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「FFXIV ファンフェスティバル in 東京」基調講演をレポート。「漆黒のヴィランズ」での舞台となる「第一世界」の都市「クリスタリウム」の姿も
2018年11月から2019年2月にかけて,アメリカ・ラスベガス,フランス・パリと世界をめぐって開催されたFFXIVのファンイベント「FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL」。その締めくくりとなる東京の初日(23日)には,FFXIVプロデュサー兼ディレクターの吉田直樹氏による基調講演が行われ,速報でお伝えしたように,新拡張パッケージ「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ」(以下,漆黒のヴィランズ。PC / PS4 / Mac)に新ジョブ「踊り子」や男性新種族「ロスガル」などが追加されることが発表されている。
【速報】「FFXIV:漆黒のヴィランズ」の新たな舞台は「第一世界」。新ジョブの遠隔物理DPS「踊り子」,男性用新種族の「ロスガル」も発表
スクウェア・エニックスは本日(3月23日),MMORPG
「FFXIV」のファンイベント「FFXIV ファンフェスティバル in 東京」の基調講演で,最新拡張パッケージ「漆黒のヴィランズ」で追加される新たな舞台「第一世界」を発表した。さらに,新ジョブが「踊り子」になること,男性の新種族が「ロスガル」であることが明らかになっている。
基調講演ではほかにも,新たな冒険の舞台が「第一世界」であることや,その拠点となる都市「クリスタリウム」など,さまざまな新情報が公開されている。本稿では,それらの内容をまとめて紹介していこう。
原初世界から分かたれた「第一世界」が新たなる冒険の舞台。クリスタルタワーを囲む都市「クリスタリウム」などの映像も公開
基調講演の冒頭では,完成したばかりだというフルトレイラー映像が初披露された。このなかで踊り子の姿が現れると,会場から大きな歓声が上がる。
トレイラーの終了後,ステージに登場した吉田氏は,トレイラーの内容に言及しながら,最初に新たな冒険の舞台となる世界の説明を始めた。会場のファンへどこが舞台なのかと問いかける吉田氏に「過去」や「別世界」「月」といった声があがるたびに「過去?」「別世界はFFっぽい」「月はパッチ7.0だって!」と笑いながら答える吉田氏は,漆黒のヴィランズの舞台が「第一世界」となることを明かした。
プレイヤーはご存じかもしれないが,エオルゼアを中心に,現在の冒険の舞台となっているのは原初世界と呼ばれる場所だ。しかし,約1万2千年前に起きたハイデリンとゾディアークの戦いにより,世界は14個の“鏡像世界”に分裂することになる。光の戦士は次元の狭間を超えて,そのうちの1つ,第一世界へと渡ることになるのだ。
第一世界は光の氾濫により,消滅の危機にある。そのなかで,ノルヴラントという地域のみが光の氾濫から免れ,ギリギリのところで存在しているという。
謎の声に導かれた光の戦士は,このノルヴラントを中心に光に押しつぶされようとしている世界に夜の闇を取り戻す戦いを繰り広げることになるという。その序章となる物語が,2019年3月26日に公開されるパッチ4.56で描かれているので,ぜひ自分の目で確かめてほしいと吉田氏は話した。
続いて吉田氏は,第一世界での拠点になるという都市「クリスタリウム」を公開した。クリスタリウムは,クリスタルタワーを取り囲むように建設された都市だという。
古代アラグ帝国によって建造された原初世界のクリスタルタワー。しかし,世界が分裂する前に古代アラグ帝国はなく,当然だがクリスタルタワーは存在しないはずだ。それなのに第一世界にはクリスタルタワーがある。こうした謎も,物語の展開とともに明かされていくという。
その一方で,もう滅んでしまう世界ならば,それまでに享楽の限りを尽くし怠惰に過ごそうという都市があるという。それが「ユールモア」だ。
さらにクリスタリウムが存在するフィールド「レイクランド」の様子も,動画で公開された。エオルゼアから初めて訪れることになるエリアで,原初世界のモードゥナに似た雰囲気があるという。
