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「ぷよぷよ」のプロシーズン元年を締めくくる頂上決戦「ぷよぷよファイナルズ SEASON1」をレポート。宮崎で繰り広げられた激戦の優勝者は!?
本大会は,「ぷよぷよランキング SEASON1」の上位7名のプロ選手と,2019年3月14日に行われた「ぷよぷよランキングプロ選抜大会 SEASON1」(関連記事)で優勝し,プロライセンスを獲得した選手1名の計8名が,優勝賞金100万円を目指して戦う特別大会となる。
「ぷよぷよランキング SEASON1」は,2018年6月から2019年3月31日までの間に行われた公式大会やランキングポイント対象大会の戦績で獲得したポイントによって競われた。本稿では,「ぷよぷよ」における記念すべき最初のプロシーズンを締めくくる大会をレポートする。
本大会のルールは,選手8名がAブロックとBブロックに分かれて予選リーグを戦い,勝ち数または総得点によって各ブロックの決勝進出者を決めるというものだ。1試合は先に10勝した選手が勝利となる。大会に出場した選手とこれまでの成績は以下の通りだ。
delta選手:ランキング1位/260pt
マッキー選手:ランキング2位/240pt
fron選手:ランキング3位/131pt
live選手:ランキング3位/131pt
飛車ちゅう選手:ランキング5位/122pt
selva選手:ランキング6位/116pt
瀬田凪選手:ランキング7位/100pt
Tekku選手:ぷよぷよランキングプロ選抜大会優勝
長いシーズンでトップの成績を収めたプロ同士のリーグ戦かつ,どちらかが10勝するまで勝敗が決まらないということで,初戦から激しい戦いが繰り広げられ,大きな盛り上がりを見せていた。ここでは試合をいくつかピックアップして紹介していこう。
第1試合は,ランキング1位の優勝候補delta選手と,大会出場の場数では負けないというランキング3位のlive選手が対決。前半live選手が先行し有利かと思われたが,delta選手も13連鎖を絡めた勝利などで追いついていく。後半は相手が連鎖を組んでいる間に小さな連鎖を先に打つというlive選手の戦法にdelta選手が対応できず,9-7でlive選手が王手をかける。
このままlive選手の勝ちが決まるかに思えたが,プロらしい激しい打ち合いをdelta選手が2試合続けて制しペースを引き寄せると,最終試合もlive選手の小さな隙を突いて逆転勝利。見事,delta選手が勝ちを飾る。
続いて優勝候補の1人である“最強高校生”のマッキー選手が,今年プロになったばかりの瀬田凪選手と対戦。瀬田凪選手は早めに本線の連鎖を打つなどして2連勝するが,直後に変幻自在な攻めを操るマッキー選手に追いつかれる。
しかし,瀬田凪選手は,すぐさま戦法を変えて戦うなど,試合のペースを常に自身へと引き寄せていく。しかし,マッキー選手も負けじと,中盤には全消しを2連続で見せて会場を沸かせるなど優勝候補らしい実力を見せる。ラストもマッキー選手は,瀬田凪選手が先に打った本線の12連鎖に対して,12連鎖+全消しを決め,再び会場を沸かせるプレイで勝利した。
ぷよぷよを始めてまだ1年足らずながら,先日の大会でプロとなり,この大舞台に挑むtekku選手は第5試合に飛車ちゅう選手と対戦した。飛車ちゅう選手が得意とする“階段積み”や“鍵積み”といった「ぷよぷよ」のお手本ようなプレイに何とか食らいついていくtekku選手だったが,4-4で迎えた9戦目からは完全に飛車ちゅう選手のペースで試合が進行。終わってみれば10-5で,飛車ちゅう選手の勝利となった。
予選の折り返しとなるselva選手とマッキー選手の試合は会場を大きく沸かせる内容が展開された。初戦からあっという間に3本を取ったマッキー選手がペースを掴むかと思いきや,その後selva選手が4連勝し逆転。ここから試合のムードが傾き始める。
