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義を貫くか,利に走るか?悩んだので両方やってみた。「三國志13 with パワーアップキット」プレイレポート
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印刷2017/07/01 12:00

プレイレポート

義を貫くか,利に走るか?悩んだので両方やってみた。「三國志13 with パワーアップキット」プレイレポート

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 人生はやり直しが利かない選択の連続だ。誰でも「あのとき別の道を選んでいたら,どうなっていただろう?」と思うことがあるはず。

 ゲームならそんな選択を何度でもやり直せるのだが,実際に“もう一つの道”まで確かめるという人は,やり込み派のプレイヤー以外だとそう多くないだろう。

 そこで「三國志13 with パワーアップキット」PC / PS4 / PS3 / Xbox One / Nintendo Switch / PS Vita)で,ある女性武将の“2つの人生”を見届けてみた。


三国時代末期,寂しさ漂う時代に女性武将「四亀」誕生


 今回選んだシナリオは,本作で新たに追加された「出師の表」。中国が魏・呉・蜀の3勢力に分割された三国時代の末期,西暦227年から始まるもので,漢室復興を願った劉備・関羽・張飛の桃園三兄弟,中華統一を志した曹操などの巨星たちがこの世を去った後の時代だ。

 蜀の丞相,諸葛亮は,劉備の悲願である漢室復興のため,北伐(魏への出兵)という一世一代の賭けに出る。一方,魏では曹操の孫である曹叡が,司馬懿とともにこれを迎え撃ち,中華統一を確実なものにしようという状況だ。

 つまりは英雄たちが抱いた夢の跡に残された人々の物語。何となく,暑い夏の後に訪れた物悲しい秋のような雰囲気がある。

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 そんな時代を生きる今回の主人公は,エディット機能で作ったオリジナルの女性武将,四亀。せっかく自由に設定できるということで,今回は容姿端麗で文武両道の武将とさせてもらった。

容姿やボイス,能力値や「特技」(内政や戦闘時に役立つスキルのようなもの)を決めれば新武将が誕生する
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蜀で頭角を現し,予期せぬ形での結婚。そして人生を分ける選択が……


 蜀の武将として人生を歩み始めた四亀は,張飛の息子・張苞の軍師となり,諸葛亮やその弟子・馬謖とも親交を深めるなどして,着々と頭角を現していく。絆を深めた仲間が,いろいろと助けてくれるようになるのだ。人脈って大切。

張苞に引き立ててもらった四亀は,仲間としての絆を結ぶ
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 そして,絆を深めた仲間とは「結婚」もできる,ということで,早くも花婿候補を考え始める四亀。
 蜀の実質的なトップの諸葛亮が目をかける馬謖と結婚すれば,将来は約束されるような気がするが,「何だかこの人,大事なところでやらかしそうな気がするわ……」と予感した四亀は,張苞へアタック。

 足繁く張苞の家に通って絆をさらに深め,「そろそろかしら」などと期待しているところに,張苞がついに結婚の話を切り出してきた。「結婚しないか? 養子の沈倫と」。

 「沈倫? 誰?」まさかの展開に混乱し,張苞から恋愛対象として見られていなかったことに愕然とする四亀。しかし立ち直りは早い。張苞への想いを押し殺して,沈倫との結婚を承諾することにした。夫ではなく親という形になったが,張苞の側にいられるのならそれでいいのだ……これまで沈倫とは会ったこともなかったけど。

初対面だが結婚話がまとまり,あれよあれよという間に挙式。人生なんてこんなものかも
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乱世の中で,心休まる夫とのひととき。配偶者や絆を結んだ武将がいれば,一騎討ちや舌戦の中で彼らのことを思い出し,回復やパワーアップができるのだ
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 夫を得た四亀は,これまで以上に職務に没頭する。張氏祝融黄月英といった女性,趙雲孟優などの蜀の武将らと親交を深め,互いに高め合っていく。戦の前には戦術を巡って舌戦になったりもするが,これも国を思うが故のこと。
 そして四亀は諸葛亮とも絆を結ぶに至った。蜀の人間にとって,諸葛亮に認められたということは,これ以上ない栄誉だ。

