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「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」プレイレポート。熱い対人戦や充実のソロモードでモビルスーツを動かす楽しさを味わえる
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印刷2020/07/30 16:00

プレイレポート

「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」プレイレポート。熱い対人戦や充実のソロモードでモビルスーツを動かす楽しさを味わえる

 2020年7月30日,バンダイナムコエンターテインメントからPS4向けソフト「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」が発売された。アーケードタイトルのコンシューマ機向け移植としては,PS3「機動戦士ガンダム EXTREME VS. FULL BOOST」以来およそ6年ぶりとなる本作だが,長く続くシリーズであるだけに「昔のシリーズは遊んでたけど,今はどうなってるの?」というプレイヤーや,「興味はあるんだけど,今から始めるのはなんとなく腰が引けてしまう」というビギナーの人もいるだろう。本稿では,そんな人に向けて,本作の魅力をお伝えしていこう。

画像集#001のサムネイル/「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」プレイレポート。熱い対人戦や充実のソロモードでモビルスーツを動かす楽しさを味わえる

 改めて説明すると,「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」は,アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズを題材としたアクションゲームだ。2001年の「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン」から続く「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」の最新作であり,2016〜2019年にアーケードで稼働していた同名ゲームの移植作品にあたる。
 登場するモビルスーツ(機体)は,アーケード版の183機にPS4版の追加機体3機を加えた,最大186機。これだけのプレイアブルキャラが存在する対戦アクションゲームというのはなかなかなく,シリーズ19年の集大成といえるだろう。

画像集#002のサムネイル/「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」プレイレポート。熱い対人戦や充実のソロモードでモビルスーツを動かす楽しさを味わえる

 アーケード版を遊んでいた人には,「ガンダムVS.モバイル」の有料会員登録をし,ガシャで当てないと手に入らなかった「エクストラ機体」の22機を自由に使えるのも嬉しいところだ。
 スマートなZガンダムに,無骨なザクの頭を付けて応急修理した「ザク頭Zガンダム」(もちろん変形は不可能)。あのラクスがモビルスーツに乗って戦う「インフィニットジャスティスガンダム(ラクス搭乗)」。ハマーン様がジュアッグやアッグガイといったマニアックな僚機を酷使する「アッガイ(ハマーン搭乗)」といった機体もゲーム開始直後からいきなり使えてしまう。

「ザク頭Zガンダム」を使うには,アーケード版だと「ガンダムVS.モバイル」の有料会員登録が必要だった
画像集#003のサムネイル/「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」プレイレポート。熱い対人戦や充実のソロモードでモビルスーツを動かす楽しさを味わえる

 PS4版では,「ザクアメイジング」「モンテーロ」「ガンダム・バルバトスルプスレクス」の3機が追加されている。こちらは現在アーケードで稼働中の最新作「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」から参戦した機体であり,さまざまな調整も加えられているので使用感を比べてみるのもいいだろう。なお,「ガンダム・バルバトスルプスレクス」はパッケージ版初回生産限定特典(ダウンロード版早期購入特典)となっている。

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2対2の対戦ゲームとしての面白さ


 本作はモビルスーツ4機が2対2に分かれてバトルを繰り広げる。仲間との連帯を演出するコストシステムと,刻々と移り変わる状況の中で素早く判断を下すスリリングな戦いが魅力だ。

 勝敗を決めるのは,自軍と敵軍の勢力を示す「総コスト」。つまりはチームの体力であり,敵機を撃墜して相手の総コストを0にした側の勝ちとなる。
 それぞれの機体には,強さを反映した「コスト」が設定されており,撃墜するとその分だけ敵の総コストを減らすことができる。「デスティニーガンダム」や「フルアーマー・ユニコーンガンダム」といった高性能な機体はコスト3000,「ザクII改」「リ・ガズィ」は性能は低めだがコスト1500……といったように,撃墜した際に与える損害も異なる。高コスト機はパワフルだが倒せれば素早く決着をつけられ,低コスト機はその逆で繰り返し出撃できる。総コストは自分と仲間が共有しているので,自然とお互いの戦いぶりを意識し,協力しあえるようになっているのだ。

「機動戦士ガンダムAGE」の主役機「ガンダムAGE-1」はコスト2000。いわゆる中コスト機
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 言うまでもなく,自分が高コスト機を使っている際,簡単に落とされるわけにはいかない。だからといって,後に下がってばかりもいられない。仲間が敵2機との戦いを強いられ,負担が掛かってしまうからだ。敵に突っ込んでいって撃墜されるのも,逃げ回った挙げ句,敵に放置されてもいけないのである。