その後は両者一歩も退かず8-8のイーブンにもつれ込むが,ここからSelva選手がマッキー選手に2連勝し勝利。優勝候補に土をつけた。
このように負けたらそこで終わりのトーナメントとは違い,互いの相性や調子の波が如実に表れるのもリーグ戦の醍醐味だ。第1試合で快勝したマッキー選手はselva選手に破れたが,そのselva選手も第8試合の瀬田凪選手に対し今一つ調子が上がらず敗北していた。
第10試合のselva選手とfron選手の対戦は,解説のTom選手も「凄い試合だった」と讃えるほどの素晴らしい試合が繰り広げられた。selva選手は序盤から常にfron選手をリードし,瀬田凪選手との戦いでの不調が嘘のような活躍を見せる。一方のfron選手もランキング3位の強さを見せ,上り調子のselva選手を追撃するが,最後はselva選手が逃げ切りを果たした。
予選リーグ最終試合となったマッキー選手とfron選手による試合は,凄まじい攻防が繰り広げられる展開となった。マッキー選手がいきなり3連勝決め主導権を握り,順当に勝利を重ねていく。対するfron選手も食い下がるが,16戦目で遂にマッキー選手にマッチポイントを取られる。
しかし,ここからfron選手が怒涛の追い上げを見せる。マッキー選手が送ったおじゃまぷよを気迫のリカバリーで返すと,続くマッキー選手の本線が来る前に,fron選手は10連鎖を放ち,1本を取って9-8と迫る。
これで流れを引き寄せたfron選手は,続く試合にも勝利。試合を決める最終戦は,お互いが大きい本線を放つ展開から始まるが,fron選手がマッキー選手のセカンド攻撃を返し切れず,おじゃまぷよをもらってしまう。しかし,ここでfron選手がマッキー選手の一瞬の隙を突き5連鎖を決め,ゲームセット。解説のくまちょむ選手が「何も言えない」と感極まるほどの名勝負を,fron選手が制した。
5時間近くにも及ぶ予選リーグを勝ち抜いたのは,リーグ戦を唯一全勝したランキング1位のdelta選手と,ランキング3位のfron選手。「優勝しか見ていない」という予選全勝のdelta選手に対し,selva選手にわずか2点の得点差で決勝に進んだfron選手は「全試合ギリギリの戦いをしてきたので,決勝でも同じように勝負強さを見せたい」とコメントした。
決勝戦は1セット5本先取で,2セットを取ったほうが勝利するルールを適用。試合は1セット目から超ハイレベルなシーソーゲームが展開していく。先に連鎖を打たされたとしても,両者その後の対応が的確で,ほんの一瞬の時間差や出現するぷよの色の運によって勝負が決まるほどの均衡した戦いを繰り広げる。いきなり4-4のフルセットまでもつれ込んだ1セット目は,fron選手が打った1連鎖に対して2連鎖ダブルで対応したdelta選手が制する。
次のセットもdelta選手からの13連鎖→9連鎖という怒濤の攻めを食らい,精神的なダメージを受けているかと思われたfron選手だったが,2セット目後半から怒涛の追い上げを見せ,2セット目を取り返す。
2セット目を取られたdelta選手だったが,動揺する様子はほとんど見せず,着々と勝利を積み重ねていく。最後は12連鎖から2連鎖の追い打ちで3セット目を制し,ゲームセット。会場からは大きな拍手が贈られた。
激戦を制したdelta選手は「素直に嬉しい。ぷよぷよを楽しくやれてよかった」と感想を語る。マッキー選手を制して勢いづいたfron選手はちょっと怖かったそうだが,強敵との連戦で自身の進化を感じたとも述べていた。ちなみに賞金100万円は,自身が東京で参加しているぷよぷよのオフライン対戦会にPlayStation 4を寄付するために使いたいとのことだ。
初年度とは思えない激しい戦いが繰り広げられたこの大会をもって,「ぷよぷよランキングSEASON1」は終了。翌日からは早くもSEASON2がスタートし,この宮崎ではその初戦も行われた。こちらは追って別記事にてレポートをお届けする。
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