んで,共感できる部分が非常に多かったのが印象的でした。もちろん格闘ゲームに関して,国内屈指の開発力を持っている会社ですし,「アークさんしかない」くらいの強い希望がありました。
4Gamer:
ちなみに,アークシステムワークスに企画を持ちかけたのはいつ頃だったんですか?
和田氏:
2年くらい前に「ペルソナライブ」(※)があったんですけど,そのちょっと前からお話をさせてもらっていました。
※「PERSONA MUSIC LIVE」(http://www.aniplex.co.jp/persona-live/)。2008年8月に赤坂BLIZSにて行われた,ペルソナ3/4の楽曲で構成された音楽ライブ。2012年4月には東京国際フォーラムにて「PERSONA MUSIC LIVE 2012 -MAYONAKA TV in Tokyo International Forum-」が開催される。
4Gamer:
そういえば,そのライブには森さんもいらっしゃってましたよね。会場で見かけた記憶があります。
和田氏:
よく覚えてますね(笑)。まずはペルソナのことをもっと深く知っていただきたいということで,ペルソナライブに招待させてもらったんですが,そこで,我々の強い要望についてもお伝えしました。
4Gamer:
森さんに対する強い要望ということは,つまり……。
はい,我々はアークシステムワークスというブランドに頼るのではなく,森さん率いる「BLAZBLUE」チームに,P4Uを作ってもらいたかったんです。
4Gamer:
それはずいぶんとピンポイントな要望ですね。
和田氏:
BLAZBLUEチームって,単に格闘ゲームを作っているわけではなく,格闘ゲームを軸としたエンターテイメントを生み出そうという姿勢が強いじゃないですか。だからこそ,格闘ゲームファン以外の層からも好評を博している。P4Uの企画を動かすなら,そんなエンターテイメントを生み出すBLAZBLUEチームと,ぜひ一緒にやりたいと思ったんです。
4Gamer:
なるほど。「ペルソナ4」という素材を格闘ゲームに落とし込むだけならともかく,それを新たなエンターテイメントの柱として完成させるとなると,実績のあるBLAZBLUEチームが最適かもしれませんね。
和田氏:
そこで,ダメ元でBLAZBLUEチームに……森さんに開発をお願いしてみたんです。最初はOKしてくれるかどうかすごく心配だったんですけどね。ウチでいうと,ペルソナチームがペルソナではなくBLAZBLUEのRPGを作るようなものですから(笑)。
4Gamer:
確かに……。「ウチはペルソナで手一杯なんですけど!」みたいな話になりますよね,普通(笑)。
和田氏:
ええ。そしてもしだめだったら,P4Uの企画そのものをお蔵入りさせるつもりでした。P4Uの完成には,どうしてもBLAZBLUEチームの力が必要だという確信を抱いていたんです。
4Gamer:
そして,そんな和田さんの思いが通じたのか,結果的にはOKの返事がもらえたと。
和田氏:
はい。ちょうどBLAZBLUEシリーズの開発が一段落したところだったそうで,OKの返事をいただけました。そこでさっそく,森さん含むスタッフの方々に弊社へ来ていただいて,あれこれ話をさせてもらったんですが,実はアークシステムワークスのスタッフさんの中にも「ペルソナ」を知っている方が多くて,僕らとしても非常にやりやすかったですね。
4Gamer:
ペルソナシリーズはゲーム業界内にもファンが多いですしね。ところで,具体的な開発に関してはどのような形で進行していったのでしょうか。
和田氏:
今回は「委託」ではなく,完全な「共同開発」なんです。うちはうちの得意とする部分を担当し,アークさんはアークさんの得意とする部分を担当する。それによって最高の作品を作り上げる,とうことですね。
具体的には,僕らがキャラクターデザイン,BGM,世界観,シナリオ設定,各種演出を担当しました。アークさんには,格闘ゲームの部分を基本的にはすべてお願いしました。
4Gamer:
実際に格闘ゲームとして動いたP4Uを見たときはいかがでしたか?
