イベント
これまでにない演出満載の「遙かなる時空の中で ファン感謝祭」をレポート。新曲5曲が収録されたボーカル集CDの発売も決定
コーエーテクモゲームスが贈る恋愛アドベンチャーゲーム「遙かなる時空の中で」。1作目の発売から15周年を迎えた本作を記念して,神奈川県民ホール大ホールにて2016年4月3日に,オンリーイベント「遙かなる時空の中で♥ファン感謝祭」が昼夜の2回開催された。「遙か」シリーズ「1」〜「4」までの4作品に出演する声優陣が,15周年を振り返るトークやライブステージなどを披露した本公演の昼の部の模様をお届けしよう。■4月3日昼の部・出演者(敬称略)
●キャスト
関 智一(森村天真/平 勝真/源 九郎義経/サザキ)
中原 茂(藤原鷹通/藤原幸鷹/有川 譲/葛城忍人)
井上和彦(橘 友雅/翡翠/梶原景時/風早)
保志総一朗(永泉/源 泉水/平 敦盛/布都彦)
置鮎龍太郎(アクラム/アクラム/白龍/ナーサティヤ)
川村万梨阿(シリン/シリン/北条政子/夕霧)
浅川 悠(セフル/和仁/平 清盛・幻影/足往)
●影ナレーション
三木眞一郎
高橋直純
宮田幸季
石田 彰
●司会
久遠 一
●アシスタント
アンフィニ(ユーキ,Kan)
「遙か」シリーズ15周年記念イベントのファイナルにあたる本公演は,前説から会場をどよめかせることとなる。その理由は,前説からオープニングまでがドラマ仕立てとなっており,その演出が豪華すぎたからだ。まず,本来アナウンスで流される注意事項を藤原鷹通(中原さん)と永泉(保志さん)が,ステージ上で読み上げる。続いて,いつもの注意事項とは異なるもう1つお願いごと「キャスト陣が神子(来客者)の近くに行くかもしれない」という内容が会場を沸かせた。実際に2人がステージを降り,神子達と同じ目線となる一幕も!
2人が客席で神子に話しかけている間に,ステージ上には森村天真(関さん),橘 友雅(井上さん)が静かに登壇する。「何を油を売っているんだ!」という天真に対し,「油は売っていません」ととぼける2人。それに友雅が「じゃあ何を売っているんだ」と問いかけると,「真心です」とキレイに返す……のだが,「真心を売ったら,それはもう真心ではない」と,天真からすかさずツッコまれていた。
4人の八葉(※龍の宝玉に選ばれた男性)がステージに上がると,今度は鬼のシリン(川村さん)とセフル(浅川さん)が客席側から登場。「呪詛の種」を埋めるのに相応しい場所を探して,神子を物色していく。ここで井上さんから「保志くん,(セリフを)忘れてるよ」と教えられる場面が。保志さんが次のセリフを言わなかったため,川村さんと浅川さんは客席での芝居を締められなかったのだ。生ならではのハプニングに会場は大爆笑となる。
そうして,ようやく鬼の頭領であるアクラム(置鮎さん)が現れ,八葉と鬼が全員揃うことに。彼らが集まれば,戦闘になるのは必然だ。「うなれ天空!召雷撃!!」や「きらめきよ,貫け。星晶針!!」などの術(戦闘台詞)の掛け声を生で聴けたことは,ゲームの戦闘シーンを見ているようで会場も興奮したに違いない。最後は神子達の拍手の力で,八葉は鬼の力を抑える。
一件落着したところで,全キャストによるオープニングライブ「遼遠の旅路を行け」が披露された。生ならではのハプニングもあり,キャストの自由なアドリブ発言ありで,終始笑いが絶えず,今までにないボリューム満点な前説だったのではないだろうか。そう,ここまででようやく前説〜オープニングなのだ。
15周年を締めくくるにふさわしい華麗(?)なトークコーナー
出演キャスト全員が参加するトークコーナー「15周年の今こそ聞きたい! 『遙か1〜4』のあれやこれや」は,イベント公式サイトで募集していたトークテーマにそって展開していく。最初のテーマは,「1番思い出に残っているイベントはなんですか?」というもの。
キャスト陣のなかでは,どうやら2010年に武道館と京都で開催されたイベント「ネオロマンス♥フェスタ 遙か十年祭」が思い出深いとのこと。
置鮎さんはイベント前夜,みんなで1つの部屋に集まってお酒を飲んでいたときに,井上さんが人の部屋で寝落ちしてしまったお茶目なエピソードを明かした。
そんな井上さんは,高橋直純さんとのデュエットソングの振り付けが過激だった印象が強いとのこと。高橋さんにあわせようとがんばって華麗に踊っているつもりだったが,あとで映像を観たらロボットのようで恥ずかしかったと語っていた。
