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新CPU「Broadwell-U」の特徴をIntelが説明。Iris 6100とHD 6000の違いはTDPの違いによって生じる性能差にあり
なお,第5世代Coreプロセッサ(以下,Broadwell-U)の詳細については,以下の記事も合わせて参照してほしい。
Intel,「Broadwell-U」ことノートPC向け第5世代Coreプロセッサ14製品を発表
Iris Graphics 6100とHD Graphics 6000の違いは
動作クロックによる性能差のみ
性能面の強化で筆頭に挙げられたのが,グラフィックス性能の強化だ。発表時の記事でも触れたが,前世代である「Haswell」こと第4世代Coreプロセッサでは,内蔵された統合型グラフィックス機能(以下,iGPU)の実行ユニット数(Execution Unit,EU)が最大でも40基だったのに対して,Broadwell-Uでは最大48基に増量されている。さらに,動作クロックも向上しており,これらによってHaswell世代と比べて,グラフィックス性能は最大22%の向上を示しているという。
さて,そのBroadwell-Uでは,iGPUとして「Intel Iris Graphics 6100」「Intel HD Graphics 6000」「Intel HD Graphics 5500」(以下順に,Iris 6100,HD 6000,HD 5500)のいずれかが統合されている。Iris 6100はTDP 28W版のCore i7・i5・i3に,HD 6000とHD 5500はTDP 15W版のCore i7・i5・i3に採用されているのだが,その違いはこれまで明確に説明されたことがなかった。とくに,Iris 6100とHD 6000は,EU数が同じ48基で,動作クロックも300〜1000MHzとまったく同じスペックのものがあるので,何が違いとなっているのか分からない状態だ。
そこで質疑応答のときに,Iris 6100とHD 6000の違いについて質問したところ,小澤氏はアーキテクチャは同じであるとしたうえで,「性能面でブランドを分けている」と回答した。スペックが同じであっても,TDP 28W版であればより高い動作クロックで駆動できる余裕があるため,性能も高くなり得るという理屈になるわけだ。
逆にいえば,放熱や消費電力の関係で動作クロックが同じになれば,Iris 6100とHD 6000では性能に差が出ないともいえるわけで,「Iris 6100だから目に見えて速い」とは期待しないほうがよさそうである。
技術面での解説を担当したIntel 技術本部技術部長の竹内 健氏によれば,従来のTurbo Boostでは,動作クロックの上昇によって電力のしきい値に当たる「バーストリミット」(PL2)に達したときに,しきい値内に収めようと消費電力が急激に上下変動する現象が起きて,バッテリーに好ましくない負荷がかかっていたのだという。そのためPCメーカーによっては,バーストリミットの値を低めに設定していたり,バーストリミット付近での動作時間を短くしていたりという調整を行っていたそうだ。
新しいiGPUやTurbo Boostの改良によって,実際のゲームにおけるグラフィックス性能がどの程度変わるのかは興味深いところだ。
RealSense 3D camera対応アプリを探せるWebページがオープン
RealSense対応の3Dカメラモジュール「RealSense 3D camera」を搭載したPCがPCメーカー各社から登場し始めているが,肝心の対応アプリケーションはまだ少なく,PCにプレインストールされているもの以外を探すのは難しい状況にある。そこでIntelは,同社WebサイトにRealSense対応アプリケーションの紹介ページ「Intel RealSense App Showcase」を開設した。
これは,ソフトウェアベンダー各社が開発したRealSense対応アプリケーションの解説とダウンロードリンクをまとめたポータルページで,実用アプリケーションだけでなく,ゲームもいくつかリストアップされている。日本語ページでは,まだゲームが1本しか掲載されていないのだが,英語ページでは3種類のゲームが公開されており,すべて無料でダウンロードできるようになっていた。
まだまだアプリケーションの数は少ないのだが,RealSense搭載PCを入手したのはいいけれど,肝心のアプリケーションが見つからず,使い物にならないという状況は,紹介ページの登場で徐々に解消されていくかもしれない。ゲームタイトルの充実を期待したいところだ。
Intel 日本語公式Webサイト
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Core i7・i5・i3・M(Broadwell)
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