企画記事
ついに新章がスタートした「あんさんぶるスターズ!!」を今から始める人も安心! 知っているとストーリーの理解が深まるポイントを徹底解説
2020年3月15日,Happy Elementsのアイドル育成プロデュースゲーム「あんさんぶるスターズ!」が「あんさんぶるスターズ!!」に生まれ変わった。アプリのタイトルが変更されただけでなく,従来の育成シミュレーションをより発展させた「あんさんぶるスターズ!!Basic」(以下,「Basic」)と,3DCGによるリッチなライブシーンをバックにリズムゲームを楽しめる「あんさんぶるスターズ!!Music」(以下,「Music」)の2つが同時リリースされ,アイドルたちの新たな物語が展開されている。本稿では,新しくなった「あんスタ!!」のゲーム概要や旧「あんスタ!」(以下,「!」)との違い,“新章”として綴られるメインストーリーを解説していく。本作に初めて触れる人はもちろん,お休みしていた人,ストーリーをあらためておさらいしたい人も役立ててほしい。
「あんさんぶるスターズ!!」公式サイト
「Basic」と「Music」は何が違う?
それぞれの基本システムを知ろう
「あんスタ!!」のアプリは「Basic」「Music」の2つがリリースされている。現在展開されている新章のストーリーや新カードはどちらでも獲得でき,同時期に期間限定イベントが実装される予定となっている。これから「あんスタ!!」を楽しむのであればどちらを選んでも良いが,選ぶうえで重要となるポイントはざっくりまとめると以下のとおりだ。
- 「!」を遊んでいた人は自動的に「Basic」へアップデートされ,プレイヤーレベルやカード情報が引き継がれる(引き継ぎを行わず,新規で一から始めることも可能)
- 「Music」はすべてのプレイヤーが新規で始める形(「!」からの引き継ぎはなし)
- 「Basic」と「Music」のどちらにも新章ストーリーや新カードが追加されるが,2つのアプリの間にデータの引き継ぎや連動機能はない
■「Basic」と「Music」の基本システム
◆Basic
主なゲームシステム:フェスプロデュース,お仕事,ストーリー,「!」モード,スカウト
<フェスプロデュース>
フェスプロデュースは,「!」にも搭載されていたアイドルの育成パートで,「D.L.F.S(ドリフェス)」に向けてアイドルのレッスンに付き添い,アイドルをレベルアップさせたり,ファン数を増やせるモードだ。集めたカードでユニットを組み,規定の数のレッスンをこなしてステータスピースを取得しながら,本番であるD.L.F.Sでハイスコアを目指そう。「Basic」では新たにオートモードが搭載されており,特定のクリア条件を満たすことで利用可能になる。
<お仕事>
これは「!」にあった「マネージメント」にあたるもので,選んだアイドルにさまざまな作業やお仕事を与え,一定時間が経つと経験値やアイテムがもらえるモードだ。お仕事の種類はこれからも順次追加されていくとのこと。
<ストーリー>
「!」のメインストーリーにおける最初の春から1年後の世界を舞台に,“新章”のストーリーが展開されていく。夢ノ咲学院を卒業したメンバーも含め,これまでに活躍していたアイドル全員が登場し,さらに新しいアイドルが8人加わった。メインストーリーのほか,キャラクター別のアイドルストーリー,イベントなどのキャンペーンストーリーがある。
<「!」モード>
これまでに公開された2000話以上のストーリーはもちろん,「!」で展開されたコンテンツをまるごと楽しめるモードだ。過去にリリースされた「!」のカードをこのモードで獲得することも可能なので,取り逃しの回収はもちろん,新たにファンになった人がこのモードでアップデート前の世界を楽しむこともできるだろう。
<スカウト>
新しいカードを獲得する手段の1つが「スカウト」だ。プレイ報酬等で手に入れた無償ダイヤと購入した有償ダイヤ,スカウトチケットを使って回せるものなど,いくつかの種類がある。レアリティは「!」同様,★1〜★5まで。
「Basic」のゲームシステムはシンプルなうえプレイにテクニックを求められないものなので,ストーリーとカード集めを手軽にこなしたい人や,「!」モードのコンテンツを楽しみたい人,これまでのプレイヤーレベルなどを引き継いで遊びたい人は「Basic」をプレイしよう。
◆Music
主なゲームシステム:リズムゲーム,オフィス,ストーリー,スカウト
<リズムゲーム>
「Music」で楽しめるリズムゲームは,3DCGで描画された美麗なライブシーンをバックに遊べる夢のような仕様だ。いずれの楽曲であっても,パフォーマンスをするアイドルをオリジナルメンバーから変更したり,衣装替えしたりできる。さらに,一度クリアした曲はノーツを表示しない「MVモード」で,煌びやかなライブを思う存分鑑賞できてしまうのもうれしいポイントだろう。
難度はEASYからEXPERTまであり,ノーツのスピードや大きさも細かく設定できるので,リズムゲームが初めての人から上級者まで,幅広く楽しめるはずだ。
