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[COMPUTEX]NVIDIAの「SHIELD」最終製品版が初公開。ハードウェア仕様とストリーミングできるPCゲームの条件を総チェック
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印刷2013/06/06 13:09

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[COMPUTEX]NVIDIAの「SHIELD」最終製品版が初公開。ハードウェア仕様とストリーミングできるPCゲームの条件を総チェック

SHIELDの最終製品版
画像集#002のサムネイル/[COMPUTEX]NVIDIAの「SHIELD」最終製品版が初公開。ハードウェア仕様とストリーミングできるPCゲームの条件を総チェック
 北米市場では2013年6月中に349ドルで発売予定の,携帯ゲーム機型Android端末「SHIELD」。その最終製品版が,COMPUTEXに合わせて開かれた説明会の場で,報道関係者に公開された。
 1月の2013 International CESで発表されて以降(関連記事),4Gamerでは3月のGPU Technology Conference 2013に最初の試用レポートをお届けしていたが(関連記事),ようやく量産原型となる最終製品版が公開されるに至ったわけだ。

 NVIDIAでTegraのテクニカルマーケティングマネージャーを務めるSridhar Ramaswamy(スリドハー・ラマスワミー)氏によると,最終製品版では3月に披露された開発途上版と比べても,さまざまな部分で細かく改良が入っているという。さっそくその改良点をチェックしてみた。

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 最終製品版での最も大きな変更は,アナログスティック周りに集中している。まず最終製品版では,アナログスティックの背が若干低くなった。これは操作に対する反応を機敏にするための措置とのことだ。また,親指を置くスティック上部の“皿”部分には,4つの小さな突起を設けることで,親指の滑り止め効果を高めているという。

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左が開発途上版で,右が最終製品版のアナログスティック。背が低くなり,4つの突起が追加されている

 スティックに関するβテスターからのフィードバックには,「2本あるアナログスティックが中央に寄りすぎている」という意見もあったそうで,最終製品版では両スティックの配置を,それぞれ数mmほど外側へ移動させたという。実際,隣に置いて新旧SHIELDを見比べてみると,それがはっきり分かるほどだ。

左が開発途上版,右が最終製品版。2本あるアナログスティック間の距離が異なっているの分かるだろう
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 8方向入力のD-Pad(≒十字キー)は造形自体を変更して,より操作精度を高めたという。スライドさせるようにして入力したときでも引っかかるようなことはなく,スムーズに押し込めるようにしたと,NVIDIAは主張している。操作した感触で言うと,D-Padをアナログスティックのように回すような感じで操作しても,きちんと入力されるように最適化を進めたな,という印象を受けた。

吸気孔となるスリットが大きくなった
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 Xbox 360の純正コントローラで言えば,手前側のヘッドセット入力端子があるあたりに,SHIELDでは吸気用のスリットが置かれているが,最終製品版ではこれが少し大きくなった。SHIELDは内蔵空冷ファンを使って,本体手前側から背面へ向けてエアフローを生じさせる設計になっているのだが,この改良により流入空気量が若干増えて,冷却しやすくなったのではないかと考えられる。
 Ramaswamy氏によると,「握ったとき指に暖かい風が当たって不快に感じたり,特定の部位が熱くなって持ちにくくなることはない」そうだ。

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排気孔と各種インタフェースは,左右トリガーの間に配置されている(左)。右は本体底面のグリップ部

 なお,ハードウェアスペックやボタン,インタフェース類に変更はない。

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本体天板部のカバー(左の銀色部分)はマグネットで取り付けられており,簡単に取り外せる(右)。カバーは銀色のほか,黒色と,カーボンファイバー調のものが用意されるという