 つまり,本作のバトルでは,目の前の敵と戦うテクニックだけでなく,戦場を俯瞰する視点も重要となる。前述の通り,勝敗を決める総コストは自分と仲間で共有しているので,首尾よく目の前の敵を叩きのめしても,仲間が撃墜されると負けになる。
 戦闘中に仲間を確認し,危機に陥っているなら助け出す。そして,逃げ回っている敵がいて,これを倒せば決着が付くようであれば一気に追い詰める……といった,大局的な状況判断が求められるのだ。
 この部分は,“自分はちゃんとやっていたのに負けた”ということや“自分が足を引っ張ってしまったから負けた”という状況が起こるため,対戦に参入する際の心理ハードルが上がっている側面もあるが,これによりほかの対戦ゲームとの差別化ができているところでもある。

時にはロックオンを切り換え,周囲の状況を把握するのが大事
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 アーケード版をプレイしていなかった人の中には,いきなり対人戦へ参入するのは気が引けると感じるかもしれない。そういう時は,まず1人プレイ用のモードでバトルにじっくり慣れるといいだろう。
 「フリーバトル」では時間を無制限にしたり,他の機体の動きを止めたり,コンボのダメージを表示できたりできるので,対人戦に向けての練習が可能だ。また,気軽に対人戦を楽しみたい人は,オンラインプレイの際に戦績が記録されない部屋を選んで練習するという手もあるし,対戦時にやりとりする定型文を受け取らないという設定もできる。

今回通信メッセージは定型文のみとなった(左)。フリーバトルでは練習のためにさまざまなセッティングができる(右)
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さまざまな年代のモビルスーツを動かす楽しさ


 本作に登場する186機の機体は,それぞれに面白い個性があったり,アニメのワンシーンを再現しているモーションがあったりと動かしているだけでも楽しい。また,「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン」などの過去作品で印象深かった機体も多数登場しており,かつてシリーズをプレイしたことのあるファンは新旧の動きを比べたりしながら楽しむことができる。
 以下では,コンシューマ機版で新たに追加された3機と,筆者が独断と偏見で選んだ「過去シリーズやガンダムファンなら特に刺さりそうな5機」について紹介していこう。

●ザクアメイジング

 「ザクアメイジング」はガンプラがバトルするアニメ「ガンダムビルドファイターズ」の機体。ビーム兵器を持つ機体が多くなったこのシリーズにおいて,ザク系のボディにロングライフルやロケットといった実弾武器が積まれた本機はジオン好きの人にオススメ。
 「リアクティブアーマー」は常時発動型の特殊能力というシリーズでも珍しい武装で,受けるダメージを軽減してくれる。また,残りコスト2000以下の際に撃破されると,爆発の中から原作通りに戦闘機「アメイジングブースター」が登場するのも熱い。機体性能的にここからの逆転はなかなか難しいものの,こうしたアニメの再現こそキャラゲーの醍醐味と言えるだろう。

ビルドストライクの顔面を砕いた拳銃攻撃も再現(左)。残りコストが2000以下の際に撃破されると,「アメイジングブースター」となって蘇る(右)
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●モンテーロ

 富野由悠季氏が宇宙世紀の後の時代を描いた「ガンダム Gのレコンギスタ」からの参戦機体が「モンテーロ」。ビームジャベリンやビームワイヤーを使った攻撃はなかなかに派手で,決まると気持ちがいい。特にビームワイヤーは,サブ射撃で相手を捕まえてから引き寄せ,レバー入れサブ射撃では前方へ飛ばし,特殊格闘では振り回すことで射撃を防ぐ壁としつつ突撃する……といったさまざまな使われ方がされていて見応えがある。

 また「ジャベリンは!こう使う!」と吼えつつ攻撃,G-セルフを呼び出しつつ「パイロットなど,おだてて使うのがコツだろ?」とクリム・ニックが呟くなど,いわゆる「富野節」が満喫できるのも嬉しいところだ。
 性能面では近接戦が派手な一方,足回りはあまりよろしくない。加えて,「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」と違い,本作には機動力強化覚醒「モビリティバースト」がないため,戦場から離れすぎないように注意しなければならないだろう。

