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「FIFA eネーションズカップ2020 JFA予選」メディアブリーフィングが実施。JFAにとって「eサッカーもサッカーファミリー」
本題に入る前に用語の整理をしておこう。JFAでは“サッカーゲーム”を“eサッカー”と呼称している。「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を想像し,人々の懇親の健全な発達と社会の発展に貢献する」という協会の理念上,同協会のeスポーツへの取り組みは,基本的にeサッカーを通じて行われるようだ。
今回開催される「FIFA eネーションズカップ2020」は,3月8日にJFA予選が行われ,4月中旬に地域予選,そして5月に決勝大会がデンマークのコペンハーゲンで行われる予定だ。
JFAは日本代表選考終了後,強化練習や国際親善試合(強化試合)を実施し,代表選手を可能な限りサポートする予定だという。
「FIFA eネーションズカップ2020」日本代表選手の選考会が3月8日に開催
日本サッカー協会は,国際サッカー連盟(FIFA)が2020年5月に主催する「FIFA eネーションズカップ2020」の日本代表選手の選考会を,3月8日に秋葉原で開催すると発表した。「FIFA 20」で競い,PlayStation 4とXbox One,各プラットフォームで優勝した選手が代表となる。
須原氏は「eサッカーだけを遊ぶ人もサッカーファミリーとして向き合い,そういう人達でも世界を目指せる場を提供していきたい」と語った。
須原氏はサッカーとeサッカーが相互に作用しあって,高めあっていく可能性にも期待していると述べた。例えば,ゲームプレイでのシミュレーションを戦術研究に利用したり,逆にサッカーのトレーニングノウハウをeサッカーに導入し,選手生命を延ばせたりできるのではないかと考えているようだ。
また,現実のサッカーはJFAへの選手登録といった制度があるが,現状そうした制度はeサッカーには用意されていない。須原氏は,登録制度について,既存の制度を流用するのか,まったく新しい制度を作るのか,大いに検討する余地があるが,登録制度も整備していく方針を示した。なお,登録制度は選手の囲い込みを意図したものではないと強調している。
質疑応答において,「eスポーツをビジネスで考えているのか」という質問が投げかけられたが,これについて須原氏は「現状で市場規模が小さく,現時点で経済的なメリットを考えるのは時期尚早だと考えている」と回答。続けて,「だからこそ,早くeスポーツへと参入し,市場を作って行くところからやる必要がある」との考えを示した。
すでにJリーグによるeJ.LEAGUEが開催されるなど,JFA以外でも“eサッカー”の活動は盛んだ。“eサッカー”において同協会がどのような役割を担うのか,それはこれから分かっていくことだろう。ともあれ,まずは日本代表選考と,その活躍に期待したいところだ。