インタビュー
福山 潤さんにパンダくんの魅力を聞く。「夢王国と眠れる100人の王子様」×アニメ「しろくまカフェ」コラボの収録後インタビュー
本日(2018年11月20日)より,ジークレストの女性向けパズルRPG「夢王国と眠れる100人の王子様」(以下,「夢100」/ iOS / Android)とTVアニメ「しろくまカフェ」とのコラボイベントが開催されている。「しろくまカフェ」は,ヒガアロハ氏が原作漫画を手掛け,2012年にはTVアニメが放送された人気作品だ。そんな「しろくまカフェ」と「夢100」のコラボに伴い,4Gamerではシロクマくんを演じる櫻井孝宏さんと,パンダくん演じる福山 潤さんにインタビューする機会を得た。
櫻井孝宏さんのインタビューに続き,本稿では福山 潤さんに収録後の感想や「しろくまカフェ」にまつわる思い出を聞いたインタビューをお届けしよう。
パンダくんはあざとかわいいが“正義”
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。早速ですが,まずは収録のご感想をお願いします。「夢100」の世界に,「パンダくん」として出演されていかがでしたか?
福山 潤さん(以下,福山さん):
TVアニメの放送が2012年ですから,だいたい6年ぶりだと思うんですけど,意外と覚えているものですね。最初は,自分の身体の変化などでパンダくんのトーンは出せるのか……と思いましたが,幸いなことに音域的な面で心配なところは何もありませんでした。
4Gamer:
6年ぶりとは思えないほどスムーズな収録で……。
福山さん:
演じてきたキャラクターを忘れることは基本ないんですけど,とくにパンダくんはインパクトもあったし,1年間を通して演じた愛着のあるキャラクターですからね。あとはテンポ感にズレがなければいいなあと。
4Gamer:
とてもかわいいパンダくんでした。
福山さん:
アニメ本編だと,どちらかというとかわいさのなかに含まれる“毒”があったんですけど,今回のセリフではあまり感じられなかったですね。そのあたりは久しぶりなぶん新鮮さを感じました。
4Gamer:
収録されたなかで印象に残ったセリフはありますか。
福山さん:
「ボクのかわいさのヒミツが知りたいの?」とか,「もっと人気者になっちゃうかも〜〜」といったセリフは,パンダくんらしいなと思いました。照れているというよりも,彼は本気で言ってますからね。
パンダくんの見た目あっての武器ですが,一切悪びれもせず,ここまで全面に思っていることを口に出すと,意外と周りも受け入れるものなのかもしれません。調子に乗ったことを軽く言うと反感を買いがちですけど,全力で言うとなんとなくみんな許してくれるというか……これは僕自身もだいぶパンダくんから学んだところですね(笑)。
4Gamer:
パンダくんから社会を生き抜く術を学んでいらっしゃったとは(笑)。ちなみに「パンダの国を作って,王子様になってみたいな〜」というセリフがありましたが,パンダくんの言うパンダの国とはどんな国なんでしょう?
福山さん:
彼にとってのパンダの国は,パンダだらけ……ではないと思います。王城のなかにパンダがいるだけで,周りの飼育員の人たちが世話してくれて,納税なる納笹,納竹をしてくれる都合のいいものでしょうね。全部パンダだったら大変だと,自分でも分かっていると思うので。
4Gamer:
それはパンダくんにとって理想郷になりますね。
福山さん:
彼はアニメでも,働きたくないという絶大なニート宣言をしてますからね。
4Gamer:
そうでしたね(笑)。こうして6年ぶりに演じる機会があるのも,「しろくまカフェ」が長く愛されている証拠だと思います。その魅力はどんなところにあると思われますか。
福山さん:
この作品はストーリーを見せるというよりも,動物たちが生き生きとくり広げる“世界”を見せていく,ということを大事にしているので,そういったところでユーザーの方々にも,何かしら気になる要素が入っていたんじゃないでしょうか。加えて,ただほんわかするだけではなく,ブラックジョークもふんだんに織り込まれているギャップも魅力だと思います。
4Gamer:
いい意味で,何も考えずに楽しめる作品でしたね。
福山さん:
1年間続けられたことも幸運なことでした。この時間のなかで駆け抜けたというほど疾走感があるものではなかったですけど,突然現れて突然いなくなった彼らを,ファンのみなさんがずっと好きでいてくれたからこそ,6年経った今でも演じる機会に恵まれているので,大変誇らしく思っています。
4Gamer:
福山さんにとっても大事な作品になっているんですね。当時の収録時で印象に残っているエピソードなどありましたら教えてください。
福山さん:
第1話の収録は今でも強く印象に残っています。みんな最初なので,自分の役をどう演じようか探り探りだったんですよ。僕と櫻井さん,神谷さんはボイスマッチで先に演じていたんですけど,みんなと合わせるのは初めてだったので,バランスがどうなるだろうと。
4Gamer:
バランスというと?