ゲームのストリーミングは“基本的に”全タイトル対応

4Kビデオ再生のデモも


SHIELDは最大4台のPCとペアリングして,ゲームのストリーミング配信を受けられる。ちなみに写真に写っている「NVMULTIGAMING」は接続先のPC名。そういう名称のゲームモードが用意されていたりするわけではない
画像集#013のサムネイル/[COMPUTEX]NVIDIAの「SHIELD」最終製品版が初公開。ハードウェア仕様とストリーミングできるPCゲームの条件を総チェック
 SHIELDはAndroid向けゲームを動かす携帯ゲーム機というだけでなく,GeForceを搭載するPCから無線LAN経由でPCゲームのストリーミングを行い,それを手元でプレイできるというのが,大きな特徴の1つである。今回の説明会では,PC側のハードウェアとソフトウェアに対する要件も明らかにされた。
 まずGPUには,デスクトップPC向けの「GeForce GTX 650」以上が必要とのこと。SHIELD向けのゲームストリーミングでは,KeplerアーキテクチャGPUに統合されるビデオエンコーダ「NVENC」によるH.264リアルタイムエンコード機能を使って,映像を生成している。それゆえに,「Kepler世代が必須」なのは容易に想像できるのだが,現時点では単にKeplerというだけでなく,GeForce GTX 650以上と決めうちされている。
 ノートPC用GPUでのサポートについてRamaswamy氏は,サポートの可能性があることは示唆していたが,しばらく先の話ということになりそうである。

SHIELDにプリインストールされたTegra Zoneのメインメニュー
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 次のソフトウェア側の要件だが,PC側でのストリーミング機能は,「GeForce Experience」が担当するという。GeForce Experienceと言えば,ゲームにおけるグラフィックス設定を自動最適化するツールのはずだが(関連記事),SHIELDの発売に合わせて提供されるアップデートで,ゲームストリーミング機能が追加される予定とのことだ。

 ストリーミング配信できるゲームの条件だが,NVIDIAが言うには,原則的にはすべてのPCゲームが配信可能であるという。GeForce Experienceにリストアップされている必要があるとか,特定パブリッシャのものでなければダメだとか,そういう縛りはいっさいないと明言された。

画像集#015のサムネイル/[COMPUTEX]NVIDIAの「SHIELD」最終製品版が初公開。ハードウェア仕様とストリーミングできるPCゲームの条件を総チェック
 ただし,“原則的には”と書いたのは理由がある。キーボードとマウスによる操作しか考慮しておらず,ゲームパッドでの操作が想定されていないタイトルの場合は,「ストリーミング自体はできても,正常に操作できるかどうかは分からない」(Ramaswamy氏)からだ。
 SHIELDの右スティックはマウスカーソル操作に対応しているが,それ以外のボタンはキーボードの特定キーに割り当てられているわけではないし,SHIELD側でキーマップのカスタマイズ機能を用意しているわけでもない。そのため,XInput対応のゲームパッドで操作できるタイトルでなければ,満足にプレイできない可能性がかなり高い,というわけである。「PCゲームをプレイできるモバイルゲーム機」を謳うなら,今後の改善を期待したいところだ。


4Kビデオ再生中のSHIELD。液晶パネルの解像度は1280×720ドットなので,ダウンスケールしての表示となる
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 NVIDIAは今回の説明会で,SHIELDを使って映画「After Earth」の4Kビデオによる予告編を再生し,LG Electronics製84インチ4Kテレビに出力するデモを披露した。
 4Kビデオの再生といっても,やっていること自体はシンプルで,SHIELD側のHDMI出力と4Kテレビ側のHDMI入力を,一般的なHDMIケーブルで接続しているだけだ。見たところ再生映像には目立ったコマ落ちもなく,3840×2106ドットの映像を30Hz(30fps)で問題なく出力できていた。

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SHIELDと84インチ4Kテレビによる4Kビデオ再生デモ。右の写真に見えるテレビ側の「2160p 30Hz」という表示がその証。両者はHDMIケーブルでつながれている

 NVIDIAの担当者が言うには,「SHIELDで動かしたAndroidゲームを4K出力することも技術的には可能だが,3Dグラフィックスゲームを4K解像度で,しかも現実的なフレームレートでプレイできるように表示するのは難しいかもしれない」とのことだ。逆に言うと,2Dグラフィックスで高いフレームレートを要求しないゲームであれば,それなりに動かせるということだろうか。もっともNVIDIAは基本的に,「SHIELDでの4K表示はビデオ再生時に利用するもの」という態度であるのだが。

 最後に,最も気になるSHIELDが日本で販売されるのかについては,今回は言及されなかった。4Gamerでは以前に,NVIDIAが国内発売に向けて動いているという情報をお伝えしているが(関連記事),NVIDIA Japanの担当者は「どういう方法で販売するのがいいでしょうか」と日本の報道関係者へ意見を求めていたくらいだったので,北米市場とほぼ同じタイミングで日本にも投入……という可能性は低いと思われる。

SHIELD公式Webページ(英語)

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