特殊格闘はビームワイヤーを振り回して射撃を防ぐ(左)。ビームワイヤーは相手を捕まえることも可能(右)
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●ガンダム・バルバトスルプスレクス

 パッケージ版初回生産限定特典(ダウンロード版早期購入特典)の「ガンダム・バルバトスルプスレクス」は「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」最後の主役機。手にはクロー,足にかぎ爪を持ち,背中から“尻尾”を伸ばせるという異色のガンダムだ。
 “尻尾”の名前は「テイルブレード」。チャージ射撃で相手に飛んでいって高い誘導性を持つ攻撃を出し,格闘チャージでは機体の周囲に待機して敵を自動で突き刺すという変わり種の装備で,「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」同様に対人戦で大暴れしそうだ。

 特殊格闘はレバー方向へ移動する技で,ブーストを使い切った状態でも使えるのが大きい。うまく使いこなして敵に近づきつつ,クローで引き裂きくなり,巨大メイスで殴るなり格闘攻撃を当ててやりたい。覚醒時は目が赤く輝くが,これは原作で「阿頼耶識システム」のリミッターが解除された際の演出を再現したものだ。

かぎ爪の付いた手に巨大メイスを持つ,まさに悪魔のガンダム(左)。悪魔の尻尾のような「テイルブレード」は,格闘チャージで出すと機体の周囲に待機し,近寄った敵を自動攻撃する(右)
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●ギャン

 初出が「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン」の「ギャン」。当時はコマンド入力で盾を構える「シールドガード」が存在せず,機体の方向を調整して盾を敵に向け続ける,独特の立ち回りが求められた。本作では特殊格闘の「シールド構え」でこのエッセンスが再現されており,発動中は正面からの攻撃を自動で防げる。

「シールド構え」は昔と同様に敵を正面に捉える立ち回りをしなければいけない(左)。ボスの攻撃も自動でガードする(右)
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●ガンダム(Gメカ)

 見た目が面白いのが「ガンダム(Gメカ)」だ。サブ射撃でGブル,特殊射撃でガンダム・スカイ(下半身Bパーツ状態),特殊格闘でGアーマーに……とさまざまな合体・変形を披露する。
 PS2「機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオンDX」ではこれらの形態を単体の機体として使えたが,本作ではガンダムと連携して戦うのが面白い。Gアーマー状態ではTVアニメ版の要所で披露した後方ミサイルを撃ち,通常格闘からのレバー前派生ではTVアニメ第1話でザクの動力パイプをちぎったときの動きを再現した技を出す。さらに,バーストアタックではGファイターの上に乗って敵を斬り付けるなど,濃いネタが散りばめられているのも嬉しい。

「ガンダム(Gメカ)」はガンダムとGメカが連携して戦う。勝ちポーズもガンダム・スカイだ(左)。ガンダムとGメカがドッキングしたGアーマー状態にもなれる(右)
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●マラサイ&ガブスレイ

 「機動戦士Zガンダム エゥーゴvs.ティターンズ」では別々の機体だったが,本作では“まずマラサイで出撃し,撃墜された後はマラサイとガブスレイのどちらで再出撃するかを選べる”という変わり種だ。スタンダードなマラサイと機動力に優れたガブスレイの両方を使いこなす必要があり,実にマニアックなユニットになっている。

まずマラサイで出撃し,撃墜された後にマラサイかガブスレイで出撃できる。ちなみに「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」では再び別々の機体になっている
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●ストライクノワール

 「機動戦士ガンダムSEED DESTINY 連合vs.Z.A.F.T.II」で初登場した「ストライクノワール」。強力だった「ビームライフルショーティー【回転撃ち】」は本作でも健在で,メイン武器とは独立した弾を用意されたものの,高い誘導性能で猛威を振るう。特殊格闘では,鉄骨にワイヤーを撃ち込み,敵射撃の誘導を無効化しつつ移動するという「連合vs.Z.A.F.T.II」時代になかった技も見せてくれる。

本作でもあの回転撃ちも健在。かつてストライクノワールを使った人であれば,当時の記憶が蘇るのではないだろうか
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●ラゴゥ

 四本足で地上を失踪する様が「機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.」のプレイヤーを和ませた「ラゴゥ」は,本作でも使用可能だ。優秀な機動力で地面を駆け巡りつつ,「バクゥ」を呼び出して連携,隙あらば格闘を入れるという渋い性能で,使いこなせば旧作同様の名バイプレイヤーぶりを見せてくれるだろう。