<オフィス>
いわゆる箱庭要素で,フロアの模様替えを楽しめるのが「オフィス」だ。ここでは,さまざまなインテリアを配置したり,ちびキャラたちの衣装を作ったり,アイドルを「お仕事」へ派遣したりする。「お仕事」の内容は握手会や番組出演などさまざまで,ちびキャラ姿のアイドルたちが活躍する様子を見られるほか,報酬として衣装の型紙や素材をもらえる。
<ストーリー>/<スカウト>
「Music」のストーリーとスカウトは「Basic」と同様だ。ただし,データの連動機能がないので,どちらのアプリもプレイしている人が2つのアプリでストーリー読了報酬のダイヤを受け取る場合は,両方のアプリでストーリーを読む必要がある。両アプリで新カードを使いたい場合も同様で,それぞれのアプリでカードを獲得しなければならないのを覚えておこう。
「Music」はメインコンテンツがリズムゲームである特性上,当然ながら「Basic」よりもテクニックと手間を必要とする。そのためじっくりプレイできる人向けではあるのだが,やはり3DCGで歌い踊るアイドルたちをいつでも鑑賞できる価値は大きい。リズムゲームが得意な人はもちろん,初心者から従来のファンまでぜひ一度はトライしてもらいたい一作と言えるだろう。
「!」と「!!」で描かれる物語をクローズアップ
ここからは「あんスタ!!」のメインストーリーを解説していこう。「!」では,主に夢ノ咲学院での物語が描かれていたが,「あんスタ!!」ではそこから翌春〜夏へ時が進み,全員が進級あるいは卒業しており,舞台の中心がES(アンサンブルスクエア)というアイドルたちが所属する各事務所を有するビルへと移り変わる。予備知識なしに新章のストーリーを楽しむのもいいが,まずはここに至るまでの物語として「!」で展開されたメインストーリーをざっくりとおさらいしよう。
◎「あんさんぶるスターズ!」メインストーリー第一部
男性アイドルを育成する高校,私立夢ノ咲学院。主人公(プレイヤー)は高校2年生の春に,学院に新設された「プロデュース科」にたった1人の女生徒として転入する。転校して間もないうちに彼女が出会ったのは,ユニット“Trickstar”のメンバーたち。明星スバルを始めとした2年生だけで結成されたTrickstarの4人は,秩序という名の権力で抑圧されてきた夢ノ咲学院に“革命”を起こそうと動きだす。やがて,日本全国のアイドルたちがNo.1を競い合う年末の一大祭典【SS】への出場をかけた勝負【DDD】を勝ち進み,学院を支配する“皇帝”こと,生徒会長の天祥院英智が率いるユニット“fine”と対決することになる。
◎メインストーリー第二部“キセキシリーズ”(三部作)
革命を成功させ,【SS】への出場を勝ち取ったTrickstarは,修行のため英智のバックアップを受けて他校のユニット,玲明学園の“Eve”と秀越学園の“Adam”と戦うことになる。夏から秋にかけ,【SS】優勝候補の強力なライバルに苦戦しながらもそれぞれの課題をクリアし,Trickstarは成長を続けた。そして【SS】本番,EveとAdamが合体したユニット“Eden”と対決する決勝戦へと駒を進める。だが決勝戦のステージで彼らが目にしたものは,かつてアイドルの頂点を極めながらも不幸な死を遂げた,スバルの父の犯罪を糾弾する映像だった。
◎メインストーリー第三部“Sagaシリーズ”(前後編)
時は春に遡る。元スーパーアイドルで夢ノ咲学院教師・佐賀美 陣のもとに,“サガ計画”という企画が舞い込んできた。復活した元アイドルと若手アイドルで師弟関係を組み,アイドル業界を盛り上げるという趣旨の企画だが,陣は何者かの陰謀を感じながら学院のアイドルたちと臨時ユニットを結成する。陣の同僚で元アイドルの椚 章臣も臨時ユニットを結成し,Trickstarのリーダー・氷鷹北斗の父であり現役スーパーアイドルの氷鷹誠矢と他校のライバルたちも現れ,事態は混沌を極めていく。
「!」には,このほかにもイベントやスカウトなどで公開されたストーリーが多数ある。基本的には,Trickstarが革命を起こした“最初の春”から3年生の卒業時期の翌春までの1年間をフォーカスし,さまざまな角度から各ユニットやアイドルたちの物語が描かれていた(最初の春以前の過去ストーリーも多く存在している)。それに続くのが今作「あんスタ!!」で描かれる“新章”というわけだ。
なお,「!」で綴られた物語や各ユニットの歩みについては,下記の記事にまとめているので参考にしてほしい。
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Happy Elementsがサービス中の「あんさんぶるスターズ!」の物語は,いよいよ“新章”へと突入していきます。これまでユニット別にイベントストーリーを紹介してきましたが,今回はこれまでの夢ノ咲学院全体の歴史のおさらいと,新章に向けて“おさえておきたいポイント”をピックアップしてお届けします。
■「あんスタ!!」で描かれるストーリーは?