漆黒のヴィランズの新コンテンツをおさらい。これまでとは趣のことなる3つの新ダンジョンも公開に
第一世界の説明を終えた吉田氏は,漆黒のヴィランズで追加される新要素について紹介した。バトルシステムメンテナンスの詳細については,5月中旬に配信予定のプロデューサーレターライブで紹介したいとのことだった。
新情報として,新たに実装されるダンジョンがスクリーンショットで紹介された。
ダンジョンというよりも,村や町といった雰囲気だ。火の手があがっており,襲撃を受けているのかもしれない |
一面に広がる植物の鮮やかさと華やかさが目を引く。一見,フィールドに見えるが,これもダンジョンとのこと。区画整理されているようでもあり,どこかの庭園なのかもしれない |
前述の2点と違い,ごくごく普通っぽい遺跡のような雰囲気のダンジョン。中央のオブジェクトは何かのギミック? |
さらに新NPCシステム“フェイス”やワールド間テレポ,イシュガルド復興,そして新アライアンスレイドシリーズ「YoRHa:Dark Apocalypse」などが改めて紹介された。
新ジョブ「踊り子」は遠距離物理DPS。踊りでの支援も得意とする
冒頭のトレイラーにもチラリと姿を見せていた「踊り子」が,漆黒のヴィランズで追加される2つめのジョブとして正式に発表され,会場から大きな拍手が沸き起こった。
ロールは遠隔物理DPSで,投擲武器を使用する。対応クラスはなく,初期レベルは60。いずれかのジョブがレベル60以上になっていて,かつ漆黒のヴィランズの権利を有していれば,すぐに踊り子でプレイできるとのこと。
バトルのタイプは投擲武器による遠距離攻撃主体で,アビリティとして多数の踊りを持っている。踊ることで自身やパーティへのバフをかけるなど,支援も得意としているそうだ。ジョブクエストの開始地点は,リムサ・ロミンサを予定しているという。
新蛮族「ドワーフ族」の正体はララフェル!? 原初世界と第一世界では同じ種族でも呼び名が異なる
すでに発表されていた蛮族の中から,「ドワーフ族」が公開された。背が低く,髭を生やし(つけて?),鉱石を掘ってさまざまなものを作るという,一般的なドワーフがFFXIVで再現された印象だ。FFXIV独自の特徴となるのは,常に被っているヘルメットだろう。
ヘルメットを取ると,その姿はララフェルそのもの。そう,原初世界から分かたれたララフェルは,第一世界ではドワーフと呼ばれているのだ。それと同様にヒューランはヒュム,エレゼンはエルフと,すべての種族は原初世界とは違う種族名で呼ばれているという。
ドワーフ族は自分たちの村を持っているが,すべてがドワーフ(ララフェル)サイズなので,家の中などにはララフェルしか入ることはできない。それ以外の種族は,窓から家の中をのぞき見ることしかできないようだ。
第一世界を脅かす敵「罪喰い」。罪食いを倒すことで,世界は夜を取り戻す
光の属性が強くなりすぎた第一世界に出現する敵の名は「罪喰い」となる。原初世界ではヴォイドゲートを通じて闇の属性の魔物が現れるが,罪喰いはその逆で,光の氾濫を起こし世界を破滅させようとする存在だ。
そのなかでも特別な存在なのが「全能者イノセンス」だ。シナリオ上でも重要な役割を担っており,たびたび光の戦士たちの前に立ちはだかるという。
光の氾濫を起こしている第一世界では,時間が経過しても夜が訪れることはない。しかし,罪喰いを倒していくことで世界に夜が戻るという新しい試みが導入されている。吉田氏は「ぜひ,皆さんの手で第一世界に夜を取り戻してほしい」と述べていた。
第4の高難度レイド「エデン」。キーキャラクターのデザインは野村哲也氏
漆黒のヴィランズで新たに追加される4つめの高難度レイド「希望の園 エデン」の制作が発表され,そのアートが公開された。荒廃した大地から小さな芽が出ている,これまでのレイドらしくないアートに,会場からは笑い声も。光以外の属性が失われた第一世界に,再び属性の力を取り戻すことがコンセプトであると吉田氏はコメントした。
そして,キャラクターデザインおよびモンスターデザインは,「ファイナルファンタジー」シリーズや「キングダム ハーツ」シリーズでお馴染みの野村哲也氏にお願いしたとの発表に,会場からは大きな拍手が沸き起こった。会場ではキーとなるキャラクターとしてデザインされた「ガイア」と,野村氏のメッセージが公開された。
