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「ぷよぷよ」のプレイヤーコミュニティ大会「飛車ぷよ!」をレポート。主催者の飛車ちゅう氏にイベントに込めた思いも聞いた
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印刷2019/08/13 14:50

イベント

「ぷよぷよ」のプレイヤーコミュニティ大会「飛車ぷよ!」をレポート。主催者の飛車ちゅう氏にイベントに込めた思いも聞いた

 2019年8月10日,東京のBuzz esports 上野にて「ぷよぷよ」のプレイヤーが集うコミュティ大会「第4回 飛車ぷよ!」開催された。この大会は,「ぷよぷよ」のプロシーンで活躍するプレイヤー,飛車ちゅう氏が主催するイベントで,2019年2月の第1回を皮切りに,2か月に1度のペースで開催されている。本稿では,その模様をレポートしよう。

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 「ぷよぷよ」は1991年にMSX2版とファミリーコンピュータ ディスクシステム版が発売されて以来,28年もの歴史を持つシリーズだ。日本でeスポーツの盛り上がりが注目されるようになったのはここ数年の話だが,「ぷよぷよ」はそのずっと以前から,プレイヤーたちによる大会が開催・運営されてきた積み重ねがある。
 「飛車ぷよ!」は,そうした「プレイヤーが主体となって開催する大会」の流れを汲むもので,公式大会「ぷよぷよチャンピオンシップ」等とはまた別の方向から,「ぷよぷよ」の対戦シーンを盛り上げていく取り組みである。

大会の司会進行は,主催の飛車ちゅう氏が自ら行う。eスポーツのイベントというより,サークルの定例会のようなリラックスした雰囲気で進んでいく
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「第4回 飛車ぷよ!」は,プロシーンで活躍するプレイヤーによるマンツーマン指導も行われている。指導を担当する10人ほどのプレイヤーの中には,「ぷよぷよファイナルズ SEASON1」の初代王者にして「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON2 6月大会」でも優勝し,現在最強との呼び声も高いdelta選手の姿もあった。

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 delta選手は,おそらく会場で最年少であろう小学3年生のプレイヤー,ともひろくんの指導を行う。そんな二人の姿は,「ぷよぷよ」の対戦文化が,歴代のプレイヤーの手で継承されてきたことを象徴しているかのように見えた。

指導を受けたともひろくんも,Nintendo Switch版「ぷよぷよeスポーツ」でレート3000超えるトッププレイヤーのひとりだ
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 また,個人戦で優勝者を決めるメイン大会以外にも,プロアマ混合のチームによる団体戦(サブ大会)が行われることも「飛車ぷよ!」の特色のひとつ。
 会場で急遽結成されたチームが,チームメイトの戦いぶりに一喜一憂するうちに,次第に打ち解けていく様子はとても感慨深いものがあった。これもまた「ぷよぷよ」の,広く言えばeスポーツの持つ力のひとつだろう。

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 ちなみにサブ大会においても,delta選手はその存在感を示す。準決勝では,チーム「チョコボール」の大将として参戦。先鋒のサボリさん,中堅のともひろくんを破られながらも,相手チームの全員を倒して逆転していた。

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 続く決勝では,delta選手は相手チーム「ナポリタン」の大将,aruさんと激戦を繰り広げた。aruさんはフランスのゲーム大会Stunfestに招致され,「ぷよぷよ」部門で3位を獲得した実力者。
 決勝進出までは,チームメイトのナポレオンさんとイワシナさんに的確なアドバイスを送り,自らはほとんど戦わずに勝つという名セコンドぶりを見せたaruさんだったが,惜しくもdelta選手には一歩及ばず。

だが,その場の誰もがaruさんの健闘を讃えていた
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 こうしてサブ大会の優勝チームは「チョコボール」に決定。3人は主催の飛車ちゅう氏から,賞状を手渡された。

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 さらにエキシビションマッチ的な催しとして,プロやそれに準ずるプレイヤーの対戦にチップを賭けて,最終的なチップの所持数を競う「トトカルチョ」も行われた。

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 普段は自分の勝敗だけを気にすればいい選手も,ギャラリーの勝ち負けを背負うことを意識してか,試合前から少し緊張した面持ちに。また,試合を観る側も勝負の展開を予想してから観戦することによって,普段より少し前のめりになり,気持ちがより大きく動かされている様子だった。

