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「マジック:ザ・ギャザリング ― デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013」で,ゲーム中級者からまばゆい上級者への道を明るく照らすかもしれないレビューを掲載
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印刷2012/07/28 00:00

レビュー

シリーズ最新作は,ほぼ完全にMTG

マジック:ザ・ギャザリング ― デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013

Text by 徳岡正肇


 「マジック:ザ・ギャザリング ― デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013」(以下,DotP13)は,最も古いトレーディングカードゲーム(TCG)でありながら,今なお最大規模のプレイヤー数を誇るTCG「マジック:ザ・ギャザリング」(以下,MTG)を――ある程度の制限はあるものの――ほぼそのまま電子プラットフォームでプレイできるという作品だ。ここで“電子プラットフォーム”とまわりくどい言い方をしたのは,本作はPCだけでなく,PlayStation 3Xbox 360,そしてiPadと,広範囲な展開を行っているためだ。
 DotP13は「Magic: The Gathering Duels of The Planeswalkers 2012」(以下DotP12)の続編だが,テーマになっているゲームがMTGであること以外,両者にゲーム的な関係はほとんどなく,DotP12をプレイしていなくてもとくに問題はない。

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「マジック:ザ・ギャザリング ― デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013」公式サイト


 さて,1993年にアメリカで登場したMTGは,そのゲームシステムだけでなく「ゲームをどうお金にするか」というビジネススタイルにおいても,その後のゲームに多大な影響を与えた作品だ。
 その影響の大きさを簡単に説明するのは難しいが,鈴木銀一郎氏はその著書「デジタルゲームの教科書」の中で,「(MTGは)テーブルゲームにおける4つの大きな変化の1つ」としている。現在,携帯ソーシャルゲーム世界において高い収益をあげているタイトルの多くがTCGという形式を転用していることを考えても,アナログ,デジタルを問わず,MTGはゲーム業界全体に色濃く影響を与えていると言って間違いないだろう。

 DotP13自体の紹介は2012年7月7日に掲載した記事を参照していただくとして,今回はMTG経験者にとってより興味深いであろう本作の内容を中心にレビューを行いたい。経験者を前提にしたレビューであるため,MTGを知らないと「これって日本語ですか?」的な言葉が並んでいる部分があるが,この点はご容赦いただければと思う。

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DotP12から何が変わった?


 DotP13では,DotP12における不満点の多くが解消されている。以下,変更点をリストアップしてみよう。

・デッキがより自由にチューニングできる
勝利:デュエルに勝つと,カードがアンロックされていく
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 DotP12では,デッキの基本となる60枚は固定されていた。勝負に勝つと「そのデッキに追加可能なカード」が1枚ずつアンロックされるが,プレイヤーは「アンロックされた追加可能なカードをデッキに入れるか/入れないか」の選択しかできなかった。
 DotP13では,アンロックの仕組みそのものはDotP12と同じだが,そのデッキに元からセットされているカードをデッキから抜いて,アンロックされたカードをデッキに加えるという選択肢がある(土地の配分は自動)。
 アンロックされるカードは1デッキにつき30枚あるので,デッキをチューニングする醍醐味は十分に味わえるはずだ。

デッキチューン:アンロックされたカードでデッキをチューンできる。土地は自動的に調整される
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・ルールがより正確になった
 DotP12では細かいところから大きなところまで,ルール運用が本家MTGと異なっている部分があった。なかでもMTGにある「エンドフェイズ」がDotP12には存在しないというのは,一部のカードの機能を損なうくらい大きな問題だった。
 DotP13にはエンドフェイズもきちんと実装されており,「普通のMTGならこんなことにならないのに!」と歯噛みをせずに済む。

・ユーザーインタフェース(UI)が改善された
 PCでプレイするDotP12はお世辞にも良いユーザーインタフェース(UI)とは言い難かったが,DotP13で操作上の面倒さはあまり感じない。もっとも,今回は明らかにiPadでのプレイに最適化されたUIとなっているので,マウスのポインタを動かす距離は若干長くなりがちだ。最高のプレイ環境でゲームを楽しみたい人には,iPad版をお勧めしたい。

タッチパネル:メニューはパネルをスライドさせて選択する方式。タッチパネルのほうが扱いやすい
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・より精密なプレイが可能になった
 DotP12ではMTGに不慣れなプレイヤーでも楽しめることを優先したためか,MTG経験者にとって「そこでそのプレイはあり得ない」と言いたくなるようなことがゲームの細部でいろいろと発生していた(例えば,呪文を使うためにどの土地をタップするか選べない。複数クリーチャーへの戦闘ダメージの割り振りが選べない,など)。
 DotP13では,呪文を選択した段階でどの土地をタップするかを選択でき,またオプションで設定すればクリーチャーへの戦闘ダメージ分配も手動化できるようになった。