男性専用の新種族「ロスガル」。ワイルドで多彩なバリエーションのある獣人がメイク可能
最後に吉田氏は新たな種族として「ロスガル」を発表した。パリのファンフェスで発表された新種族「ヴィエラ」に続く新種族だが,プレイヤーキャラクターとしてはロスガルは男性専用キャラクター,ヴィエラは女性専用キャラクターとなる。
「どうしても獣人を入れておきたかった」と新種族の追加について思いを吐露する吉田氏。「特徴的なフェイスパターンをたくさん用意しているので,オリジナルのキャラクターメイクを楽しんで,さらなるロールプレイに励んでいただけると嬉しいです」とまとめた。
約1時間半の基調講演で,かなりの情報を公開した吉田氏だが,漆黒のヴィランズにはまだまだ秘密が隠されていて,断続的に公開していくという。アーリーアクセスやリリース日まで,約3か月。「開発チームも最後の追い込みに入っており,皆さんに新しい,最高の体験をお届けできるよう頑張っていますので,ぜひ楽しみにお待ちしていただければ」と述べ,講演を締めくくった。
ファンフェス1日め終了後,メディア合同で吉田氏にインタビューが行われたので,その紹介をもって本稿の締めにしたい。
――本日はお疲れさまでした。ファンフェス1日目が終了しましたが,感想をお願いします。
吉田直樹氏(以下,吉田氏):
なんとか無事に1日目を終えることができました。導線や待機列でミスがありましたが,まずまず大きなトラブルなく終えることができて,正直ホッとしているところです。僕としてもグローバル版の拡張パッケージ発売前の基調講演が無事に終えられたので,50%ほど仕事は終わったのかなと,少し気は楽になりました。
あとは会場を埋め尽くしてくれた光の戦士の皆さんに感謝の一言です。最後のピアノコンサートまで聴いてくださった方もたくさんいて,本当に嬉しく思っています。
――クリスタリウムの街の外観が映像で出ましたが,2005年のE3で次世代MMORPGのテックデモとして出た映像と類似していると感じました。吉田さんは以前,旧FFXIVの頃のものを回収していくとおっしゃっていましたが,その一環でしょうか。
吉田氏:
実はそこまで早く気づかれるとは思っていませんでした(苦笑)。ぜひ,明日(24日)の開発パネルをご覧いただきたくてですね……開発パネルで「そうだったのか!」となってほしかったんですけど(笑)。
明日の開発パネルは,ずっと皆さんの冒険世界を作ってきた2人がかなり面白いセッションをやりますので,クリスタリウムがどう作られていくのかや,FFXIVの世界はどう彩られているのかにフォーカスした話をします。今日(23日)の映像にピンときた人は,ぜひ開発パネルをご覧いただきたいです。
――踊り子が発表されましたが,主要なステータスは何になりますか。
吉田氏:
レンジのDPSですからDEXになっていくんだろうなと思っています。
――踊り子の実装で4ジョブがDEXになりますが,忍者をSTRなど別のステータスに移すことはありますか。
吉田氏:
5月中旬の発表をお待ちください。バトルシステムに絡むものは,1つのシステム変更だけをお話ししても理解ができません。新生してから丸6年運営してきていると,いろいろなシステムが連鎖してつながっているので,一部を変えるとしても別の場所への影響が出ることもありえます。
5月中旬のプロデューサーレターLIVEのタイミングで,バトルシステムに関する変更箇所と,各ジョブやロールのイメージがどうなるかの詳細を発表し,そのときのメディアツアーでのインタビューですべてをお話ししようと思っているので,しばらくお待ちください。
――タンクである「ガンブレイカー」が発表され,次はヒーラーだろうとする予測が多かったようですが,レンジDPSとして踊り子を追加することに決めた理由を教えてください。
吉田氏:
ヒーラー案もなかったわけではないですが,それは踊り子をヒーラーにするという意味ではありません。