「あんスタ!!」のメインストーリーは,2020年4月2日時点で第三章(89話)まで公開されている。メインストーリーの中心となるのは,新しく登場した4人の“劣等生”たちだ。
【あらすじ】
季節は夏。兄を連れ戻すため故郷からやってきた天城一彩,小さい頃からアイドルが大好きな白鳥藍良,人前になかなか姿を現わさない礼瀬マヨイ,長い入院生活から復帰したアイドル経験者の風早 巽の4人は,ES(アンサンブルスクエア)とスターメイカープロダクションの中心人物・天祥院英智に呼び出され,夏の終わりに行われる大規模イベントで結果を出さなければ,クビにすると宣告される。寮で同居生活を始めた4人はALKALOIDというユニットを結成し,先輩アイドルたちの協力を得ながら,来たる本番に向けてレッスンをスタートさせる。
そんななか,ESでは“問題児”と呼ばれる天城一彩の兄,天城燐音が所属するCrazy:Bが既存ユニットを巻き込む騒動を起こし始めていた。彼らの狙いとは,そしてALKALOIDの行く末は――。
詳細な内容は実際にストーリーを読んでいただくとして,ここからは「あんスタ!!」で頻出する新しい用語や,「!」のストーリーを読むことでより理解が深まるポイントなどを解説していこう。
――「あんスタ!!」用語解説――
【ES(アンサンブルスクエア)】
アイドルたちの拠点であり物語の舞台。ESという単語は,「!」の終盤から天祥院英智が進める計画に関連して登場し,実際の建物は,イベント【Link♪ここから始まるシンフォニア】のストーリーにてお披露目となった。
ESとはアイドルたちが所属する4つの事務所を擁した巨大なビルの名前で,英智曰く「アイドルの,アイドルによる,アイドルのための総本山」であり「アイドルたちの理想郷」だ。英智自身が天祥院財閥の財力を注ぎ,事務所や施設など,アイドルに必要なものすべてが揃っている。なお現在の英智は,立場的に「ES運営委員会長」とのこと。ESは春から本格始動しており,近頃は各事務所でリストラが行われているようだ。
【星奏館】
ES所属のアイドルたちが暮らす寮。本館は新築だが旧館は端のほうにあり,かなり古いらしい。ALKALOIDのメンバーは旧館で暮らすことになる。
【ESの各事務所】
過去の記事にもあるが,各事務所の所属ユニットと方針は以下の通りである。
◆スターメイカープロダクション(通称:スタプロ)
所属ユニット:fine,Trickstar,流星隊,ALKALOID(新ユニット)
事務所の方針:「ファンとアイドルの幸せを創造する」
夢ノ咲学院OBの天祥院英智が立ち上げた,アットホームな雰囲気の事務所。
◆コズミック・プロダクション(通称:コズプロ)
所属ユニット:Eden,Valkyrie,2wink,Crazy:B(新ユニット)
事務所の方針:「最高峰のエンターテインメント」
玲明学園と秀越学園を経営している。芸能界での地位を着実に築いているものの,【SS】による影響でやや停滞。
◆リズムリンク(通称:リズリン)
所属ユニット:UNDEAD,Ra*bits,紅月
事務所の方針:「音楽を通じて心を通わす」
古くからある老舗の芸能事務所。アイドルだけでなく,バンドグループやアーティストの所属が多く,ライブ活動が盛ん。
◆ニューディメンション(通称:ニューディ)
所属ユニット:Knights,Switch,MaM
事務所の方針:「マルチプレイヤーの創出」
新設の芸能事務所。所属アイドルはまだ少数だが,劇場運営や俳優育成,番組制作など事業を拡大中。
上記のうちコズプロとニューディについては,「!」でもその存在に触れられていた。コズプロは【SS】でのスバル(の亡き父)をめぐる事件に上層部が関与していたことが明らかとなっており,現在は体制を変え,七種 茨(Eden)が副所長を務めつつ舵を取っている様子。また,ニューディは青葉つむぎ(Switch)が設立に関わったことが描かれていた。
コズプロのこれまでについては,キセキシリーズやメインストーリー第三部Sagaシリーズなどの七種 茨が登場するストーリーを,ニューディについては【駆け引き◆ワンダーゲーム】をチェックするといいだろう。
【ホールハンズ】
アイドルたちに支給されたスマートフォンで利用することができるES限定のSNS。各ユニットのリーダーのみ,キラキラ輝くメッセージを送れる仕様で(通称「キラキラメール」),これを利用すると通常より機密性の高い回線を使えるようだ。開発はES情報部によるものであり,試験状態らしい。またES内の施設のほとんどは,スマホで決済や予約などができるシステムのようだ。