和田氏:
キャラクターが予想以上に生き生きと動いていたので,最初に見たときはすごく感動しましたね。それと同時に「これはいける!」と思いました。
4Gamer:
元々ポリゴンで動いていたキャラクターをドット絵で表現するという苦労もありそうですよね。
和田氏:
そうですね。そこはアークさんの作り方が本当にすごいと思いました。本作は2D格闘ゲームではあるんですけど,開発時に,まずベースのキャラクターをすべて3Dで作ってるんですよ。そして,そのモデルを撮影したものを修正しながら,最終的な2Dグラフィックスに落とし込んでいく手法が取られているんです。
4Gamer:
なるほど,そういった苦労が,BLAZBLUEやP4Uの,あの滑らかなモーションを生んでいるわけですね。
格闘ゲームファン,RPGファンの両方を満足させる難しさ
4Gamer:
続いてはインデックスがイメージした本作のターゲット層と,ゲームバランスについてお聞きしたいと思います。まずゲームバランスなのですが,本作は,いわゆる「コンボ重視」のゲームなのでしょうか。
単純に,ペルソナのキャラクターを格闘ゲームに落とし込んだだけのゲームにはしたくなかったので,詳しいゲームデザインより先に,「格闘ゲームとしてのクオリティを最優先してほしい」とアークさんにお伝えしました。
4Gamer:
いくらペルソナ4が人気だと言っても,肝心のゲーム部分がお粗末では話にならないと。その点,格闘ゲーム部分をアークシステムワークスに一任した形であれば安心ですね。
和田氏:
その通りですね。なので,格闘ゲームとしてのスタイルに関しては,基本的にアークさんにお任せしています。アークさんのもっとも得意とする,もっともクオリティを出せるシステムで作ってほしいとお願いしました。
4Gamer:
格闘ゲームのプロフェッショナルですからね。RPGとどっちつかずになるのではなく,ということもあるのでしょうか。
和田氏:
そうですね。当然,既存のRPGファンにも遊んでもらいたいという気持ちはあったのですが,新しいジャンルとして出すからには,格闘ゲームファンの方にもきちんと遊んでもらえるタイトルを目指したかった。
あとこの作品には,お互いがメリットを得られるようにするという開発のテーマがありました。僕らは僕らで,格闘ゲームファンにペルソナという作品をアピールしたいですし,アークさんはアークさんでRPG/アニメファンにアピールしたいという狙いがあったんです。なので,お互いが異なるユーザー層に向けてリクエストをし合い,作品にぶつけることで,それが良い形に収まったという感じですね。
4Gamer:
ターゲットからすると,間口は広いが奥は深いゲームを作らないといけないというわけで,開発のハードルがかなり高いですね。
和田氏:
確かに思います。ただせっかく共同開発という形を取るのだから,一社では実現できないようなタイトルにしたかった。そうでないとコラボレーションする意味がないですからね。
徹底したサポート体制で初心者をバックアップ
4Gamer:
本作では何回かロケテストを行っていますよね。その時は,ペルソナ好きな方と格闘ゲーム好きな方の割合は,どちらが多かったのですか?
細かい割合は分からないのですが,これまでのアークさんの作品のロケテストと比較すると,確実に「格闘ゲームをプレイしていないユーザー」が多かったですね。
4Gamer:
具体的にはどんな感じでしたか?