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ルールの厳密化:クリーチャーへのダメージ割り振りを手動化できるほか,優先権の管理もなされている
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エンドフェイズ:対戦相手のエンドフェイズにバウンスを撃てるようになった。青にとっては,とくに重要だろう

・シングルプレイのボリュームが増えた
 「チャレンジ」(いわゆるMagic: The Puzzling)を除くと,シングルプレイのシチュエーションは30を超える。デッキごとにアンロックできるカードが30種類なので,最初から最後まで通してプレイすれば1デッキをアンロックできる計算になる。
 なお,シングルキャンペーンでのデュエルには,通常のもの以外に「エンカウンター」という特殊なセッティングもある。エンカウンターで戦う相手はMTGのトーナメントルールに従わないデッキ(同じカードが5枚以上入っている)を使ってくるだけでなく,デッキの順番も固定されている(と推測される)。エンカウンターは,デュエルというよりパズルの一種と考えたほうがいいかもしれない。

ボリューム:基本となるキャンペーンだけでこの大ボリューム。さらに「リベンジ」「プレインチェイス戦」がある
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・日本語になった
 全プラットフォームで日本語のプレイが可能だ。日本語でなくても困らない人が多いだろうが,日本語だから困るということもないはず(「Steam」のPC版は使用言語を自由に変更できる)。


デッキレビュー


 いくらデッキチューニングの幅が広くなったとはいえ,DotP13でもゼロからデッキを組むことはできない。あくまでプレ・コンストラクトデッキがいくつか提供され,それをそれぞれ特定のカードでチューニングできる,という範囲に留まる(アンロックが進むと,まるで様相の異なるデッキにチューンすることも可能)。
 このため,「ではプレコンデッキに何があるのか?」というのは,MTGプレイヤーにとっては重大な疑問となるはずだ。以下,MTGを知らない人にとっては今度こそ完全に宇宙語になってしまうが,簡単にご紹介しよう。

火炎生まれ 群れの本能
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「赤単クリーチャーバーン」デッキ
5マナ以上のカードが8枚もあり,墓地から戻るクリーチャーも多く,コントロール寄り。カード《炬火の炎》一発で出鼻を挫いて勝ち切れる相手がいるので,キャンペーンを進めるうえで多少アンロックを進めたい
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「緑単クリーチャー」デッキ
「火炎生まれ」と並んで,最初に使える2デッキの1つだが,まずはこちらをお勧めしたい。条件つきとはいえ,単体除去もあるし,動きはやや重いが融通が利き,かつ相手に何もさせないまま勝てる爆発力もある

夢傀儡 ゴブリンの暗黒街
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「青単ミル」デッキ
デッキのアンロックが進むまで普通のデュエルではかなり苦労させられるので,エンカウンターでアンロックを進めたほうがいいかもしれない。多人数戦で,その真価を発揮する。デッキチューンは非常にバラエティに富む
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「赤単ゴブリン」デッキ
バーンは少なめ。かつて一世を風靡した《ゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenade》が入っているが,なぜか最大で2枚という控え目さ。デッキの瞬発力は素晴らしく,ハマれば相手をほぼ瞬殺できる

従順な死者 平和維持軍
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「黒単コントロール」デッキ
デフォルトだと微妙だが,《氷の干渉機》《もぎとり》《グリセルブランド》など優良カードがアンロック可能。だがいくらカードサーチャーがあるとはいえ,同一カードがもうちょっとあっても良かったのでは
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「白単兵士」デッキ
猛然と兵士トークンクリーチャーが増え,《オドリックの十字軍》はみるみる超巨大になっていく。《忘却の輪》《未達の旅》《悪鬼の狩人》のような優良除去も完備し,アンロックが進まないうちから強い

高貴なる闇 古の荒野
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「白黒賛美」デッキ
環境に全体除去能力が少なめなため,回避性能を持ったクリーチャーを集団賛美して一気に決着というパターンも多い。プロテクション持ちもアンロックされていくので特定デッキは良いお客さんになるが,集団除去がきつい
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「緑単トークン」デッキ
CIP(戦場に出た際に誘発する誘発型能力)を持ったクリーチャーを多数有し,これを《咆哮するプリマドックス》《移ろいの門》でバウンスさせて場をコントロールするのが主眼。並べて《踏み荒らし》でも行けるが,立ち上がる前に死ぬことも多い

