企画記事
「いただきストリート DQ&FF 30th ANNIVERSARY」特別企画 [後編]中級者になったつもりが,いつの間にかストリートでいただかれていた件
2017年10月28日に掲載した「前編」をご覧になった4Gamer読者ならば,序盤のマップくらいではCPUに負けなくなったはず。しかし,先に進むにつれて「あれ? 強くなったはずなのに……」と頭を抱えてはいないだろうか。
その理由には“CPUの強さ”も挙げられるが,むしろ“マップの難しさ”によるところが大きい。
[前編]ドが付くほどの初心者がストリートでいただきたい件
「いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY」公式サイト
マップによって変わる“地の利”を見極める
「1人で挑戦」モードを進めていくと,マップがどんどん広く,複雑になっていく。こうなると注意したいのが,「どこの店を買うか」だ。前編では「店を買えるときはガンガン買え!」と書いているが,マップによっては少々事情が異なる。
例えば,以下のエリアを見てほしい。
このエリアはワープマスに止まって飛ばされない限り,訪れなくても済む。つまり,こうした隔離エリアに店を持っていても,ライバルが止まる確率は低い。
もちろん,可能性はゼロじゃない。ダイスの目によっては,ライバルが隔離エリアに飛ばされた挙句,なかなか出られずにグルグルと回り続けるかもしれない。さらに訪れる確率が低いということは,「5倍買い」をされにくいというメリットもある。
ライバルが迷い込む可能性に賭けて,高額店を築き上げるのか。あくまで確率に基づき,隔離エリアでは店を買わずにスルーするのか。自分の戦略に合わせて,どこのエリアを買うべきかを決めよう。
また,「チャンスカードがもらえるマス」と「マークがもらえるマス」に隣接している店舗は,チャンスカードNo.44のイオナズン効果によって,店の価格が20%ダウンする可能性がある。
店の価格が下がること自体のダメージも痛いが,その店があるエリアの株を持っていれば,株価マイナスによるダメージも避けられない。高額の店に育て上げてから,チャンスカードNo.44が出ると非常にキツい。リスク回避を最優先で考えるならば,こうした条件の店は増資の優先順位を下げるべきだ。
一方,チャンスカードNo.82は隣接している店舗の価格を30%上げてくれる。「なんだ,悪いことばかりでもないのか」と思われるかもしれないが,当然ながら欲しいときに良い効果のカードが出てくるとは限らない。わずかなリスクも避けて,常に悪い結果を想定して動く。それが勝率を少しでも高めるコツだ。
「チャンスカードがもらえるマス」と「マークがもらえるマス」に,そもそも隣接していないエリアも存在する。運良くこうしたエリアに2〜3店舗を構えたら,大事に増資していこう。
「いたスト」の最終兵器は“5倍買い”
マップが広くなると,同一エリアの店を4つどころか,3つ買うのも難しくなる。そんな状況でも幸運なことに,どこかのエリアで3つの店を持つプレイヤーが出てくると,一躍トップに浮上されるという展開になりやすい。
さて,こうなってくると“増資あまり”の問題が出てくる。同一エリアに自分の店が多ければ多いほど,増資可能な金額が多くなる。しかし,2店舗程度では,店の価格が500にもならないうちに上限に達してしまう。
ここからトップに食らいつくには,アクセルを踏み込みたいところ。そこで,5倍買いを解禁するのだ。
前編では「安易な5倍買いは破滅を呼ぶ」と紹介したが,自分の店を2つしか買えていないエリアで5倍買いのチャンスが訪れたら,もう躊躇することはない。これが本来の使い方だ。
ただし,やはりタイミングは重要になる。前編でも説明しているが,相手が目標金額に迫っている状況では慎重になったほうがいい。5倍買いをすると,その金額が自分の資産から出ていくだけでなく,そこから手数料を引いた額(全体の60%)が店の持ち主に入るからだ。支払い時のマイナスだけでなく,ライバルに与えるプラスがあるので,思わぬアシストをすることは避けたい。
例えば,2000Gで5倍買いを行う場合,資産上では約4000Gの差が生まれるという認識があったほうがいい。実際には手数料が引かれたり,購入した店の価値がプラスされるので,もう少しマシではあるが。
ということは,5倍買いを決行するならば早い段階がベターだ。誰かが目標金額の半分に差し掛かったあたりで,大して増資も進んでおらず,店の価格もそこそこ安い。そんなときが頃合いだろう。
ここで,筆者が「大魔王コース」のマップ「魔列車」に挑んだときの様子を見てほしい。
筆者(リッカ/緑)は運よく,同一エリアに3店舗を手に入れた。そんなときにチャンスカードNo.79「好きなお店を3倍買いチャンス!」が出現。見事,エリア独占に成功した。
これは,まれに見るラッキーだ。3倍の価格で買えたので出費を抑えられ,ライバルの資産増もない。
上の写真は増資によって,4店舗ともに買い物料が2000G前後になっている。各プレイヤーの総資産は7000G前後で,このマップの目標金額は1万5000G。まさに「目標金額の半分に差し掛かったあたり」で,かなり上々の展開と言える。
しかし,余裕があるというわけではない。CPUの増資は容赦なく,ゼシカが買い物料 1200Gの店を作り出す。「これはマズイ……」と思った直後,クラウドが筆者の高額店(1960G)に止まった!
