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アジアNo.1ドライバーを決める「グランツーリスモ アジアチャンピオンシップ2012」をレポート。ステージでは山内一典氏が「GT6」の開発に言及
これは,GTアカデミー 2012にて実施されたオンラインイベントの成績上位者から,アジア最速のドライバーを決める決勝レース大会だ。会場には,日本/韓国/台湾/香港/タイ/マレーシア/シンガポール/インドネシアの8か国から,計16名の選手が集結した。
「グランツーリスモ 6」は現在鋭意開発中! しかし発売時期は公表されず
大会中に設けられたトークセッションには,「グランツーリスモ」シリーズのプロデューサーを務める山内一典氏と,レーシングドライバーのルーカス・オルドネス選手が登壇した。
「グランツーリスモ」シリーズ プロデューサー 山内一典氏 |
ルーカス・オルドネス選手 |
オルドネス選手は,優秀なレースゲームプレイヤーをレーシングドライバーへと育成するプロジェクト「GTアカデミー」の欧州初代優勝者だ。レーシングドライバーとしてデビューした2009年にFIA GT4欧州選手権ランキングで2位となったほか,2011年にはル・マン24時間レースのLMP2クラスで2位,インターナショナル・ル・マン・シリーズのLMP2クラスでは年間チャンピオンを獲得するなどの活躍を見せている。
山内氏は,そうした輝かしい経歴の持ち主であるオルドネス選手について,「レーシングドライバーとして優れているだけでなく,人間としてもすごく素敵なので,ぜひ日本の皆さんにもルーカスのことを知ってほしい」とアピールした。
そのオルドネス選手は,今回来日して,山内氏率いるポリフォニー・デジタルのスタッフと顔を合わせたことを,「グランツーリスモを作った人達に会えるなんて,何ものにも代えがたい体験です」と語った。
GTアカデミー発足の経緯を尋ねられた山内氏は,その原型が日産ヨーロッパとSCEヨーロッパが,何か面白いことをやってみようと企画したプロジェクトであったことを明かし,「最初のWinnerとなったルーカスのキャラクターと才能がすごくて,その結果,GTアカデミーの歴史が続くことになり,その後どんどん規模が大きくなりながら今に至るんです」と説明。まるでグランツーリスモシリーズでレーシングドライバーの養成までをもシミュレートしたかのような話で,山内氏も「信じられないような出来事」と感想を述べた。
また,レーシングドライバーになったことについて感想を求められたオルドネス選手は,「ドライバーになる夢はありましたが,まさか自分がル・マンの24時間レースに参戦するとは思ってもみませんでした。2011年にル・マンに初参戦したわけですが,自分のキャリアの中でも大きなステップになったと思います。実際に2位という結果を出せたのは,自分だけでなく,日産,PlayStation,そしてグランツーリスモにとって偉大なことでした」と語った。
続いて話題は,登壇した両氏が参戦した2011年のニュルブルクリンク24時間レースへ。山内氏は「市販車ベースのクルマでレースに出るという試みは,レースカーよりも大変で,運転がスーパー難しい」と,レース経験豊富な同氏らしいコメント。
また,ようやく山内氏と一緒に走ることができたというオルドネス選手は,「山内さんのチームは,グランツーリスモに携わっているだけあって,セットアップに特化しています。それを見ていて,非常に勉強になりました」と,ピットでのエピソードを披露した。
なお山内氏は,今後もオルドネス選手やGTアカデミーの卒業生とともにレースに参戦し,グランツーリスモシリーズへとフィードバックしていくとのことである。
ちなみに,気になる「グランツーリスモ 5」のDLCや,次回作「グランツーリスモ 6」について,山内氏は“開発中”とだけ明かした。とくに後者については,「いつ発売とウッカリ言ってしまうと,また遅れただのなんだのという話になるので,もう(こういう場では)言わない」と,苦笑しながら話していた。
劇的な展開の末,アジアチャンピオンに輝いたのは日本のK.Yamada選手
イベントは,いよいよメインコンテンツであるアジアチャンピオンシップへ。参戦した選手は以下のとおりで,この16名が,8名ずつの2グループに分かれてまず予選を行う。
Y.Atsumi選手(日本)
T.Kawajiri選手(日本)
M.Kochibe選手(日本)
M.Seki選手(日本)
T.Takahashi選手(日本)
K.Yamada選手(日本)
T.Yamanaka選手(日本)
S.Yoshida選手(日本)
Shinhi CHOI選手(韓国)
Chihyuan LI選手(台湾)
TSANG Wing Kit選手(香港)
NATHAKUNJORN Sachel選手(タイ)