【L$(リッドル)】
ES内で流通している仮想通貨のようなもの。為替変動はあるが,おおよそ1L$=100円くらいらしい。ES内の施設や備品の料金はL$で支払うことができ,現金払いより安くなる。L$はアイドル活動で稼ぐシステムだが,規定違反や職務怠慢での罰金もある模様。ファンに愛されるほどにL$が稼げる仕組みになっており,L$を多く稼ぐ上位のユニットが「ビッグ3」(fine,Eden,Knights)と呼ばれている。
【ドリフェス(D.L.F.S)】
「!」と「あんスタ!!」のドリフェスは,どちらもアイドルたちによるランク別のライブではあるものの,両作では内容がやや異なるので注意。「あんスタ!!」のドリフェスは,「ドリーム・ライブ・フルスコア・システム」の略称「D.L.F.S」をカタカナ読みしたもので,ランクは下からN1,R2,R1,SSとなっている。“N1”のNは新人(New Face)のNで,「!」における“A1”と言えるだろう。また,“R2”は恒常,“R1”は季節イベントと推測される。下位ランクのものを多くこなすより,高ランクのライブを1回成功させるほうが報酬ははるかに多いようだ。
【MDM】
8月末日に行われる予定のドリフェス。天祥院英智曰く,初年度におけるES最大の催しで,報酬額などからも規模はかなり大きいと思われるが,ランクはまだ不明。ALKALOIDはここで結果を出さなければ事務所から解雇すると英智に宣告される。
【盂蘭盆会】
8月上旬に行われる,Switchが開催するドリフェス。リストラされそうなアイドルたちを救うのが目的のようで,基本的にドリフェス出演には費用がかかるが,これらはSwitchが負担するらしい。ALKALOIDは結成後の初めてのライブとして,このイベントに出演することになる。
知っているとより理解が深まる
「!」で描かれていたポイントを解説
前述のとおり,「!」は先ほど紹介したメインストーリー第一部〜第三部のほかにも,かなりの数の物語が公開されている。そのなかから,新章において“知っているとより理解が深まる”ポイントを解説していこう。
◆第一章[劣等生]
・天祥院英智のセリフ「誰ひとり切り捨てたくはない――もう二度と」
「!」では,夢ノ咲学院の“最初の春”にTrickstarが革命を起こしたが,実はそれ以前にも革命があった。アイドル養成学校としての実績に胡座をかき堕落していた学院を立て直すべく,天祥院英智は生徒会会長となってさまざまな制度や規則を作り上げたのだ。しかしこの革命には「五奇人」(後述)を始めとした多くの犠牲や悲劇があり,結果としてあちこちに確執を残すこととなった。英智は本来の夢である「アイドルを文化の高みにまで引き上げる」を指針に,手段を変え,【SS】代表となったTrickstarのバックアップなどを始めとして夢ノ咲学院の地位を向上させていき,ついにESを建設するに至った。これらを踏まえて,上記のセリフおよびこれに続く英智の言葉を読むと,より深みを感じられるだろう(夢ノ咲の過去については,前述のまとめ記事を参照してほしい)。
・あだ名「しののん,は〜くん」
夢ノ咲学院のアイドルたちの間には,独特なあだ名が多数存在する。主な名付け親は明星スバル(Trickstar),大神晃牙(UNDEAD),月永レオ,瀬名 泉,朔間凛月(いずれもKnights)など。
名前をもじったものがほとんどだが,かなりの変化球のためか一聴して(呼ばれた本人すら)分からない場合も多い。なお,紫之 創のあだ名として挙げられた「しののん」は明星スバルが,「は〜くん」は朔間凛月が名付けたものである。
・モデルとしての真
Trickstarの遊木 真は,キッズモデル時代のトラウマによりカメラや他人の目が苦手になっており,長い間苦労してきた(アイドルに転身したのもそれが理由)。ユニット活動や仲間の助けなどで徐々にトラウマを克服し,キッズモデル時代に共に活動していた瀬名 泉とも和解の方向へと進む。真は現在アイドル活動の傍ら,モデルとしても活動しているということだろう。
・勝者のその後――「Trickstar」