和田氏:
女性の方とか,普段ロケテストには絶対現れないであろうユーザーさんが多く来てくれたんですよ。中には格闘ゲームをまるでやったことがない人もいましたね。プレイしているつもりだったら,実はデモ画面だった,というようなこともあったみたいです。
あと,普通にガードのやり方が分からない方などもいらっしゃいました。それを見たとき,ユーザーさんに甘えていた部分に気付き,初心を思い出しました。この作品はこれまでの格闘ゲームとは明らかにファン層が異なるな,と。そこの認識を間違っちゃだめだって思いました。
4Gamer:
格闘ゲーム初心者の方が格闘ゲームのロケテストにくるというのは,確かにそもそも考えにくいケースですね。わざわざ並んで,格闘ゲームが大好きな人と戦わなきゃならないわけですから。
和田氏:
そうなんですよ。なのでロケテストを経て,従来の格闘ゲームファンだけではなく,新しく入ってきてくれたユーザーさんも大事にしなくちゃいけないなと,あらためて思いました。
新規ファンを意識することで,「格闘ゲームとしてヌルくなるのでは」と不安を感じる方もいるかと思うんですけど,そこは安心してほしいですね。中身をヌルくするということはせず,新規の方がずっと付いてきてくれるような誘導をしていくつもりです。本作を遊んでいるうちに,自然と強くなっているという形に持って行ければと思っています。簡単なことではないと思いますが。
4Gamer:
誘導というのは,たとえばチュートリアルモードの充実などですか?
和田氏:
家庭用でいえばそうですね。ただ本作は,先行してアーケード版が出ているので,家庭用が出る前にある程度の評価が出てしまうと思うんですよ。なので,アーケード版にもチュートリアルムービーを作ったりして,ガードや攻撃,移動といった基本的な部分をフォローしています。なかなか見る機会がないかもしれませんが,アドバタイズデモのような形で,チュートリアルムービーを導入しています。
4Gamer:
チュートリアルムービーですか。そこまで初心者にアピールする格闘ゲームというのは,昨今ではなかなか見られないですね。
和田氏:
ガチの格闘ゲーマーだけに向けたものではないですし,既存のペルソナファンも強くなってほしいというアピールでもあるんです。
4Gamer:
手応えはどうですか?
和田氏:
そうですね。完成度に関してはアークさんも僕らも自信を持っています。ただ先ほども言ったように,本作は格闘ゲーム初心者の方にも遊んでもらいたいので,アーケードではシングル台のようなものも,積極的に用意してほしいなと思っているんですよ。
4Gamer:
いわゆる練習台ですね。
和田氏:
はい。まあ,お店側としては対戦でガンガンをお金を入れてほしいと考えているかもしれませんが,逆に新しいユーザー層にアピールするという意味では,練習台を正式に導入してもらえれば,僕ら側から公式に,そういう店舗さんとしてお知らせすることもできるんですよ。なので練習台をおくことで,結果的にはユーザーさんにもローケーション側にもメリットのある形になるのではないかと思っています。
4Gamer:
メーカーからきちんとした形で紹介してもらえるというのは,店舗側としてもそれなりのメリットになりますしね。
和田氏:
そうですね。実際にどこまでメリットがあるかどうか未知数ではあるんですけど,少しでもメリットを感じてもらえたらいいなと思いますね。
4Gamer:
以前ロケテストを取材させていただいた時に,海外のメディア/プレイヤーさんも目立っていたんですよ。海外でも人気のあるペルソナ/BLAZBLUEチームが作ったゲームならではだなと感じました。海外へのアプローチは,意識されているんですか?
和田氏:
僕自身,海外についてはあまり深く考えてなかったんですけど,本作に対する要望はすごく大きいみたいです。BLAZBLUEは海外受けが非常にいいゲームですし,ロケテストで海外の反応も実感できたというのはすごく大きかったですね。
現在発表されている「以外」のキャラクターも登場?
P3キャラクターの見た目の変化にも注目してほしい
4Gamer:
続いては,おそらく多くのユーザーさんが注目しているであろう登場キャラクターについてお聞きしたいと思います。まずは登場キャラクターがどのように決められたのかというところをお聞きしたいと思うのですが。
和田氏:
登場キャラクターに関しては,さまざまな視点から検討しました。本作はストーリーを非常に重視した作品ですので,キャラクターに関しても,ストーリーに乗せて違和感のない選定にしなければいけなかったんです。あとはユーザーさんから「人気がある」というのも選定基準ですね。
4Gamer:
基本的に本作は,P4のエンディングから数か月後という設定ですよね。
和田氏:
本作は,P4のエンディングで都会へ帰ってしまった主人公が,ゴールデンウィークを利用して約束どおり遊びに戻って来たという設定なんです。「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」とも上手く連動して,面白くできたらいいなという思いもありました。
4Gamer:
本作ではP3のキャラクターも登場していますが,P4のキャラクターと同じだけ時間を重ねているのですか?
