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「舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズPart2」ゲネプロレポート。中央・東・北の国の祝祭を通して魔法使いたちの生き様を描く
colyの「魔法使いの約束」(iOS / Android。以下,まほやく)を原作とした「舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズPart2」が,2023年7月8日〜23日まで,東京の天王洲 銀河劇場にて上演されている(一部公演は配信,ライブビューイングあり)。本公演は,「まほやく」のゲーム内イベント「祝祭シリーズ」を舞台化したもので,Part2では「正義と祝祭のプレリュード〜中央の国&南の国〜」「奇跡と祝祭のプレリュード〜東の国&北の国〜」「矜持と祝祭のプレリュード〜北の国&中央の国〜」のエピソードが楽しめる。
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本稿では,関係者・マスコミ向けゲネプロ公演の模様をお伝えしよう。公演内容や演出に関する記述,写真を掲載するため,ネタバレなしで舞台を楽しみたい人は,観劇後に読むことをおすすめする。
公演概要
舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズPart2
日時:2023年7月8日〜 7月23日
劇場:天王洲 銀河劇場
■出演(敬称略)
【中央の国】
オズ役:丘山晴己
アーサー役:北川尚弥
カイン役:岩城直弥
リケ役:新谷聖司
【北の国】
スノウ役:奥田夢叶
ホワイト役:田口司
ミスラ役:鮎川太陽
オーエン役:神永圭佑
ブラッドリー役:中村太郎
【東の国】
ファウスト役:矢田悠祐
シノ役:田村升吾
ヒースクリフ役:加藤大悟
ネロ役:坪倉康晴
【南の国】
フィガロ役:和合真一
ルチル役:大海将一郎
レノックス役:白柏寿大
ミチル役:弦間哲心
真木 晶(賢者)役:大森夏向
吟遊詩人役:雷太
ザシャ役:西山蓮都
【POW-ers(パワーズ)/アンサンブル】
岡田治己
鹿糠友和
木村和磨
土倉有貴
望月凜
来夢
■STAFF(敬称略)
原作:「魔法使いの約束」/coly
脚本・作詞:浅井さやか(One on One)
演出:ほさかよう
音楽:坂部 剛
振付:本山新之助
滅びた古代都市・メサで
中央の国の魔法使いたちを待つものは――
本作は,人間と魔法使いが共存する世界を舞台に,<大いなる厄災>と呼ばれる月から世界を救うため異世界から召喚された賢者と,21人の“賢者の魔法使い”の成長や絆を描く物語だ。
<大いなる厄災>の影響によって各地で異変が起こるようになり,賢者と魔法使いたちは,土地を鎮める聖なる祝祭を各国で執り行うことになる。Part1で西の国,南の国の聖なる祝祭を成功させた魔法使いたちは,残る3国の儀式に挑む。
ちなみに本公演の会場アナウンスの担当は,西の国の魔法使いたちだ。観劇説明をしつつも,彼らの個性や関係性がのぞける会話が楽しめるので,早めに席に着いてぜひ聞いてもらいたい。
また「祝祭シリーズ」は,西の国の魔法使いであるクロエが作った華やかな装束も見どころ。各国の聖なる祝祭で,異なる衣裳を身にまとった魔法使いたちを見ることができる。
3つ目の地は中央の国で,南の国の魔法使いたちがサポート役を務める。共に行動することで,目的のためならどんな危険にも挑める中央の国と,戻るべき場所を大切にして過度な冒険は望まない南の国,2つの国の魔法使いの違いが感じられるのも面白い。
儀式を行うために,一夜にして滅ぼされた古代都市・メサがあったとされる場所に向かった一行だが,そこには砂漠が広がっており,聖なる祝祭を執り行う神殿も砂に埋もれていた。しかしオズによって,あっさりとその問題が解決されてしまうのだから,さすが最強の魔法使いである。
そのまま順調に進むかと思われたが,実は古代都市・メサを滅ぼしたのはオズで,彼には亡霊たちの恨みの声が聞こえていることが判明する。若い魔法使いたちを想うがゆえに,自分だけで抱え込むオズに賢者は怒り,彼を強制的に休ませることを決めた。その理由がお腹が痛くなったといういかにもな言い訳なのに,信じる中央の魔法使いたちの真っすぐさが眩しい。