タンクにはST(サブタンク)とMT(メインタンク)という役割があるのに,ジョブ数が奇数なのはよくない。4ジョブにしてしまったほうがバランスを取りやすいだろうということから,結構早い段階でタンクを追加することは決めていました。あと「ガンブレード」という象徴的な発明武器を持つジョブを増やすことで,いままでオンラインタイプのファイナルファンタジーに食指が動かなかった人にも訴求しやすいということで,ガンブレイカーはわりとすぐに決まりました。
もう1ロールどこを足そうかとなったときに,最後まで残ったのは2枠しかないレンジDPSか,4枠めのヒーラーでした。しかし,今ですら3つのヒーラーのバランスは苦労しているので,バランス調整に集中してレンジDPSを3つにして,ほかのジョブと数をそろえたほうがいいだろうと考えました。だとすると,どのジョブにするのがいいんだろうという案から絞られて,踊り子になったという感じです。
――FFXIの踊り子とは近い感じなのでしょうか。それとも全然別の設計なのでしょうか。
吉田氏:
全然別ですね。ただ,技名とかエフェクトとか,FFXIに限らず歴代のファイナルファンタジーテイストを感じさせるよう作るのがFFXIV流です。過去の踊り子の印象を匂わせつつ,FFXIV独自のゲーム体験を作るのが理想なので,似てるけど似てないが正解でしょうか。
――踊り子のモーションは男女ともに同じと話しておられましたが,それぞれで違うものにしようとは考えなかったのでしょうか。
吉田氏:
システム上,それをやってしまうと他のジョブからも「俺たちも男女で分けてくれ」が始まってしまうので(苦笑)。システム的にも破綻しかねないので,絶対にやらないです。
――では,男性の踊り子も色っぽい踊りを踊ることになるんですか。
吉田氏:
ジェンダー問題っていうのが,ゲーム制作においても非常に難しく,そもそも「踊りを踊ったらセクシー」という固定観念がマズいと思っています。
世界の民話を参考に“なぜ彼らは踊りを踊るのか”という部分をジョブクエストに根ざして作っていますが,彼らが踊らねばならない理由に性別は関係ないんです。踊りによって味方を鼓舞して敵を倒すという考え方をしているので,鼓舞するものがセクシーであるかどうかは無関係なんです。
現実に存在している踊りは,すごく古い歴史を持っているがゆえに,男性がこうであるべき,女性はこうであるべきという状況から生まれたダンスもたくさんあります。
最初のサンプルを見た時に,「それらを参考にすると,性別の色が出たモーションになるのでやめなさい。大変だけどオリジナルでちゃんと考えていこう」と伝えました。
――高難度レイドのキャラクターデザイナーを野村哲也さんが担当することが発表されました。野村さんに声をかけた理由を教えてください。
そもそも僕は,哲さんが描くキャラの魅力や,キャラを通して考える設定や世界観が本当に天才的だと思っていて,そのエッセンスがオンラインのファイナルファンタジーに入ってこないのは,いちファイナルファンタジーファンとしてじくじたる思いがありました。
昨年の夏ぐらいに「希望の園 エデン」というタイトルで新しいレイドを作っていくうえで,キーになるキャラクターは何人かいるんですが,その主軸となるキャラクターを描いてもらいたいとお願いし,引き受けてもらうことができました。いま作画されているモンスターも,すごいのがきっと来ると思うので,僕自身,楽しみにしています。
――漆黒のヴィランズのメインストーリーと,新しい高難度レイド「希望の園 エデン」のストーリーには密接な関係があるのでしょうか。
吉田氏:
第一世界での大きな問題に取り組んでいくというのが,レイドの根幹になっています。これまで高難度レイドを作ってきましたが,今回はファイナルファンタジーのベーシックなところに戻ろうかという話をしています。ギミックも皆さんが「はぁ?」っていうようなものを用意しているので,驚いていただけるんじゃないかなと思います。
――天候と夜を取り戻すシステムとのことですが,これは蛮神戦やレイドとは別の新コンテンツになるのでしょうか。
吉田氏:
メインストーリーを追いかけていく過程で,該当のエリアを開放して夜を取り戻すといったエリア攻略型です。光の勢力に押し潰されようとしているところを,クリスタリウムのあるレイクランドから闇の戦士が闇に塗り替えていくというイメージです。メインシナリオの進行具合によって,同じエリアにいてもプレイヤーによって見え方が違うというちょっと無理なこともやっています。