横風 天界の光
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「青単飛行+コンボ」デッキ
序盤であれ終盤であれコンボが炸裂すると非常に強いが,うまく動かなかったときの絶望感は半端ではない。トランプル持ちの大型クリーチャーに呪禁や被覆がつくとそのまま負けることが多いので要注意
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「白単ライフゲイン」デッキ
《魂の管理人》《悪斬の天使》のような強力クリーチャーを有し,普通に殴って強いだけでなく,《剣を鋤に》《審判の日》と除去も強力(密度は薄いが)。《不死の霊薬》でライブラリーアウトを狙うことも可能


DotP13は,ほぼ完全にMTG


 「必要十分にMTGではあるが,やはりMTGとは違う」という印象があったDotP12に比べ,DotP13はほぼ完全にMTGだ。これ以上を求めるなら,一からデッキを自由に組むレベルに突入するだろうが,そこまで遊びたい人は「Magic:The Gathering Online」をどうぞ,ということになるだろう。

 オンライン対戦も盛んに行われており,ランキングマッチではさまざまなチューンが施されたデッキに出会える。1デッキで使用可能なカードすべてをアンロックするのに30戦は厳しい,と思うのであれば,0.99ドルで1デッキすべてのカードをアンロックする権利が販売されているので,そちらを利用するのもいいだろう。
 そういった課金サービスを使いたくなるくらい,DotP13のボリュームは大きい。さらに拡張セットが出てくれば,DotP12と同様,選択できるプレ・コンストラクトデッキの種類が増えることになるはずなので,プレイのバリエーションはさらに拡大していくと思われる。

ムービー:プレインズウォーカーとの対戦の前にはちょっとしたムービーが入る。2回目以降はスキップ可能
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 DotP13の難点をあえて挙げるとすれば,エンカウンターだろうか。プレイヤーの多くはMTGが遊びたくてDotP13を購入しているはずであり,そこでトーナメントルールから逸脱するだけでなく,おそらくフェアではないデッキを相手にパズルじみたデュエルをするというのは,どうも何かが違う気がする。
 また最近のMTGをプレイしていないと,「被覆」って何だ? 「賛美」って何だ? ということにもなりかねない。このあたりをゲーム内でまとめて参照できるページが見当たらない(「遊び方」の「アドバンス」にも書かれていない)ので,慣れるまではMTG攻略サイトなどを参照すると良いかもしれない。

 ともあれ,「MTGが面白いのはよく知ってる,でもさすがにもうそこまでゲームにお金はかけられない」という人であれば,DotP13は鉄板すぎるくらいに鉄板の選択だ。鉄板すぎて,プレイ時間がヤバイ。

 デッキ管理画面ではクリーチャーとそれ以外のスペルの比率やマナカーブも表示されるので,よほどの大工事をするのでなければ画面上だけでデッキチューンが楽しめる。オンライン対戦になるとメタゲームらしきものも観測できるので,(やるかどうかはともかく)そこまで含めた遊び方も可能だ。
 しかもこれだけのことをタブレットPCで楽しめるのも大きい。PCのウィンドウモードでプレイした場合,バックグラウンドでもゲームは続行するので,エンカウンター相手にアンロックを目的とした「ながらプレイ」をするにはもってこいだ。

 逆に,まったくの初心者になると,あまりの選択肢の多さに戸惑うかもしれない。チュートリアルは親切なのでルールの把握は可能だと思うが,デッキ調整となると話が変わってくる。本稿の最後にMTG初心者に向けた簡単なデッキチューンをまとめておくので,参考になれば幸いだ。

チュートリアル:チュートリアルは丁寧なので,MTGのルールを覚えるのにも適している。ある程度以上は「習うより慣れろ」で大丈夫
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初心者向けデッキチューン


・勝てない相手はいる
相性:こちらもそれなりに回っているのだが,序盤を《濃霧の層》で凌がれてダメージレースに負けるの図
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 シングルのキャンペーンを進めていると,何をどうやっても勝てない相手というのが出てくる。これはプレイヤーの腕前の問題ではなく,デッキの相性の問題だ。例えば初期デッキの1つ「群れの本能」で,アンロックが進まないうちに「高貴なる闇」を相手にした場合,こちらが神展開をするか,相手が土地事故でも起こさない限り,まず勝てない。
 こういうときは,デッキをチューンするよりも,使用デッキを変えたほうが無難だ。相手デッキのクリーチャーのタフネスが全体に小さいようなら「火炎生まれ」,展開速度が速すぎて手に負えないなら「平和維持軍」あたりがお勧め。また,多人数戦では「夢傀儡」が強い,というか面白い。