和田氏:
そうですね。P3とP4ではゲーム内時間が2年ずれているので,P3のキャラクターも2年分歳をとって登場します。大人になった彼らが見られるということですね。単純になんでもありな設定だったら,時間軸を無視して高校生の姿のまま登場するんでしょうけど,本作はストーリーにも注力しているので,その辺も徹底してこだわっています。
4Gamer:
なるほど。確かに格闘ゲームだと,お祭りということで設定を無視することもよくありますからね。
和田氏:
本作はパラレルワールドではなく正当な時間軸でのお話なので,ユーザーさんも非常に興味を持ってくれるんじゃないでしょうか。
4Gamer:
ナンバリングではないですが,それだけストーリーに注力していると,既存のP4ファンも黙っていられないというか,ストーリーを追いかけたくなっちゃいそうですね。
和田氏:
ええ,注目してもらえるとうれしいです。きちんとペルソナの年表にも載るストーリーなので。
4Gamer:
キャラクターに関しては,家庭用のタイミングなどでぜひ追加してほしいですねぇ。
和田氏:
まあ……そうですね(笑)。ただ本作を盛り上げるという意味では,もっともっと展開を広げていきたいです。格闘ゲームファンにとっては,シリーズが続くことこそがモチベーションだと思いますし。
4Gamer:
ちなみに本作にはナビシステムがありますけど,登場するのはりせ一人だけなんですか?
和田氏:
一人だけではない……かもしれませんね。実況と違ってナビゲーションに関しては,ストーリーと切り離して考えている部分でもあるので。
4Gamer:
ちなみにファンの方から,キャラクターに関する要望などはありました?
和田氏:
やはりP3の主人公や荒垣は多かったですね。あとP4だと,足立が意外に多くてビックリしました。マーガレットやエリザベスの要望もありましたね。
4Gamer:
ということは,その辺のキャラクターはもしかしたら登場するかも……?
和田氏:
現在発表されているキャラクターだけが全てではないので,まあ,お楽しみにということで(笑)。
「対シャドウ兵装第五式」ラビリスについて
4Gamer:
そういえば,TGS 2011の時にオリジナルキャラクターを出されるかもという情報を耳にしたのですが,こちらに関してはいかがでしょう。
本作は舞台設定こそP4なのですが,ストーリーの発端ともいうべき部分はP3なんですよ。なので新キャラクターの元ネタはP3寄りなんです。
4Gamer:
というと,アイギスのような感じのキャラクターですか?
和田氏:
そうですね。ちなみにアイギスは,「対シャドウ兵装第七式」という設定なんです。
4Gamer:
他のナンバリングの「対シャドウ兵装」が?
和田氏:
ええ,新キャラクターは五式という立ち位置なんです。名前だけはドラマCDなどでチラッと出てきていたんですが。
4Gamer:
ではファンの方ならピンと来るかもしれないということですね。
これが「対シャドウ兵装第五式」のラビリスです。
4Gamer:
なるほど。これがTGS 2011の時にお話しされていた新キャラクターなんですね。
和田氏:
はい。本作では,このラビリスがストーリーの中心的人物になります。
4Gamer:
これはフィギュアが売れそうですねぇ。
和田氏:
もうフィギュア化の話ですか(笑)。個人的にも会心の出来だと思います。
4Gamer:
ちなみにラビリスは,ゲームをプレイしているとボスのような形で登場しますが,これはプレイアブルキャラクターとしても使えるようになるんですか?
