インタビュー
[TGS 2012]EAのレースゲーム「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」の魅力を開発プロデューサーに聞いてきた
9月23日に閉幕した東京ゲームショウ2012(TGS 2012)では,セガブースの一角に設けられたセガパートナーズコーナーに,8人同時マルチプレイができる試遊台が用意されていた。今回の出展にあたって,本作の開発を手がけたCriterion GamesのプロデューサーLeanne Loombe氏が来日していたので,本人から直々にモスト・ウォンテッドの魅力を聞いてきた。
Criterion Gamesプロデューサー,Leanne Loombe氏。プロデューサーとしてだけでなく,開発現場で本作のUIやオートログなどの制作にも携わっている |
本日はよろしくお願いします。まずは今回制作されたニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッドの特徴を教えてください。
Leanne氏:
モスト・ウォンテッドは,オープンワールドで行うレースゲームです。警察とチェイスをしながら,ワールドを自由に走って探索を行うという内容で,その中でオンラインの友人と競えるようになっています。Criterion Gamesは作品を制作する際に「友人と楽しく遊べるゲーム」ということを重要視していて,本作でもその点をすごく意識しました。弊社で制作するニード・フォー・スピードシリーズは,「ホット・パースート」に続いて2作目となりますが,単純な続編にはなっていません。
4Gamer:
友人と競えるというのは,具体的にどのような形になるんでしょうか。
Leanne氏:
本作では,ゲーム中にシングルプレイでもマルチプレイでも,さまざまなところで“スピードポイント”がもらえるようになっています。ネットワークでつながった友人達の中で,最もスピードポイントを獲得しているプレイヤーが“モスト・ウォンテッド”の称号を得られます。
4Gamer:
プレイヤーは,その称号を目指すためにレースをするというわけですね。
Leanne氏:
そうなりますね。マルチプレイのときは,メニューやロビーなどを介さず,最大12人がオープンワールドに集まることで,すぐにレースを始めることができます。プレイの仕方は自由で,ただ世界を走り回ってもかまいません。
またシングルプレイでは,従来の作品にも採用していた“オートログ”というゲーム中のさまざまな要素を記録する機能を用意しています。マップの各所にあるスピードカメラの前を通ることでタイムがオートログに記録され,これによってフレンドとレース内容を比較できるようになっています。そのほかにも,ビルボードに向かってジャンプをして,長距離記録を出した人の顔(ゲーム中のアイコン)がそのビルボードに表示されるといった要素を入れたりしていますよ。これは,フレンドのゲームの世界にも反映されるようになっているので,単純にシングルプレイを遊ぶだけでも,フレンドと一緒に楽しめますよ。
4Gamer:
シングルでもマルチでもフレンドと一緒に楽しめるというわけですか。
Leanne氏:
ええ。あと,オープンワールドを好きなように走り回れる自由度の高さも特徴の一つです。シングルプレイでは,レースなどをせずにただ走っているだけでも,オートログ機能によってスピードポイントを貯められるんです。
4Gamer:
自由度といえば,今回は車もかなり自由に選べるそうですね。
Leanne氏:
最初からすべてを選べるわけではないんですが,オープンワールドに隠された車なら,見つけるだけで乗り換えられますね。
4Gamer:
通常のレースゲームだと,速くてスタイリッシュな車ほど手に入りにくかったりしますよね。それが,本作では簡単に入手できるわけですか。
Leanne氏:
そこもこのゲームの魅力なんです。これまで20年以上続いているレースゲームの歴史において,スーパーカーと呼ばれる車は,例えばお金を一生懸命集めていかないと,手に入らないといった制約がありました。ですが,プレイヤーとしては「好きな車に好きなときに乗りたい」というのが,当然の心理ですよね。
4Gamer:
発売前のトレイラーでは格好いい車がたくさん走っているのに,それにすぐ乗れないので歯がゆい思いをしたことはありました(笑)。
Leanne氏:
まさにそこなんです。本作では,これまでのレースゲームの常識を窓から投げ捨てて,ゲームをスタートしてすぐに,ほとんどの車を簡単に入手できるようにしました。車が置いてあるのはマップのどこかですので,プレイヤーによって車を見つける順番は変わります。ゲームをスタートしてすぐの状態なのに,私の愛車はランボルギーニで,フレンドの愛車はBMWといったように,お互いがまったく違う車に乗っているという状況が起こるのも,面白いところですね。
4Gamer:
逆にどの車に乗るか,迷ってしまいそうですね。ゲーム内には何種類ぐらいの車が出てくるんですか?