腹痛ということになっているオズの世話係は,リケが担当することになる。ここでは会話のテンポがかみ合わない2人の様子が,とってもかわいらしかった。一方,儀式の準備を進めるアーサーとカインの前には,メサの亡霊たちが立ちふさがる。王子と騎士という立場を越えて,背中をあずけて戦う信頼と友情で結ばれた彼らの関係もステキだ。
しかし亡霊によって,アーサーが砂のなかに連れ込まれてしまう。その危機を救うのは,もちろんオズで……。アーサーと,育ての親・オズの絆が感じられる物語になっている。
また,カインと彼の目を奪ったオーエン,ルチル&ミチル兄弟と彼らを守るミスラ,フィガロと彼の過去を知っているレノックス,それぞれの関係がうかがえる会話や演出も用意されているのでお楽しみに。
魔法使いたちが消えるいわく付きの村に,
東の国の魔法使いが挑む
4つ目は東の国で,北の国の魔法使いがサポート役に選ばれた。しかし北の国の魔法使いたちは,スノウ&ホワイト以外,尊大で非協力的。根が真面目な東の国の魔法使いたちは怒って,北の国の魔法使いたちを置いて,目的地に行ってしまう。
しかし目的地の近くには,魔法使いの力を奪う罠が仕掛けられていた。魔法使いを殺し慣れた者が住んでいると警戒するファウスト。さらに近くの村の住人の様子も怪しく,不穏な気配も漂っていた。
周辺を調べるファウストとネロ,そしてある事情から村人が信仰する教会を訪れたヒースクリフとシノ,そして賢者は,外部から閉ざされた村の抱えた大きな闇を知ることになる。スノウとホワイトに連れられて北の国の魔法使いたちが到着するが,事態は悪化して……。
人間の怖さを感じる,夏にピッタリな背筋がゾクリとする東の国の物語。そのなかで垣間見える<大いなる厄災>の傷を抱えたヒースクリフを想うシノ,英雄になれるとシノの実力を認めるファウスト,ネロとブラッドリーの距離感など,魔法使いたちの絆が,より温かく尊いものに見えた。
北の国の魔法使いたちの核となっている矜持
最後の聖なる祝祭は,北の国で行われることになった。中央の国の魔法使いがサポート役になったのだが,無茶をしやすい若い魔法使いたちが心配なオズは,同行を拒否する。しかし,アーサーたちのやる気に負け,オズの力がしっかり発揮できる日の出から日没までの短期間で終わらせることを条件に協力してくれることになった。
一方,北の国の魔法使いたちも集まり,スノウ&ホワイトから聖なる祝祭を行う説明を受けていた。ミスラたちを説得しようとするスノウとホワイトのコミカルな様子が楽しく,クスっと笑ってしまう。
しかし,ミスラ,オーエン,ブラッドリーは,オズの力で無理やり従わされるのが面白くない様子だ。彼らは手を組んで,儀式を遅らせ,魔法が使えなくなったオズを封印する計画を立てる。悪事の計画を立てる様子はとても楽し気で,まさに悪友そのもの。
儀式を遅らせるため,勝負に負けたオーエンは呪いのアイテムを飲み込み,体調不良に陥る。自己治癒を望むオーエンに対して,目的遂行のため,無理やりにでも治そうとするオズ。それに対してスノウとホワイトは,北の国の魔法使いは矜持こそが大事だとし,オーエンの意志を尊重するようにオズに厳しい態度を取る。賢者たちに協力的なスノウ&ホワイトも,本質は北の国の魔法使いであり,彼らが何を大切に生きているのかを,あらためて感じることができた。
ブラッドリーたちの作戦は途中までうまくいったのだが,ミスラが最後まで待ちきれず,中途半端なところでオズたちに露見してしまう。そのことでミスラとオーエンが仲間割れで戦いを起こし,北の国の精霊たちを刺激してしまった。精霊たちによって,賢者と北の国の魔法使いたちは,儀式の地に逆に招かれ,取り込まれそうになって……。
それぞれが矜持を持って生きるがゆえに,激しくぶつかり合うことも多いが,認め合ってもいる北の国の魔法使いたちの生き様が見られた。
本公演の様子は「DMM TV」にて,7月8日13:00の初日公演,7月22日18:00の公演,7月23日13:00の千秋楽公演がライブ配信される(見逃し配信あり)。各公演のチケットは3800円(税込)で,特典映像つきの3公演FULLセットは1万1000円(税込)となっている。
また,7月23日13:00の千秋楽公演は,全国および台湾の映画館にて,ライブビューイングが実施予定だ。チケットは4000円(税込)で,先着販売となっている。上映館など,詳しい情報は公式サイトを確認してほしい(外部リンク)。
「舞台『魔法使いの約束』祝祭シリーズPart2」公式サイト
「魔法使いの約束」公式サイト
「魔法使いの約束」ダウンロードページ
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