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新CPU「Broadwell-U」の特徴をIntelが説明。Iris 6100とHD 6000の違いはTDPの違いによって生じる性能差にあり
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印刷2015/02/04 16:50

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新CPU「Broadwell-U」の特徴をIntelが説明。Iris 6100とHD 6000の違いはTDPの違いによって生じる性能差にあり

第5世代Coreプロセッサの実物。縦長の長方形がCPU本体で,上に見える小さな長方形は,チップセットにあたる「Platform Controller Hub」だ
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 2015年2月4日,Intelの日本法人であるインテル(以下,Intel)は,都内にて記者説明会を開催し,北米時間1月5日に発表された開発コードネーム「Broadwell-U」(ブロードウェルU)ことノートPC向け第5世代Coreプロセッサの特徴を説明した。基本的には,発表時の情報を日本の報道関係者向けに説明するという内容であったため新情報はあまりなかったのだが,いくつか新たに判明した情報もあるので,発表会の内容と合わせてレポートしよう。

Broadwell-Uのウェハー(左)と,それを掲げてみせるIntel 技術本部技術部長の竹内 健氏(右)
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 なお,第5世代Coreプロセッサ(以下,Broadwell-U)の詳細については,以下の記事も合わせて参照してほしい。

Intel,「Broadwell-U」ことノートPC向け第5世代Coreプロセッサ14製品を発表



Iris Graphics 6100とHD Graphics 6000の違いは

動作クロックによる性能差のみ


Intel クライアント事業開発部マーケティングマネージャーの小澤 剛氏
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 冒頭で説明を行ったIntel クライアント事業開発部マーケティングマネージャーの小澤 剛氏は,Broadwell-Uの特徴として,優れた性能,バッテリー駆動時間の向上,そして薄型のフォームファクタに適するという3点を挙げた。

 性能面の強化で筆頭に挙げられたのが,グラフィックス性能の強化だ。発表時の記事でも触れたが,前世代である「Haswell」こと第4世代Coreプロセッサでは,内蔵された統合型グラフィックス機能(以下,iGPU)の実行ユニット数(Execution Unit,EU)が最大でも40基だったのに対して,Broadwell-Uでは最大48基に増量されている。さらに,動作クロックも向上しており,これらによってHaswell世代と比べて,グラフィックス性能は最大22%の向上を示しているという。

Broadwell-Uのおおまかなブロック図。Haswell世代とほとんど変わっていないが,iGPUの強化に加えて,CPU内に統合された電圧レギュレータ(FIVR)が第2世代に変更されているといった違いもあるとのこと
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Broadwell-Uの主な特徴(左)と,Haswell世代と比較した性能向上(右)を示したスライド。製造プロセスの微細化で増量されたトランジスタ数の多くを,グラフィックス性能向上に当てているという
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 さて,そのBroadwell-Uでは,iGPUとして「Intel Iris Graphics 6100」「Intel HD Graphics 6000」「Intel HD Graphics 5500」(以下順に,Iris 6100,HD 6000,HD 5500)のいずれかが統合されている。Iris 6100はTDP 28W版のCore i7・i5・i3に,HD 6000とHD 5500はTDP 15W版のCore i7・i5・i3に採用されているのだが,その違いはこれまで明確に説明されたことがなかった。とくに,Iris 6100とHD 6000は,EU数が同じ48基で,動作クロックも300〜1000MHzとまったく同じスペックのものがあるので,何が違いとなっているのか分からない状態だ。
 そこで質疑応答のときに,Iris 6100とHD 6000の違いについて質問したところ,小澤氏はアーキテクチャは同じであるとしたうえで,「性能面でブランドを分けている」と回答した。スペックが同じであっても,TDP 28W版であればより高い動作クロックで駆動できる余裕があるため,性能も高くなり得るという理屈になるわけだ。
 逆にいえば,放熱や消費電力の関係で動作クロックが同じになれば,Iris 6100とHD 6000では性能に差が出ないともいえるわけで,「Iris 6100だから目に見えて速い」とは期待しないほうがよさそうである。