観客だけでなく,運営側もトトカルチョに参加。チップの増減を競って楽しんでいた
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 こうした催しにより会場が盛り上がる中,「第4回 飛車ぷよ!」のメイン大会は開始された。メイン大会の予選リーグおよび決勝トーナメントを勝ち上がったのはSAKIさんとraneaさん。決勝戦は2本先取で1セット獲得となり,先に2セットを獲得した側の勝利となる。

 1セット目はraneaさんが速攻に成功し,瞬く間に2本を先取してリード。
 続く2セット目では,まずSAKIさんがおじゃまぷよをものともしない構えから,芸術的な5連鎖を発動して1本先取。2本目も仕掛けを急いだraneaさんに対してSAKIさんが冷静に反撃,このセットを制した。

 最終セットでは互いに1本ずつ取り合い,ラストは速攻を仕掛け合う展開に。双方とも相手に大きなプレッシャーをかけていくが,最終的にはSAKIさんが「第4回 飛車ぷよ!」の勝者となった。


ユーザー発のコミュニティ大会で「ぷよぷよ」を盛り上げていく意義とは


 このように,プロシーンとは異なった試みが行われている「飛車ぷよ!」は,どういう意図で開催されているのだろうか。主催者の飛車ちゅう氏に大会を主催する理念や,その取り組みについてインタビューした。

飛車ちゅう氏
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4Gamer:
 大会運営に精力的に取り組まれている飛車ちゅうさんの姿を見ていると,「ぷよぷよ」それ自体や,それを取り巻くシーンへの熱意が伝わってきました。

飛車ちゅう氏:
 熱意ですか……どうなんでしょう。でも,根本はそうなのかもしれません。一番の原動力となっているのは,「自分が楽しいと思える大会を開こう」という気持ちですから。

4Gamer:
 「飛車ぷよ!」を始めたきっかけについてお聞かせください。

飛車ちゅう氏:
 「飛車ぷよ!」を始めたきっかけは,「ぷよぷよ」プロプレイヤーの,へーょまは選手が主催していたオフライン大会がなくなるときに,大会を引き継いでいきたいという思いがあったんです。
 また,自分自身もアーケードゲームの「ぷよぷよ」のリーグ戦を運営していた経験があるのですが,「ぷよぷよ」の対戦環境の主流が家庭用になっていきました。セガ(セガゲームス)さんが公式大会を運営されているなかで,自分も家庭用の「ぷよぷよ」で大会を開いてみようと思ったんです。

4Gamer:
 なるほど。

飛車ちゅう氏:
 そして公式大会の優勝以外にも,プレイヤーが誇れるタイトルがほかにあれば,「ぷよぷよ」のシーンはもっと面白くなると思うんです。「飛車ぷよ!」もその集大成として「ぷよぷよ竜王戦」というイベントを行い,年間を通しての勝者を決める予定です。これをセガさんの公式大会「ぷよぷよチャンピオンシップ」や,アーケード版の「マスターズ大会」に並ぶ,権威あるタイトルに育てていきたいと考えています。

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4Gamer:
 それぞれのタイトルに覇者がいて群雄割拠する形になったり,全タイトルを総ナメにするスター選手が現れたりしても面白そうですね。

飛車ちゅう氏:
 はい。そうなってくれれば,私自身が「ぷよぷよ」を遊び続ける楽しさも尽きないと思います(笑)。

4Gamer:
 飛車ちゅうさんが考えるプロプレイヤー像とは,どのようなものでしょう。

飛車ちゅう氏:
 世間一般にプロプレイヤーと言いますと「実力のあるプレイヤー」というイメージだと思います。でも,自分自身は頂点を争えるほどの力はないと思っています。
 ただ,将棋のプロも,全員がタイトルを持っているわけではなく,「ポケモンカード」が強いとか,変わり種の方もいますよね。また,私はセガさんの公式大会でも解説を担当しているんですけど,そうした実力以外の部分でも「ぷよぷよ」に貢献できる存在が,私が目指すプロ像です。

4Gamer:
 「飛車ぷよ!」は,ここ数年のeスポーツの盛り上がりは意識しつつも,あくまで昔から続いてきたユーザー発の大会として続けていくのでしょうか。

飛車ちゅう氏:
 そうなりますね。ただ,セガさんが開催されている公式大会のルールやレギュレーションを「飛車ぷよ!」側が採用するなど,互いに協力している面もあるんです。決勝もアーケード版だったら10本先取でやっていたところを,2本先取の2セットマッチにするとかですね。とはいえ,eスポーツの潮流を意識して「飛車ぷよ!」を変えていこうとは思わないです。

