飯塚プロデューサーやサウンドの瀬上 純氏もやってきた！　シリーズ最新作「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードII」先行体験会の模様をレポート

ジョイポリス ナノの一角に用意された本作の試遊台。ゴールデンウィーク初日ということで，家族連れやカップルが遊んでいる姿も多く見られた。会場に集まったファンは，朝早いうちにしっかりプレイしていたとのことだ

　2012年5月16日より配信される，セガのソニックシリーズ最新作「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードII」（PlayStation 3 / Xbox 360 / iOS / Android / Windows Phone）。配信を来月に控えた本日4月28日と翌29日，お台場はデックス東京ビーチのジョイポリス ナノにて，先行体験会が開催された。会場にはPlayStation 3用の体験版が設置され，大型連休初日に訪れた観光客や当イベントを目当てに会場に足を運んだ多くのソニックファンがプレイを楽しんでいた。

「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードII」公式サイト

　今回試遊できるエピソードII体験版は，ZONE 1〜2のACT 1を選択してプレイできるという内容だ。ZONE 1の「SYLVANIA CASTLE ZONE」は，ソニック1の「MARBLE ZONE」や「LABYRINTH ZONE」を思わせる，朽ち果てた城のステージ。“新たなる大地”と名付けられたACT 1では，植物が生い茂る城の中を，ソニックがテイルスとともに縦横無尽に駆け抜けていく。上下に広いステージで，テイルスとのフライトコンビネーションによる飛行によって，新たなルートを探すのも面白そうである。


　一方，ZONE 2「WHITE PARK ZONE」のACT 1は“雪上のテーマパーク”。その名のとおり全体が雪に覆われた遊園地で，ここはその入口のようだ。突然雪崩がソニックを追いかけてきたり，テイルスとのローリングコンビネーションで積もった雪の中を掘り進んでいったりなど，序盤から多くの仕掛けが用意されていた。

　本作で登場するテイルスは，「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」のときと同様，ソニックの後ろをついてくる無敵のキャラクターだ。□ボタン（PS3の場合）を押すと，ソニックとテイルスが手を合わせて光り，3種類のタッグコンビネーションが発動するようになっている。それぞれジャンプボタンを押すか，または一定時間の経過で解除されてしまうが，何度でも発動が可能だ。タッグコンビネーションを使う必要のある仕掛けに，どのようなものが用意されているのかも気になるところである。


　さらに28日には，本作のプロデューサー 飯塚 隆氏が会場を訪れてサイン会を開催し，報道陣への囲み取材にも応じてくれたので，その内容をお伝えしよう。

――：
　このエピソードIIの開発の経緯と見どころを教えてください。

飯塚 隆氏（以下，飯塚氏）：
　前作となる「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードI」を発売した2010年頃から，このエピソードIIの構想はありました。このソニック4というシリーズには，クラシックソニックに慣れ親しんだお客さんに懐かしさと新しさを体験してもらう，というコンセプトがあります。今回がIIということならば彼しかないだろうということで，テイルスを出すことにしました。テイルスとの協力プレイは，通常の2人プレイのほか，インターネットで世界中のプレイヤーとも遊べますので，ぜひお楽しみください。
　さらに私自身も当時開発に関わっていた「ソニック＆ナックルズ」で採用した“ロックオンシステム”を，デジタルコンテンツでなんとか実現したいという思いがありました。エピソードIとエピソードIIの両方を持っていると，ロックオンコンテンツとして「エピソードメタル」が遊べるという仕掛けを用意しましたので，ファンの方には喜んでいただけるのではないかと思っています。
　かつて「ソニック・ザ・ヘッジホッグCD」のラストで大破したメタルソニックが，それ以降もほかのシリーズに出演していました。このエピソードメタルでは，彼がどうやって復活したのかを描いていますので，楽しみにしていてください。

――：
　本日の会場で，実際に遊んでいる人の反応はいかがでしたか？

飯塚氏：
　ジョイポリス ナノでの体験会ということで，いつものゲームファン層とは違い，親子連れで遊んでいる方も多かったです。ソニックを懐かしんでくれるお父さんがいて，そんなお父さんがお子さんに教えながら協力プレイを楽しむ，といった光景にも出会えましたね。