中原さんと川村さんは,大福を12個買ってきた川村さんと夜の0時に一緒に食べた思い出話を披露。キャスト全員に大福を買ってきた川村さんだが,あまりの雪でホテルに戻るのが遅くなってしまい,唯一起きていた中原さんとマネージャーと3人で3個ずつ食べたそうだ。
終始静かに聞いていた浅川さんだが,当日の集合時間に遅刻してしまったことをキャスト陣から明かされてしまう。前夜に飲みすぎて,化粧も洋服もそのままの状態で寝てしまい,マネージャーにこっぴどく怒られたそうだ。
十年祭の思い出に花咲かせるなか,関さんは,八葉の全キャストが揃った2006年の「ネオロマンス♥フェスタ 〜遙か祭2006〜」が思い出に残っていると語る。そのイベント前夜にも,井上さんの部屋でどんちゃん騒ぎをしたとのことだが,その詳しい内容はとてもここでは言えないそうだ。
続いてのトークテーマは,「15年前に『遙か』に出演が決まった自分にアドバイス。さて,なんとアドバイスする?」ということで,15年前の自分自身にアドバイスを考えることに。
キャスト全員,まさか15年も続くとは思ってもみなかったようで,「役者の勉強して」や「油断するな」といった役者としてのアドバイスを送っていた。また,「ダイエット成功したら維持しとこう」「ファッションセンス変わるよ」といったアドバイスも。
1つ1つのトークが盛り上がったため,トークコーナーはあっという間に終了したような印象だ。その後,サイン入りパンフレットやキャラクターバナーが当たるプレゼント抽選会をはさみ,ミニドラマのコーナーへと移る。
●ミニドラマ「遙かなる時空の中で2」
【登場キャラクター】
藤原幸鷹(中原さん)
源 泉水(保志さん)
アクラム(置鮎さん)
シリン(川村さん)
和仁(浅川さん)
【影ナレーション・キャラクター】
イサト(高橋直純さん)
安倍泰継(石田 彰さん)
物語は,神子と八葉達が,呪詛の種を撒こうとしているシリン(川村さん)と和仁(浅川さん)に遭遇することから始まる。八葉達は,鬼2人と対峙するのだが,ここでいつもの舞台とは違う演出が。神子達は,2つの選択を迫られることになるのだ。
1, やっぱり八葉! 幸鷹と泉水を応援する
2, 今日は特別! シリンと和仁を応援する
「ええ〜〜〜!!」とどよめく会場。拍手の数でどちらかにルートが分かれるのだが,結果はなんと「シリンと和仁を応援する」に。まさかの展開で,ミニドラマは鬼が勝利することになった。
粋な演出で会場を沸かせたミニドラマのあとは,花見をシチュエーションにして愛をささやく「神子へのメッセージ 感謝祭スペシャル」だ。ここでは,アクラム(置鮎さん),サザキ(関さん),幻影(浅川さん),翡翠(井上さん)から愛のメッセージが贈られる。会場は,笑いの絶えない先ほどまでの雰囲気とうって変わって静まりかえり,彼らからの甘い声と言葉に酔いしれた。
最後を締めくくるのは「ライブコーナー」。川村さんは蜘蛛の糸に見立てた糸を手から出すなどの演出も。会場はペンライトによって,それぞれのキャラクター色に染まり,大いに盛り上がっていた。
【昼の部 セットリスト】
1:「流星の弓矢となりて」/有川 譲(中原さん)
2:「氷炎の薔薇の不幸」/シリン(川村さん)
3:「あたたかき追想の湖に」/平 敦盛(保志さん)
4:「慈愛しさは光の砂時計」/風早(井上さん)
エンディングでは,15年という時を迎えての感謝の言葉と,これからの展開への期待などが語られた。中には,鬼祭りの開催も夢ではないかもというキャスト陣も。今後の展開が楽しみだ。
アンコールでは,おなじみの「遙かなる時空を越えて」を全キャストで熱唱。最後は,キャスト陣が客席の間を歩きだして,後ろの客席側の扉から退場するという驚きの演出で,会場のボルテージは最高潮のまま,イベントの幕は閉じられた。
なお,新作紹介コーナーでは,「遙か3 〜花の名残〜」ヴォーカル集CDが夏に発売されることが発表された。また,6月29日発売予定のCD「遙か2 うしろ向きじれっ隊」の新情報も。新曲が5曲収録されており,そのうち泉水のソロとイサトのソロは保志さんと直純さんがそれぞれ作曲したとのこと。保志さんの曲は,「切な系でスケールの大きいミディアムバラード」とのことで,完成が待ち遠しい。
キャラクターデザイン/水野十子 (C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.