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  • Electronic Arts
  • DICE
  • 発売日:2018/11/20
  • 価格:スタンダードエディション:6264円,デラックスエディション:1万584円(いずれも税込)
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印刷2018/06/23 15:04

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「バトルフィールドV」は,これまで見たことのない第二次世界大戦を描く。シニアプロデューサーにゲームの詳細をインタビュー

 E3 2018でも大人気だったElectronic Artsのシリーズ最新作,「Battlefield V」PC/PlayStation 4/Xbox One。以下,BFV)。デベロッパのDICEで本作のシニアプロデューサーを務めるLars Gustavsson氏にインタビューする機会を得たので,その模様をレポートしたい。

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「Battlefield V」公式サイト


 Gustavsson氏はBFVで,「Combined Arms」と呼ばれる協力プレイや,シングルプレイキャンペーンの開発を担当しているが,DICEの中では「バトルフィールド 2」(2005年)からシリーズ作品の開発に携わってきたという「ミスターバトルフィールド」とも呼べる人物だ。

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「Battlefield V」のシニアプロデューサーLars Gustavsson氏に聞く


4Gamer
 グラフィックスエンジンについて教えてください。本作でも「Frostbite」エンジンが使われているのでしょうか。

Lars Gustavsson氏(以下,Gustavsson氏)
 そうです。EA/DICEのFrostbiteです。バーションですが,我々はもう,Frostbiteの“バージョンいくつ”という呼び方はしなくなっています。
 もともとForstbiteは,バトルフィールドシリーズ向けのゲームエンジンとして開発されたものでした。ところが今では,「FIFA」シリーズや「Need for Speed」シリーズなど,EAの開発スタジオで広く使われています。そして最近は,それぞれのスタジオがモジュール単位でFrostbiteをアップグレードするようにもなってきました。タイトルごとに,強化すべき機能が違っていますからね。
 それぞれの開発スタジオでアップグレードした機能は,ほかのスタジオでも使用できるので,EA全体でFrostbiteを進化させていくという体勢になっているんです。

4Gamer
 BFVでは,どんな要素がアップグレードされているんでしょうか

Gustavsson氏
 具体的なことは言えません。いずれ,SIGGRAPHやGame Developers Conferenceなどで解説されることはあるかもしれませんが。
 ただ,「ここを見てほしい」ということは話せます。第二次世界大戦という題材は,さまざまなゲームで取り上げられてきました。BFVでは,それらのゲームに登場したような有名な戦場ではないものの,実際に戦闘のあった場所を選んだマップがいくつかあるんです。その1つが,ノルウェーです。そこでは,ほかにはないほど標高の高い場所で雪中戦が繰り広げられたのですが,雪の表現はもちろん,「雪空」といえる独特な曇天をリアルに再現するため,Frostbiteの活用を工夫しました。
 このノルウェーのシーンは,ぜひ注意深く見てください。

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4Gamer
 BFVは,キャラクターのアニメーション(モーション)についても相当な進化がうかがえます。仰向けになった状態で両足の間から銃撃するようなアクションを見せてもらいましたし,歩兵のいろいろな姿勢におけるさまざまな動きが,解剖学的にきわめて説得力があるように感じました。

Gustavsson氏
 BFVのアニメーションシステムの進化も,注目してほしいポイントの1つですね。姿勢と銃撃のモーションを動的に組み合わせており,さらに自由度も上がっています。例えば,ジャンプしながらの銃撃は,ジャンプ中と着地時だけでなく,あらゆるモーションの途中に行えます。
 あるいは,屋外から家のガラス窓に向かって走っていたとき,急に振り返って背後の敵を銃撃したとしますよね。すると勢い余って,身体は窓ガラスに突っ込みます。でも,顔や身体は転回しているので背後を向いています。つまりBFVでは,体で窓ガラスを破って家の中に飛び込みつつ,うしろの敵を攻撃するというダイナミックなアクションが楽しめるのです。

4Gamer
 物理学的に正確なアニメーションになっているということですね。

Gustavsson氏
 そうです。戦場を走っているとき,急に止まったとします。BFVでは,衝撃を吸収するために受け身の動作をします。雪の上を歩いてください。雪の上では,雪から足を抜いて次の一歩を踏み出さなければならないので,肩をかなり揺らした歩き方になります。また,浅瀬を駆け抜けようとすると,雪の上ほどではないですが,膝を大きく上げたモーションになります。ゲーム体験を魅力的なものにするため,説得力のあるアニメーションには非常にこだわっているんです。

