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過去最大の出展数となったPSVRタイトル。「The London Heist」「Job Simulator」「Rez Infinite」など注目の7タイトルをまとめて紹介
これだけの規模でPSVR向けデモが一般向けに公開されたのは,Sony Computer Entertainment関係者によると初めてとのこと。2016年中に予定されている正式リリースに向けての準備が整いつつあることを強く印象付けるものとなっていた。
ところで「VRゲーム体験」というと,他人に説明するのが難しいとされている。1人のプレイヤーがVRヘッドマウントディスプレイを装着して,「擬似立体的」な空間に身を置いてプレイしている様子を,外部のディスプレイに映し出してほかの人と共有することはできるものの,それはすでに「平面的」な映像でしかないからだ。
その意味で,今回のような規模でPSVRデモに触れる機会を一般ユーザーに与えたというのは,大きな意義があるのではないだろうか。本稿では,そんなデモの中から,気になるタイトルを7作ピックアップして紹介しよう。
The London Heist
開発元: Sony Computer Entertainment EuropeGDC 2015で初公開されて以降,かなりの頻度でゲームイベントに出展されている「The London Heist」だが,それもそのはず,本作はSony Computer Entertainment Europeが開発を手掛けるファーストパーティタイトルなのだ。
ゲームは,輸送車の助手席に座る警備員となったプレイヤーが,サンバイザーを下げたり,飲み干したドリンクをドアを開けて路上に捨てたりと時間潰しをすることから始まるのだが,やがて輸送車を乗っ取ろうとする武装強盗団に襲撃されてしまう。
主人公の上司にあたるらしい運転手に促されるまま,割れたフロントガラスを押し出したり,与えられた銃器で応戦したり,窓の外に頭を出して破壊した相手の車を確認できたりするるなど,アクション性の高さでPSVRを代表する作品となりそうだ。もちろん,“Heist(強盗)”というだけあって,強盗をシミュレートするようなミッションもあるとのこと。
Rez Infinite
開発元: enhance games2001年にPlayStation 2及びDreamcast向けにリリースされたリズムゲームの名作「Rez」が,「Rez Infinite」となってPSVR向けに帰ってくる。開発を行うのは,今年水口哲也氏が北米で起こしたばかりのenhance gamesだ。
本作は,電脳世界に侵入するウイルスを,リズムに合わせて破壊していくという「うって、ノッて、絶頂へ。」のキャッチコピーで知られるレールシューターシリーズの最新作だ。
5日のキーノート・カンファレンスでは,全身ネオン色に光り輝く特殊スーツを着込んだ水口氏が登壇し「Rez Infinite」をプレイしていたが,このスーツには26か所にサウンドに共鳴する振動装置が仕組まれていたという。
そもそものオリジナル作品は,プレイヤーの動作(アクション)や視覚(グラフィックス),音響効果(SE),触覚(振動)を一体化させていくことでトランス状態を表現するという「共感覚」をコンセプトとしていた。全身が振動するこのスーツでのプレイは,まさに15年前に水口氏が体現したかったゲームが,本当の意味で実現するということなのかもしれない。
Headmaster
開発元:Frame Interactive「Headmaster」も,PSVRのプロジェクト名「Project Morpheus」時代から知られていたPSVR専用ゲームで,プレイヤーが飛来するサッカーボールを頭で打ち返してゴールを決めるという,“ヘディング・シミュレーター”だ。ただ単にヘディングするだけではなく,点数のポイントが書かれたターゲットや,ゴールをブロックする段ボール箱などのギミックが存在する。ヘディングシュートに成功すれば,バックグラウンドで花火が打ち上がるといった視覚的にも非常に楽しいゲームだ。
頭を前後に強く振る動作は必要ないのだが,思わずそうした動作を行ってしまい,そのたびに頭からズレるディスプレイが気になってしまうかも。1人で黙々プレイできる熱中性の高さもある作品だ。
Megaton Rainfall
開発元: Pentadimensional GamesスペインのPentadimensional Gamesが開発を進める「Megaton Rainfall」は,滅亡の危機を迎えた地球を救うことができる唯一のスーパーヒーローとして,プレイヤーが高速で地球を駆け回りながら,さまざまな難題を解決していくというアクションゲームだ。
今回展示されていたデモは,映画「インディペンデンス・デイ」のような巨大なスペースシップが都市上空に静止しているというシチュエーションで,プレイヤーは周囲を飛行しながら宇宙船の急所に攻撃を加えていく。スペースシップもただ飛んでいるだけではなく,ときおりエネルギー光線を発射し高層ビルを破壊していくのだが,プレイヤーの操作ミスで自身が高層ビルに突っ込んでしまうと,やはりビルを破壊してしまうので注意したい。
今回公開されたVRゲームデモの中でも,かなり楽しそうな雰囲気のゲームだった。
Super Hypercube
開発元: kokoromi/ Polytron Corporation少しくらい穴の形に合わなくても通過はできるのだが,壁を通過できなかった(壁にぶつかった)ブロックは本体から削り取られていき,いずれゲームオーバーになってしまう。ネオンカラーでピカピカの空間とサイケデリックな音楽,サウンド効果は「Rez Infinite」と同様の体感型トランスゲームを思わせる作品だ。
Job Simulator
開発元: Owlchemy LabsSteamVR「Vive」向けのデモとして公開された,おバカ系物理シミュレーターの「Job Simulator」が,PSVRのローンチタイトルとしてリリースされることが発表された。
本作は,すべての仕事をロボットが行うという2050年の未来社会において,人間が労働能力を失わないためにロボットから仕事のやり方を“ジョブ・シミュレーター”を使って教えてもらう設定の作品となっている。
SteamVR向けに公開されたデモは,調理場でコックとして働くシミュレーターだったが,今回はオフィス内での事務作業を行うというテーマになっていた。
「まずはコーヒーを入れて,ドーナツをかじる」というステレオタイプな行動から始まるのだが,1と0しかボタンが存在しない訓練用のコンピュータでパスワードを入力したり,何万通と届いているメールを一斉に削除したりといった,人を小馬鹿にしたような作業が延々と続く。
今回のデモは,PlayStation Moveを使ってトリガーで“握る”動作を行うだけの簡単な操作なのだが,それだけにうまくいかない時のイライラ感も増した気がした。
RIGS: Machine Combat League
開発元: Guerrilla CambridgeGuerrilla Cambridgeが開発する「RIGS: Machine Combat League」は,今回のPlayStation Experience 2015では最大となる6台の試遊台を準備していた。というのも,本作が3対3で“RIG”と呼ばれるロボットを操作する,1人称視点のアリーナシューターだからだ。
未来世界で行われるスポーツという世界設定で,フィールド上の“オーブ”を中央のゴールに投げ込んで得点するという単純なルールになっている。レーザー,ロケット,プラズマキャノンと,使える武装が異なる相手のロボットとも戦えるのだが,ロボットは非常に機動性が高く,ハイジャンプにより高低差を活かした攻撃もできるなど,アクション性の高さもゲームとして面白い。グラフィックス面でも,かなりの高品質になっているようで,ひとつのパッケージとして見れば,もっとも「AAAタイトル」に近い作風に仕上がっていると言えそうだ。
- 関連タイトル:
PlayStation VR本体
- 関連タイトル:
Rez Infinite
- 関連タイトル:
RIGS: Machine Combat League
- 関連タイトル:
Headmaster
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Super Hypercube
- 関連タイトル:
Megaton Rainfall
- 関連タイトル:
The London Heist
- 関連タイトル:
Job Simulator
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