これを待っていたッ! いただきィーッ! 思わず,拳を高らかに突き上げた筆者だったが,これだけの成果を上げてもゼシカとの総資産差が800Gしかない。
ゼシカは1200Gオーバーの店を持っているので,あっさりと逆転される可能性があるということだ。こちらがリードしているはずなのに……これが「いたスト」だ!
勝ちたくて,ダイスを振るたびに震える。そんな筆者にチャンスカードNo.63「どこかのエリアのお店の値段が20%アップ!」が巡ってきた。しかも,対象になったのは筆者が独占しているエリア。まれに見る幸運だ。このカードは店の価格が高いほど効果が高い。4店舗ともちゃんと育てておいて良かった。
これでゼシカとの差を大きく引き離し,さらにダメ押しの増資を敢行。ついに最高ランクの店「グランドクロス」が誕生し,エリアの株価も80Gに達した。
6周目の賞金を獲得して,いよいよ目標金額をクリア。あとはウイニングランよろしく,マップを周回するだけかと思いきや,完全にノーマークだったバルフレアとクラウドが店を交換しているじゃないか! これにより,両者ともにエリア独占を達成。
しかも,両者が独占したエリアはぎんこう城へ向かう筆者がこれから通過するルートである。ここから全力で増資をされると,一気に転落の恐れがある高額店が誕生するかもしれない。
さらにゼシカも追いすがり,増資によって買い物料 2824Gの店が誕生。ここに止まれば,追いつかれる計算だ。
独走していたつもりが,いつの間にかヒヤヒヤする展開になった終盤。ライバルの追走をなんとか振り切って,大差で勝利を手にすることができた。強すぎて,ゴメンねー!
この試合を振り返ると,さすがに運が良かったということに尽きる。前編では「あと1周あれば逆転できたのに……」と悔しい思いをしたが,今回は「あと1周あったら危なかった」。プレイヤー2人がエリア独占を達成し,しかもそれがぎんこう城へのルートに待ち構えている状態は,「これだけツイてるのに油断できない」と思い知らされた。
5倍買いのタイミングについては,かなりベストに近かった。むしろ目標金額の半分に達していないときにエリア独占を果たしたのに,最後はこの危なっかしさである。
いよいよ“オンライン対戦”に挑戦
さあ,機は熟した。もはや,CPUでは相手にならない。オンライン対戦に挑むときがやって来たのだ。
今回,選ばれたマップは「スラバッカ島」。外周部をグルグル回るタイプで,中心部にはワープで隔離されたエリアが存在する。まるで今回のおさらいをするためのようなマップだ。ここで勝って,ビシッと締めますよ!
