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[GDC 2018]「Halo」らしいRTSを作る。「Halo Wars 2」開発にあたって立てられた目標とは
本講演はユーザー体験(User Experience)について議論を行う一連のレクチャー「UX Summit」の一環として行われたもので,343 IndustriesのMax Szlagor氏が壇上に立った。
つまり「Halo」シリーズについては習熟した開発者が揃っており,Halo Wars 2を制作する際に立てられた方針の1つ「Halo Feel」(Haloらしさ)は,十分に発揮されたという。
FPSであるHaloシリーズのRTSを開発するにあたり,ロビー画面やキャラクター,全体のムードなど,細かい部分にまでこだわって“らしさ”を追求しており,RTSとなったHaloを初めてプレイする古くからのファンにも親しみを持ってもらえたとSzlagor氏は語った。
また,「RTS for everyone」というのも開発の1つの目標だったという。前作「Halo Wars」同様,施設を建設し,ユニットを生産して戦闘するという流れだが,資源の採集といった要素がないため,RTSビギナーでもプレイしやすくなっている。加えて,コアなRTSファン以外でも楽しめる新たなモード「Blitz」も開発された。
Blitzは,Halo Wars 2の戦略や戦闘などの基本的な部分を変更することなく,ユニットの生産などのマネジメント部分をカードゲームに置き換えたユニークなものだ。
Blitzのユーザーインタフェースについては時間をかけて検討したとSzlagor氏は述べており,カードの配置も,当初は画面左にあったものを画面下に移し,さらには水平に並べてみたりなど,完成するまでかなりの試行錯誤が繰り返されたという。
カードを集めたデッキは,なるべく自然に編集できるように工夫されており,デッキの見せ方も考慮されている。また,マルチプレイでは,カスタマイズやマッチングなどの基本的な部分をブラッシュアップしただけでなく,リーダーのスキルをツリー型にして,素早く簡単にアップグレードできるようにしたことも工夫の1つだという。
PCとXbox Oneという異なるプラットフォームで,プレイヤーに同じ体験をしてもらうことも開発の大きな柱になっており,そのためにテストを繰り返したとSzlagor氏は述べる。
このようにして開発されたHalo Wars 2は,Haloの世界観を巧みに再現したRTSとして,ファンからの評判は良いようだ。最後にSzlagor氏は,どういう開発をすべきなのかを知り,ゲームの枠組みを再考し,トレードオフを恐れないことが重要だとして講演を締めくくった。
「Halo Wars 2」公式サイト
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