非人間型という,シリーズでも珍しい機体が「ラゴゥ」。「バクゥ」を呼び出して連携しつつ戦う
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40年以上積み上げられた「ガンダム」という歴史を眺める楽しさ


 本作は,さまざまな年代のモビルスーツが一堂に会する作品なので,メカデザインのカタログ的な面もあり,3Dモデルで描かれた機体のデザインを眺める楽しさもある。ガンダムシリーズは1979年の「機動戦士ガンダム」から数えると41年の歴史があり,それぞれのモビルスーツは時代のトレンドや背景を反映した個性的なデザインなのだ。

 例えば,「機動戦士ガンダム」の機体は,ガンダムには当時のスーパーロボット的なムードを残している一方で,ザクのモノアイやマシンガンなどはミリタリー性を取り入れており,これらが混ざり合ったデザインが面白い。「機動戦士Zガンダム」は,同時期に「超時空要塞マクロス」や「戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー」といった変形メカアニメが人気となったことを受けたのか,モビルスーツに変形のギミックが取り入れられている。

ガンダムのトリコロールカラーには,それまで主流だったスーパーロボットアニメの雰囲気が漂う(左)。元はTV版の没機体で,両手に触手めいたムチを持つアッグガイも,スーパーロボットアニメ的なデザインだ(右)
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人型メカを飛行機風に変形させるというテーマに対し,本作の参戦機体「Zガンダム」「バウンド・ドック」「ハンブラビ」「メッサーラ」ではそれぞれで異なるアプローチに採られているのが興味深い
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 また,「新機動戦記ガンダムW」の機体は,死神を自称するデュオが乗る,死神めいた「ガンダムデスサイズヘル」,古代中国の戦士の血を引く五飛が乗る両手に龍をあしらった「アルトロンガンダム」など,キャラクター性とガンダムを強く結びつける試みが行われていた。
 「並び立つ主役たちと,その個性を反映した専用ガンダム」という図式は,前年の「機動武闘伝Gガンダム」のそれを強化したものであり,「機動戦士ガンダム00」へと受け継がれていく。

天使のような羽根を持つ「ウイングガンダムゼロ(EW版)」(左)。死神を自称するデュオが乗る「ガンダムデスサイズヘル」もまた,死神のような姿(右)
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 「機動戦士ガンダムSEED」シリーズでは,戦場における役割分担を反映したデザインという「機動戦士ガンダム」でも使われたアイデアに,羽根をモチーフとした装備,武器の一斉発射,状況に応じた換装などの派手な演出が積極的に取り入れられた。同シリーズは若年層を中心に圧倒的な支持を獲得し,シリーズに大きな影響を及ぼしたのはいうまでもない。演出もゲーム映えするものが多く,これを見たいがためにSEED系の機体を使うという人も少なくないはずだ。

「羽根」を展開して一斉射撃を行う「フリーダムガンダム」(左)。光の羽根を輝かせながら急速移動する「デスティニーガンダム」(右)
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 以上のように,さまざまな時代の流れを反映した41年にもわたるメカデザインの変遷を3Dモデルでじっくりと見られるゲームというのもなかなかにない。バトルを楽しむだけでなく,プラモデルを眺めるように,ためつすがめつしてガンダムの歴史に思いを馳せてみたり,気に入った機体のガンプラを買ってみたりするのも,キャラゲーとしての1つの楽しみ方と言えるだろう。


「ブランチバトル」や「マキシブーストミッション」で1人プレイも楽しい


 対人戦がピックアップされることの多い本作だが,「ブランチバトル」「マキシブーストミッション」といった,CPUとの戦いがメインになったモードも用意されている。対人戦が苦手な人や「ガンダムは好きだけど,慣れていない自分が対人戦に行くと迷惑を掛けてしまいそう」といった人でも安心して遊ぶことができる。

 ブランチバトルは,いわゆるCPU戦で,ブランチ(枝)の名の通り,枝分かれするステージを選びながら最終面を目指していく。慣れない機体を使っているときは低難度のステージを選び,自信があるなら難しいものを……というように,自身の腕前に合わせてステージを選択できるのが嬉しい。好成績を修めると高難度の「EXシーン」が出現するので,より手ごたえのある戦いに挑むこともできる。