MOO Shuaam Jinq選手(マレーシア)
LEONG Daniel選手(シンガポール)
SAFARY Rifky選手(インドネシア)
ANDIKA RAMA Maulana選手(インドネシア)
予選のルールは以下とおりで,それぞれのグループ上位4名が,決勝へと進出した。
モード:フリーラン
スタート方式:ピットスタート
スタート間隔:各車15秒おき
周回数制限:4周(アウトラップを含む)
コース:Tokyo R246
使用車種:370Z(GT Academy)'08
タイヤ:Comfort: Soft
続いて行われた決勝は3ラウンド制。各ラウンドの順位に応じてポイントが与えられ,全ラウンドを終えた時点で最もポイントの高い選手が優勝となる。なお,レースの実況はモータースポーツ中継などでおなじみのフリーアナウンサー,中島秀之氏が担当。解説は山内氏とオルドネス氏が務めるなど,会場は本物のレース中継さながらの雰囲気となった。
●第1ラウンド
コース:High Speed Ring6
周回数:5
使用車種:SILVIA Spec R Aero(GT Academy)'02
タイヤ:Comfort: Soft
第1ラウンドでは,早々に先頭に躍り出たK.Yamada選手がそのままトップをキープし,続くT.Kawajiri選手とANDIKA RAMA Maulana選手が熾烈な2位争いを繰り広げた。ファイナルラップで,T.Kawajiri選手がANDIKA RAMA Maulana選手の一瞬のミスを逃さず,アウトサイドからのオーバーテイクを決め,2位でフィニッシュした。
●第2ラウンド
コース:Deep Forest Raceway
周回数:8
使用車種:370Z Tuned Car(GT Academy)'08
タイヤ:Sports: Hard
リバースグリッド(前ラウンドで下位になったクルマが前になる並び方)でのスタートとなった第2ラウンドだったが,3周目に入る頃には第1ラウンドのトップ3が,不利を覆して3〜5位に上がってくるという展開に。ファイナルラップでは,トップを走っていたS.Yoshida選手のテールが流れた隙に,T.Kawajiri選手とK.Yamada選手が1位と2位に躍り出て,そのまま0.012秒差でゴールという熱い走りを見せてくれた。
●第3ラウンド
コース:Grand Vally Speedway
周回数:10
使用車種:GT-R R35 TC
タイヤ:Racing: Hard
前ラウンドと同じくリバースグリッドでのスタートとなった第3ラウンド。T.Kawajiri選手が不調で下位集団に留まってしまったのに対し,ポイント争いでトップに並ぶK.Yamada選手は順調に順位を上げ,5周目には2位につけた。K.Yamada選手はその後もベストラップを記録するアグレッシブな走りを見せ,ジリジリとトップを行くANDIKA RAMA Maulana選手との差を詰めていく。そして8周目にANDIKA RAMA Maulana選手を射程に捉えると,ファイナルラップでついにオーバーテイクに成功。劇的な展開で見事に優勝を飾った。
この結果には,山内氏も「こんな展開,本物のレースでも見られないですよ」と興奮気味にコメント。またオルドネス選手も「パーフェクトとも言えるレース。Yamada選手は冷静沈着にペースを上げ,チャンスをうかがってレースを制した」と,K.Yamada選手の走りを絶賛した。
最終結果は以下のとおり。
1位 K.Yamada選手(日本) 27ポイント
2位 T.Kawajiri選手(日本) 22ポイント
3位 ANDIKA RAMA Maulana選手(インドネシア) 17ポイント
4位 NATHAKUNJORN Sachai選手(タイ) 14ポイント
5位 S.Yoshida選手(日本) 12ポイント
6位 T.Takahashi選手(日本) 11ポイント
7位 T.Yamanaka選手(日本) 8ポイント
8位 Singi CHOI選手(韓国) 3ポイント
最後に山内氏は,「ビデオゲームは遊んでくださる皆さんがいて初めて,生き生きとするとするものです。今回,初めてアジア全域からトップドライバーに集まっていただいて,想像を超える素晴らしいプレイを見せてもらえました。日本のプレイヤーのすごさは以前から知っていましたが,アジアの皆さんのドライビングスキルも高くて,しかもクリーンでフェアで……(リアルでは)ありそうもないレースが見られて,感動しています」と総評を述べ,イベントを締めくくった。
「グランツーリスモ5 Spec II」公式サイト
- 関連タイトル:
グランツーリスモ5 Spec II
- 関連タイトル:
グランツーリスモ5
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