インタビュー
「ラグナロクオリジン」ハーフアニバーサリー記念インタビュー。新職業「アルケミスト」「クリエイター」の実装などが明らかに
本作は,PC向けMMORPG「ラグナロクオンライン」(以下,「RO」)の世界観を受け継ぐシリーズ最新作。2021年6月28日に「ラグオリ」日本語版の配信が開始されてから,「RO」でおなじみの職業やマップが次々と追加されてきた。
今回4Gamerでは,ハーフアニバーサリーのタイミングを機に,日本版運営ディレクターを務める廣瀬髙志氏,アシスタントディレクター芝田孔史郎氏の両名にインタビューを実施。サービス開始から半年を迎えた心境や,今後のアップデートなどの予定について,さまざまな情報を聞けたので,その内容をお届けしよう。
「ラグナロクオリジン」公式サイト
「ラグナロクオリジン」サテライトサイト
「ラグナロクオリジン」ダウンロードページ
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「RO」を知らない多くの新規ユーザーが参入
新旧ファンの交流も活発だった半年間
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。リリース前に,お二人からお話を聞かせていただきましたが,それから約半年が経過してハーフアニバーサリーを迎えた現在の心境をお聞かせください。
「ラグナロクオリジン」はどのような立ち位置のROとなるのか。先行配信中の海外版との違いも語られたインタビューを掲載
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは,スマホ向けオンラインRPG「ラグナロクオリジン」を2021年6月28日に配信予定だ。今回4Gamerは,ローンチ時のゲーム内容や,先行配信中の海外版との違い,そしてアップデート計画などを聞いてきたので,ぜひチェックしてほしい。
芝田孔史郎氏(以下,芝田氏):
サービスを開始する当時は,「ROのリブートタイトル」と銘打った本作がユーザーの皆さまに受け入れられるのかという不安もありました。しかし正式サービス以降,非常に多くのユーザーにプレイしてもらえているので,本当にありがたく思っております。
4Gamer:
新規ユーザーや「RO」のファンからは,どのような反応がありましたか?
芝田氏:
キャラクター育成やボスモンスターとの戦闘を楽しんでいる,という声が多いですね。こういった要素は「RO」の特徴でもありますので,本作でもその魅力を味わっていただくことができてよかったなと思います。
また,アンケートを実施したところ,回答者の中に,過去に「RO」を遊んだことのない方が3割ほどいらっしゃいました。「ラグオリ」は「RO」ファンと新規ユーザーが両者ともに楽しめるタイトルにしたいという狙いがあったのですが,ひとまず目標を達成できたかなと考えています。
廣瀬髙志氏(以下,廣瀬氏):
運営ディレクターという身元を伏せて,プレイしながらゲーム内の様子を拝見しておりますと,過去に「RO」をプレイしていた方から「ラグオリ」とのシステム上の相違点,「RO」の世界観に関する話などを目にすることがありました。
「RO」をプレイしていた方が,「ラグオリ」からシリーズに触れた方に「当時はこうだったんだよ」という話をして,その話題で盛り上がっていたことも多々あります。昔からのファンと新規ユーザーとで盛り上がっているシーンを見ると感無量であると同時に,話に加わりたいという気持ちを抑えるのに必死です(笑)。
「RO」から続いているコミュニティで「ラグオリ」のギルドを設立した方々もいるかもしれませんが,シリーズを知る方と新規の方で自然と交流を持たれている印象があります。
また,新規ユーザーの中には20代の方もいらっしゃるので,「RO」ファン世代の方々はジェネレーションギャップを感じながらも,作品だけでなく世代の垣根も越えた会話を聞く場面もありました。
4Gamer:
そういったユーザー間の交流の中で,とくに印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
廣瀬氏:
たとえばですが,「RO」のワールドはどこを選んでいたか,という話題は鉄板ですね。
そういった話をすると,個別のユーザーとしてお互いを知らなかったとしても,当時の活動ギルドを知っていたりするので,思い出話に花が咲く場面を多く見かけました。
芝田氏:
「ラグオリ」のワールド名は,「RO」のワールド名を受け継いでいるのですが,そういったユーザー同士のコミュニケーションにつながることもあったので,世界観や名称を継承してよかった点だと思います。
4Gamer:
昨今はPC向けMMORPGがスマホ向け作品としてリメイクされることも多くなっていますが,タイトル数が多い中で「ラグオリ」の新規ユーザーは,どのような理由から本作を選んでいるのでしょうか。
廣瀬氏:
キャラクターがかわいらしいというか,全体的にアバターがポップな傾向にあるので,コア向けのタイトルが多いスマホMMORPGの中で,そういった点はほかのタイトルではあまり見られないポイントになっているのかなと思います。ゲーム内のカメラにはセルフィー演出などもあるため,ダンジョンを踏破したときや,何かを達成した節目などにユーザー同士で記念撮影をして,TwitterやDiscordにアップロードされているようです。
それぞれのユーザーがアイデンティティを作りやすい。あるいはSNSで映えやすいので,そういった部分から本作を選んでくださる新規の方もいらっしゃるかと思います。
芝田氏:
アンケートから見えたきっかけとしては,友人や知人からの勧めが一番多い回答で,アバターのコーディネートや,ゲーム内チャットを楽しんでいるという声も寄せられていました。
4Gamer:
そういった反響を受けて,リリース当時から現在までに,大きな予定変更や方針転換などはありましたか。
廣瀬氏:
年間計画となるロードマップ自体はリリース当初からありました。その一方で,日々ユーザーの皆さまのご意見を参考に運営を進めていますので,予定を変えていくタイミングもあります。
たとえば,先日実施した「カードドロップ2倍イベント」は当初の予定にないイベントでした。カードドロップ率が低いというご意見を数多くいただいていたので,急きょ開催する運びとなりました。
4Gamer:
イベントの開催以外にも,変更した点などはありますか。
廣瀬氏:
不定期掲載している運営レターで,他国版との差異について踏み込んでお話しさせていただくということがありました。
当初は他国版との違いを詳細にお話しする予定はなかったのですが,正しい情報をお伝えすることが重要だと感じるタイミングがあったので,運営レターに他国版情報を記載させていただきました。
4Gamer:
リリース開始初期や半年を迎えた現在において,時期ごとに寄せられた意見が変化することはありましたか。
廣瀬氏:
本当に日々たくさんのご意見ご要望をいただいておりまして,ものによっては今すぐの解決が難しい部分もあり,ご不便をおかけしており申し訳なく思っています。
サービス開始当初は「戦闘・祝福時間(疲労度)の制限」についてのご意見を多くいただきました。最近では「パーティー必須や時間指定のコンテンツが多すぎる」「他系統への転職を可能にしてほしい」「倉庫を共有化してほしい」といったものが多いです。
とくに「戦闘・祝福時間(疲労度)の制限」に関しては「もうちょっと遊びたい」という声を非常に多くいただいていました。そこで当時は制限を緩和するイベントを実施して,イベントの結果を踏まえて,今後の方向性を模索していく段階に入りました。
同時に,「制限はそのままにしてほしい」というご意見も多くいただきまして,現在は両方のご要望がある状況なので,ゲームバランスも踏まえて残しています。
しかし我々としても今の形がベストであるとは思っていませんので,「戦闘・祝福時間(疲労度)の制限」に関する改修は,引き続き検討しております。
芝田氏:
「パーティー必須や時間指定のコンテンツが多すぎる」というご意見については,それに関連して「ペアでやりたい,ソロでやりたい」というご要望もいただいているので,コンテンツの時間制限緩和とあわせて,もう少し気軽にできるような調整を検討しています。
廣瀬氏:
本作では「RO」と同様に基本となる6つの職業の系統が用意されており,一度選んだ系統から別の系統へ切り替えることは現状できません。しかし他系統への転職は,他国版でも検討されているので,日本版でどのように扱うべきかについては,開発元と日々調整をしています。
その一方で他系統へ転職可能なゲームとして全体のバランスが作られていないので,そこのバランス調整をどうするのかが難しい問題になっています。
4Gamer:
倉庫の共有化も要望が多いようですが,この機能が実装される予定はありますか。
芝田氏:
具体的には,各キャラクターの倉庫を共有化し,アイテムを自由に行き来できるようにしてほしいという要望をいただいています。こちらについては,開発元と協議を重ねておりますが,実装難度と工数の関係で実現に至っていません。
ただ「別のキャラクターにアイテムを移したい」というご要望は確実に届いておりますので,実際に倉庫を共有化する機能でなくとも,ユーザーの方が望む機能をどのようなアプローチで実現できるかを引き続き検討していきたいと思います。
「アルケミスト」「アルデバラン」が登場!