「!」における主人公ポジションのTrickstarは,【SS】を制しNo.1アイドルの座を勝ち取ったものの,メンバー曰く現状は「落ち目に見られている」らしい。もともと常識に囚われない行動に出がちな彼らは,計画性があるタイプではないということなのか,上手くL$を貯められていないようだ。
・現役スーパーアイドル・氷鷹誠矢
北斗の父にして現役のスーパーアイドル。「!」で存在が話題に上がることがあったものの,その姿はメインストーリー第三部Sagaシリーズで初めてお披露目された。氷鷹誠矢は玲明学園などで臨時講師も務めており,サガ計画ではEveの巴 日和,漣 ジュンと共に臨時ユニット・Lilithを結成し,佐賀美 陣や氷鷹北斗たちの脅威となる。なお,妻(氷鷹北斗の母)は現役の大女優で,日々樹 渉(fine)は夢ノ咲学院卒業後,彼女が看板女優を務める劇団に入団した。
◆第二章[問題児]
・颯馬'sキッチン
白鳥藍良たちが訪れた寮のキッチンで料理をしていたのが,紅月に所属する神崎颯馬だ。颯馬は夢ノ咲学院のユニットの中で,「3年生卒業後にユニット内の在校生が1人だけとなった」存在である。帯刀しているのは本物の日本刀で,「!」で展開されていたストーリーによれば,きちんと国の許可証があるとのこと。また,先に登場した乙狩アドニスとは非常に親密だと話しているが,彼らは1年生時に街中で偶然出会い,意気投合したことが明らかとなっている。
・夜闇の魔物たち「UNDEAD」
元「五奇人」の1人で現UNDEADのリーダー・朔間 零は,過去に夢ノ咲学院で生徒会長を務めていたカリスマ的存在で,かつては大神晃牙に似た乱暴な言葉遣いだった(実際は晃牙が零に憧れて真似していたことが後に判明)。しかし,「五奇人」の事件などをきっかけに生徒会長の座を降り,口調も老人のようなそれになった。UNDEADは“吸血鬼”を自称する零の体質により,日中の活動が不得意である。なお,今作のメインストーリー第一章で星奏館の旧館に現れた朔間凛月は零の実弟だ。
・「fine」のメンバーについて
fineは過去に天祥院英智が革命を起こした際,英智以外は現在と異なるメンバー[青葉つむぎ(Switch),乱 凪砂(Eden),巴 日和(Eden)]の4人で活動していた。革命後は英智との契約終了後に3人が脱退し,姫宮桃李と伏見弓弦が夢ノ咲学院に入学(転入)後,ユニットへ加入。元「五奇人」の日々樹 渉も加わり,現在に至る。
・天祥院英智のお茶の趣味と執事・伏見弓弦
英智は夢ノ咲学院在学中,朔間凛月と紫之 創と共に紅茶部に所属していた。夢ノ咲学院のアイドルたちは基本的に全員が部活動を行っており,運動系や文化系などさまざまな部に所属。「!」では部活単位でのストーリーも展開されていた。ちなみに,伏見弓弦は幼少の頃に七種 茨と過ごしていたことが明らかにされている(「!」【スカウト!ギャング】参照)。
・遠距離になった「Valkyrie」
Valkyrieもまた紆余曲折の多いユニットだ。かつては,仁兎なずなを含めた3人で活動していたが,英智の革命にまつわる事件により活動を休止。なずなが脱退し,斎宮 宗と影片みかの2人組ユニットとなったことが「!」の過去ストーリーで描かれた。宗は元「五奇人」のメンバーあり,英智の革命に大きく運命を変えられた1人である。のちにRa*bitsを率いることになったなずなと,Valkyrieはセンシティブな関係になったものの,クリスマスや卒業を経て和解へ向かった。
・「Ra*bits」――成長した子うさぎたち
もともとプロデューサー志向のあった仁兎なずなは,学院卒業後に大学へ進学し,現在はアイドル活動を休止している。そのためリーダーはなずなから真白友也に代わり,現在は2年生に進学した紫之 創と天満 光の3人で活動をしているようだ。
Valkyrieの過去とRa*bits結成秘話,なずなと斎宮 宗の卒業ストーリーについては,「!」の【追憶*マリオネットの糸の先】と【モーメント*未来へ進む返礼祭】に詳しい描写がある。
・玲明学園の特待生制度
風早 巽や巴 日和の出身校で,漣 ジュンが在学中の玲明学園には特待生制度がある。アイドルとして実力のある生徒が特待生となり,その他の生徒は特待生の補佐などをする役目を担う(ジュン曰く「奴隷のようなもの」)。特待生の中で上位の生徒は,乱 凪砂の出身校で七種 茨が在学中の秀越学園に編入できる仕組みである。
・龍王戦