――第一世界と原初世界は自由に行き来できるのでしょうか。
吉田氏:
光の戦士は“超える力”によって移動が可能です。非常に便利な設定を考えたものだなと思いますが,次元の狭間も超えられますし,世界も超えられます。ただ,パッチ3.4で第一世界側から来た元光の戦士は,命を捨てることで原初世界にやってきました。それをしなくてすむもの(理由)が存在しています。
それもメインシナリオに絡んでいるので,単純に“超える力”を増幅する何かがあるのだと,いまは考えておいていただければ。世界を渡るたびに「ヒカセン一回死ぬんだ」みたいなことはないので,ご安心ください。一度超えれば,テレポも使えるようになりますので。
――世界を渡るテレポでもギルは減るのでしょうか。
吉田氏:
そこは転送網の維持費だと思ってください(笑)。そもそもギルが流通しているのか,アラグ帝国がないのにアラガントームストーンがあるのか,などなど疑問も湧いてくるでしょうが,その答えは納得のいく形でご用意しているので,ぜひ漆黒のヴィランズで確認してください。
――新種族のロスガルについての質問です。どうしても獣人を入れておきたいとおっしゃっていましたが,その理由を教えてください。
吉田氏:
さまざまな価値観の方に遊んでもらうことがMMORPGの本質だと思っています。美男美女が登場するゲームではあるんですが,ファンタジーを作っていくうえで獣人にもスポットを当てたいと思ったからです。仮にこれ以上イケメンを追加しても,耳の形が違うだけですし。今のパッチ速度で新種族を足せるとしたらあと1つだろうと考えたときに,悩みに悩んだすえに追加を決めました。
――ロスガルやヴィエラのサイズ感はどれぐらいでしょうか。
吉田氏:
何を持って大きいかというかによりますね。彼ら猫背なんですよ。背筋を伸ばせば,ルガディンよりも大きいです。筋骨という点でも,ルガディンより一段上で,甲冑系は似合いますね。
――新種族の2種類とも頭が特徴的ですが,頭装備はどうなりますか。
吉田氏:
表示されません。思い切ったルックスの新種族を作らないと意味がないので,ヘルムをかぶれなくても良いと最初に決めました。ヘルムの装備はできますが,グラフィックスでは反映されません。ただ,かぶりものだけは対応してあげようとことで,首をすげ替える形になりました。
――眼鏡はどうですか。
吉田氏:
眼鏡やサークレット系もダメです。もう少し余裕が出てくれば,対応できるかもしれませんが,初期段階でそれらに対応するつもりはありません。
――ヴィエラとロスガルの実装は,どのあたりで決めていたのでしょうか。
吉田氏:
ヴィエラもロスガルも「紅蓮のリベレーター」の発売後,3か月ほど過ぎたあたりで確定していました。とくにロスガルはライオン顔や豹顔などで形状がガラリと変わるので,かなり早い段階で制作を始めました。フィックスしたのは,ヴィエラはパリのファンフェス直前。ロスガルはつい最近です。
――ララフェル=ドワーフが蛮族であるという事実が明らかになりました。そもそも蛮族はガレマール帝国が決めたものだったと思いますが,第一世界にはガレマール帝国は存在しないですよね。
吉田氏:
日本にも蛮族という言葉は存在します。それと同じで,第一世界の標準言語に「あいつらは人というより蛮族だよね。野蛮な種族だよね」という呼称があるので,それだと思ってください。時代や政治思想によって,そのとき,どの種族が蛮族と呼ばれるかは違ってきます。
――第一世界の蛮族は蛮神を呼ぶのでしょうか。
吉田氏:
さあ,どうでしょう。いずれにせよ,分裂したことである意味壊れた世界でもあるので,クリスタルやエーテルの力を使って強く願うことで,神降ろしとして顕現してしまうという事象は他の世界でも起きている可能性があります。それと漆黒のヴィランズに蛮神が登場するかは別ですが。
――最初のスライドにあった髭を生やしたドワーフは,歴代のファイナルファンタジーに登場してきたドワーフをイメージしているんですよね。
吉田氏:
そうです。ドワーフに仲間と認めてもらえれば,ドワーフヘルムを被れる日が来ると思います。被ると誰でもああなります。
――ドワーフの蛮族クエストになることも?
