プレイレポート
日本サービスが決まった「Lost Ark」をテストプレイ。バトルやストーリー演出の楽しさ,キャラビルドの幅広さが魅力の新作MMORPGだ
なお,韓国ではオープンβテスト中の本作だが,今回のプレイはテストサーバーを使用したものとなる。テストサーバーと言っても当然だが韓国版のもので,スクリーンショットなどで表示される文字がハングルのままである点と,開発中のコンテンツも含まれている点はご了承を。
意外とカスタマイズ性のあるキャラメイク
時間の都合などもあり,筆者が今回プレイできたのは初期に選択できる「ウォリアー」「マジシャン」「ファイター」「ガンナー」の4クラスのプロローグ部分と,「ファイター」の上位職に当たる「槍術士(そうじゅつし)」となる。
ウォリアー |
マジシャン |
ファイター |
ガンナー |
本作はハクスラ系ということで,イメージ的にキャラクターの顔や性別が固定されたタイプかと思いきや,そこはMMORPGらしく顔についてはキャラメイクが可能となっている。テンプレートで複数用意された容姿から選択できるほか,髪型や髪色,眼,口元などいくつかの項目から細かくカスタマイズすることも可能だ。その数は意外と豊富で,ここで最初に時間を取られるプレイヤーが多いかもしれない。
ところで,スクリーンショットを見て分かるとおり,ゲーム中のキャラクターの見た目はやや小さく,そこまでキャラメイクにこだわる必要があるのかと思うかもしれない。しかし,スクロール操作でキャラクターに寄ることができ,演出時にアップで表示されることがあるなど,作成したキャラクターをじっくりと見る機会は多いので,しっかりと作っておきたいところだ。なお,キャラクターを拡大表示した状態で戦闘を行うと,周りがほとんど見えず危険なのでオススメしないでおこう。
また,画面は見下ろし型の俯瞰視点で,角度も固定されており,プレイ中は任意で画面を回転させたりはできない(この特徴を利用した演出も多い)。もっとも,一般的な2Dタイプのハクスラ好きであれば,さほど気になる点ではないだろう。
クラスごとに異なる世界観。どのように交わっていくのか……?
さて,筆者が最初にプレイしたのは,拳が武器の女性「ファイター」だ。序盤のプロローグ部分は,ストーリーを展開させながら,プレイヤーに遊び方を指南するチュートリアルのような作りになっていた。
前述したようにプレイしたのはハングル版なので,どんなストーリーが展開しているのかはあまり分からなかったが,ファイターが戦う舞台は武侠のような世界観で,どうやらライバルらしいキャラクターを主人公(プレイヤー)が追いかけているといった様相だった。
どのクラスも最初に使えるスキルは4種類(プレイキャラによって使用可能になるタイミングは異なる)で,やはり序盤ということもあってか,それぞれのスキルを発動させるとリキャストタイムの明けを待つことが多かった。ただ,プレイヤーが設定できるスキルの枠は8か所あり,レベルが上がってスキルが増えていけばそれも解消されると思うので,とくに心配することもなさそうだ。そのほか覚醒スキルという,キャラクターが一気にパワーアップするスキルを設定する枠も用意されている。
さて,本作をプレイしていて面白いと思ったのは,最初に選択したクラスによって,世界観の印象がまるで異なるということだ。ファイターは上記したように武侠的な世界だが,「ウォリアー」は北欧系神話のような世界,「マジシャン」は妖精の国を舞台とした西洋ファンタジー系の世界,「ガンナー」はマッドサイエンティスト(?)と戦う,機械文明の世界を舞台にしたスチームパンクと,一見して統一性がない。
しかし,本作はMMORPGということで,個別のストーリーはともかく,それぞれのクラスの戦場はいずれ交わっていくはずだ。これだけ異なる世界観を持ちながら,いかにしてまとまっていくのか。そのストーリー展開が気になってしまう。
プレイヤーの個性が光りそうな「トライポッド」システム
一通りキャラクターを触ったあとにSmilegate RPGのスタッフから,好きなクラスのキャラクターを選び,その強化版となる上位職を見てほしいということで,ファイター上位職である「槍術士」を選択した。
プレイした強化済みキャラクターは,レベルが最大の50に設定されており,すべてのスキルが開放済みだった。そして注目したいのが本作の大きな特徴である「Tripod(トライポッド)」システムだろう。
これはG-Star 2014でのインタビュー記事で書いたように,3つの項目(当時はスキルと書いていたが)からそれぞれ1つずつ要素を選択し,その組み合わせでスキルの特性が変化するというものだ。設定によっては,攻撃範囲が広がったり,攻撃回数が多段になったりと戦術に大きな違いが発生するので,重要なのは間違いないだろう。
設定方法は,例えば下のスクリーンショットのように,このスキルの場合は3つ,3つ,2つから1つずつ選択,つまり18通りの組み合わせになるわけだ。
[G-Star 2014]「LOST ARK」には,6種の初期クラスと18種の上位クラスが存在。プロデューサーが語った新情報を新トレイラーと合せて掲載
