インタビュー
[TGS 2019]「ボーダーレイン -君臨ノ境界」は“サイバーパンク”を愛する開発者達が制作するSRPG。開発プロデューサーにインタビュー
東京ゲームショウ2019の会場で,本作のデベロッパである上海鹿霊のプロデューサー・王 日磊氏に本作の開発の経緯や,サイバーパンクの世界に仕上がった「ボーダーレイン」のこだわりを聞いてきたので,その模様をお届けしよう。
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。まずは,本作の開発がいつ頃からスタートしたのか教えてください。
王 日磊氏(以下,王氏):
「ボーダーレイン」の企画は2017年9月頃から立ち上げる準備をして,同年11月に開発作業をスタートしました。だいたい2年くらいの開発期間を要しています。
4Gamer:
王さんはプロデューサーとして,プロジェクトを統括しているのでしょうか。
王氏:
はい。ゲームの方向性を決定し,ビジュアルスタイルをコントロールし,各種システムのバランシングやチームのマネジメントなど,一通りのことはやりました。プロデューサーらしい仕事ができたと思っています(笑)。
4Gamer:
プロデューサークラスの方は皆さんおっしゃいますが,何でもやるということですね(笑)。ゲームについてもお聞かせください。
「ボーダーレイン」の世界観はいわゆるサイバーパンク系で,「連合議会」「クロト教団」「通感者」など,さまざまなキーワードが散りばめられていますが,本作は世界設定ありきのプロジェクトなんでしょうか。それともSRPGのメカニックありきでスタートしたのでしょうか。
王氏:
どちらかというと世界観ありきのプロジェクトですね。まずは世界設定を用意してから,各種仕様を決定しています。
開発チームのメンバーは,私を含めてサイバーパンクが大好きです。もちろん,「AKIRA」「攻殻機動隊」といった日本の名作を愛していますし,世界中のさまざまな作品を通じて,本作におけるサイバーパンクの定義を作り上げました。
4Gamer:
サイバーパンク的なIPは,中国でも結構生まれているんでしょうか。
王氏:
中国ではそれほど見られないので,だったら我々が作ろう,という想いを本作に込めています。そして,重視している世界観やストーリーにふさわしいゲームジャンルとしてSRPGを選びました。もっとも開発チームは,サイバーパンクと同じくらいにSRPGも好きなメンバーばかりなんですけどね(笑)。
4Gamer:
王さん達に作られるべくして作られたタイトル,という感じですね(笑)。
続いて,ストーリーやゲームの概要についてもお聞かせください。「ボーダーレイン」はどんなゲームなんでしょうか。
王氏:
とある小惑星の衝突により,未曾有の危機に陥った地球がゲームの舞台になります。地上はとても人が住める環境ではなく,生き残った人類は連合議会という組織に管理され,地下に住むようになっています。小惑星の衝突後も存続している「P.T.H財団」という組織も力を持っています。
そんな中,連合議会とP.T.H財団が密かに結託して全人類に遺伝子改造を施し,人々は再び地上に住めるようになります。しかし,遺伝子改造を施された人類の一部に突然変異が発生し,彼らは特殊な場からエネルギーを吸収し,強力なパワーを発揮できるようになりました。
4Gamer:
その人類の一部が,通感者と呼ばれる特殊能力者というわけですね。
王氏:
そのとおりです。彼らはその強大な力のせいで脅威と見なされており,ある意味化け物扱いをされています。そして,クロト教団というレジスタンス組織と戦うための軍事任務を負わされているんです。
「ボーダーレイン」の主人公(プレイヤー)は,連合議会に軍事任務を与えられている新兵部隊のひとりです。しかし,主人公はある任務の過程で連合議会とP.T.H財団の暗部に触れてしまい,追われる身となってしまいます。主人公は自分が生き残るためにやむを得ず連合議会と戦うことになり,その戦いがやがて世界の命運を左右するようになる……というお話です。
4Gamer:
なかなかハードな導入ストーリーですね……。ゲームのプレイサイクルなどはどんな感じでしょうか。
王氏:
プレイサイクルは比較的シンプルですね。メインストーリーを追いながらステージを攻略していき,そこで得られる経験値やアイテムなどを活用してキャラクターを育成し,より難しいステージに挑戦する……という形です。
ゲームを進めてキャラクターの好感度を高めていくと,キャラ固有のストーリーなども見られるようになり,そういった情報を積み重ねていくことで世界観への理解もより深まっていくはずです。
4Gamer:
なるほど。ところで,SDキャラが温泉のような施設で楽しんでいるシーンを見かけたのですが,あれはどういったものなんでしょうか。
王氏:
あれは戦いの拠点となる基地の機能の一部なんです。世界は復興の途中で自然環境も復活していないんですが,破壊される前の映像をスクリーンに投影して,さまざまな疑似環境を構築できる……といったイメージです。
ゲームシステムとしては,こういった施設でキャラの好感度を高めたり,「遠征」(キャラを一定時間派遣してアイテムなどを獲得できる機能)に必要なスタミナを回復したりできます。
4Gamer:
なるほど,ARやVRのような技術も発達しているから,荒廃した世界でもさまざまな光景が楽しめるんですね。ゲーム的な効果に関しても納得です。
現時点では,ボーダーレインは今秋リリース予定とのことで,実際に遊べるようになる日も近そうですが,本作をプレイする人に向けて,バトルやキャラクター育成に関するアドバイスがあったらお願いします。
王氏:
本作ではチュートリアルを進めることで,何人かの初期キャラクターを入手できます。ステージ攻略に出撃させられるキャラクターは4名までなのですが,ゲームに慣れるまではタンク×1,ヒーラー×1,アタッカー×2という構成をオススメします。
タンク役はエイキョウが頼りになります。防御力が高く,ヒーラーとアタッカーをしっかりと守ることができるでしょう。ヒーラーは,多彩な回復スキルを持っているユイがオススメですね。単体回復も全体回復もできるので,手強い相手との戦闘では欠かせない存在です。アタッカーは,機動力が高くて生存力もあるモクシヒと,弓矢を用いた遠距離攻撃を得意とするチョウゲツが強いです。彼女達がいれば,序盤の攻略で行き詰まることはまずないでしょう。
4Gamer:
分かりました。配信されたときにはそこを意識して遊んでみます! 本日はありがとうございました。
「ボーダーレイン -君臨ノ境界」公式サイト
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- 関連タイトル:
ボーダーレインRe:Birth -スピリットコネクト-
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