・デッキはなるべく60枚
 カードがアンロックされると,デッキに自動的に組み込まれる。このため,何もしなければデッキの枚数はどんどん増えていく。MTGにおける最も重要なルールは,「原則としてカードは1ターンに1枚しか引けない」ことであり,デッキの枚数が増えれば増えるほど「これを引けば勝てる」カードに到達する可能性が低くなる。
 ここぞというターンにコレジャナイ系カードを引いて負けることを繰り返さないために,デッキはできるだけ60枚に抑えたい。

60枚:デッキの枚数はついつい膨れがちだが,できる限り60枚に収めたい。このデッキの場合,もう少しサーチ用のカードが多ければ60枚に固執しなくても良いのだが……
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・デッキ全体のマナコストをなるべく維持
《夢魔》は6マナとやや重いものの,強力なクリーチャー。しかしこれを足すなら,6マナ付近の呪文を1つ削っておきたい
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 トータル7マナの強力なカードがアンロックされたので,1マナの弱いカードを抜いてデッキに加る,という場合,そのデッキの動きは確実に“重く”なる。普通にプレイすれば7マナのカードは最速で7ターン目にしか使えないし,7ターンもあれば速いデッキなら相手を2回殺してお釣りがくる。
 最初のうちなら,7マナのカードを入れたいなら,すでにデッキに存在する7マナのカードを抜いて入れるようにしたい。また,6マナや8マナといった隣接するマナを持ったカードとの交換も手だ。
 デッキの動きがどうにも悪いときは,一度デッキをリセットして,そのデッキ本来のマナコスト配分に戻してみることをお勧めしたい。

・クリーチャーを除去できる呪文は宝
除去呪文:緑デッキは安くて強いクリーチャーで相手を押し潰すことが可能。こういったピンポイント除去はデッキに柔軟性を与える
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 DotP13は,基本的にクリーチャーで相手を攻撃,相手のライフを0以下にして勝利というパターンで進行する。このため敵の攻撃を防ぐ意味でも,敵の防御陣を貫通する意味でも,敵のクリーチャーに直接ダメージを与えたり破壊したりする呪文の価値は高い(であるから,除去呪文を使う場合には,本当にそれが使うに値する対象かどうかをよく考えたい)。
 ただしクリーチャー除去呪文では,相手を倒すことはできない。除去に寄せすぎて攻め手が薄くならないように注意しよう。

・状況に依存しすぎるカードを使わない
 「呪文Aを使ったあとで呪文Bを使えばほぼ勝てる」という戦術は,MTGにおいてはしばしばコンボと呼ばれる。しかし呪文A・Bが単体で弱いようなら,それらを引いても撃つ前に負けてしまうかもしれない。
 ベタなクリーチャー戦になりやすいDotP13においては,コンボを狙うよりも,「単体で強く,効果が重なると一層強い」組み合わせを積極的に狙っていきたい。カード1枚1枚が単体で強ければ,それらが組み合わさる時まで自分が生きている可能性も飛躍的に向上するからだ。

状況依存:動き始めると強力なアーティファクトだが,これ単体では単なる1枚のカードに過ぎない
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・カードが引けるカードはたいてい強い
カードを引く:「従順な死者」に入っている大変ハンディな呪文。たった2マナのカード1枚が,カード2枚に化ける。2点のライフ喪失は些細な問題
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 同程度の強さのデッキがぶつかったり,クリーチャーが相打ちや膠着,あるいは除去呪文によって1対1で交換され,ダメージ呪文はカウンターやライフ回復で相殺されていった場合に,勝つのはどちらか? 確率上は,相手よりたくさんのカードを引いた側が勝つ。単純な算数だ。
 麻雀において1手番でツモを2つ取ればまず勝てるように,MTGにおいても対戦相手よりカードをたくさん引けば,おおむね勝てる。例外は,カードをたくさん引いたことによる優勢の効果が明確になる前に勝敗が決まってしまう場合だけだ。

・カード1枚で相手のカード2枚以上を無効化できるカードは強い
 「カードを引けるカードが強い」という話のアナザーバージョンだ。敵のクリーチャー2枚を,こちらのカード1枚で破壊できれば,都合こちらにカード1枚ぶんの利益が生まれる。これを繰り返せば相手はやがて息切れし,ボード上にたいした脅威はないにもかかわらず,手札は1枚という状況に追い込める。
 逆に,何かの効果を発揮するためにカード2枚を要求するカード(呪文を使うにあたって,自分のクリーチャーを破壊するなど)は,その代償にふさわしいパワーを備えていることが多い一方で,相応のリスクも背負う。入れるなら,それを使うことで一気に勝ち切れるデッキや,序盤では強いが後半では価値を失うようなカードを積んだデッキに使用したい。負けないためにそれらを使うようでは,ジリ貧確定だ。

プレインズウォーカー界における永遠のアイドル,リリアナさん
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