グラフィックスメモリを大量に要求するタイトルで，GTX 970の性能が大幅に低下する？ 海外で話題の問題についてNVIDIAが見解を公表

　北米時間2015年1月24日，NVIDIAはGeForce公式掲示板へのコメント投稿として，「GeForce GTX 970」（以下，GTX 970）で生じるという，いわゆる「GTX 970 3.5GB VRAM Issue」（GTX 970 4GB VRAM Issueとも）についての見解を発表した。

　これは，グラフィックスメモリ容量4GBのGTX 970で，アプリケーションによるグラフィックスメモリ使用量が3.5GBを超えると，性能が大きく低下するというもの。
　NVIDIAによると，GTX 970の「Streaming Multiprocessor」（以下，SM）は，グラフィックスメモリの管理が3.5GBで区切られているという。そのうえで，GTX 970は「GeForce GTX 980」（以下，GTX 980）よりもグラフィックスメモリとのクロスバー接続が少ないという制約があるため，3.5GBの境界を超えるグラフィックスメモリの使用が発生した場合は，GTX 980よりも性能低下の度合いが大きくなるというのがことの原因であるようだ。

　ただしNVIDIAは，同時に，以下に引用した表を示し，GTX 980とGTX 970のスコア差を示しており，グラフィックスメモリ使用量が3.5GBを超えた場合でも，GTX 970の性能低下率は，GTX 980比で1〜3％程度大きくなるに留まると主張している。
　NVIDIAの示しているデータを見る限り，シングルカードで4K解像度に設定する必要がある感じなので，シングルカード構成における4K解像度のテスト結果，そして「Dynamic Super Resolution」有効時のテスト結果を確認する限り，大多数のゲーマーにはあまり関係ないだろう。ただ，GTX 980とGTX 970におけるグラフィックスメモリ管理法が明らかにされたという点では，重要な声明だと言うことができそうだ。

NVIDIAがサンプルとして公表した表。GTX 980とGTX 970でグラフィックスメモリ使用量が3.5GBを超えるように設定した場合，グラフィックスメモリ使用量3.5GB未満と比べてフレームレートがどれくらい変化するかを示したものとなる

※実際の検証結果を掲載しました
→「グラフィックスメモリを3.5GB以上使う局面で，GTX 970の性能が低下する」現象を，実際に確認してみた

GTX 970 3.5GB VRAM Issueに対するNVIDIAの当該コメント（英語）