諸葛亮・黄月英夫妻との親交
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 さて,四亀はここまでいろいろありつつも,順調に蜀の武将として出世してきたが,その蜀の状況はというと,旗色が悪い。
 魏の勢いは圧倒的で,着実に蜀と呉の都市を落としていく。四亀は局地戦で勝利を重ね,諸葛亮も積極的に魏の武将を味方に引き入れるが,残念ながら焼け石に水だ。

 いよいよ追い詰められた蜀では,達成難度が「困難」「超困難」といった無茶な目標ばかりが立てられるようになった。もう戦略より精神論で戦っているような状態に,不安が募る四亀。

魏は大軍で攻めてくる
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四亀も必死で戦うが,大勢を覆すには至らない
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こんな目標立てられても無理無理
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 その不安に蜀の君主,劉禅の存在が拍車をかける。能力は父・劉備の半分程度,しかも性格は「小心」で,「宝物」や「酒」に興味があり,物欲は「強欲」という,絵に描いたような小人物だ。

劉備の息子・劉禅。赤子のとき,趙雲によって命を救われているのだが,こういう人物に育ってしまうと,趙雲に恨み言のひとつも言いたくなる
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 ある日,劉禅に「学舎に賢人を招くので出資してほしい」と頼まれた四亀は,仕方なく自分の財布から資金を渡したのだが,素行の悪い賢人を連れてきてしまったとかで,学舎の生徒が減ってしまうという最悪の結果に。

学舎への出資失敗は汎用イベントで,ほかの人物でも起こるのだが,劉禅だとこれ以上ないほどしっくりくる
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 これで一気に劉禅への忠義心が薄れた四亀。金の恨みは恐ろしい。
 どこか憎めない人物ではあるのだろうが,国の行く末を託すには少し……どころか,かなり頼りない。できるだけ関わりたくないのだが,君主と臣下という関係上,そうもいかず,四亀が出世したせいもあって会う機会が多くなり,(パラメータの)親近感はどんどん上昇してしまう。こちらは別に親しみを感じていないのに,なぜだ。

 しかしサラリーマン(臣下)はつらい。劉禅に呼び出されたところで,面と向かって説教するわけにもいかず,「成都でいい店を見つけたので一緒に行きませんか」など,心にもないことを言ってしまう四亀。ほかの武将とは兵法書などについて話したりしているのに……。

 そんな鬱々とした日々を過ごしていると,突然,魏の曹叡が四亀の家にやってきた。君主自ら敵国の武将を訪ねるとか,ありえないだろ……いきなり斬られたらどうするの,などと思いつつ,とりあえず会ってみると「蜀を裏切り,魏へ来てほしい」という依頼が。

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 来ましたヘッドハンティング。これはかなり魅力的な誘いだ。
 関羽や張飛,黄忠といった蜀の五虎大将軍のほとんどはすでに亡く,趙雲も老境。若手の有望株だった馬謖は,四亀の予感が当たって「街亭の戦い」で大失敗したが,ほかに人材がいないこともあり,いまだに重用されている。つまり,このまま蜀にいたとしても,魏に勝てる見込みはない。
 そして,君主の劉禅は文字通りの暗愚。仮に魏を倒せたところで,この人が皇帝では再び戦乱が起こりかねないのだ。

 とはいえ,ここまで仕えてきた蜀を去るのは辛い。特にこれまで親交を深めてきた人たちのことを考えると,心が痛む。
 太守の立場から四亀を引き立ててくれた張苞,自分を信頼してくれた諸葛亮,同じ女性として蜀を支えてきた黄月英は,裏切って魏についた四亀をどう思うだろうか?
 そして夫の沈倫の今後も心配だ。残念ながら誘われたのは四亀だけなので,魏に行くときは夫を残すことになる。「裏切った武将の夫」という針のむしろに座らされて,男としてのプライドも何もあったものではない。

 四亀自身も,魏でうまくやっていけるかは分からない。蜀では親交を深めた武将たちに助けられて地位を高めてきたが,魏に行けば周囲はすべて他人で,一から人脈を作ることになる。魏の人々は裏切り者を受け入れてくれるだろうか? さらに,魏はもともと有能な武将揃いのうえ,呉から引き抜かれた武将も多く加わっているが,そんな中で出世できるだろうか?