和田氏:
そのあたりについても,お楽しみにということで……。
4Gamer:
しかし武器が非常に特徴的ですね。少なくとも,自分で動かせたら「強そう」です。
和田氏:
そうですね。ラビリスの持っているこの斧は,シャキーンと折りたたまれてジェット噴射の翼になるんですよ。これを使ったギミックも魅力的です。
4Gamer:
それは楽しみですねぇ。今から期待しています。ちなみにタイムリリースキャラクターやコンシューマ版での追加キャラクターの可能性もあると思うのですが,その辺はいかがでしょう。
和田氏:
もちろん考えていますよ。ただ今は言える段階ではないので,もう少しだけ情報をお待ちください。
開発で苦労したのは意外にも「背景」
4Gamer:
続いては,ステージについてお聞きしていきたいと思います。画面写真を見ると,基本的にステージは学校内のみのようですが。
和田氏:
最初は色々なステージが候補としてあったのですが,ストーリーのコンセプトを固めていく上で,今回は八十神高校をベースにしました。理由は,単純にストーリー的な部分が大きいのですが,それとは別に学園物ということを強く打ち出していきたいということも含まれています。
4Gamer:
なるほど。ではファンにはお馴染みのスポットがゲーム中にも登場すると。
和田氏:
ということになります。そういえば背景は,開発でかなり苦労した部分でもあるんですよ。
4Gamer:
といいますと?
和田氏;
実は最初,アークさんと僕らで背景表現の考え方が異なっていたんですよ。
4Gamer:
アークさんの作品は,どちらかというと幻想的な世界観が特徴で,ペルソナシリーズは日常的な世界観が特徴的ですよね。
和田氏:
ええ。さらに「格闘ゲームの背景」という視点でも,RPGとは文法が違いますから。それに関してはどうしようもないですし,無理に僕らの要望を押しつけても良い結果にならないと思い,途中からアークさんには「得意な形で自由にやってください」と言ったんですね。
そしたら,アークさん側のディレクターである井口屋さんが「いえ。そちらの出したオーダーでやらせてください!」とおっしゃってくれて,最後には僕らのイメージ通りの背景に仕上げてくれたんですよ。とても大変な作業だっただろうなというのは容易に想像がつくので,非常に嬉しかったですね。
4Gamer:
なんと……さすがアークさん,ガチ開発勢ですね。
和田氏:
アークさんの本気度を感じますよね。
4Gamer:
ペルソナファンは熱量のある方が多いですから,徹底的にこだわったものを出さないと納得してくれないと思いますし。
和田氏:
そうなんですよ。妥協せずに良い形に仕上げてもらったので,アークさんと組んでよかったなと思いました。
コンシューマ版オリジナル要素は「BLAZBLUE」以上の大ボリューム?
4Gamer:
アーケード版が3月に稼働し,コンシューマ版が夏に発売予定ということで,少し時間が空きますよね。その間に盛り上がりを継続させるような取り組みは行われるのでしょうか。
もちろん色々と考えていますよ。格闘ゲームはユーザーさんの盛り上がりがあってこそだと思うので,熱気を冷まさないような展開を思案中です。
4Gamer:
ひとつはタイムリリースキャラのような要素だと思うのですが,それについては教えていただけませんよね……ちなみにコンシューマ版ならではの要素は,現在どの程度用意する予定になっているんでしょうか。
和田氏:
BLAZBLUEのコンシューマ版には,非常にボリュームのあるノベルモードがありますよね。なので本作のコンシューマ版にも,BLAZBLUEと同等かそれ以上のボリュームのものを収録する予定です。
まだ詳しくは言えないんですけど,格闘ゲームファン以外の方でも安心して楽しめるモードを搭載する予定なので,ぜひ情報をお待ちいただきたいですね。
4Gamer:
分かりました。それではそろそろ時間も迫ってきたので,最後にペルソナファンへのメッセージをお願いします。
和田氏:
本作は,両社がガッツリと本気を出した作品として,高い完成度でまとまっています。どちらか一方のチームが欠けても成立しない内容になっているので,自信を持ってお送りしたいと思います。ぜひとも色んな人に遊んでもらいたいですし,継続して遊んでもらえるような取り組みを続けていきたいと思っていますので,これからも応援よろしくお願いします!
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」公式サイト
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(C)Index Corporation 1996,2011 Produced by ATLUS
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