序盤,ダイス運に恵まれたアリーナがやや独走気味になりかけたが,それを察したクラウドがアリーナの持ち株を狙って「10株売り」を敢行。クラウド自身にもダメージがあるものの,ここはアリーナを削るべきと判断したようだ。
一方,ゴルベーザは資金難から株を手離すことが多かったが,全部売らずに5株だけ残す。この「5株残し」は株の配当金を狙う小技で,「いたスト」では古典的なテクニックだ。5株以上持っていれば,そのエリアで買い物料が支払われたときに配当金(20%)がもらえるのだ。
たった5株なので,株価が下がったところで大して痛くもないし,地味に収入が得られる。ただし,自分以外にもそのエリアの株を5株以上持っているプレイヤーがいると,配当金は頭割りとなり,持ち株が多い人ほど多く割り振られる。
中盤で飛び出したのはゴルベーザだ。5倍買いによって,3店舗保有のエリアを生み出し,ほかのプレイヤーにプレッシャーをかける。それをきっかけにして,アリーナも半ば強引な5倍買いを決行。しかし,これは独占のためではなく,クラウドが3店舗保有するエリアを切り崩すためのものだった。
5倍買いには,自分のエリア独占を目的とした「攻撃的5倍買い」と,ライバルの独占を防ぐための「防御的5倍買い」がある。アリーナが選んだのは後者だ。
そうこうしているうちに筆者も同一エリアに3店舗を保有。増資によって1610Gの店が誕生した。もちろん,株持ち増資(プレイヤーの間では「インサイダー取引」とも呼ばれる。詳しくは前編を参照)も駆使することでトップに躍り出た。
その後,順調に目標金額である1万Gを達成。しかし,余裕はまったくない。ほかのプレイヤーとの差はわずかしかなく,ちょっとしたトラブルで逆転されてしまう。一刻も早くぎんこう城にたどり着き,勝負を決めなくては……。そう思っていた矢先だ。
ゴルベーザが筆者の高額店に止まった。買い物料は3220Gになりまーす!
これはアレを使うときだ。[L1]or[R1]ボタンで呼び出せるスタンプガイドを確認して,「ありがとうございました!」のスタンプを出しておいた。ホント,ごっつぁんです。
ゴルベーザのおかげで盤石の体制となった筆者。ぎんこう城までは,あと14マス。道中にライバルの高額店はない。ほかに障害になるものは何もなく,3〜4ターンのうちに決着が付くはずだ。
そんなとき,アリーナが5倍買いで3店舗保有のエリアを作った。これにより,アリーナの総資産は7820Gに落ち込む。もはや,筆者の前に敵はいないと安心した直後,今度はクラウドが空き地エリアを普通の店に改築し始めた。
空き地エリアを普通の店に改築すると,店舗数が増える扱いになり,株価が上昇する。これを狙って,株を買い込んでから改築するテクニック「改築増資」(プレイヤーの間では「改築インサイダー」とも呼ばれる)が存在する。
ものの見事に改築増資が決まり,クラウドの総資産が9007Gに上昇。さらにアリーナもこのエリアの株を保有していたため,総資産が9051Gまで持ち直した。
「これは急いで逃げ切らなくては!」と焦るも,筆者のダイス運が悪い。アリーナはチャンスカードNo.62「持ち株20%の配当金がもらえる」を引き当て,総資産が目標金額を達成。これはマズイ……。
初めてのオンライン対戦は,終盤に怒涛の追い上げを見せたアリーナに屈する形となってしまった。だが,悔いはない。初めてのオンライン対戦にして,これだけの接戦を演じたのだから。
筆者は前・後編で説明してきた内容のほかに,特別なことは何もしていない。それでもいい戦いはできるし,「1人で挑戦」モードでも最高難度「闇と大魔王コース」まで到達した。
今回の記事を読んで,これまで「『いたスト』は難しそう」という思い込みで敬遠していた人が触れる機会になれば幸いだ。
そして,できることならネット対戦にも挑戦してほしい。今回の筆者のように「まさかそんなことが!」といった展開に出会い,思いもよらない戦略を目の当たりにすれば,きっとそれは自身の糧になる。
結果ではなく,その過程に価値がある。負けても得るものがある。それが「いたスト」なのだ。
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(C) 2017 ARMOR PROJECT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
DRAGON QUEST characters: (C) ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX
FINAL FANTASY characters: (C) SQUARE ENIX
CHARACTER ILLUSTRATION:SHIRO AMANO
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