Haswell世代までのTurbo Boostでは,バーストリミットを超えたときに鋭い山のような電力の変動が起きていた。これはバッテリーに好ましくない負荷となる
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 また,Broadwell-Uでは,自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」(以下,Turbo Boost)にも改良が加えられていることも明らかにされた。
 技術面での解説を担当したIntel 技術本部技術部長の竹内 健氏によれば,従来のTurbo Boostでは,動作クロックの上昇によって電力のしきい値に当たる「バーストリミット」(PL2)に達したときに,しきい値内に収めようと消費電力が急激に上下変動する現象が起きて,バッテリーに好ましくない負荷がかかっていたのだという。そのためPCメーカーによっては,バーストリミットの値を低めに設定していたり,バーストリミット付近での動作時間を短くしていたりという調整を行っていたそうだ。

Broadwell-UでのTurbo Boostでは,新しいしきい値であるバッテリー・プロテクションをなるべく超えないように制御しつつ,バーストリミットぎりぎりでの動作時間を長くしている
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 そこでBroadwell-Uでは,バーストリミットの上に「バッテリー・プロテクション」(PL3)という新しい電力のしきい値を用意した。バッテリー・プロテクションの値を超えないように動作クロックを調整することで,バッテリーへの負荷を減らしながら,なるべく高い動作クロックでの動作を可能にしているのだそうだ。これによって,Broadwell-U搭載のノートPCや2-in-1デバイスでは,バッテリー駆動時のCPUやグラフィックス性能が多少向上する可能性が期待できる。

 新しいiGPUやTurbo Boostの改良によって,実際のゲームにおけるグラフィックス性能がどの程度変わるのかは興味深いところだ。


RealSense 3D camera対応アプリを探せるWebページがオープン


RealSense対応アプリを集めたポータルページ「Intel RealSense App Showcase」が登場
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 説明会では,Intelが現在力を入れている3Dカメラ技術「Intel RealSense Technology」(以下,RealSense)に関するアップデートも行われた。
 RealSense対応の3Dカメラモジュール「RealSense 3D camera」を搭載したPCがPCメーカー各社から登場し始めているが,肝心の対応アプリケーションはまだ少なく,PCにプレインストールされているもの以外を探すのは難しい状況にある。そこでIntelは,同社WebサイトにRealSense対応アプリケーションの紹介ページ「Intel RealSense App Showcase」を開設した。

Intel RealSense App Showcaseの日本語ページ(左)。右は英語ページに掲載されていた,RealSense対応ゲーム「I SPY Pirate Ship」。放棄された海賊船の中を探検するパズルタイプのゲームのようだ
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 これは,ソフトウェアベンダー各社が開発したRealSense対応アプリケーションの解説とダウンロードリンクをまとめたポータルページで,実用アプリケーションだけでなく,ゲームもいくつかリストアップされている。日本語ページでは,まだゲームが1本しか掲載されていないのだが,英語ページでは3種類のゲームが公開されており,すべて無料でダウンロードできるようになっていた。

 まだまだアプリケーションの数は少ないのだが,RealSense搭載PCを入手したのはいいけれど,肝心のアプリケーションが見つからず,使い物にならないという状況は,紹介ページの登場で徐々に解消されていくかもしれない。ゲームタイトルの充実を期待したいところだ。

説明会でデモが披露されたRealSense対応アプリ「3DMe」。RealSense 3D cameraで自分の顔を立体的に取り込んで,自分の顔が付いたアバターを作れるというもの。アバターの3Dデータは,3Dプリンターで出力することも可能とのこと
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こちらは「オズの魔法使い」をモチーフにしたゲーム。顔の動きで3Dの迷路を歩き回ったり,手の動きで水の流れを変えて,火のついたカカシを助けたりといったミニゲーム集である。こちらはまだポータルページには掲載されていないようだ
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Intel 日本語公式Webサイト

  • 関連タイトル:

    Core i7・i5・i3・M(Broadwell)

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