「Raid on Bungeling Bay」は好評を得たそうですが,「ゼビウス」や「バルーンファイト」などの後にリリースされたCommodore 64用ソフトの移植タイトルが,当時の少年少女にとって見劣りするもの,かつ手に馴染まないものだったことは想像に難くありません。いわゆる“洋ゲー”らしい不親切さも相まって,ガリガリ君(当時のフレーバーはソーダ/コーラ/グレープフルーツの3種類)を我慢して貯めたお小遣いでソフトを買ったような日本の少年少女が阿鼻叫喚に……なんか前にも似たような例を取り上げた記憶がありますね。War...war never changes.(人は過ちを繰り返す)
まあ,市場とのミスマッチがあったにしろ,2Pコントローラのマイクに向かって「ハドソン!」と言うと敵機が襲撃してくるというオリジナル要素は,悪ふざけとしか思えませんが(ハドソンの宣伝戦略だったとか)。ちなみに北米での評価は高くて,アメリカのゲーム雑誌・Computer Gaming Worldは「Action-Strategy Game of the Year for Nintendo」と絶賛したそうですよ。
そんなこんなで当時の少年少女を苦しめた「バンゲリングベイ」ですが,小学館のコロコロコミックとタイアップした宣伝が良くも悪くも効果的だったため,相当数が出荷された(一説によると日米累計で75万本)そうです。その好調なセールスにより,Commodore 64版の開発者・William Ralph Wright氏は,敵施設の成長システムを発展させた“次作”を開発するまでの経済的余裕を得たそうです。その次作というのが,現在はElectronic Artsが権利を有する「シムシティ」でした。ちなみにWright氏をモチーフにして生まれたのが,スーパーファミコン版「シムシティ」のライト博士です。
「ロードランナー・レガシー」はPS4のほかPC / Nintendo Switch版も出ていますし,「Choplifter HD」は日本向けの販売が現在は行われていないものの小細工すれば購入できますが,「バンゲリングベイ」にはリメイクがありません。というか,なぜか1980年代から移植に恵まれていません。2018年に発売された「Steel Alcimus」や,今年7月にアーリーアクセスが開始された「Raid on the Zone」など,オマージュ作品もいくつかあるので,ニーズはあると思うのですが……。
バンゲリング帝国の海は,今どこにあるのでしょう。権利関係を追ってみると,1990年にbroderbundの新ベンチャー事業部がTHQに売却されたときか,2001年にUbisoftが「Myst」や「Prince of Persia」などbroderbundのIPを買収したときに移動しているはず。どこだ……。どこに潜んでいるんだバンゲリング帝王!!
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