天城燐音が暴れるステージで,大神晃牙が思い出した“龍王戦”。龍王戦は「!」のメインストーリー第一部の最初に描写があったドリフェスで,ランクは生徒会非公認のB1,いわゆる野良試合で殴る蹴るなどの暴力行為もOKのやや野蛮なライブである。空手部に代々伝わる伝統のドリフェスという名目だったが,実はその裏にはある事情が隠されていた。
◆第三章[混迷期]
・五奇人
かつての夢ノ咲学院で天祥院英智が革命を達成する策のために選んだ,突出した才能を持つ5人。メンバーは朔間 零,日々樹 渉,斎宮 宗,深海奏汰,逆先夏目で,夏目のみ学年が1つ下である。彼らは学院で絶大なる人気と支持を得たものの,仕掛けられた策略によりその立場から次々と失脚。それぞれの活動や内面に大きな影響を及ぼした。
・幸せを運ぶ魔法使い「Switch」
「五奇人」の事件で深く傷ついた逆先夏目だが,旧「fine」で天祥院英智と共に活動していた(かつ,英智の革命を手助けした)青葉つむぎとユニットを組むことになったのがSwitchの始まりである。Switchは「!」で途中から参戦した“新ユニット”で,五奇人と英智の一件のあとはしばらく表舞台に立たなかった,ということが明かされた。
・生まれたときから一緒の「2wink」
メインストーリー第三章までに登場こそないものの,彼らのユニットを同じ事務所の巴 日和が高く買っていることを話していた。2winkは唯一の兄弟ユニットで,小さい頃は大道芸などをしていたほどの実力者である。だが,家族間の悩みに翻弄され,(当時は)1年生のみのユニットということで何かと苦労していた場面もあったようだ。
・英智と日和,日和とジュン,ジュンと陣
前述のとおり,天祥院英智と巴 日和は旧「fine」で共に活動していたこと,さらにお互いの家が財閥であることでかねてから面識があった様子(ただし表向きの相性はあまり良くない)。
巴 日和と漣 ジュンは,特待生だった日和が一般生徒のジュンを“拾う”形でユニット(Eve)を組んだ経緯がある。そのため日和は,ジュンに対してやや恩着せがましい言動が見られるものの,実際のところジュンは日和に深く感謝しており,日和もそれを十分に理解していることがこれまでのストーリーから見て取れる。
ジュンの父は現役を退いた元アイドルだが,かつてのスーパーアイドルだった佐賀美 陣の“噛ませ犬”として業界に使い捨てられていた。このことからジュンは陣に(父は関係ないと言いながらも)リベンジしたいと考えていたことが描かれている。
・三毛縞“ママ”斑について
唯一のソロユニット「MaM」として活動するのが三毛縞 斑だ。斑は学院内のみならず海外でも活動しており,長く国内にいることはあまりなかったようだ。両親はどちらもある権力を持っているため,斑はあらゆる方面に顔が利き,問題を解決することが可能である。本人は元流星隊の副隊長(流星パープル)だったがユニットを脱退し,以来ソロ活動を続けている。
・リーダー交代,新たなる「Knights」
ビッグ3のKnightsは,夢ノ咲学院では流星隊に次ぐ長い歴史のあるユニットだ。リーダーを務めていた月永レオはかねてよりアイドル活動から少し距離をおきたい様子を見せていたが,卒業を機にリーダー(Knights的に言えば“王”)の座を最年少の朱桜 司に譲った。モデルとしても活動する瀬名 泉は,卒業後に海外へ渡り,レオも滞在していたようだ。
・夢ノ咲の“本流”にいなかったリーダーたち
逆先夏目,月永レオ,三毛縞 斑の3人は,「!」におけるTrickstarの革命時には表舞台にいなかった(実際,キャラクターとしてもまだ登場していなかった)メンバーである。既存のユニットやキャラクターは,「英智の革命」と「Trickstarの革命」それぞれにまつわるできごとに影響を受けたか受けていないかで,物語の中の役目や課題が異なると言えるだろう。
・アイドルたちの確執
前述の革命などをきっかけに変化した人間関係は,何組かのアイドルに影響を残した。遊木 真と月永レオに関しては瀬名 泉がキーマンで,「真と泉はキッズモデル時代に共に活動していた」ことと「レオと泉はKnights以前から共に活動していた」ということがヒントになるかもしれない。「!」での2人の絡みは【噪音◆渦巻くホラーナイトハロウィン】で見ることができる。
また,三毛縞 斑も深海奏汰との関係を示唆するが,彼らは幼少期からつながりがあり,どちらも一般的な家庭の出ではない斑と奏汰の間にも複雑な物語があった。こちらは「!」の【追憶*流星の篝火】で読める。
・紅月VS.新ユニットという図式