福山さん:
リンリン(CV:川島得愛)や半田さん(CV:羽多野 渉)の人チームもいたので,僕ら動物チームとの違いはやはり狙っていかなくてはなりません。その微妙なさじ加減のバランスが,みんな探り探りだったんです。
コアラ,ナマケモノ,ゾウガメなど,みんなが絶妙なラインで,自分の本線じゃないところで演じていきました。ですが最後の最後に……。
4Gamer:
一体何が……?
福山さん:
ラマ役の小野大輔が,ラマを“小野大輔”で演じたんですよ!
4Gamer:
(笑)。
福山さん:
もうスタジオ中の全員から「ふざけんなお前!」って非難が飛び交いましたね。「みんなを踏み台にするんじゃねえ!」と(笑)。でも結果として,それが彼のラマとしてのキャラになるっていう。
4Gamer:
それが正解になったんですね。
福山さん:
「しろくまカフェ」を観たことがない人やうろ覚えな人も,ぜひラマをアニメで再確認してほしいですね。
4Gamer:
確認してみます!
福山さん:
レギュラーメンバー以外にも,石田 彰さん(メガネザル役),古川登志夫さん(キノボリカンガルー役)をはじめとした個性豊かな方々がゲストとして出演してくださって,とんでもない存在感を発揮して帰っていくなんてことも多々ありました。演じる側としては,「しろくまカフェ」の世界にこの声優さんが入るとこんなふうに演じるのか,といった刺激もふんだんに味わえたので,収録現場は思い出いっぱいですね。
4Gamer:
にぎやかそうな現場です。
福山さん:
「しろくまカフェ」に関わった役者全員にとって,フェイバリットな作品になっているんじゃないでしょうか。こういったコラボという形で,あらためてキャラクターに触れられて嬉しかったですね。それに「しろくまカフェ」に触れたことのない人にも,知っていただく機会になるのは本当にありがたいなと思います。
当時,パンダくんを演じる際に気をつけたことはありますか。
福山さん:
最初にイラストを見たとき,デフォルメされていない動物そのままなビジュアルなので,どう演じるのがベストなんだろうと悩みました。ただ僕はさほど器用なほうではないので,やれることは限られている。そのなかで迷いなく,当たり前のように存在したほうがいいのかもしれないと考えました。
動物だから特別ではなく,キャラクター性として人間と感覚がズレているぐらいでいいのかもしれないというのが,僕が最初に演じるときに意識したことですね。
4Gamer:
特別にかわいさを意識はしていないんですね。
福山さん:
むしろかわいくやろうとは当時思ってなかったです。いい大人だった僕がパンダくんを演じるわけですから,そこにかわいさを追求すると,お客さんもひいちゃうかもしれないと多少は思っていて(笑)。
4Gamer:
そんなことは(笑)。
福山さん:
実物のパンダも,よく見るとずんぐりむっくりだし,目の奥なんて完全な肉食獣の目をしているじゃないですか。天敵がいない無防備になった行動だからこそ,かわいさを感じるのがパンダの魅力だったりもするので。
おそらく生態として言ったら,ワガママで自己愛が強い。人間として考えると嫌われる要素だったりするのが,彼らの生き方なんだろうと思うんです。
4Gamer:
人間にしたらなかなか厄介そうですね。
福山さん:
動物全般そうだと思うんですけど,人間ほど器用に生きられるわけじゃないから,ワガママでも心に余裕を持って見られるのかなと。なのでかわいくしようではなく,そういったパンダだから許される部分に,ちょっと賭けてみようかなと思いながら演じていました。
4Gamer:
そうだったんですね。ちなみに前回の櫻井さんにお話を聞いた際に,パンダくんを演じる福山さんを見て「かわいい」と思っていたと話していました。
福山さん:
うしろから見ていたら分からないですけど,正面から見るとかわいいなんて言えなくなりますよ(笑)。パンダくんを演じるときって,表情筋をすごく使うんです。普通よりもずっと口を大きく開けてにこやかな表情を作るので,正面から見るとすごくうさんくさい顔をしています。
4Gamer:
そんなヒミツがあったとは……(笑)。では続いて,パンダくん自身の魅力も教えてください。
福山さん:
ぐーたらなところでしょうか。自分が働きたくない,ということをマイナスとしてではなく,プラスとして言っている大変愛らしい子です。
例えば,男性が超絶自分好みの女性から「私働きたくないの」って満面の笑みでなんの作意もなく言われたら,「働かなくていいよ」と思わず言っちゃうかもしれないですよね。それをパンダくんは人間に対して作意を持って言っているという。
4Gamer:
あ,パンダくんの場合は作意があるんですね。
福山さん:
彼にはありますね。自分の言うことは全部聞いてくれると思っている確信犯です。ただ嫌な感じの作意ではなくて,子供がするような無邪気な感じで,それが正しいと思ってやっています。彼はあざとくすることが正義だと思っていますから。
あざとかわいいですね。ちなみに今回の取材は櫻井さんと福山さんの2人にお話をうかがっています。というわけで,櫻井さんとの「しろくまカフェ」にまつわる思い出話がありましたらお聞きしたいです。
福山さん:
収録で感じたことですが,櫻井さんはシロクマくんとして,パンダくんのワガママを受け入れ,促して,全部方向修正したうえでツッコミのペンギンさんに流す……という,何気に結構難しいことを普通にやってしまうんですね。
シロクマくんはキャラクター性として,パンダくんみたいに全力ではボケないじゃないですか。でも絶妙なところで乗っかったりもする。例えばアニメ第3話でシロクマくん,パンダくん,ペンギンさんでドライブに出かける話があったんですけど,パンダくんの振りに対して三つ編みをして乗っちゃうとか……。
4Gamer:
ありましたね。女性口調になりつつ(笑)。
福山さん:
そうなんですよ。櫻井さんはやりすぎてもいけない、でも乗らなきゃいけないというシロクマくんの難しいキャラクター性をずっと演じられているので,毎回収録の時に,絶妙なバランスでよくやるなあ,ずるいなあと思いながら見ていました。
4Gamer:
その3匹の絶妙な会話も「しろくまカフェ」の魅力なんでしょうね。またアニメが観たくなってきました。では最後に読者へメッセージをお願いします。
福山さん:
ぜひともこの「夢100」で,あらためて「しろくまカフェ」に触れてみてください。たぶん放送当時にまだ子供だった人にとっては,こんなにパンダくんあざとかったけ? とか,今観るからこそ分かる新しい発見があるんじゃないかと思います。
もう一度,この魅力的なキャラクターがいっぱいいる,幸せな世界に触れたい人がいらっしゃれば,アニメ,原作コミックスを通じて思いを馳せていただけますと嬉しいです。そして何より,「夢100」のなかでの彼らが一体どのように縦横無尽にワガママを言い続けるのかを見届けてください。シロクマくんとパンダくん含め,キャラクターたちを愛でていただけると幸いです。
4Gamer:
ありがとうございました。
なお本コラボを記念し,公式Twitterでは本日から11月27日までTwitterキャンペーンを実施中だ。「夢100」公式Twitterアカウントをフォローして該当のツイートのRT,その後「応募フォーム」より必要事項を入力すれば応募できる。櫻井孝宏さんと福山潤さんのサイン色紙が抽選で当たるチャンスなので,ぜひ参加してほしい。
「夢王国と眠れる100人の王子様」公式サイト
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(C) GCREST, Inc. All rights reserved.
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