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4Gamer
 兵士と周囲の環境とのインタラクションはどうでしょうか。

Gustavsson氏
 そこも考えていますよ。匍匐前進したときがいい例ですが,キャラクターの手足の動きに合わせて,地面の草木が掻き分けられていきます。また,衣服には泥がつきますが,それは,その戦場の土質や兵士の動きに応じた位置につきます。水たまりがあれば,水がはねた場所に「濡れ染み」が広がります。

4Gamer
 プレイだけでなく,そうした細かいところをチェックするのも楽しそうです。

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新たな陣地の構築が可能な「Fortifications」


4Gamer
 バトルフィールドシリーズでは,ダイナミックな破壊も魅力的な要素でした。

Gustavsson氏
 そうです。我々は戦場にあるものをすべて「壊れる」(Destructive)ようにしてきましたが,これはファンの間で「リアルだ」という評価がある一方,問題もありました。戦闘が長くなりすぎると戦場のあらゆるものが破壊されて周囲が更地になり,隠れるところがなくなったりするんです(笑)。
 そこでBFVでは,新要素として「Fortification」(あえて訳せば,「防衛用建設行為」)が行えるようにしました。これは,土嚢を積んで遮蔽物を作り出したり,巨大なバリケードで戦車の侵入を阻んだり,あるいは新たに銃火器を設置して防衛ラインを構築したりできるという要素です。

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4Gamer
 それはまさに,生きている戦場(Live Battlefield)ですね。

Gustavsson氏
 その呼び方はいいですね。我々も使いましょう(笑)。
 さて,このFortificationでは対空兵器など,これまで場所が固定されていたような兵器を移動して防御陣地を作れるようになりました。シリーズ従来作では,例えば空戦が得意な上級プレイヤーは,「このマップではどこに対空兵器が配置されているのか」を把握して,それを避けるような経路で戦闘機を飛ばしていましたが,BFVでは,そうしたテクニックを使うのは難しいでしょうね。

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新たな戦場では,より緊密なコミュニケーションが重要


4Gamer
 BFVでは,プレイヤー同士が協力することの重要性が増しているそうですね。

Gustavsson氏
 一例を挙げれば,あなたが手榴弾を投げ,それを味方が銃で撃って破裂させることで敵を撃退した場合,ポイントが入ります。
 ゲームにはそうした「いい協力」を評価する仕組みが実装されていて,評価に応じたポイントがもらえます。そして,そのポイントを消費することで特別な武器や支援が得られるのです。武器としては火炎放射器などがあり,またポイントの消費量は大きいですが,特定の場所にV1ロケットを撃ち込んでもらうこともできます。

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4Gamer
 プレイヤー同士のコミュニケーションも,より重要になるとのことですが。

Gustavsson氏
 ええ。前作「バトルフィールド1」には,スポッティングシステムがありました。これは,誰かが敵をスポットすると敵にマーカーが付き,ほかの仲間が狙いやすくなるという機能です。これはBFVにもあり,あなたが撃たれまくっているときなど,このシステムが活用されている可能性があります。このとき,戦車に乗っているプレイヤーに連絡を取って,敵の射線を遮るような位置に戦車を移動させてもらえれば,あなたに付いたマーカーが消えるようになりました。

4Gamer
 助け合わなければ,戦闘に勝つのは難しいわけですね。

Gustavsson氏
 オンラインの協力プレイの中には,チームメイト間のコミュニケーションを緊密に取らないとクリアが難しいようなステルスミッションなどもあります。
 こうしたミッションにはリスポーンがなく,キルされたらそれっきりです。敵基地に潜入する破壊工作などの場合,1人が軽率な行動をとって見つかると,なにしろ敵基地のまっただ中ですから,無数の援軍を呼ばれて集中砲火にさらされるでしょう。

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4Gamer
 なるほど。では最後に歩兵や武器,兵器のカスタマイズなどで独自の要素があれば,教えてください。

Gustavsson氏
 「The Company」(中隊)と呼ばれるグループ単位のアップグレードというか,カスタマイズが本作の新たなシステムになっています。中隊が戦果を上げてレベルアップすると,戦果に応じたアイテムや武装が中隊に所属する兵士に与えられます。アイテムを組み合わせることで,ユニークな見た目を作り出すことも可能で,組み合わせは膨大です。
 カスタマイズは武器や軍服だけではなく,車両にも行えて,その中隊ならではの追加武装を施した,まるで動く要塞のような戦車も作れますよ。

4Gamer
 本日はお忙しいところ,ありがとうござました。

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