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[GDC 2018]大学機関で育まれるeスポーツの芽。選手には奨学金も支給されるマイアミ大学の実例を紹介
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印刷2018/03/20 16:48

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[GDC 2018]大学機関で育まれるeスポーツの芽。選手には奨学金も支給されるマイアミ大学の実例を紹介

マイアミ大学のゲーム学部准教授,Phil Alexander氏
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 GDC 2018の初日に開催されたEsports Dayで行われた,マイアミ大学のゲーム学部准教授のPhil Alexander(フィル・アレクサンダー)氏によるセッション「Building Collegiate Esports from Student Clubs to Varsity Teams(サークルから大学選手権まで,大学eスポーツの構築法)」をレポートしよう。このセッションでは,同大学のこれまでのeスポーツに対するアプローチが紹介された。

 マイアミ大学は,フロリダの有名な街の名を冠しているものの,実はマイアミから遠く離れたオハイオ州オックスフォードという田舎町にある,1809年に設立された由緒ある大学だ。現在は経営学部や動物学部を中心に2万人を超える生徒数を誇り,2012年に共和党から副大統領として選出されていたPaul Ryan議員や,NFLのピッツバーグ・スティーラーズで活躍する現役クォーターバックなど,さまざまな方面で著名人を輩出している。

 そんなマイアミ大学は,近年ではテクノロジー面にも力を入れているらしく,Armstrong Interactive Media Studiesというゲーム修士課程では,2016年秋からアメリカ全土への遠征を可能にするバーシティ・eスポーツブログラムをAlexander氏のもとで開設。これは“ディビジョンI”と呼ばれる大学スポーツ界で第1級にあたるスポーツ課程を持つ大学では初めてのことで,翌年に開設されたNACE――National Association of Collegiate Esports(全米大学eスポーツ協会)で早くも結果を残し,「第1回Overwatch全米大学選手権」のチャンピオンを生み出した。

大学キャンパス内の図書館に設立された専用アリーナに集うOverwatchチームのメンバー(マイアミ大学公式サイトより)
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NACEには,東海岸側にある大学が多く集まっているようだ。今後の目標としては,NCAA公認の下部組織になることだという
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 マイアミ大学では「Overwatch」PC / PS4 / Xbox One)のほか,アメリカの大学においては”3強“とされる「League of Legends」「Hearthstone」を合わせた3種目で生徒を集めているとのこと。それぞれが大学公認のチームであるだけに,1990年代から使われていなかったという会議室を専用アリーナへと改築し,そこに16台のAlienware製デスクトップPCを設置して,それぞれのチームが日々,トレーニングに励んでいるという。フィジカルトレーナーやコーチなどの専属スタッフもおり,ジョギングやストレッチなども行っているそうだが,やはりゲーマーは夜更かしもするものなのか,このアリーナは24時間出入りできる体制であるというからすごい。

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 Alexander氏によれば,マイアミ大学のeスポーツチームには,ゲーム学部だけでなくさまざまな学部から選手が集められているとのことだが,コーチに認められてチームに招聘されると平均で年間7000ドルの奨学金も支給されるらしい。目安としてディビジョンIのバスケットボール選手であれば全米平均で3万6000ドルほどもらえるそうだが,大学によっては野球や競泳でも7000ドルを下回るところも少なくない。少なくともマイアミ大学では,eスポーツチームもほかのスポーツに準ずるものとして捉えられているという証だろう。NACEに参加した78校(うち,7校は準参加校)のうち,実に69校で何らかの奨学金制度が用意されているという。

eスポーツファンで最も厚い層が,大学生とピッタリ合致する18歳から25歳であるとのこと
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 Alexander氏は,こうしたeスポーツが盛り上がりを魅せる大学機関の現状を“Hatchery”(孵化場)と形容する。eスポーツのアスリートや試合を視聴する大学内の生徒達は,実際にゲーム業界やIT産業への就職を望む者が多く,「eスポーツのさらなる盛り上がりに期待している」という点において,こうした大学生と企業は連携できるというのがAlexander氏の主張だ。例えばナイキやアディダスのようなスポーツブランドが大学のスポーツチームのスポンサーになるのと同様に,今後はeスポーツ関連企業も大学チームとパートナーシップを結ぶようになるはずだという。
 ただ実際問題として,現時点では大学側からゲーム企業にアプローチするノウハウはないそうで,Alexander氏は「例えば,ゲーム業界の人が特別講師や何かのイベントのスピーカーとして訪問してくれるだけでも,大学関係者や卒業生達を納得させやすくなる」と,GDC会場に集まった観衆に力説していた。

南カリフォルニア大学のゲームサークルを代表して参加したRyan Stevenson氏
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 もちろん,企業側が大学にアプローチするメリットは大きく,Alexander氏は「大学は最もインフルエンサーの人口密度が高い場所」であるとし,現に「PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS」は競技性が高いゲームではないにもかかわらず,正式にローンチされる否や口コミで学生達の中に浸透していったという。「ゲームイベントで配布するような,無料グッズを大学キャンパスで配るだけでも同じような傾向を再現できるはずだ」と氏は語っていた。

 またAlexander氏の講演の前座として,南カリフォルニア大学で「Super Smash Brothers Club」というサークルの会長を務めている同校ゲーム学部のRyan Stevenson(ライアン・スティーブンソン)氏が登壇し,大学構内におけるより草の根的なeスポーツの広がりが紹介されていた。Stevenson氏は「僕ら暇を持て余した学生は,eスポーツ向けに作られたわけではないゲームでもeスポーツに変えてしまい,それを勝手に実況してしまう。eスポーツの成功は,こうしたコミュニティの育成にかかっているはずだ」と話していた。

マイアミ大学とは直接は関係ないものの,企業側からの大学へのアプローチとしてよく知られるのが,Blizzard Entertainmentが「Heroes of the Storm」を使って毎年開催する全米大学選手権「Heroes of the Dorm」だろう
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