――：
　テイルスとの協力プレイは，試遊台の1人プレイもできましたが，アクションはどのようなものが入っているんですか？

飯塚氏：
　協力アクションは陸・海・空の3種類を用意しています。地上では2人で丸まって転がる，ジャンプ中ならテイルスにつかまって空を飛ぶ，水中では泳げないソニックがテイルスにつかまって移動する，という内容になっています。
　2人プレイのときは，テイルスが動いているあいだは2P側に操作の主導権が移るということですね。

――：
　本作はiOSやAndroidのアプリとしてもリリースされますが，そちらでも2人協力プレイは用意されているのですか？

ソニックがソニック最新作にチャレンジするというシーンも。意外にあきらめが早かったのは気のせい!?

飯塚氏：
　もちろん実装しています。モバイル端末では，通信ラグの関係でインターネットの協力プレイはありませんが，Bluetoothでのアドホック接続によるプレイが可能です。
　本作は家庭用ゲーム機とモバイルで同じゲームプレイ体験ができるというのが一番の目標ですので，今回グラフィックスレベルからゲームプレイまで，すべてにおいて同じ内容を目指して作っています。

――：
　今回開発で苦労した点はありますか？

飯塚氏：
　2人で遊ぶゲームを1人で遊ぶときに，協力プレイのタッグアクションをどうするかは悩んだところです。テイルス側の操作は，開発内でもかなりトライ＆エラーを繰り返しました。ステージのレベルデザインも協力プレイ用に構成したほうが面白いのは間違いないので，最終的には1人でも協力プレイができるような設計に落ち着きました。

――：
　本作のストーリーはどのようになっていますか？

飯塚氏：
　エピソードIではいつものようにエッグマンが登場して，やられるわけですが，それはエピソードII構想の一部でした。彼がエピソードIでやっていたことには意味があって，IIでそれがどういう理由だったのかが分かるようになっています。
　もともとソニック4シリーズはストーリーを多く語る内容ではありませんが，今回は昔ながらのカットシーンなどを入れていますので，遊んでいただければストーリーもしっかり分かるようになっています。

今回のサイン会はファンへのサービスで，めいめい持ち寄ったものに飯塚氏がサインを入れていた。飯塚氏は記念撮影などにも気軽に応じ，会場はアットホームな雰囲気に包まれていた

なんと本作やソニックシリーズ全般のサウンドを手掛けている瀬上 純氏がサイン会に飛び入り参加。まったくのプライベートで会場の様子を見に来たとのことだが，ファンからの希望でサインに応じた

――：
　今後このソニック4は，何部作まで続く予定なのでしょうか？

飯塚氏：
　前作を企画した段階では，今回のIIで完結するはずでした（笑）。一部では「エピソードIIIが欲しい」という声も挙がっていますが，それはこのIIの評判次第ですね。

――：
　リリースに向けて，メッセージをいただけますでしょうか。

飯塚氏：
　エピソードIの登場から，大変長らくお待たせしてしまいました。昨年20周年が終わり，21年目のソニックのスタートを，このエピソードIIが飾ることになりますので，今後への期待も含めて，ぜひ本作を遊んでいただきたいですね。またモバイル端末でも，家庭用と同じゲーム体験ができますので，お持ちの方はそちらもよろしくお願いいたします。


　2D操作という基本部分は前作と同じだが，タッグコンビネーションの存在によって，新たな手応えを感じることができた本作。ほかのステージやエピソードメタルについては当然ながらまだおあずけで，そちらは5月16日リリースの製品版を楽しみにしていてほしい。なお，5月30日までPS3版のエピソードIが500円で販売中なので，まだソニック4を未体験のPS3ユーザーは，これを機会に遊んでみるのもいいかもしれない。

会場にはこのエピソードIIのコンセプトアートなども飾られていた。また，来場したお子様たちが自由に塗ったぬり絵も貼られている

ジョイポリス ナノでは，ソニックのグッズも販売中。発売されたばかりの「ねんどろいどソニック」が人気で売れているという

「ソニック・ザ・ヘッジホッグ4 エピソードII」公式サイト