Leanne氏:
50台以上ですね。アリエル・アトムのような非常に小さな車から数々のスーパーカー,そして巨大な4WDの大きなトラックまで,本当にさまざまな車種を用意しています。ただし,その中でも特別な10台は,すぐに手にすることはできません。こちらはスピードポイントを貯めてアンロックするAI車とレースをし,勝利することで入手できる,ご褒美的なものになっています。その10台にすべて勝利することでも,モスト・ウォンテッドの称号が手に入るんですよ。
4Gamer:
挙動なども車ごとに違うんでしょうか?
Leanne氏:
もちろん違います。運転感覚はそれぞれ違いますし,車によって独自の走り方があることを重視してチューニングしています。
4Gamer:
ちなみにLeanneさんがこのゲームで乗っている車はどれなんですか?
Leanne氏:
私はまずランボルギーニに乗ろうと考えていて,実際にその夢はすぐ叶えることができましたね。今のお気に入りは,アストンマーチンDBR9です(笑)。
4Gamer:
普段乗れない車にすぐに乗れるという,夢がかなうゲームですね。
Leanne氏:
まさしくそこを目指して作っています。現実世界では乗れないような車に乗って,広い世界の好きな場所を自由に走ってみてください。
4Gamer:
モスト・ウォンテッドでは,警察とのチェイスも見どころだとは思うのですが,ゲームでは一体どのように警察がちょっかいを出してくるんでしょうか。
Leanne氏:
警察はマップ内の要所にいて,スピード違反や危険運転をすると,プレイヤーを追いかけてきます。この追跡をうまく振り切るか,どこかに隠れて巻くことができれば,スピードポイントがもらえます。もし逮捕されてしまうと,今乗っている車が最初に置いてあった場所まで,強制的に戻されてしまうんです。
レース中にももちろん警察は追ってきますし,マルチプレイでも同様です。警察の追跡をかわしつつレースに勝たなければならないという,難しい状況もあり得ますね。
4Gamer:
なるほど。ちなみにマップはどのぐらいの広さがあるんですか?
Leanne氏:
具体的な広さを説明するのは難しいんですが……。この世界は“Fairhaven”という都市が舞台になっていて,これまでに私達が手掛けてきたどのオープンワールドのレースゲームよりも広いマップを用意しています。
4Gamer:
道路以外の場所も走れたりするんですか?
Leanne氏:
車で行くことができる平らなところなら,どこでも走れると考えてください。アスファルトの道路以外にオフロードなども用意していますし,発売後には発電所など,特別な施設も走れるようになるダウンロードコンテンツも配信する予定です。
4Gamer:
走るところを探すだけでも楽しそうですね。それでは最後に,本作を楽しみにしている人に,メッセージをお願いします。
Leanne氏:
今回の東京ゲームショウでは,ゲーム好きの方がたくさんいらしていて,とてもワクワクしました。そんなみなさんに,このモスト・ウォンテッドもぜひ楽しんでもらいたいです。レースが好きな人,車が好きな人,そしてみんなで集まってわいわいとプレイしたい人にはピッタリのゲームだと思います。広いオープンワールドの世界で,自分なりの走り方を見つけていただいて,フレンドと一緒に記録を競ってみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。発売を楽しみにしています。
「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」公式サイト
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