ハクスラ系MMORPG「LOST ARK」について,本作のプロデューサーであるジ・ウォンギル氏からG-Star 2014の会場で話を聞くことができた。まだ話せないことが多いというものの,いくつかの要素について聞けたので続報としてお届けしよう。また,Smilegateブースで見られた新トレイラーが,Web上でも公開されたので合わせて掲載する。
そして,これはあくまで,1つのスキルに対しての設定となる。それぞれのスキルをどのように設定するのか,修練場などで何度も試して頭を悩ませることになるだろう。もちろん,プレイヤー間で最適と言われる設定/ビルドなどが共有されていくとは思うが,自分なりの戦い方も模索できそうでちょっとわくわくする。クエスト中でも設定の組み換えは可能なので,この場面やボスではこの組み合わせにして……といった戦略的な戦い方も楽しめるだろう。
さて,先ほどスキルの枠が8か所あると紹介したが,実は上位クラスになると,そのクラスによってユーザーインタフェースが変化し,さらに複数の攻撃手段が使用できることもある。例えば槍術士であれば,Zキーを押すと,広範囲攻撃向けと思われるスタイルと,前方一点に集中した攻撃向けと思われるスタイルを適宜切り替えられるのだ。また,ガンナーの上位クラスには,ZキーとXキーを使って3種類の武器を使い分けるというものも存在する。
同じベースクラスでも選択する上位クラスによって,プレイの手触りはもちろん,ユーザーインタフェースごと違ってくるというのは面白い点だ。
リアルタイムでシネマティックに展開するインスタンスダンジョン
成長させたキャラクターで「栄光の城壁(仮)」というインスタンスダンジョンにも挑戦した。どうやら城攻めを行うクエストらしいのだが,プレイヤーキャラクターは味方の大軍の中に出現。敵軍の城門を越える橋頭保を築くため,櫓を進めて城壁に迫るのだ。
櫓に登り銅鑼を鳴らすと,それが開戦の合図となり,大軍が城壁に向けて進軍を始める。このときの演出が強烈で,視点が遠くから戦場を見下ろす形になり,味方の大軍が敵城壁へ向けて進軍するムービーのようなシーンが続く。これらはリアルタイムで描画されており,味方の櫓が破壊されたりしながら城壁に取り付くまでの流れは見ごたえがある。
城壁の上に侵入してからも見せ場は多い。敵味方が入り乱れる城壁で敵を蹴散らしながら進むと,インスタンスダンジョンらしいギミックがそこかしこに。城壁の一部が壊れて落下したり,城門を支える巨大な鎖を足場に城内に突入したりと,ドラマ性のある展開もプレイしていて楽しい。そんなこんなで,城内まであと一歩というところまで到達すると……そこには待ち受けていた100体にもおよぶ敵兵の隊列が。その多さに笑ってしまったのだが,その大軍を蹴散らして正面突破するのが,とにかく気持ちよかった。
ところで,実は2016年に公開されたCBTトレイラーの序盤部分に,このクエストの一部が収録されていたので,見たことがある読者もいるのではないだろうか。まだ見ていないという人は確認してみよう。
このほか,取材陣の4人でパーティを組み,別のインスタンスダンジョンにも挑戦してみた。
こちらはどこかの遺跡のような場所で,モンスターを倒しながら奥に進んでいくと巨大な悪魔系のモンスターが出現。火炎を吐きながらプレイキャラを追い詰めてくるので,ひたすら通路を上に向けて逃げまくる。途中,巨大モンスターと戦闘になるのでダメージを与えて怯ませ,そのすきに退路を確保してさらに上へ。どうやったら倒せるのか……と思いつつ,最上階に到達したところで大量の水を放流するスイッチが! といった感じで,ハラハラする展開が楽しめるクエストだった。
実のところ,調整してもらったキャラクターが強すぎたというのもあるのだが,サービス後に挑戦したらもっと“ヤバい”のかもしれない。
というわけで,個人的にも2014年の公開時から期待している本作だが,今回のテストプレイで,バトルの楽しさ,シネマティックな展開は,どれも期待通りだと感じられた。
一方,序盤だからだろうか,プレイヤーがインタラクションできるオブジェクトが少ないと感じたり(つまり,いろいろ壊したい),装備がもっと景気よくドロップしないだろうかと思うこともあった。ただ,そこはMOとMMOというジャンルの差もあり,想定しているアイテムの排出量や全体のプレイ時間そのものに違いがあるのは間違いない。MMORPGとして見た場合どうか,という点で,個人的な評価はもう少し遊んでからということにしたい。
そして,今回感じた最大の問題点は……そう,ハングルが読めない……という筆者の都合だ。ストーリー展開だったり,システムのもっと詳細な部分がとにかく気になる作品なので,早く日本語で遊びたい。翻訳のクオリティは当然として,日本でのサービス開始時期についてなど,これからのゲームオンの発表と展開に期待したいところだ。
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