逆先夏目が言う,「保守的な強豪に挑む新進気鋭の革命児という懐かしい構図」について。実は「!」のメインストーリー第一部,Trickstarの革命における初戦は「強豪 紅月 VS. 革命児 Trickstar」だった。Trickstarはその後にfineと対戦することになるが,夏目はこれらも含めた過去の出来事を思い返しているのだろう。「世界を変えるのはいつだって向こう見ずな若者である」というのは,「あんスタ!!」におけるストーリーの1つのテーマでもあると言えるのではないだろうか。
それぞれのユニットが抱える問題
ストーリー解説の最後に,各ユニットの現状や抱える問題,注目ポイントについてまとめておきたい。厳密にはメンバー全員がメインストーリーに登場していないユニットもあるが,筆者の所感も交えつつ,全ユニットの情報などを事務所ごとに記載する。なお本項では,メインストーリーだけでなくキャラ別のアイドルストーリーやプロデュースレッスンでの会話なども参考にしている。
◆スターメイカープロダクション
天祥院英智の話によると,スタプロはそれなりに裕福なうえ,上り調子で順風満帆ではあるようだ。しかし,華々しくスタートしたESには玉石混交のアイドルたちが集い,全体としてリストラを行う必要があり,スタプロもこれを逃れることはできない様子である。
・fine
ビッグ3の1つに数えられているが,fineはリーダーの英智がES全体も統べる立場になった以上,彼を支えながらユニットを牽引する存在が必要と感じる(余談だが,個人的には姫宮桃李のアイドルストーリーにおける心情も気になる)。王者としての貫禄をどう見せるのか,日々樹 渉はどういった行動に出るのか,さらに伏見弓弦と七種 茨の関係のその後など,注目ポイントは多い。
・Trickstar
【SS】で優勝を果たしNo.1アイドルの称号を勝ち取ったものの,その後の立場にプレッシャーを感じているようだ。誰も思いつかない方法で現状を打破するのはTrickstarの十八番とも言えるが,1つ大人になった彼らはどうリベンジを果たすのだろうか。より大きな課題を背負った彼らの進む道は,まさに「めでたしめでたしのその先」である。
・流星隊
守沢千秋がリーダーを務めるESビルにおけるユニットが流星隊M,南雲鉄虎をリーダーとする夢ノ咲学院校内のユニットが流星隊Nである(流星隊Nには新しい隊員もかなりいるとのこと)。売れっ子になって身動きの取りづらい千秋やユニットを任されて苦労する鉄虎,はたまた「ちあっきー」「かなてぃ」というメンバーたちの謎の呼び名など,新しい展開も多数ありそうだ。
・ALKALOID
新章のメインストーリーにおける主人公ポジションがALKALOIDの4人だ。“劣等生”の烙印を押された彼らがどのように課題を乗り越え,成長し,上を目指していくか……というその前に,事務所解雇を免れることができるのかどうかが当面のテーマだろう。キャラクター別としては,天城一彩と兄の出自と関係性,白鳥藍良のアイドルとしての伸びしろ,風早 巽の過去(玲明学園の革命児とは?)とアイドルとしての本領,礼瀬マヨイの謎(正体)に注目したいところ。
◆コズミック・プロダクション
前述のとおり,コズミック・プロダクションは「!」で描かれた【SS】での事件で上層部が入れ替わっており,現在は七種 茨が副所長を務めている。事務所としての力はかなり強いが,上層部と茨の間にも問題がありそうだ。何かを仕組んでいそうな雰囲気もあるが,詳細は不明。
・Eden
もともと,与えられた役目や成すべきことをきっちりこなすイメージのEdenだが,環境が変わり,彼らにも少なからず影響が出ている模様。ユニット内だけでなく,ストーリー全体としても七種 茨の行動や思惑はかなり重要になると思われる。個人的には,何事にも完璧だったEdenにほんのわずかでも歪みが見えると,彼らの人間くさいところが垣間見えるようで心を動かされる。
・Valkyrie
斎宮 宗の卒業時,それまでの「操り師(宗)と人形(みか)」という関係から「対等な人間,芸術家」に進化し,揺るぎない絆を築いたため,多忙なスケジュール以外……例えばユニット内の関係性ついてはあまり心配がないようにも見える。単独の仕事が増えたというみか,留学でよりパワーアップした芸術的な宗の作品(マドモアゼルの衣装含め)が見られることを期待。
・2wink