 義を重んじて,滅び行く蜀にとどまるか。さらなる出世を目指して魏へ赴くか。これは一世一代の選択だ。結婚ですら迷わなかった四亀も,これには悩む……。

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選択1 義を重んじ,蜀にとどまる


 例えどんな状況であれ,義は貫くべき。私利私欲から裏切りを繰り返して信頼を失い,悲惨な最期を迎えた呂布のようにはなりたくない。また,魏に行ったら,諸葛亮と進めているような重要な仕事には関われないだろう。「鶏口となるも牛後となるなかれ」とも言うではないか。

 四亀は曹叡の誘いを断り,蜀に仕え続ける道を選んだ。

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 夫の沈倫と助け合って内政に,軍事に活躍。呉の都市・交趾を手に入れるなどの成果を上げたが,魏との戦力差は大きい。9万近い大軍に永安が落とされ,その勢いで江州も……と,前線はジリジリ後退。これに合わせるようにして蜀の領地内に賊軍が出現し,都市を荒らしていくのだからたまったものではない。
 そして決定的だったのは呉の滅亡。呉の広大な領地と豊富な人材は,すべて魏のものになってしまった。もはや蜀の滅亡は時間の問題だ。

弱体化した呉を攻め,交趾を手に入れるが……
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魏の勢いはとどまるところを知らない
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 そんな中で,四亀の生きがいとなっていたのが,諸葛亮との交流だ。魏との戦いの中,諸葛亮から内政の手ほどきを受けたり,逆に四亀が武術を教えたりと,互いに高め合っていく。
 すると諸葛亮は人材の登用など,なにかにつけて四亀を頼ってくれるようになった。五品官という,それほど高くもない地位にいる四亀の実力を評価してくれたことも嬉しいが,何より軍師の代名詞的存在である諸葛亮の軍師的役割を務められることは望外の喜び。魏に行っていたら,こんな幸せに出会うことはなかっただろう。

絆を深め,時には舌戦などを通じて互いに高め合っていく
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ついに諸葛亮が四亀に助言を求めてくるようになった
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 そうやってさらに絆を深めた2人は「莫逆之友」になった。これは「互いに気心が通じ,争うことのない友人」という関係だ。友人の徐庶や,君主の劉備が亡くなってしまった今,諸葛亮にとって四亀の存在はとても大きいものになったようだ。
 さらに絆を深めれば「義兄弟」になれるのだが,諸葛亮の劉備への思いに土足で踏み込むような気がして,自重した。

勘違いされては困るのだが,恋愛感情はない。男女間の友情です
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 さぁ,「莫逆之友」の2人で,最後まで悪あがきしようじゃないか,と意気込むも,首都・成都が陥落。蜀の領土は,かつて四亀が呉から奪った交趾だけとなってしまった。その交趾も怒濤のような魏の軍勢に呑み込まれてしまい……やがて魏が中華統一を果たすことになった。

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 劉備や諸葛亮の夢を叶えることはできなかったが,それは蜀に残ると決めたときから分かっていたこと。戦には負けたが,四亀の心には不思議な満足感があった。「莫逆之友」である諸葛亮,自分を取り立ててくれた張苞,黄月英や祝融らの友人,そして夫の沈倫を裏切ることなく,自分の義を貫き通したからだろう。
 四亀はふらりと旅に出る。ここからは,蜀のためでなく,自分のために生きるのだ。

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選択2:新天地を求め,魏に赴く


 いくら恩義があるといっても,暗君のもとで滅んでいく国に仕える道理はない。そもそも,自分が有能だったからこそ,こうしてお誘いがあったわけで,何も恥じるところはないのである。
 魏に行ったら外様として少々窮屈な思いをしながら,つまらない仕事をすることになるかもしれないが,そもそも仕える国がなくなっては意味がない。「良禽は木を択ぶ」ということわざもあるではないか。

 四亀は曹叡の誘いを受けて,魏に仕える道を選んだ。

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 蜀を抜け出し,魏の江陵にやってきた四亀。当たり前だが,周囲にいる武将との親近感は非常に低い。
 とはいえ,季節ごとの「評定」で決まる目標に向けて内政,軍事,外交に励んでいくというのは蜀時代と変わらないし,良い仕事をすれば褒美をもらえる。心配したけど住めば都,案外魏もいいところかもしれない。