「ブランチバトル」は枝分かれするステージを選択して進める
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 そしてブランチバトルの目玉は,巨大モビルアーマーをはじめとしたボスたちである。「EXTREME VS.」シリーズがスタートしたアーケード版「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」だとボスは「レグナント」と「エクストリームガンダム」くらいのものだったが,同作のPS3版からは続々とボスが参戦し,いまや20機がプレイヤーの前に立ちはだかることとなった。
 「ジオング(完成機)」は両足でこちらを蹴り飛ばし,「GNアーマーTYPE-D」は巨体なのにトランザムで素早く移動,「ストライクフリーダムガンダム(ミーティア装備)」はアニメで圧倒的だったあの大火力がこちらに向けられ,「ディビニダド」は核ミサイルを撃ってくるなど,どの機体も大暴れだ。
 さらに,「ラフレシア」の操縦席には鉄仮面が座り,「ビグ・ザム」が覚醒した際は,機体の上に小さなドズルが乗っているなど,細かな原作再現も見逃せない。1人プレイなら心置きなく負けられるので,ゲラゲラと笑いながらボスの大暴れを楽しむのもいいだろう。なお,今回は発売前で体験できなかったが,ブランチバトルにはオンラインの協力プレイも存在する。Co-op好きの人には見逃せないだろう。

「インフィニットジャスティスガンダム(ミーティア装備)」が巨体でこちらに迫ってくる(左)。よく見ると鉄仮面が座っている「ラフレシア」の操縦席(右)
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 シリーズの家庭用版ではお馴染みとなった,機体を強化しながらCPUと戦うモードが「マキシブーストミッション」だ。
 こちらは完全に1人用のモードとなっており,次々に襲いかかってくる多くの敵と僚機なしで戦ったり,使用する機体が固定されている中で戦ったりと,一風変わったバトルが用意されているのが面白い。普段は使わないモビルスーツを使うことで,その機体の意外な魅力を発見できたりもする。

「マキシブーストミッション」では,フィールド上に点在するミッションをクリアしつつ,右端のボスを目指す
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特定のミッションを高評価でクリアすると,新たなミッションが出現することがある
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「ブレイクミッション」をクリアすると,ボスの難度が下がる
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エリアの最後にはボスが待ち受ける
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 こうしてミッションをクリアすると,機体を強化できる「強化データ」が手に入る。強化データには「ビーム攻撃力UP」「実弾防御力UP」といったパラメータを上げるものはもちろん,機体の耐久値が少しずつ回復する「耐久力回復」やEXバーストの時間が延びる「EXバーストUP」など,1人モードならではの強力なものも存在する。
 強化データはそれぞれ装備するための「スロット」数が決められているので,自分のスロットと強化データの必要スロット数を見比べつつ,最適な組み合わせを探っていこう。自分のスロットは,ミッションをクリアしてレベルを上げると増える。また,強化データ自体もゲーム内通貨「GP」を支払ってレベルアップできる。最終的にはどこまで凄い強化ができるのか,挑戦してみるのもいいだろう。

ミッションで手に入れた強化データを,スロットの範囲内でセットしていく
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 本作は,対戦ゲームとしての側面と,ガンダムのキャラゲーという2つの魅力を持ったゲームだ。2対2というゲーム性も相まって個人が担う責任が重く,自分と仲間のコスト組み合わせによる“撃墜されるべきタイミング”をはじめとした独特のセオリーが存在するなど,確かに対人戦のハードルは低いとはいえない。
 とはいえ,1人用のモードも用意されているし,懐かしい機体も本作風の能力にアレンジされて登場しているので,いま対人戦の最先端に立っていないからといってプレイしないのは勿体ないとも思う。まずはブランチバトルやマキシブーストミッションでガンダムのキャラゲーとして慣れつつ,興味が湧いてきたら徐々に対人戦へとステップアップする遊び方もいいし,対戦したいという人はいきなりオンラインマッチに飛び込んでもいい。本作はいろいろな楽しみ方を持っているゲームなのだ。

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 なお,現在稼働中の「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2」では,筐体にゲームパッドが備え付けられているのに加え,設定によってはあらかじめ2クレジットを投入することによりCPU戦を3コースクリアまで遊ぶことができる。本作を遊んで興味を持った人は,ゲームセンターへ足を運ぶのも一興かもしれない。

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「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」関連PV一覧(公式サイト内)

「機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON」公式サイト

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    機動戦士ガンダム EXTREME VS. マキシブーストON

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