「!」当時は1年生ながら,パフォーマンス力とポテンシャルの高さを見せていた2wink。アイドルストーリーなどによれば,コズプロ入所後は七種 茨の“敬礼”を真似していた様子。器用な2人なので任された仕事などはしっかりこなすことが予想されるが,「!」で軽音部の先輩・朔間 零たちを慕っていた様子から,今の環境でも公私ともに頼れる先輩が近くにいることを願うのは老婆心だろうか。
・Crazy:B
Crazy:Bは同じ新ユニットのALKALOIDとは対照的に描かれている。直接的かどうかは定かでないものの,いずれ対決する日が来るかもしれない。今のところCrazy:Bはヒール的ポジションだと感じられるが,今後はどうなるのか。キャラクター別では,天城燐音は弟との関係と故郷について,HiMERUは存在そのものの謎と狙い,桜河こはくは朱桜 司との関係やアイドルとしてのポテンシャル,椎名ニキは加入した理由や今後の意識変化などが気になるところ。
◆リズムリンク
古くからある老舗の事務所ということもあり,半ば引退しているような者たちへの報酬のため,常に家計が火の車であるらしい。性質的に新しい体制には馴染み難いところもあるため,何かと苦労の種が多いようだ。
・UNDEAD
卒業生(朔間 零と羽風 薫)と在校生(大神晃牙と乙狩アドニス)のペアでの活動が多かったため,4人揃った時点でやや呼吸を合わせるのに苦労していた様子だ。イメージや目指す理想とギャップのある仕事も増えて戸惑っているようで,こうした状況をどう乗り越えていくのかが大きな注目ポイントだろう。ビッグ3には数えられていないものの高い人気を誇るので,それを維持しながらの進化を期待。
・Ra*bits
最も大きなトピックは,やはり「!」でリーダーを務めていた仁兎なずながアイドル活動を休止していることだろう。これによりリーダーが真白友也に代わり,活動は同学年の3人のみで行っている。作中でも描かれているとおり,なずなは少し離れたところからアイドル業界を見て気づくことも多いようなので,それが上手く作用すれば,より良い方向に進んでいきそうにも感じられる。
・紅月
現時点のメインストーリーでは全員がまだ出揃っていないものの,アイドルストーリーなどによればユニットの活動は順調なようだ(今後波乱がありそうな気もするが……)。なお前述のとおり3年生の卒業により,現在は神崎颯馬のみが夢ノ咲学院に通っている。颯馬はあまり学校には行かずESにいる様子なのは,やはりユニット活動を重要視しているからだろうか……?
◆ニューディメンション
青葉つむぎによれば,新興事務所であるニューディは何かと苦戦を強いられている様子だ。全国に私塾があり,所属している新人アイドルも多いようだが,仕事不足に悩んでいるとのこと。
・Knights
ビッグ3に数えられるユニットのKnightsだが,新体制になってやや不安定さが見られるようだ。リーダーは朱桜 司にバトンタッチしたものの,ES内での活動などではその限りでないらしく,やや噛み合っていない様子も感じられる。Knightsはここぞというときの結束力はお墨付きだが,内部でのテコ入れもかなり激しい。今後の動きに注目。
・Switch
まずは【盂蘭盆会】の成功が期待されるSwitch。落ちこぼれのアイドルたちを救うという,幸せを運ぶ魔法使いとしての活動はSwitchの本領発揮というところだが,ユニットとしては何かと多忙な逆先夏目と青葉つむぎ,そして2人を心配する春川 宙の様子が見られるのがやや気になるところ。
・MaM
もともとかなりトリッキーな活動をしていたMaMだが,三毛縞 斑のアイドルストーリーによれば,現在はとある理由によりMaMとしての活動を休止しており,個人として動いていることが多いらしい。本人としても不本意な様子だが,両親との関係も大いに関わっていそうである。和解と解決,斑らしさの本領発揮が待たれる。
以上,新章「あんスタ!!」メインストーリーの解説をお届けした。メインストーリーの完結はもう少し先になりそうなので,これからの展開に期待したい。なお,2020年3月31日よりイベント【新星団★輝きのBIGBANG!】が開催しており,新たなストーリーが公開されている。今後4Gamerでは,「あんスタ!!」のイベント&スカウトストーリーの紹介・考察記事を連載予定となっているので,こちらもぜひお楽しみに。
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