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 蜀ではがけっぷちの国を支えるべく,がむしゃらに働いていた四亀だったが,魏に来て余裕ができたのか,「宴会」を開いて武将と面識を作るというやり方を覚えた。面識があれば相手の家を訪問でき,「論議」「稽古」で親近感を上げ,絆を結びやすくなるのだ。
 まだ周囲に馴染んでいない四亀を気遣ってか,曹叡が宴会に顔を出してくれたおかげもあって,多くの武将と知り合いになれた。

部下思いできさくな上司,曹叡。この人を選んで良かった
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 知り合いの武将が多くなると,自然と任務を手伝うことも増え,親近感も上昇。江陵の太守・石韜とは絆を結ぶに至った。石韜といえば諸葛亮の知り合いだが,諸葛亮を裏切って魏に来た四亀をさげすむことなく接してくれる。

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 また,司馬懿の妻,張春華との親近感も大きく上がった。司馬懿の宿敵である諸葛亮と,その妻,黄月英の2人と親しかった四亀を,張春華はどう見ていたのだろうか……。

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 交友関係だけでなく,戦も一変した。これまで痛めつけられていた武将と大兵力が味方になり,必死に采配を振るわなくても勝ち進んでいける。
 蜀時代に一時期赴任していた江州や建寧を攻める時は正直複雑な気分だったが,天下を平定するための犠牲として目をつぶるしかないだろう。

任務で赴いた蜀の首都・成都。かつては顔パスだったが,魏の武将となった今は危険を冒して潜入するか,賄賂を渡さなければ入れない
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魏軍は武将の質も兵の数も圧倒的。どこぞの軍とは違う
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 魏の仕事は万事うまくいくので,楽しくて仕方がない。蜀に残してきた夫・沈倫をときおり戦場で見かけるときは少々心が痛むが,無視してしまえばすぐに忘れられる。沈倫が率いている兵力が少ないので,放っておいても大勢に影響はないのだ。これはこれで寂しいが,夫に直接手を下すことになるよりはいい。

 四亀は魏でも出世していき,ついに南海の太守になった。太守は重臣を自分で任命でき,彼らに指令を出すことで効率よく任務を進められる地位だ。また,部下の提言を受け入れることで親近感も上げられる。

 こうして培った人脈で,四亀は「同志」を結成した。元は蜀にいて「三国志演義」では姜維の無茶な出兵を咎めた譙周,孫権の養子の孫韶,後に司馬一族のクーデターで活躍する賈充という,切れ者たちの能力が,同志となることでさらにアップ。人材不足の蜀では味わえなかった体験だ。

ついに四亀は南海の太守に
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絆を結んだ譙周,孫韶,賈充と「同志」になる
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 充実した日々を過ごす四亀だったが,そこに諸葛亮が死んだという知らせが届いた。この歴史では「五丈原の戦い」も起こらなかったため,華々しい大決戦のないまま,ひっそりと逝ってしまった諸葛亮。死の床で四亀のことを恨んでいたのか,それとも天で劉備らと再会できることを喜んでいたのか……。

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 さすがに落ち込む四亀だったが,そこに曹叡から四亀の階級を「三品官」に格上げするという辞令が下った。さすが曹叡様,どこぞの暗君とは違って見る目は確か。わざわざ魏に来たかいがあったというものだ。

 四亀の未来は明るい。さらに出世して都督となり軍団を率いるもよし,築いた人脈で反乱を起こし,新勢力を立ち上げるもよし。乱世はまだまだ続くのだから,焦ることはない……。

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 「選択」をテーマとした「三國志13WPK」のプレイレポートはいかがだったろうか。筆者は今回のプレイで,本作における選択に“正解”はなく,プレイヤーが選んだ道筋そのものが物語になると感じた。

 特に印象的だったのが,蜀が滅亡したときに,歴史ものの映画やドラマを見終えたときのような感慨深さがあったということだ。ゲームとしてはバッドエンドなのだが,武将としての人生にフォーカスした本作だからこそ,こうした体験ができたのではないかと考えている。

 三國志シリーズに「難しそうで,ハードルが高い」と感じる人は多いかもしれないが,本作の楽しみは勝つことだけにあるのではない。憧れの武将や,自分の分身となる武将になりきって,三国時代の乱世を駆け抜ける人生を味わってほしい。

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