吉田氏:
その可能性はあると思います。ドワーフもいくつかの派閥に別れており,僕らから見ると子供のケンカのような小競り合いをしているようです。そこを取り持つようなクエストがあるかもしれませんね。
――ララフェルでドワーフの村にいくと,歓迎されたりするのでしょうか。
吉田氏:
皆さん,ヘルメットも髭も付けてないですからね。「掟を捨てたドワーフだな!」なんて言われる可能性も十分にあるかなと。今回,新しい世界,新しいファンタジーを作っていこうかみたいなところも,漆黒のヴィランズのポイントです。
――家もララフェルサイズなのは,新しい世界を作る一環ですか。
吉田氏:
ララフェルは世界的に人気なので。パッチ4.0のときには,アジムステップでさまざまなアウラ部族の生活を描いたところ,ミコッテやエレゼンにもほしいという要望を頂きました。今回はララフェルというかドワーフにスポットを当ててみようとなったわけです。
――ドワーフの家に入らなくても,クエストの進行などに問題はありませんよね。
吉田氏:
そこは大丈夫です。
――トレイラーでふくよかなミコッテが公開されましたが,プレイヤーにはあの体型は開放されないのでしょうか。
吉田氏:
世界中に色々な体型の人はいて然るべきなのですが,これまでコストの都合でバリエーションが作れませんでした。思い切ってコストをかけて,ちゃんと体型の違う同じ種族を作れないかという検証の1つめとして始めています。メインストーリーに絡むキャラもいるので,そこは見てストレートに感想をいただきたいと思っています。
――第一世界は,紅蓮のリベレーターで追加されたエリアと比較して,どれぐらいの広さなのでしょうか。
吉田氏:
紅蓮のリベレーターを下回ることは絶対ありません。ちょっと大きいぐらいですが,密度はかなり濃いです。ノルヴラント地域は,原初世界の3国エオルゼア地域と対になるエリアです。それ以外のエリアは,すべて光の氾濫で消し飛ばされてしまって,“無の大地”と呼ばれる真っ白な世界が広がっています。以前の基調講演で紹介したアム・アレーンにめくれ上がったような地形があったと思いますが,あれは押し寄せてきた光の氾濫がギリギリ止まった際で,それがノルヴラント地域を円状に包んでいて,その外はすべて無の大地となっています。
――「希望の園エデン」のアートは,無の大地を描いたものなんですか。
吉田氏:
さあ,どうでしょう。ボスが葉っぱかもしれないですし(笑)。
――拡張パッケージごとに,空を飛ぶとか,海中に潜るとかいった移動の進化がありましたが,漆黒のヴィランズではそういった進化はないんですか。
吉田氏:
今回はないです。その代わりに,世界を闇に塗り替えるという体験があります。あとはもう単純に,無重力しかないというのが(苦笑)。これ以上移動方式を増やすよりは,そろそろ,ジョブに関係なく全員でフライングして攻略するコンテンツとか,そういう方向に延ばしていきたいなと,漠然とですが思っています。
――漆黒ヴィランズでプレイヤーに冒険してもらいたい要素の核となるのが,世界を作り変えていくという部分なのでしょうか。
吉田氏:
すべてがメインシナリオに根ざしているので,繰り返しになりますが,新作RPG1本分のゲーム体験をさらに広げていきたいです。特にRPGとしてこだわっているところ,普通のMMORPGではなかなか実装しないような,1人で遊んで,世界に,シナリオにどっぷりハマれる作品になっています。
――ありがとうございました。
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