4Gamer:
 ユーザー発の大会であることの意義が大きいと。

飛車ちゅう氏:
 こうしたコミュニティ大会を続けていくことで,大きな文化の流れを作っていけるのではないかと考えています。たとえば「飛車ぷよ!」ではプロによる指導を有料で行っているのですが,これをきっかけに,プロに報酬を支払い,レッスンを受けるという行為が自然に行われるようになってくれればと思っています。

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 またトトカルチョも,もっと観戦で盛り上がってもらうために,プラスアルファの楽しさを知ってもらうためにと始めました。プロのシーンを盛り上げるためには,やはり観戦を楽しんでくれる人を増やしていかないとどうしようもないと感じているんです。現状,公式大会も含めて,大会に観戦目的で来る人はそこまで多くありません。自分で対戦するために来て,ついでに試合を観ていくという方が多い。試合を観るより,対戦台で遊んでいるほうが楽しいと思われているんです(笑)。

4Gamer:
 そのゲームのファンである以上,プレイするのが一番楽しいと思うのは自然ではありますね。

飛車ちゅう氏:
 「飛車ぷよ!」ではそこを意識して,準決勝以降ではフリー対戦を行えないようにしています。しっかり観戦を楽しんでもらう取り組みですね。今後も「飛車ぷよ!」という場を使って試行錯誤しつつ,来場者と運営,双方にとっていい形を探っていこうと思っています。
 そうしたノウハウを元に,セガさんの公式大会運営にも提案できるようになれば理想的です。直接意見を伝えるだけでなく,実際に僕らのイベントの様子を見ていただいたときに,何らかのヒントになることもあると思うんですよ。

 また,「飛車ぷよ!」がウェルプレイドさん(eスポーツの運営,配信,マネジメント等を行う会社)の大会運営を手伝うというお話をいただいたこともあり,その代わりに我々の「竜王戦」を行う際に,アドバイスをいただくことにもなっています。主にeスポーツに取り組んでいる方たちとも,積極的にコラボレーションを行っていきたいですね。

4Gamer:
 メーカーやイベント運営会社だけでは,手薄になりやすい部分を担っていくわけですね。

飛車ちゅう氏:
 ひとつのゲームに対して,メーカーからの目線,大会運営の目線,プレイヤー目線の3つの目線があると思うんです。メーカーとプレイヤーは,お互いの目線が分からないために,気持ちがすれ違いやすい部分があります。本来プロがそこを仲介できればいいのですが,ほとんどのプロはプレイヤー目線なので,それができる人は少ないんです。私はプロになったことでセガさんとの距離も近くなりましたし,大会運営を長年やってきたので,三者がどこですれ違うのかよく知っている自負があります。

4Gamer:
 「ぷよぷよ」シーン全体のためにも,そこを担えるご自分がやらなくてはいけないお仕事だと。

飛車ちゅう氏:
 その思いはあります。当面は「飛車ぷよ!」を続けてノウハウを蓄積しつつ,参加者が100人を超えてこの会場に入りきらなくなった段階で,また新しいやり方を考えていこうと思います。
 今後はコミュニティ大会運営のノウハウを持った人を,自分以外にも増やしていきたいですね。「飛車ぷよ!」のような大会の数がもっと増えてくれればと思うんですよ。首都圏では成立するようになってきましたが,地方ではまだこれからという状況ですから。
 「飛車ぷよ!」の知名度が上がることにより,この大会のノウハウを,ほかの大会でも活かせるようになったら素晴らしいと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

 飛車ちゅう氏の言葉には,周囲の状況に左右されることなく,着実に「ぷよぷよ」とそのシーンを盛り上げていこうとする思いが溢れていた。
 彼にとって,ジャパン・eスポーツ・プロライセンスの認定選手となったことも,そのためのひとつの手段でしかないのかもしれない。
 「ぷよぷよ」の腕に自信のあるプレイヤーはもちろんのこと,ゲーマーのコミュニティや,ゲーム大会を盛り上げていきたいと考えている方は,ぜひ「飛車ぷよ!」に足を運び,飛車ちゅう氏と直に接してみてはいかがだろうか。

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