2022年の春までには「ギルド攻城戦」も実装予定
4Gamer:
ユーザーから寄せられている意見以外で,システム上の変更予定はありますか。
現在マッチングに関して,パーティーコンテンツでクロスワールドマッチングという機能が開発されています。異なるワールド間でマッチングが可能になる仕組みで,なるべく早めに実装できるように準備を進めております。
4Gamer:
今後のアップデート予定に関してもお聞かせください。
廣瀬氏:
まず来年の春までには,新職業「アルケミスト」に加えて,その上位職となる「クリエイター」を実装予定です。同じタイミングで,新しい都市である「アルデバラン」と新ダンジョンの「時計塔」「おもちゃ工場」も登場します。
「アルデバラン」は「RO」にも登場した国境都市で,アルケミストに転職するための錬金術師ギルドが存在します。そのため,同じアップデートで同時に実装する予定です。
また大変お待たせしております「ギルド攻城戦(GvG)」ですが,こちらも来年のなるべく早いタイミングでの実装を目指していますので,続報をお待ちいただければ幸いです。
4Gamer:
「アルケミスト」がどのような特徴を持つ職業なのかお聞かせください。
芝田氏:
「アルケミスト」はマーチャントから転職できる職業で,「RO」と同様に薬品の扱いに長け,薬品を使った攻撃やサポートを得意としています。さらに「ホムンクルス」という人工生命体を使役して戦うこともできます。
上位職の「クリエイター」では,それらの能力にさらに磨きがかかり,「RO」でも有名だったスキルの「アシッドデモンストレーション」などが「ラグオリ」でも登場するので,戦闘能力が飛躍的に向上します。同じマーチャント系列に連なる「ホワイトスミス」とは異なる戦い方ができる職業なので,楽しんでもらえればうれしいです。
4Gamer:
新たに実装されるダンジョンには,実装直後から入れるのでしょうか。
芝田氏:
「時計塔」と「おもちゃ工場」は,どちらも実装されてから,すぐに入れるようになります。「時計塔」は「アルデバラン」の中央にあるランドマーク的なダンジョンとなっていまして,「RO」と同じく地上と地下に分かれ,それぞれの階層には強力なモンスターが出現します。レベル帯については現状,レベル109〜114を予定しています。
「おもちゃ工場」は,アルデバランから向かうことのできる「ルティエフィールド」の先にあるダンジョンです。さまざまなおもちゃで飾り付けられたユニークな見た目に反して,出現するモンスターのレベル帯はレベル105〜115となっており,こちらも強敵揃いです。
「時計塔」 | |
「おもちゃ工場」 |
4Gamer:
GvGに関しても詳細をお聞かせください。
廣瀬氏:
「RO」でも実装されていたギルド同士で行われる砦の争奪戦です。いくつかのエリアに存在する砦をかけて戦うことになります。
この砦を占領すれば,レアアイテムの獲得や専用ダンジョン(ギルドダンジョン)を利用できるようになる予定です。現在開催されているイベントの時間を加味して,どの時間帯に開催すれば,ユーザーの皆さまへの負担が少なく,参加者が集まりやすくなるのか。現在は検討している段階になります。
4Gamer:
そのほかにお話しできる予定がありましたら,ぜひご紹介ください。
芝田氏:
今後はペットシステムも実装する予定となっています。「ペット」自体は「RO」にもありましたが,「ラグオリ」では機能が拡張されて,「ペット」が戦闘に参加して手助けしてくれるようになります。
「ペット」は「テイミング(捕獲)」やショップでの卵の購入などで入手し,傭兵のように,ステータス,装備,スキルの要素もあります。
4Gamer:
「ペット」のステータスは,どのように育成していくのでしょうか。
芝田氏:
特定の消費アイテムを使ってステータスを伸ばしていくので,育成の仕方も傭兵に近いシステムをイメージしてもらえれば分かりやすいかと。テイミングは,「RO」と同様にテイミング用アイテムを消費して実行できるようになる予定です。
初期段階から20体を超えるペットの実装を予定しているので,いろいろなペットを仲間にして,ともに冒険を楽しんでもらえればなと思います。
4Gamer:
2022年6月には,サービス開始から1周年の節目がありますが,それまでに予定されているアップデートについてはいかがでしょう。
廣瀬氏:
アルデバランに関連したアップデート以降には,新職業「バード/ダンサー」,その上位職となる「クラウン/ジプシー」を実装予定です。そのタイミングで,新たな都市「コモド」も登場します。
さらに2022年夏までには,新職業「セージ」,その上位職「プロフェッサー」も実装を検討しております。こちらは新都市「ジュノー」の登場と合わせて実装する予定です。
芝田氏:
アップデートではなくイベントのお話になってしまいますが,本年の12月31日からは新春モチーフの衣装や装備が登場する「ラグオリパス」が始まります。また,2022年1月1日から1月7日まで,1日ずつログインすることで,最大3日間プレゼントを受け取れる“新春お年玉ログインボーナス”も実施いたします。
さらに,カードドロップ2倍イベントは2022年も継続して実施していきたいと考えており,次回の開催は2022年1月下旬を予定しています。こちらも楽しみにお待ちいただければ幸いです。
4Gamer:
本日はありがとうございました。最後にメッセージをお願いいたします。
芝田氏:
ユーザーの皆さまからお寄せいただいているご意見は数多くありますが,いずれもしっかりと確認して検討しております。これからも皆さまのお声を取り入れながら,末長く楽しんでいただけるゲームになるよう尽力してまいりますので,今後とも「ラグオリ」をよろしくお願いいたします。
廣瀬氏:
「ラグオリ」は2022年6月には,1周年を迎えます。まずは新職業やギルド攻城戦を着実にアップデートしつつ,1周年に合わせてユーザーの皆さまに楽しんでいただけるものをご提供していければと考えております。ご意見ご要望に関しても,改善できるように検討してまいりますので,何卒よろしくお願いいたします。
──2021年12月14日収録。
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(C) Gravity Co., Ltd. & Lee MyoungJin(studio DTDS). All rights reserved.
(C) GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
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